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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は「水草が枯れる5つの原因」を解説します。
せっかく水草を植えたのに綺麗に育っていない姿を見るのは辛いですよね。
「水草が枯れる」と一言にいっても、葉の生え変わり時に多く発生する問題の無い枯れ方や、水槽環境に起因する対処が必要な枯れ方まで、様々なものがあります。
今回はそんな水草の枯れる原因を大きく5つに分けて詳しく解説していきますよ。
ほとんどの場合、早期に対応すれば「枯れた水草を復活」させることができます。
本記事と自宅の水草の状態、水槽環境とを照らし合わせながらチェックして原因を探りましょう!
- 葉の縁が茶色くなる
- 葉が破れたようになる
- 葉が溶ける
水草が枯れるとこのような状態になります。
枯れ方で原因を特定するのは難しい部分もあるので、このような状態になったら水草や水槽環境をチェックして原因を探りましょう。
これらの水草のように葉が枯れ色のものもあるので「葉が茶色くなった=枯れた」と一概には言えません。
葉が茶色くなったらまずは水草のことを調べて、葉が茶色くなるタイプなのか確認すると良いでしょう!
こちらの5つが主な水草の枯れる原因です。
水草の新陳代謝上、どうしても枯れてしまうもの、管理者の努力でどうにかなるものまで様々です。
参考画像を交えながら詳しく解説していきますので、水槽の水草と見比べて原因を特定しまょう。
- 水上葉⇒水中葉への生え変わり
- 寿命がきた古い葉
- 元気に茂っている水草の下部
これらが原因で起きる枯れは水草の新陳代謝上どうしても起きるものです。
適した環境で手厚く管理している場合でも、ある程度発生するのでそこまで心配するものではありません。
基本的には「古い葉をカット」「ある程度下部が弱ってきたら植え替える」という対応でOKです。
言ってしまえば「問題無い枯れ」ということです!
- 水上葉=陸上の形態
- 水中葉=水中の形態
多くの水草は陸上と水中の2つで生きることができます。
陸上で栽培されているものは水上葉の状態で流通しています。
これを水中に沈めると「今ついている水上葉は枯れることもある」「新しく生えてくる葉は水中葉」という状態になります。
一見すると調子を崩して枯れているように見えますが、実際は「環境の変化に合わせて葉の生え変わりをしている」だけなのです。
とはいえ、枯れた葉があると見苦しいですから古い葉だけカットして処理すると良いでしょう。
綺麗に茂っている葉でもやがては寿命がきて枯れてしまう日がきます。
水草のタイプによって古い葉がある場所が変わります。
ロゼット型なら株の1番外側の葉が、有茎草など上に伸びる水草なら、株の下側が古い葉になります。
役目を終えた葉は「葉に穴が開く」「茶色に枯死する」などの症状を見せるので、美観を考えるとあまり見せたいものではありませんよね。
そこで、見つけ次第カットして取り除くとよいでしょう。
有茎草などの水草は、引き抜き、ダメになっている下部を取り除き、綺麗な上部だけを植えると良いでしょう。
高光量+CO2添加のある環境では、茂みを作るタイプの水草は葉を密集させるため下部に光が当たらなくなります。
光が当たらないと、徐々に葉が黄色くなり、やがて葉が落ち枯死してしまうのですが上部の葉が元気ならあまり気にする必要はありません。
茂みの作る水草は茂みを上に上にと大きくする傾向があるので、どうしても光が回らなくなり下部が傷んでしまうのです。
茂みの下部が傷んできたなら1度茂み全体を抜いて元気な上部の部分を植え直して対応しましょう。
なるべく下葉を綺麗に維持する方法
- 明るいライトを使う
- マメにトリミングをする
- 肥料切れに注意する
こちらの3つに注意することで、下葉が落ちづらくなりますよ。
なるべく明るいライトを使うことで、下部まで光が届くようになります。
また、短い間隔でトリミングをすることで、下葉が落ち始める前に下部に光を当てることができますよ。
光とは関係が無いのですが、水草が養分不足になると加速度的に下葉が落ちだすので、肥料切れにも注意するとより良いですよ。
- 水温が低すぎる(高すぎる)
- 光量が足りない
- CO2添加量が足りない
- 水質が合っていない
- 栄養不足
要するに水草の好む環境では無いから枯れてしまっているということです。
環境が合っていない場合でも、すぐに枯れてしまうことは少なく「成長しない⇒徐々に枯死する」というパターンが多いです。
ある程度立て直す時間に猶予がありますから環境を改善して元気に育つようにしましょう。
(18℃)22℃~28℃(30℃)
※()内は一応の下限と上限です
こちらが水草水槽の適温です。
冬場はヒーターを、夏場は冷却ファン、水槽用クーラー、エアコンを使い水温を調整しましょう。
水温が低すぎると代謝が下がって成長を止めてしまいます。
高すぎると代謝が高くなりすぎてしまい、水草が弱ってしまいます。
適温から外れたからといってすぐに枯死するわけではありませんが、水草が本格的に弱る前に対応しましょう。
水草は植物ですから光を浴び光合成をすることで栄養を得ています。
言わば、光がご飯のようなものです。
暗すぎる環境では光合成ができないので枯れてしまいます。
水草を水槽で育てるなら最低限ライトは揃えましょう。
こちらの記事で水草水槽におすすめのライトをご紹介しています。
どれも実際に使って確かめたものばかりですので照明をお探しの方はぜひご覧ください。
水草を綺麗に育てるにはCO2添加する必要があります。
添加してる場合でも量が不十分だと調子を崩してしまうことがありますよ。
CO2添加をしていない水槽なら「CO2無添加でも育つ丈夫な水草」を選ぶことが重要です。
弱酸性の軟水
こちらが水草水槽に最適な水質です。
ここから大きく水質がずれていると水草が調子を崩してしまいます。
特にPHが高いと「CO2、肥料の吸収効率が悪化」するので
- 明るいライトを使っている
- CO2をたっぷり添加している
- 肥料が十分にある
このように水草に適した環境であっても水草が育たなくなってしまいます。
水草用の機材揃えたけど上手く育たない。。
なんて時は水質を疑いましょう。
水草水槽の水質についてはこちらの記事で詳しく解説しましたのでぜひご覧ください。
水草が栄養不足になるとこのように色が抜けたようになります(白化すると表現します)。
白化した状態が続くとやがて枯れてしまうので肥料を入れて栄養を補給しましょう。
ただし、添加した肥料が余ってしまうと藻類の増殖を招くので慎重に対応する必要があります。
水草は「光量が少ない」「CO2添加量が足りない」「水質が合っていない」などの場合でも栄養不足の症状がでます。
そのため、肥料を添加する際は「本当に栄養不足なのか」を確認してからにしましょう。
- 水槽セット初期
- 水槽から水槽の移動
- 水草の植え替え
などなど、水草を取り巻く環境が変わると環境変化のストレスから葉が溶けるように枯れることがあります。
1度溶け始めると伝染するように広がる傾向があるので、見つけ次第、ダメになった葉、茎などを取り除きましょう。
ちょっと時間がかかるかもしれませんが、元株が生きていれば徐々に現環境に馴染んだ葉が出るようになります。
- 水槽セット直後
- 養分の多いソイルを使用している
こちらの条件が揃うと水草が溶けやすい傾向があります。
はっきりとした原因は不明ですが、どうやら多量にある有機物が悪さをしているようです。
特にアヌビアスの仲間、クリプトコリネの仲間、ブケファランドラの仲間、組織培養カップの水草が溶けやすいので注意しましょう。
フィルターに多めに活性炭を入れるのも効果的なので、養分の多いソイルを使うなら予めフィルターに入れておくと良いでしょう。
セットから1~2週間経過してろ過バクテリアが増えてくると溶けづらくなります。
バクテリア剤を使用してなるべく早くろ過が立ち上がるようにすると良いでしょう。
これはある程度仕方がない部分もありますが、移動のストレスにより枯れてしまうことがあります。
多くの場合、溶けるように枯れてしまうことが多いです。
「水上葉」の水草の方が移動のストレスに強いです。
セット初期など枯れてしまう要因が重なりやすい時期に水草を導入するなら水上葉を選ぶことでリスクを少なくすることができます。
植え替えのストレスで枯れてしまうことがあります。
水景を維持するうえで伸びすぎてしまった水草を引き抜き、サイズを調整してから植え直す作業を「差し戻し」と呼びます。
主に有茎草で行うトリミングの1つですが、長く伸びたものを極端に短くすると溶けやすい傾向があります。
特にルドウィギアの仲間は差し戻しに弱い傾向があるので注意しましょう。
水草に藻類が付くと光が当たらなくなってしまうので調子を崩してしまうことがあります。
正直なところ、藻類の付着から枯死に至るケースは少ないですが、なにより見た目が悪いですよね。
水草のためにも、見る人のためにも、なるべく藻類が増殖しないように管理したいものです。
藻類対策については藻類の種類ごとに詳しく解説した記事がありますのでぜひご覧ください。
- お掃除屋さんによる食害
- 癖が付くと水草を食べてしまうお魚による食害
- 草食性の強いお魚による食害
食害は大きくこちらの3つに分けることができます。
枯れているというよりは「食べられている」という状態ですね。
水槽で飼育する生き物の中には草食傾向に強いものもいるので、水草を食べてしまうことがありますよ。
こちらの3種は藻類対策として優秀なのですが、場合によっては水草を食べてしまうことがあります。
ヤマトヌマエビは生き物の死体や枯れた草木なども好んで食べるので、元気の無い水草も食べてしまうことがあります。
元気な水草は食べませんので、水草を調子良くキープできているならあまり心配は入りません。
サイアミーズフライングフォックスとシルバーフライングフォックスは藻類も大好きなのですが、水草のコケの仲間も大好きです。
黒髭苔など硬いタイプの藻類に有効なお掃除屋さんなのですが、コケの仲間を綺麗に茂らせたいのなら入れないほうが良いでしょう。
藻類が大量増殖している場合は仕方ありませんが、お掃除屋さんの数が多すぎると、その分食害のリスクが増えます。
なるべく水量に見合った数のお掃除屋さんを入れるよう心がけましょう。
- ラミーノーズテトラ
- グリーンネオンテトラ
- ダイヤモンドテトラ
- レモンテトラ
などなど、特にテトラの仲間に多いのですが何かの拍子に水草を食べるようになることがあります。
食べ癖がつくと柔らかい水草の新芽部分だけを狙って食べます。
1度癖が付くとお腹をいっぱいにしても、また空腹になると食害してしまうケースが多いので、あまりに食害が酷いようなら、お魚を隔離して対応するしかないのが現状です。
硬い葉や味の不味い?水草はあまり食害されないので、それらを中心としたレイアウトに変えるという方法も有効です。
食害のスイッチが入る条件
- 空腹
- 真似る
はっきりと「この場合に水草を食べるようになる」という条件までは分かりませんが、こちらの2つの要因が重なると水草を食害してしまうケースが多いです。
お魚のお腹が空く
手近な水草をかじる
食べられることに気が付く
食べている個体を見て真似る
群れ全体が食べるようになる
空腹から始まることが多いので、入荷直後など、餌を与えられていない期間が長い個体群ほど食害しやすい傾向がありますよ。
店舗でしばらく管理している痩せていない個体を買うとよいでしょう!
- 金魚
- コイ
- メチニス
- ピンクテールカラシン
- 1部のプレコ(タイガープレコなど)
などなど、草食傾向の強いお魚は水草があると食べてしまいます。
魚種によりどこまで水草を食べてしまうかはマチマチですが、これらの魚種を本格的な水草水槽で飼育するのは難しいです。
個体の性格による部分も大きいので、「まったく水草を食べない金魚」という子もいるのですが、基本的には水草を使ったレイアウト水槽には不向きと考えていたほうが良いでしょう。
乾燥と寒さから枯死したキューバパールグラス。
- 乾燥
- 寒さ
- 蒸れ
- カビ
ミスト式で水草水槽を立ち上げる場合、これらの影響で水草が枯れてしまうことがあります。
特に注意したいのが、「寒さ」と「蒸れ」です。
冬の寒い時期(気温15℃以下)、夏の暑い時期(気温30℃以上)では基本的にエアコンやヒーターを使って温度管理をしないとミスト式で立ち上げるのは難しいです。
温度管理が難しい場合は、通常通り水を張って水槽を作りましょう(水温管理は必要ですが)。
植栽直後に溶け出したニューラージパールグラス。
無菌状態で栽培される組織培養水草は水槽に植えると環境の急変によるショックから、溶けるように枯れてしまうことがあります。
真新しい養分の多いソイル(栄養系ソイル)に植えた際によく溶けることから「有機物の多い環境」に反応しているのではないか?
と推測しています。
残念ながら1度溶け出してしまうと止める手立ては現状ありません。
感染するように溶けが広がることが多いので、見つけ次第、取り除くようにしましょう。
- 養分の少ないソイルを使う(吸着系ソイル)
- 砂利、砂系を使う
こちらの2つが現状、最も有効な予防手段です。
あくまで私の場合ですが、この2タイプの底床を使った場合、ほとんど溶けが発生しなくなりました。
具体的にどこにその理由があるのかは不明ですが、溶けでお困りの方はこの2つの底床を試してみると良いでしょう。
残念ながらありません。
水草も生き物なので、枯死しないものはありません。
ですが、丈夫で水槽環境でも育てやすいものはありますよ。
当ブログの直感で選ぶ水草図鑑では簡単に気に入った水草が探せるようになっています。
丈夫な水草の一覧もご用意していますのでぜひご利用ください。
今回は「水草が枯れる5つの原因」を解説しました。
細かく分けるとたくさんの枯れる原因があるのですが、まとめると今回ご紹介した5つに集約されます。
慣れないうちは、ただただ枯れていくように感じますが、1つずつ紐解いていくことで水草が綺麗に育つようになりますよ。
すぐには上達しないかもしれませんが、ゆっくり楽しみながら前に進みましょう!
水草のことをよく観察するのが上達のコツ!
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