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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は「陰性水草と陽性水草 」を解説します。
育成するのに必要な光量からざっくりと水草を分類したもの、それが「陰性水草と陽性水草」です。
単に丈夫な水草=陰性水草とされることも多いのですが、微妙にニュアンスが違うのでしっかりとご説明していきたいと思います(マニアックですが)。
「陰性、陽性水草とは」「陰性、陽性水草の代表種」「光量の目安」「陰性、陽性水草を同時にレイアウトする場合」など、ご質問の多い事柄を中心に詳しく解説していきます。
初心者の方にも分かりやすく進めていきますので、興味のある方はぜひご覧ください。
おすすめの陰性水草はこちらの記事でまとめて紹介しています。
お探しの方はぜひご覧ください。
- 比較的暗めの環境でも育つ水草
- CO2無添加でも育つ水草が多い
- 葉が比較的大きく、硬いものが多い
- 濃い緑色をしたものが多い
- 比較的明るい環境を好む水草
- 種類によってはCO2添加が必要
- 葉が比較的柔らかいものが多い
- 明るい緑、濃い緑、赤、オレンジ、黄色など様々な色のものがある
こちらが陰性、陽性水草の定義です。
陰性、陽性水草をはっきり区別する指標のようなものはありません。
「暗めの環境でも育つ丈夫な水草を陰性水草」「比較的明るい環境を好む水草を陽性水草」という割とアバウトな感じです。
メディアによって微妙に線引が違うのはこのため。
- 暗め、CO2無添加でも育つ水草が多い⇒ 陰性水草
- 華やかで色鮮やか水草が多い⇒ 陽性水草
育成、見た目の印象からみるとこんな感じでしょうか。
丈夫で育成が簡単なものが多い陰性水草は「初心者向け」、見た目が華やかで人気の高い陽性水草が「本格的な水草水槽向け」というふうに括られることが多いですね。
次項で代表的な陰性水草と陽性水草を5種類づつご紹介します。
「暗くてもある程度育つ水草=陰性水草」「それ以外が陽性水草」という感じです!
- ミクロソルム プテロプス
- アヌビアス ナナ
- ボルビティス ヒュディロッティ
- ウィローモス
- クリプトコリネ ウェンティーグリーン
シダの仲間やコケの仲間、アヌビアス、クリプトコリネ、ブケファランドラなどのサトイモの仲間の水草は陰性水草が多いです。
総じて、大振りで濃いグリーンの葉を持つものが多いので水槽にポイント的に取り入れる方が見栄えが良いですよ。
基本的に陰性水草はCO2無添加でも育つので、初心者向けのものが多いです。
- 水草の中で1番丈夫かもしれない
- シダの仲間
私が1番丈夫だと思う水草。
水中で育てられるシダの仲間で、陰性水草としては比較的明るい葉色をしています。
石や流木に活着する性質があるので、巻きつけて配置するのもおすすめです。
こちらも「丈夫な水草」の代表種として扱われることの多い水草です。
丸い大きな葉はボリュームがあり小型水槽なら1株あるだけでも様になります。
ミクロソルム同様、石や流木に活着する性質があるので巻きつけて配置するのもおすすめです。
- 水草レイアウトによく使われる
- シダの仲間
透明感のある深いグリーンという他に無い色合いが素敵な水草です。
独特の風情からコケの仲間と一緒に石、流木に活着させることで永い時間経過を感じさせる雰囲気を作ることができます。
綺麗に育てるコツは軟水をキープすること。
イマイチ調子が上がらない時は水質をチェックしてみましょう。
- 丈夫で育てやすい
- 石、流木に活着させることができる
- 稚魚、稚エビの隠れ家
などなど、何かと便利なので様々なアクアリウムシーンで使われる水草です。
丈夫で初心者の方にもおすすめなのですが、石や流木に活着させることで本格的な水草レイアウトにも良く使われます。
初心者から上級者までお世話になる水草ですね。
大胆にトリミングするのが綺麗に保つコツ。
- 環境によって変わる葉色
- クリプトコリネの仲間
環境によって葉の色が変わる面白い性質のある水草です。
- 明るめの環境⇒ 葉に茶色が混じる
- 暗めの環境⇒ グリーンの葉
このように、光量に合わせて葉色が変化する傾向があります。
「他の水草の影になるところ」「光がよく当たるところ」など植分けると同じ水槽でも色の変化を楽しめますよ。
- リシア
- グリーンロタラ
- ロタラ ロトンディフォリア ‘レディッシュ’
- エウステラリス ステラータ ‘ダッセン’
- グロッソスティグマ
「たくさん気泡を付ける」「明るいグリーン」「真っ赤」「絨毯になる」など、陽性水草には様々な表情があります。
葉が細かい、色が明るいものは基本的に陽性水草と判断してよいでしょう(例外もありますが)。
丈夫なものもありますが、人気のある見た目をしているものはCO2添加が必要なものが多いです。
適した環境下では葉一面に酸素の気泡を付けるコケの仲間です。
本来は水に浮かんで生活をしているので、レイアウトする際は糸で石、流木に巻き付けて配置するのが一般的です。
癖の無いグリーンの葉色がどんなレイアウトにも似合う大人気の水草です。
トリミングを繰り返すことで、密度の高い森を作ることができる「茂みになる水草」です。
華やかな明るい雰囲気のレイアウトを作るなら特におすすめの1種です。
- 真っ赤になる水草の代表種
- 有茎草
「おすすめの真っ赤になる水草は?」と聞かれたら、私は1番にこいつを紹介しています。
赤系水草の中でも特に赤く仕上げやすく、レイアウトにも取り入れやすいので使いやすい水草ですよ。
上記のグリーンロタラなどと組み合わせてレイアウトするとコントラストの効いたレイアウトになります。
- 黄色~赤色の葉
- 有茎草
やや大振りな細かな葉、黄色~赤色の葉というワンポイントに使いやすい特徴を持つ水草。
しっかりと黄色になる水草は意外と少なく、有茎草をたくさん使ったレイアウトでは使用頻度の高い種類です。
- 緑の水草をより緑に
- 赤い水草をより赤く
このように、より鮮やかに見せたいなら黄色い水草を合間に配置するのがおすすめです。
良い引き立て役になってくれますよ。
かいわれ大根のような可愛らしい葉を絨毯のように茂らせる前景草。
絨毯のようになる水草は基本的に高光量+CO2添加が必要な陽性水草です。
本種を育てるならしっかり育成設備を揃えてからチャレンジされることをおすすめします。
サイズ | 丈夫な水草 | 本格水草水槽 |
---|---|---|
30cm | 350lm程度 | 700lm程度 |
45cm | 1000lm程度 | 2000lm程度 |
60cm | 1500lm程度 | 3000lm程度 |
90cm | 3000lm程度 | 6000lm程度 |
120cm | 4000lm程度 | 8000lm程度 |
180cm | 6000lm程度 | 12000lm程度 |
こちらは水草水槽の光量の目安を簡単に表にしたものです。
光量はライト本体のlmという値を見て選ぶと分かりやすいです。
- 陰性水草⇒ 丈夫な水草
- 陽性水草⇒ 本格水草水槽
の欄を目安にライトを選ぶと良いでしょう。
こんな感じでライトのパッケージやメーカーHPにlmが記載されていますので、お使いの水槽サイズに合ったものを選びましょう。
水草水槽におすすめのライトはこちらの記事でまとめて紹介していますのでぜひご覧ください。
より多くを必要とする水草に合わせましょう。
基本的にレイアウトに使う水草の中で1番要求の多い種類に合わせて機材をセッティングします。
陰性水草を中心に水草を植えているとしても、1種類でも陽性水草が入っているなら明るい環境を用意する必要があります。
このように陰性水草(ボルビティス・ヒュディロッティー、ウィローモス)と陽性水草(グロッソスティグマ)を組み合わせてレイアウトするなら、より明るい環境を好むグロッソスティグマに合わせてライトを選ぶ必要があるというわけです。
こちらの水槽は陰性水草(南米ウィローモス)と陽性水草(グリーンロタラ、ロタラ・インジカ、ラージパールグラスなど)を組み合わせて作りました。
陰性水草と陽性水草を組み合わせたレイアウトは、どちらかだけを使ったレイアウトよりも、より華やかでより深みのある水景になります。
「前景と後景は陽性水草」「陰性水草は石、流木に活着させて中景に使う」なんて組み合わせが人気です!
シダの仲間やコケの仲間の中には明るすぎる環境では「葉焼け」を起こして調子を崩してしまうことがあります。
葉焼けとは強い光などに晒されて葉の一部が変色(主に黄色や茶色)することです。
明るいほうが水草が良く育つ面もあるのですが、強すぎる光は水槽環境では逆効果になることも多いです。
ライトを選ぶ際はこちらの表からlm値があまり逸脱しないものを選ぶと良いでしょう。
明るければより良い!とは単純に言えないです、、
残念ながらありません。
水草の葉が赤くなるのは強い光に反応した結果なので、残念ながら私は赤系水草を陰性水草と呼ぶことはできないと考えています。
枯れなくても赤みが薄れて、緑色、茶褐色のような色になってしまうからです。
ですが、赤い水草の中にも丈夫なものがありますので、4種ご紹介します。
こちらは比較的暗め、CO2無添加の環境でも育てやすいですよ。
すべての陰性水草が活着するわけではありませんが、活着する水草の多くは陰性水草です。
活着とは、水草が石や流木に根付くことを言います。
糸やビニタイ、ボンドなどで水草を固定して時間が経過すると、自然と根付き水草が固着しますよ。
活着する性質を持つ水草は全体的に暗めの環境でも育つ水草なので、陰性水草が多いです。
=丈夫な水草が多いと言えますので、初心者の方にもおすすめの水草カテゴリーですね。
活着方法は別記事で詳しく解説しましたので、興味のある方はぜひご覧ください。
基本的に育てられます。
陰性水草は基本的にCO2無添加でも育てられます。
丈夫なものが多い陰性水草は、水草育成用の機材が揃っていない水槽でもある程度育成することができますよ。
こちらで丈夫な水草をまとめてご紹介していますので、CO2無添加でもある程度育つ水草をお探しの方はぜひご覧ください。
陰性水草など丈夫な水草であってもCO2添加をすることで水草本来の美しさを引き出すことができます。
葉の色艶up、成長速度up、酸素の気泡が見られるなど、CO2添加をすることの恩恵は大きいので水草を綺麗に育てるなら、ぜひCO2添加をご検討ください。
厳密には必要ですが、CO2無添加ならとりあえず入れなくても良いでしょう。
水草の成長には養分が必要不可欠です。
そのため、肥料添加が必要になるのですが、成長の緩やかな陰性水草はあまり養分を必要としません。
CO2無添加の場合は活性が上がらないので、さらに成長が緩やかになりますよ。
- CO2無添加⇒ 基本的に肥料無し
- CO2添加有⇒ カリウム・微量元素肥料を少なめに与える
このように状況に応じて、肥料を使い分けると良いでしょう。
CO2無添加なら肥料添加をほとんどしなくても陰性水草でしたら問題無く育成できるはずです。
添加有りの場合は、カリウム・微量元素系の肥料を少量添加して様子を見ましょう。
肥料は余ると藻類の増殖につながるので慎重に対応しましょう!
当ブログの「直感で選ぶ水草図鑑」では、レイアウトの雰囲気や使いたい場所、水草の種類・タイプなどから簡単に水草を探すことができます。
どなたでも無料で使えますので、水草レイアウトの制作にぜひご活用ください!
今回は「陰性水草と陽性水草」を解説しました。
線引が曖昧な分、意外とご質問の多いのでまとめてみました。
ざっくりと「暗くてもある程度育つ水草=陰性水草」「それ以外が陽性水草」という具合にとらえておけばOKでしょう。
陰性水草は丈夫なものが多いので初心者の方にもおすすめです。
陽性水草には華やかなものが多いので多くの方が育てたくなるものばかりですよ!
水槽環境、好みに合わせて水草を自由に選んでくださいね!
この記事が参考になったら感想を教えてもらえると嬉しいです。
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