本記事では水草水槽を「ミスト式で立ち上げる方法」を解説します。
ミスト式の登場により簡単に水草水槽が立ち上げられるようになりました。
まだまだ一般的ではないですが素晴らしい方法ですのでぜひ知っていただきたいです。
「ミスト式は何か?」「立ち上げ方」「メリット、デメリット」「管理方法」など初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説していきますのでぜひご覧ください。
水槽をセットしてから環境を安定させるまでのことを指します。
環境が安定した水槽のことを「立ち上がった水槽」と表現することもありますよ。
大体セット後1ヶ月程度が立ち上げ期間ですね。
環境が不安定なため、藻類の発生、生体への負担等のリスクが大きく、水槽管理で最も難しい期間です。
タップする目次
- 水槽のセッティグをしたら水を張らず水草を植える
- ある程度育ってから水を入れる
ミスト式を一言で説明するとこんな感じです。
イメージとしては水槽を「温室化」して水草を育てる方法ですよ。
- 水を張らない
- 水上葉、半水中葉で水草を育てる
従来の方法と大きく違う点がこちら。
大体、2~4週間程度ミスト式で管理を行い、その後水を入れて通常の管理すると良いですよ。
まずは通常通り水槽をセットする
霧吹きでソイルをしっかり湿らせる
通常通り水草を植える
湿度を保つためサランラップ等で蓋をする
乾燥防止、ムレを防ぐため霧吹きをしながら換気する
2~4週間後、注水する
あとは通常通り水槽を管理する
- 湿度管理
- 温度管理
- 空気の入れ替え
- 底床はソイルがおすすめ
- 水は張らない
- 期間
水草は乾燥に弱いので湿度を高く保つ必要があります。
水槽にフタをして密閉するようにしましょう。

見た目を許せるならサランラップが一番簡単です!
15℃~30℃以内
水草の成長は温度の影響を強く受けます。
低温過ぎても高温過ぎても良くありません。
上記程度の温度になるようエアコン等でコントロールしましょう。
春と秋にならエアコンを使わなくても良いのでミスト式の立ち上げに向いている時期ですね。
観葉植物を育てている方はご存知かもしれませんが、植物は新鮮な空気が大好きです。
1日1回、フタを開けて霧吹きを全体にかけてあげましょう。
ミスト式で立ち上げるなら底床はソイルがおすすめです。
土なので水を良く吸収するためあまり乾燥しなくなりますよ。
基本的に水位は「0cm」にしましょう。
湿度は保た無いとダメですが水が溜まると「藍藻」「カビ」などの発生原因になってしまいます。
霧吹きを日々続けていると、どんどん水が溜まっていきますのでエアーチューブ等を使って水を抜くようにしてください。
ミスト式で立ち上げる場合は藍藻対策は覚えた方が良いのでこちらの記事で予習すると良いでしょう。
2~4週間程度
これくらいが目安です。
水草が根付き、新しい葉を展開するようになったら水を張りましょう。
あまり長期間ミスト式をしてもメリットは少ないですよ。
- 換水不要
- 藻類対策不要
- CO2添加不要
- 底床のラインを維持しやすい
- 活着水草の付けるのが簡単
- 水草が育てやすい(不向きなものもある)
- 温度管理が大変(時期による)
- 藍藻が生えやすい
- カビが生えやすい
水を張らないので換水の必要がありません。
ミスト式の1番のメリットかもしれませんね。
水を張らないので藻類が生えません。
そのため、藻類対策そのものが要りませんよ。
※藍藻だけは生えやすいので注意が必要ですが
空気からCO2を吸収するためCO2添加が不要です。
ミスト式で管理している間はガス代が節約できますよ。
水が無いため「盛り土」のラインを維持しやすいです。
急角度で盛った場合でも水草が根を張るまでミスト式で管理すれば崩れづらいですよ。



高く盛り土をするならミスト式がマストです!
通常、水草を活着させるためには「巻きつける」「接着する」などの方法が必要です。
しかしミスト式で管理するならしばらく石や流木の上に「乗せておくだけ」で活着させることができますよ。
水草は根を下ろし体を固定するまでの間、成長がストップします。
根を張るまでミスト式で管理することで、水を張った直後から成長を始めるため藻類に負けづらいですよ。
水草の成長は温度に左右されます。
そのため、真冬と真夏はエアコンを使って室温をコントロールする必要があります。
4月~6月、9月~11月は管理しやすいのでミスト式での立ち上げに向いている時期と言えます。
ミスト式の環境は藍藻にとってベストコンディションです。
藍藻対策をマスターしたうえでミスト式にチャレンジすると失敗が少ないと思いますよ。
幸い、藍藻対策は簡単です。
魚病薬「グリーンFゴールド顆粒」を使えばあっさり対処可能です。
詳しくはこちらの記事をお読みください。
ミスト式の環境はカビにとってもベストコンディションです。
カビが生えると水草が枯れてしまうので、見かけたらすぐに取り除くようにしましょう。
- 前景草
- 組織培養カップの水草
- 水上葉の有茎草
- 活着水草
前景草は全般的にミスト式に向いています。
特にキューバパールグラス、ウォーターローンなど難易度の高い水草はミスト式にて立ち上げることをおすすめします。


このようなカップで販売されている「組織培養水草」は基本的にミスト式向きです。
そもそもこのカップ自体がミスト式みたいなものなので、問題無くミスト式に適応します。
「藻類の混入が無い」「貝の混入が無い」「無農薬」など組織培養水草にはメリットが多いですので、ミスト式以外の立ち上げでもおすすめですよ。
基本的に水上葉で販売されている有茎草はミスト式に向きます。
短くカットして植えるのがポイントです。
活着性のある水草は基本的にミスト式に向いています。
ミスト式なら活着するまでの間に動いてしまうことが少ないので、より簡単に活着させることができますよ。
- 球根、根茎のタイプ
- 水中葉しか持たない水草
- 水中葉の状態の各水草
ニムファ、アポノゲトンなど球根、根茎タイプの水草はミスト式に不向きです。
「葉が柔らかい」「葉柄が長い」などの理由から水を張って管理した方が良いです。
バリスネリア、アナカリスなどの水中葉しか持たない水草はミスト式に不向きです。
水中でないとしおれてしまうので調子を崩してしまいます。
こちらも同様にしおれてしまうので調子を崩してしまいます。
ミスト式に使うなら水上葉のものを選びましょう。
こちらの記事で実際にミスト式で水槽を立ち上げる様子をご紹介しています。
制作過程を動画でもまとめましたので興味のある方はぜひご覧ください。
15℃~30℃以内になっていないと生長が悪いです。
低温では極端に成長スピードが遅くなります。高温では枯れてしまうかもしれません。
空気が淀んでいると水草に病気が発生することがあります。
また、暑い時期に熱がこもると蒸れてしまって溶けて枯れてしまうことがありますよ。
溶けた水草の汁みたいなのが他の水草に付くと伝染してどんどん溶けていくので、ダメになった水草はすぐに処分しましょう。
植え込んだ直後の場合、植替えのストレスから溶けてしまう場合があります。
ある程度は仕方のないことですので、諦めて取り除きましょう。
水槽にフタをして湿度を保ちましょう。
水槽の内側が結露して中が見えないくらいの感じが目安です。
市販されている水槽用のフタは密閉出来ないものがほとんどなので、サランラップ等で隙間を埋めるようにすると良いです。
水中葉の水草の場合、ミスト式ではしおれてしまいます。
組織培養カップ、水上葉の水草などミスト式に向く水草を使いましょう。
大きな害はありませんが水草に付くと溶けてしまうことがあるので、付いていたら取り除いてください。
何か養分になるものがあるとカビが出てきます。
石、流木、水草はよく洗ってから使用するとある程度防げますよ。
たくさん出てきて対処が大変なら水を張ってしまいましょう。
カビは水中ではあまり問題になりません。ヤマトヌマエビ等のお掃除屋さんがいれば食べてくれますよ。


こちらを使うことである程度カビを予防することができます。毎日一度シュッシュッとすればOKですよ。
ミスト式の環境は藍藻にとって天国に近いです。
やつらはどこにでもいるので適した環境下では大きく成長してしまいます。
目に付くところは底床ごと抉り取る、水草を処分するなどして対処しましょう。
実は薬品を使うと簡単に対処できます。
水草水槽を楽しむなら藍藻とは長い付き合いになるので対処法をマスターしておきましょう。
詳しくはこちらの記事をお読みください。
基本的に水草が根付く、活着するまでミスト式で管理すれば良いです。
あまり長期間ミスト式で管理してもメリットは少ないですよ。
長期間になればなるほど藍藻のリスクが増します。
基本的にあげないほうが良いです。
底床が砂利など肥料がまったく無い場合は水草が育ちませんので、霧吹きに肥料を混ぜて与えましょう。
規定量の10分の1など極少量で大丈夫ですよ。
今回は「ミスト式で立ち上げる方法」を解説しました。
ミスト式は難しい立ち上げ時期を簡単にしてくれる素晴らしい方法だと思います。
特にこれから水草水槽を始められる方はぜひミスト式で立ち上げてみてください。
ただし、藍藻対策はマスターしておいた方が良いでしょう!



僕はミスト式で立ち上げることが多いです!