本記事では「水槽の水温を下げる3つの方法」をご紹介します。
アクアリウムは夏場の方が管理が難しいです。
それは水を温めるよりも「冷やす」方が大変だから。
アクアリウムは冬よりも夏に問題が起きることが多く、その原因のほとんどは「高水温」です。
5月頃より気温が30℃超える日が増えてきますので、余裕を持って高水温対策の準備しましょう。
「水温を下げる方法」「メリット、デメリット」「高水温の悪影響」など詳しく解説していきます。
初心者の方にも分かりやすい丁寧に進めていきますので、ぜひご覧ください。
20~28℃程度
これくらいの水温帯が多くの動植物にとって適温です。
日本の夏は気温が35℃以上になる日もあり、どうしても水温が上がってしまう日があります。
そのため、夏場は「水温を下げる」必要があるのです。
- 冷却ファン
- 水槽用クーラー
- エアコン
こちらの3つが水温を下げる主な方法です。
それぞれ、メリット、デメリットがありますので詳しく解説していきます。

最近は各メーカーより様々なものが発売されているので選びやすくなりました。
価格も数千円なので手に入りやすくもっとも手軽です。
仕組みは、水に風を当てて蒸発させる際の気化熱で水温を下げます。
蒸発量が多いほど冷えるので、フタは外しましょう。
仕様上、蒸発させることで冷やすので、水がどんどん減ります。
旅行等で数日空ける場合は蒸発によるフィルター、ヒーターの誤作動に注意が必要です。
大体、現在の水温から2℃~4℃程度冷やすことができます。
- 手軽
- 安価
- 省エネ
- 水が蒸発する(1日/1cm程度)
- 湿度の高い部屋では効果が薄い

高価なので導入には勇気が入りますが、もっとも確実に水温を下げることができます。
25℃以下の水温でなければ育成できないような生き物を飼育する場合は必須です。
エアコンでもかなり低水温まで下げることができるのですが、室温を下げる必要があるので人間の体調と電気代に大きな負担となります。
そのため冷水を好む生物を飼育する場合は水槽用クーラーの使用がおすすめですよ。
簡単に言うとエアコンの室外機みたいなものなので、水槽の熱を部屋に逃がすような仕様です。
そのため部屋は熱くなります。
また、強力な分、電力を消費します。省エネとは言い難いですね。
外気の影響を受けないようにすることで効率が増します。
そのため、しっかりとフタを閉めましょう。
水槽水量に合わせて機種を選ぶことになりますが、フィルターからの排熱、ライトの熱量等の周辺機材とのバランスも考えなければいけないので、詳しい方に相談しながら選んだ方が良いかと思います。
水を循環させる必要があるので、別でポンプを用意するか、外部式フィルターに接続して使用しましょう。
外部式フィルターを使用する場合は負荷による流量低下に注意が必要ですよ。
- 目的の水温まで下げることができる
- 低水温を好む生き物を飼育できる
- 高価
- 排熱で室温が上がる
- 電気代がかさむ

室温をコントロールすることで目的の水温をキープします。
一般的な水温で管理出来る生き物、植物なら最適な温度管理方法です。
店舗は基本的にエアコン+ヒーターで水温を管理しているところが多いですね。
- 冬場 = 18~20℃程度(+ヒーターを使う)
- 夏場 = 25~28℃程度
これくらいにすると程よくキープできると思います。
水槽の設置してある高さで水温にムラが出来るので注意が必要です。
天井に近いほど水温が高く、床に近いほど水温が低くなります。
また、室温を使って間接的に水温をコントロールするため、水温を変化させるのに時間がかかります。
室温を20℃以下、30℃以上にしたりと極端な水温にしようとすると暮らしづらくなりますので、その場合はヒーターや水槽用クーラーと組み合わせて水温をコントロールしましょう。
空気が乾燥するので、アクアテラリウムやパルダリウム等の湿度が大切な水槽は注意が必要です。
- 水槽に温度管理グッズを入れなくて良い(美観アップ)
- 複数の水槽をまとめて管理できる
- 温冷両方に対応可能
- 水温にムラがある
- 極端な水温は管理しづらい
- 大型水槽ユーザーの方
- 複数台の水槽を管理している方
など、場合によってはエアコンを使って管理した方が電気代が安くなる場合があります。
こちらの記事で目安となる電気代を詳しく解説しましたので、興味のある方はぜひご覧ください。

- 冷却ファン ⇒「フタを外す」
- クーラー ⇒ 「フタをする」
- サーキュレーター等を使用して室内の空気循環を良くする
水を蒸発させることで冷やすファンはフタを外す。
室温とあまり触れ合わないほうが良いクーラーはフタをしましょう。
また、どのような場合でも部屋の空気循環が良いのほうが効率良く水温を下げることができますよ。
- 藻類の発生量が増える
- 悪玉菌の活性が上がる
- 溶存酸素量が減る
- 高水温が苦手な生き物、水草がいる

水温が上がると藻類の活性が上がるため、増殖量が増えます。
一度、藻類が増えてしまうと水温が下がっても減らないので「お掃除屋さんを増量」するなどの対策が有効です。

「濁り」「臭い」「お魚の病気」などの原因になる悪玉菌の活性があがります。
一言でいうと、汚れやすくなってしまうので普段以上に「水を汚さない」ように管理しましょう。
特に「餌の与えすぎ」はお魚が太ってしまうばかりか、残り餌がとても水を汚すので注意してください。

水温が上がると、その分だけ水の中に溶けている「空気量」が減ります。
結果として水中の酸素量が少なくなりますよ。
フィルターがしっかり稼働している水槽ならほとんど問題は無いですが、このような場合は注意しましょう。
- 酸欠に弱い魚、生き物
- 大型魚
- 薬浴中
急流域など、酸素が豊富なところに生息しているものは酸欠に弱いです。
大型魚は単純に体が大きいのでその分、多くの酸素を必要とします。
また、薬浴中は酸欠になりやすいので注意しましょう。
ブクブク(エアレーション)をすることで酸欠を簡単に予防できますので、予めセットすることをおすすめします。
- 冷水域の生き物
- エビの仲間
- 多くの水草
- 多くのサンゴ、イソギンチャク
これらの生き物、水草は基本的に高水温が苦手です。
できるかぎり30℃を超えないように管理した方が良いですよ。
ダメです。
氷を入れると一時的に水温を下げることができますが、すぐに溶けてしまいまた元の水温に戻ってしまいます。
水温の急激な変動はお魚に大きなダメージがありますので、逆効果になってしまいます。
そのため、水槽に氷を入れるのは止めましょう。
今回は「水槽の水温を下げる3つの方法」をご紹介しました。
最近の気温を考えると、最低でも「冷却ファン」は用意した方が良いでしょう。
エアコンで管理してしまうのが簡単で見栄えも良いのですが、電気代が気になりますよね。
今の状況ならどの方法がコスパが良いか勘案して、対策法を選んでくださいね!

冷却ファンをつけるだけでも大きく変わりますよ!