本記事は「水槽で生える藻類対策」をご紹介します。
藻類が出ると水槽見たくなくなりますよね。そして手を入れなくなり水槽が崩壊する。。
アクアリウムを止めたくなるパターンですね。
そこで今回は「藻類対策の心構え5か条」「藻類が増殖する原因」「水槽サイズ別お掃除屋さんリスト」「藻類一覧」など藻類対策に必要な情報をまとめました。
すでに藻類でお困りの方は「藻類一覧」にて藻類を確認してからお掃除屋さんを選ぶとより効果的ですよ。
本記事を活用すれば藻類の少ない水槽がキープできるようになるはずです。
いつもどおり丁寧に解説していきますので藻類でお悩みの方はぜひご覧ください。
長い記事ですので「目次」をご活用ください!
本記事の内容を前後編に分けて動画にしました。
こちらも併せてご覧になるとより理解が深まります!
- 藻類は必ず発生する
- お掃除屋さんを活用する
- お掃除屋さんが食べる量>藻類の増殖量
- 手で取る
- なるべく持ち込まない
水槽では藻類は必ず発生するものとして考えましょう。
アクアリウム環境は藻類にとってとても生活しやすい環境です。
そのため、水槽に水を張ると自然と藻類が生えてきますよ。
生えることを完全に防ぐことはかなり難しいので、生えてきた藻類を「お掃除屋さんに食べてもらうこと」でキレイにするというのが基本です。

「藻類が生える環境=生き物にとって悪い環境」というわけではありません。あくまで人間から見た美観のお話です。
基本的にお掃除屋さんを適量入れて藻類を食べてもらいましょう。
お掃除屋さんがほとんどいなくてもキレイにキープできることもありますが、まずはお掃除屋さんに藻類を食べてもらいましょう。
お掃除屋さんの適正量については後ほど詳しく解説します。
藻類対策で最も重要なポイント!
どんな水槽でもこの方程式を守ることで藻類の少ない環境を維持できますよ。
「食べる量」が「増える量」より少ないと藻類はどんどん増えてしまいます。
お掃除屋さんの数を調整して必ず食べる量が勝るようにしましょう。
気がついたところはなるべく取り除きましょう。
人間の手では藻類を完全に取り切れませんが、見かけたら取り除くようにすると藻類の総量を減らせます。結果的にお掃除屋さんの負担を減らせますよ。
藻類をお掃除しても水に藻類の粒子が漂っていると効果が薄いです。
藻類掃除をしたら必ず換水をしましょう。



手で取れない部分をお掃除屋さんに頼るイメージで!
藻類が付いているものをなるべく水槽に入れないようにしましょう。
藻類は自然発生的に出てくるので、完全に元を断つことは難しいです。
ですが、外部からの持ち込みをなるべく少なくすることで増殖量を減らすことができますよ。
- 新しくお魚を入れる時 → 「水合わせ」をしっかり行う
- 新しく水草を入れる時 → 「組織培養水草」を使う
このような対応をすることで、藻類の侵入をなるべく少なくすることができます。
お魚はしっかりと「水合わせ」を行い、元の水をなるべく水槽に入れないようすると効果的です。
水草は「組織培養」のものを使うことで、藻類の侵入を断つことができますよ。




- 自然発生
- 持ち込み
藻類の発生原因は主にこちらの2つです。
アクアリウムは藻類が生活しやすい環境なので、どんなにキレイにキープしている水槽でも少なからず発生します。
また、お魚や水草を新しく導入する際に藻類がついてきてしまうことがありますよ。



藻類を発生させないことはほぼ不可能です。いかに増やさないかがポイントですよ!
- お掃除屋さんが少ない、種類が合っていない
- ライトの点灯時間が長い
- 餌の量が多すぎる
- 養分が多すぎる
藻類の増殖原因はたくさんあり、どんな水槽かによっても大きく変わるのですが特に多いのがこちらの4つ。
藻類対策は増えづらい環境を作ることが大切です。
まずはこちらの4つをチェックしてみましょう。


お掃除屋さんの「食べる量」が「藻類の増殖量」に負けていると藻類はいつまで経っても無くなりません。
お掃除屋さんがいるのに藻類が減らないようなら、数が足りなりていないのかもしれませんよ。
また、得意な藻類が違いますので、藻類に合ったお掃除屋さんのを入れることも大切です。
お掃除屋さんの適正量、得意な藻類については後ほど詳しく解説します。
- 生体メインの水槽 = 5時間程度
- 水草メインの水槽 = 8時間程度
ライトの点灯時間はこれくらいを目安にしましょう。
また、点灯時間は長くても「10時間以内」にしてください。
藻類が出ている場合は一時的消灯するか、短時間点灯にすると良いですよ。
こちらの記事で「点灯時間」「藻類が出た時の点灯時間の調整法」などをまとめてあります。
興味のある方はぜひ覧ください。





明るい環境を好むもの(水草やサンゴなど)がメインで無いなら藻類が無くなるまで消灯すると効果的ですよ!


- 藻類が利用する養分が増える
- お掃除屋さんのお腹が餌でいっぱいになる
このような理由から餌は少なめが良いです。与えすぎに十分注意しましょう。
特に黒髭藻類は餌の与えすぎから増えることが多いですよ。
餌の量の目安は「お魚の目の大きさ」です。
片目くらいの量を1日一回程度与えればOKです。
また、お魚の数が多いと、その分与える餌が増えるため水が汚れやすくなります。
水量に合った数の魚を飼育するようにしましょう。
「稚魚の育成」「繁殖を狙っている」「大きく育てたい」などの理由から餌を多く与えたい場合もあるかと思います。
その場合はフィルターを増設する、換水量を増やすなどで対応しましょう。




- 肥料分の多いソイルを使っている
- セット初期である
- 肥料の使い方が間違っている
このような場合、養分過多になる可能性があります。
こちらは特に水草水槽に多いパターンですね。
植物を育てるための設備が揃う水草水槽は特に藻類の生えやすい環境ですよ。
水草水槽における藻類の増殖原因はこちらの記事で詳しくまとめましたので、お困りの方はぜひご覧ください。




「藻類がまだ無いならこれくらいでキレイにキープできるかも」という数
「藻類がある程度増えてしまったらこれくらい入れないと減らないよ」という数
こちらがお掃除屋さんの数と種類のリストです。
「オトシンクルス」「ヤマトヌマエビ」はどの藻類が出ている場合であっても入れたほうが良いです。
「サイアミーズフライングフォックス」「石巻貝、カノコ貝」「タニシ、シジミ」は発生している藻類に合わせて入れましょう。
藻類の種類については後ほど詳しく解説します。
また、各お掃除屋さんについては別記事にて詳しく解説しました。
お掃除屋さんを実際に水槽を入れる前にご覧になることをおすすめします。



「予防」と「駆除」の数に注目してください!一度増えた藻類を駆除するのは大変です。できることなら予防したほうが色々な意味で楽ですよ。
藻類の種類 | オトシン | ヤマト | ミナミ | サイアミ | 石巻、カノコ貝 | ブラックモーリー | タニシ、シジミ | グリーンFゴールド顆粒 | オキシドール |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
茶藻類 | 駆除 | 駆除 | 駆除 | 駆除 | |||||
トロロ昆布状藻類 | 駆除 | 駆除 | 駆除 | 駆除 | |||||
ガラス面に付く藻類 | 駆除 | 駆除 | |||||||
斑点藻類 | 予防 | 予防 | |||||||
アオミドロ | 駆除 | 予防 | 駆除 | ||||||
芝生状藻類 | 駆除 | 予防 | 駆除 | ||||||
マリモ状藻類 | |||||||||
黒髭藻類 | 駆除(大量) | 駆除(大量) | 駆除(大量) | ||||||
サンゴ藻類 | 特効 | ||||||||
藍藻 | 予防 | 予防 | 特効 | 特効 | |||||
アオコ | 駆除 |
各お掃除屋さんが食べる藻類をまとめました。
それぞれ「予防」と「駆除」に分けてあります。
基本的に駆除出来るものは予防にもなるとお考えください。
こちらの11種類が主に発生する藻類です。
藻類の名前は私が現場で使っているものです。正しい名前では無いのかも知れませんが店舗で相談する際に伝わりやすいかと思いますよ。
それぞれタップすると詳細部分にジャンプしますのでご利用ください。
また、独断と偏見から藻類の評価ボックスを作りましたので参考までにご覧ください。
各★が少ないものほど簡単に対処できます
【見た目の悪さ】文字通り見た目のインパクトです。対処難易度には関係ありませんが美観が大切なアクアリウムでは重要な点だと思います。
【増殖速度】基本的に増えるスピードが速いものほど対処が難しくなります。この項目の★が多い藻類が出たらなるべく早く対応した方が良いですよ。
【食べにくさ】お掃除屋さんがあまり食べないものは★が多いです。硬い藻類、まずい?藻類はあまり食べてくれません。
【手強さ】総合的に見た対処難易度です。★が多いものは「増殖速度が速い」「お掃除屋さんがあまり食べない藻類」です。★が多いものは基本的に予防できるかどうかがキレイに水槽を管理するコツです。
セット初期などのろ過が不安定な時期に発生する藻類。柔らかく簡単に対処できます。
冷凍アカムシなどの生き餌系をあげていると出やすいですね。
特にガラス面、石、流木などの平たい所に張り付くように発生します。
- オトシンクルス
- ヤマトヌマエビ
- ミナミヌマエビ
- 石巻貝、カノコ貝の仲間
ソイルを使った水草水槽の立ち上げ時に必ずと言ってよいほど出る藻類。
増殖速度がとても早く、見た目のインパクトが凄いですが対処は簡単です。
初めて見る方はとっても悲しい気持ちになると思いますが、柔らかい藻類なのでお掃除屋さんが好んで食べます。
また、ホースなどで簡単に吸い出すことができますよ。
- オトシンクルス
- ヤマトヌマエビ
- ミナミヌマエビ
- サイアミーズフライングフォックス
定期的にガラス面に発生する藻類です。
コイツの発生頻度で水槽のコンディションが測れます。
2週間くらいお掃除しなくてもガラス面がキレイなら、その水槽の藻類対策が上手くいっていますよ。
こちらの藻類はかなりコンディションが良い水槽であっても一定期間でガラス面に付きます。
- オトシンクルス
- 石巻貝、カノコ貝の仲間
平たいところに発生する斑点状の藻類です。
成長の遅い藻類なので、2週間くらいガラス面のお掃除をサボると発生しますよ。
硬い藻類なのでお掃除屋さんはあまり食べません。
スクレーパーなどでこそげ落とすようにすると良いでしょう。
- オトシンクルス(予防)
- 石巻貝、カノコ貝の仲間(予防)
初心者の壁その①。
緑色をした長い糸状の藻類です。
殖えるスピードが早いので早めの対策が必要ですよ。
見かけたら歯ブラシなどで絡めとるように取り除きましょう。
- ヤマトヌマエビ
- ミナミヌマエビ(予防)
- サイアミーズフライングフォックス
2~3mm程度の短い絨毯みたいな藻類です。
平たいところなら「ガラス面」「石、流木」「水草の葉」など様々なところに生えます。
対処の難しい藻類でお掃除屋さんがあまり食べません。
また、水草と好きな環境が同じなので調子の良い水槽であっても増殖することがあります。
- オトシンクルス(予防)
- ミナミヌマエビ(予防)
- ヤマトヌマエビ
- 石巻貝、カノコ貝の仲間



お掃除屋さんを適正量入れて予防し続けることが大切です!


発生頻度はあまり多くありませんが、時折、水の淀んだ場所に発生します。
増殖速度がとても遅く、あまり発生しないため脅威ではありません。
お掃除屋さん達はほとんど食べないので見つけたら取り除きましょう。
1つの塊みたいになっているので、ピンセットなどで摘み取るようにすると良いですよ。


こんな感じに茂みの中で絡まるように増えます。
- 無し


初心者の壁その2。
一点からボンボン状に生えてくる髭状の藻類です。5mm程度の長さであることが多いですね。
環境によって「赤」「灰色」みたいになることもありますよ。
ろ過が安定してきた頃に発生するため逆に対処が難しい藻類です。
そして硬いためお掃除屋さんはあまり食べてくれません。
幸い、増殖速度はあまり早くありません。見かけたらなるべく手で取り除きましょう。
黒髭藻類対策は別記事にて詳しく解説しています。
お困りの方はぜひご覧ください。
- ヤマトヌマエビ(大量に必要)
- サイアミーズフライングフォックス(大量に必要)
- 石巻貝、カノコ貝の仲間(効果は限定的)




灰色をしたサンゴのような形状の藻類。
お掃除屋さんがほとんど食べてくれない厄介なやつです。
幸い増殖速度は速くないので見つけ次第取り除くようにしましょう。
「オキシドール」がかなり効果があることを確認しています。実験的な使用方法ですがお困りの方はこちらの記事を参考にしてみてください。
- 無し


最凶の藻類として悪名高いですが、薬品を使うことであっさり倒せます。
お掃除屋さんは多少食べてくれますが、あくまで予防程度に考えましょう。
こちらの記事で、藍藻によく効く「グリーンFゴールド顆粒」「オキシドール」の使い方など私が行っている藍藻対策を解説しています。
お悩みの方はぜひご覧ください。



- ブラックモーリー(予防)
- 貝の仲間(予防)


藻類というよりは植物プランクトンの異常増殖です。
通常の藻類とは異なり、水のものが緑に染まったように見えます。
屋外では参考画像のように抹茶色になりますが、屋内の水槽では「うっすら濁っている」ように見えます。
アオコが発生している場合、ガラス面に短時間で緑色の膜ができます。
さっき掃除したのにもうガラス面が緑になってる。。
なんて時はアオコかもしれません。
「タニシ、淡水シジミ」などがたくさん食べてくれますが、おすすめの駆除方法は「凝集剤」を使うことです。
私のおすすめ凝集剤「ADA クリアウォーター」の使い方をこちらの記事でご紹介していますので、お困りの方はぜひご覧ください。


- タニシ、淡水シジミ



アオコが出ると常に青汁を飲んで生活しているような感じなので、生き物は元気になることが多いです!
元気なお掃除屋さんが藻類を食べないことはありえません。
必ず「お掃除屋さんの食べる量」>「藻類の増殖量」となるように入れないといつまで経っても藻類は減りませんよ。
また、お掃除屋さんには得意とする藻類があるので、食べない藻類は全然食べません。
基本的に藻類が減らないならお掃除屋さんを追加しましょう。
得意な藻類についてはこちらでまとめています。
また、お掃除屋さんをまとめた記事もご用意しましたのでこちらもご覧ください。



水槽セット直後にヤマトヌマエビを入れるとそんな感じになりますね。
投入後、大体1~2週間くらいで動き出しますよ。
安く販売されているヤマトヌマエビは漁師さんから直接仕入れて販売しているケースが多いので水槽環境に慣れていないことが多いです。
すぐに活躍するヤマトヌマエビが欲しいならちゃんと管理しているお店で手に入れてくださいね。
お掃除屋さんはあまり食べてくれない藍藻ですが「グリーンFゴールド顆粒」を使えば楽勝です。
薬を使うことに抵抗がある方もいるかもしれませんがこれが藍藻対策の一番簡単な方法だと思います。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。


今まで対応策が無かったサンゴ藻類ですが「オキシドール」が特効薬になることを確認しました。
まだ研究段階なので投入量に課題を残していますが抹殺できますよ。
直接スポイトで吹きかけると数日で枯れます。
お掃除屋さんで対応出来なくも無いのですが大量投入が必要なのでコストがかかります。
できることなら予防したいですね。
一番の予防策は水草を元気にすることです。
特に水質調整が出来ると効果大ですよ。
「pH5.5~6.5」「軟水」に調整できると良いですね。
また、エサの量が多いと黒髭藻類は増えやすくなります。餌は少なめにしましょう。


今回は「藻類対策」を解説しました。
ご紹介した内容を1つ1つ試していくと、確実に藻類が少なくなります。
藻類と上手に付き合うことは、初心者脱却の壁の1つです。
この記事がアクアライフの助けになれば幸いです!



早め早めに対応しましょう!