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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事では水草の「栄養不足症状の見分け方と対策」を解説します。
水草が栄養不足になると色が薄くなります。
栄養不足の場合、肥料添加をおすすめすることが多いのですが、実は「水草が栄養を吸収できる環境」で無いなら肥料添加の効果はほとんどありません。
栄養不足になっていたとしても、水草が元気に育つ環境を整えてから肥料を添加することが大切ですよ。
今回は「栄養不足の症状の見分け方」「栄養不足になる原因」「肥料を入れる前にチェックすること」などを丁寧に解説していきます。
興味のある方はぜひご覧ください。
このように水草が栄養不足になると「白くなる」「黄色くなる」など色が薄くなります。
色の変化は水草によってマチマチですが、総じて「色が薄く」なったら栄養不足と見て間違いないでしょう。
栄養不足の原因は様々ですが、水草の調子が悪いと基本的にこのような症状でますよ。
水草の色が抜けて白くなることを「白化」と呼びます。
などなど、成長の早い水草は多くの栄養を必要とするので栄養不足になりやすいです。
環境の変化に反応するのが早いという面もあるので、水槽の良いバロメーターになりますよ。
成長が早い分、栄養不足が治るのも早いです!
などなど、成長の緩やかな水草は、あまり養分を消費しないため栄養不足になるづらいです。
正直なところ、栄養不足で調子を崩すことが少ないのであまり肥料添加をしなくても育てることができます。
成長の緩やかな水草をメインにしているレイアウトは肥料の入れすぎに十分ご注意ください!
- 水草が栄養を吸収できない環境
- 栄養が足りない
こちらの2つが水草が栄養不足になる原因です。
ポイントは「水草が肥料を吸収できない環境」の場合、いくら肥料を入れても解決しない点です。
闇雲な肥料添加は無意味なばかりか、余った養分が藻類の栄養になってしまうのでより管理が難しくなってしまいますよ。
まずは「水草が養分を吸収できる環境を整えること」これが重要です。
こちらの5つが水草の成長に必要な5つの要素です。
このうち1つでも欠けると水草は綺麗に成長しません。
- ライトが無い
- CO2添加が無い
- 水質が合っていない
- 水温が低い
などなど、このような状態ではいくら肥料を添加しても水草が吸収できないので無意味です。
まずは水草が成長し養分を吸収できる環境を用意することが肝要ですよ。
肥料を入れる前にチェックするポイントは後ほど詳しく解説します。
一見すると栄養不足でも、環境要因から栄養不足になっているケースがかなり多いです!
肥料を入れる前にチェックするポイントをクリアして、それでも栄養不足症状が出ているならそれは本当に栄養不足なのかもしれません。
ここまできたら肥料を添加して対策をしましょう。
おすすめの肥料と添加方法については別記事で解説していますのでぜひご覧ください。
- そもそも水草は元気に成長していますか?
- 水槽セットからの経過時間
- 水温
- 光量
- CO2添加量
- 水質
こちらの6つを①から順にチェックしましょう。
簡単に対処できる順に並べてありますので、それぞれ確認してみてください。
調子悪いから肥料入れるんじゃないの?
と思われるかもしれませんが、水草が元気に成長する環境で無いのなら肥料を入れてもあまり効果がないかもしれません。
というのも、元気の無い水草はあまり養分を吸収しないからです。
まずは肥料を入れる前に水草が成長できる環境を用意しましょう。
水草が元気に育ち始めることを俗に「スイッチが入る」と呼びます。
こちらの記事で水草のスイッチの入れ方をご紹介していますのでぜひご覧ください。
水槽セットからの経過時間
- 水草用ソイルを使用している⇒ セットから1ヶ月
- 砂・砂利を使用している⇒ セットから2週間
底床に何を使っているかで肥料添加を始めるまでの時間が変わります。
ある程度養分の含まれているソイルならセットから1ヶ月後から、含まれていない砂・砂利系の底床ならセットから2週間後から肥料を入れましょう。
水草は環境に慣れるまで成長を始めませんので、セット直後というだけで良い環境を揃えていても養分不足の症状がでることがありますよ。
そのためセット初期なら慌てて肥料添加をする必要はありません。
水草水槽におすすめの底床は別記事で紹介していますのでお探しの方はご確認ください!
(18℃)22℃~28℃(30℃)
※()内は一応の下限と上限です
こちらが水草水槽の適温です。
冬はヒーターを、夏は冷却ファンや水槽用クーラー、エアコンを使い水温を調整しましょう。
基本的に機材をセッティングすれば、後はほぼ自動管理なので対処は簡単なはずです。
ヒーターは水槽管理で1番電気代を食う部分。
水槽の電気代の目安をまとめた記事もありますのでぜひご覧ください。
サイズ | 丈夫な水草 | 本格水草水槽 |
---|---|---|
30cm | 350lm程度 | 700lm程度 |
45cm | 1000lm程度 | 2000lm程度 |
60cm | 1500lm程度 | 3000lm程度 |
90cm | 3000lm程度 | 6000lm程度 |
120cm | 4000lm程度 | 8000lm程度 |
180cm | 6000lm程度 | 12000lm程度 |
こちらの表を目安に水槽サイズに合った光量のライトを選びましょう。
光量はlmという単位で判断すると良いです。
こんな感じで各メーカーのHPや商品パッケージで確認できますので、購入の際にチェックしましょう。
CO2無添加の水槽なら「丈夫な水草」、CO2添加有りなら「本格水草水槽」の光量を目安にしてくださいね。
水草水槽におすすめのライトは別記事でご紹介していますのでお探しの方はぜひご覧ください。
水量 | 添加量(陰性水草メイン) | 添加量(陽性水草メイン) |
---|---|---|
15L | 3秒/1滴 | 2秒/1滴 |
30L | 2秒/1滴 | 1秒/1滴 |
60L | 1秒/1滴 | 1秒/ 1滴 ~ 2滴 |
100L | 1秒/2滴 | 1秒/ 2滴 ~ 3滴 |
150L | 1秒/3滴 | 1秒/ 3滴 ~ 4滴 |
300L | 1秒/4滴 | 1秒/ 5滴 ~ 7滴 |
650L | 1秒/8滴 | 1秒/ 9滴 ~ 15滴 |
こちらがCO2添加量の目安です。
水槽の水量に合わせて添加量を調整しましょう。
意外とCO2量が足りていないケースが多いですので、カウンターを使って添加量をしっかり把握することをおすすめします。
表は目安ですので、「ちょっと調子悪いな」と感じたら添加量を増やして様子を見る対策も有効ですよ。
比較的低光量でも育つ水草が主役のレイアウト
- ミクロソルムやボルビティスなどのシダの仲間
- ウィローモス、プレミアムモスなどのコケの仲間
- クリプトコリネ、アヌビアス、ブケファランドラなどの仲間
など
CO2無添加の水槽なら
CO2無添加の水槽なら無添加でも育つ丈夫な水草を選びましょう。
水草の種類によってCO2添加が必須のものがあるのですが、それを無添加で育成するのはとても難しいですよ。
こちらで丈夫な水草をまとめてご紹介していますので、水草選びにご活用ください。
弱酸性の軟水
こちらが水草水槽に最適な水質です。
PHとは水素イオン濃度のことで、いわゆる酸性かアルカリ性かということですね。
水草はPH5.5 ~ 6.5程度の弱酸性を好むので、水質が合っていないと綺麗に育ちづらくなります。
特にアルカリ性の水質では極端に成長が悪くなる水草もありますので注意しましょう。
水質が合っていない場合はこのような害があります。
- CO2の吸収効率が悪い
- 肥料の吸収効率が悪い
水質が合っていない場合、CO2をたくさん添加しても、肥料をたくさん添加しても水草が利用できません。
そればかりか、余った養分が藻類の増殖を促すので踏んだり蹴ったりなんです。
水草が好む水質についてはこちらの記事で解説いますのでぜひご覧ください。
とはいえ、水質を計るのは大変なので光量やCO2添加量をチェックして、それでもダメなら計るくらいの感じでOKですよ。
肥料を入れる前のチェックが終わったらいよいよ肥料を入れましょう。
肥料の使い方、おすすめの肥料は別記事で詳しく解説しました。
「肥料のタイプ」「肥料添加例」「おすすめの肥料」などを丁寧にまとめましたので、お時間のある際にぜひご覧ください。
- 窒素
- リン
- カリウム
- カルシウム
- マグネシウム
- 微量元素(鉄、ホウ素など)
こちらが主に水槽内で不足する栄養素なのですが、どれが不足するかで水草に出る症状が変わります。
全てに共通しているのは、どこかの色が薄くなるということなのですが、正確に「コレが足りない!」と判断するのは難しいのが現状です。
初心者の方は弊害の少ないカリウム肥料や微量元素肥料から使い始めると失敗が少ないです。
管理に慣れてきたら他の肥料にもチャレンジしてみましょう!
また、水草に必要な14の栄養素を解説した記事もあります。
こちらのお時間のある際にぜひご覧ください。
今回は水草の「栄養不足症状の見分け方と対策」を解説しました。
栄養不足の症状が出ていても慌てて肥料を入れてしまうと、環境が整っていない場合、効かないばかりか藻類の増殖を招きます。
必ず「肥料を入れる前にチェックすること」を終わらせてから、肥料添加を始めましょう!
肥料原因の栄養不足は意外と少ないですよ!
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