どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は「水槽のお掃除屋さん」を解説します。
「藻類」「残り餌」「スネール」「油膜」など水槽を管理していると発生する嫌なものってありますよね。
藻類、スネール、油膜などは、どんなにキレイにキープしている水槽でも発生するもの。
アクアリウムは人間の手だけではキレイに管理するのが難しいのです。
今回はそんな「嫌なもの」を食べてくれる生き物をご紹介します。
独断と偏見からレビューボックスも作りましたので、参考までにご覧ください。
上手にお掃除屋さんを活用してキレイな水槽を作りましょう!
- 藻類を食べてくれる生き物
- 残り餌を食べてくれる生き物
- 貝(スネール)を食べてくれる生き物
- 油膜を食べてくれる生き物
水槽のお掃除屋さんは大きく分けるとこちらの4種類です。
生き物によって得意なものが違いますので、状況に応じて使い分けるとキレイな水槽をキープしやすくなります。
藻類対策として主に使われるのはこちらの9種。
藻類でお悩みの方はこちらの生き物達を上手く活用して水槽をキレイにしましょう。
藻類対策についてはこちらの記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください!


藻類対策レギュラーその①。
いつも入れておきたいお掃除屋さんです。
柔らかな藻類限定ですが良く食べてくれますよ。
口が吸盤上になっており吸いつくように藻類を舐めとるので平面的な藻類が得意です。
通年入荷がありますが状態の良い個体はなかなか来ません。
立ち上げに技術が必要なお魚なので管理のしっかりした店舗で手に入れた方が良いですよ。
- 茶藻類
- トロロ昆布状の藻類
- ガラス面に付く藻類

藻類対策レギュラーその②。
こいつ無しでキレイな水槽をキープするのはとても難しいです。
特に水草水槽で出やすい糸状藻類に対して高い効果があります。
日本でも採れるので流通量が多く手に入れるのは簡単です。
安価なものは漁師さんが捕まえたものを右から左に流してしているだけだったりするので水槽への導入が難しいです。
値段は高くなってしまいますが、「漁師→問屋→店舗」と流れている個体の方が水槽に馴染んでいるので元気ですよ。
- 茶藻類
- トロロ昆布状の藻類
- 糸状藻類(アオミドロ)
- 糸状藻類(芝生状)

小型エビがよいならこちら。
藻類を食べる力はヤマトの3分の1程度なので、数は3倍以上必要です。
調子の良い水槽なら簡単に繁殖するので、まとまった数になればそれなりの藻類取り能力を発揮します。
流通はヤマトヌマエビ同様ですが、春と秋の繁殖シーズンは入荷量が極端に少なくなる&調子が悪いので手に入れる際は注意しましょう。
- 茶藻類
- トロロ昆布状の藻類

がめついお魚なので色々な藻類を食べてくれます。
やっかいな黒髭藻類も食べますが駆除するにはそれなりの数が必要ですよ。
最大で10㎝~15㎝程度に成長するので小型水槽では持て余してしまいます。
場合によっては買ったお店に引き取ってもらうなどの対応が必要でしょう。
ウィローモス、ウィーピングモスなどを食害します。
これらレイアウトに使っている場合は食べられてしまいますので、藻類退治と天秤にかけて導入を考えてみてください。
年に数回入荷がストップする時期があります。
夏前くらいと10月、11月くらいに多いですね。
入荷明けは3㎝程度の幼魚が来ます。小さな子を探しているなら狙ってみるのも良いでしょう。
ただし、調子を崩していることも多いので注意してください。
- 茶藻類
- トロロ昆布状の藻類
- 糸状藻類(アオミドロ)
- 糸状藻類(芝生状)
- 黒髭藻類


オトシンクルスの代役としてたまに使います。
「丈夫さ」「気の強さ」はオトシンより上です。
オトシンをいじめてしまうお魚がいるなどの場合はコイツに頑張ってもらっていますよ。
東南アジアで大量に養殖されているので通年安定して在庫があると思いますよ。
- 茶藻類
- トロロ昆布状の藻類
- ガラス面に付く藻類

硬い藻類もある程度食べてくれるプレコの仲間。
色々な藻類を食べてくれるのでレギュラーメンバーに混ぜて入れることが多いですね。
エキノドルス以外はあまり食害しないので水草水槽にも入れられますよ。
MAX12㎝程度になるのでそこを気にしないなら十分活躍できるでしょう。
ドイツか台湾で養殖されたものがキレイで調子も良いのでおすすめです。
- 茶藻類
- トロロ昆布状の藻類
- ガラス面に付く藻類
- 糸状藻類(アオミドロ)
- 糸状藻類(芝生状)
- 黒髭藻類

幼魚がミニブッシーの名前で売られていることがありますが、12㎝程度まで成長するので注意しましょう。

サンゴ藻類、藍藻を除くすべての藻類に効果のある藻類退治のリーサルウェポンです。
実は葉の細かな水草は食べないので場合によっては水草水槽でも活躍できます。
実は私もちょくちょく水草水槽でお世話になっています。
食べる速さ、量ともに申し分無いのですが、50㎝程度まで成長するので幼魚期限定です(大型魚水槽ならずっと大丈夫ですが。。)。
東南アジアで大量に養殖されているので通年安定して在庫があると思いますよ。
- 茶藻類
- トロロ昆布状の藻類
- ガラス面に付く藻類
- 糸状藻類(アオミドロ)
- 糸状藻類(芝生状)
- 黒髭藻類

実はプロ御用達。アルビノタイプが可愛いです。

動きは遅いですが硬い藻類も食べてくれます。
特に石に付いた藻類に効果があるので石組み水槽にオススメです。
ただし、白い卵を産みます。これは好みが分かれるところです。
流通量は多く通年安定して出回ります。

石巻貝、カノコ貝の卵はこんな感じ。
人によっては嫌悪感があるかも。
- 茶藻類
- ガラス面に付く藻類
- 糸状藻類(芝生状)

アオコに効果のあるのはコイツ等くらいです。
どちらも大食漢なので水槽だと餓死しやすいのが欠点です。
スイレン鉢などのビオトープではアオコが発生しやすいので長生きしますよ。
アオコ出る→水槽へ移動→アオコ消える→ビオトープへ移動
みたいな感じで移動できると良いですね。
淡水シジミは通年で回ります。タニシは夏場の入荷は多いのですが冬場は少なくなります。
どちらも意外と取り扱い店舗が少ないので手に入りづらいですね。
- アオコ

実際の藻類対策についてはこちらの記事で詳しく解説しています(再掲載)。
「藻類対策の心構え5か条」「藻類が増殖する原因」「水槽サイズ別お掃除屋さんリスト」「藻類一覧」など藻類を減らすために必要な情報をまとめてあります。
藻類でお悩みの方はぜひご覧ください。

- コリドラスの仲間
- ドジョウの仲間(ニョロニョロ系)
残り餌対策として良く使われるのはこちらの2種。
この2つ以外でも基本的に低層に住むお魚は残り餌対策として有用ですよ。

残り餌対策として1番有名なのはこちら。
かなり大食漢なので60cm水槽に1匹いれば十分残り餌対策になります。
複数匹で飼育すると群れで泳ぐので可愛らしいですよ。
基本的に丈夫で飼育しやすく、種類がとても豊富なのでコレクション性があります。
本種をメインにして楽しむのも面白いでしょう。
複数匹を飼育するなら専用の餌を与えることをおすすめします。
- コリドラス・ステルバイ
- コリドラス・トリリネアータス


古くから残り餌対策として使われているのはこちら。
ニョロニョロとした泳ぎ方とヒゲのある可愛らしい顔から1部に絶大な人気があります。
こちらも60cm水槽に1匹もいれば残り餌対策として十分です。
細かな砂を敷くと砂に潜る仕草が観察できます。
可愛らしいですが水草などを抜いてしまう恐れがありますので、水槽の状況に合わせて入れましょう。
- クーリーローチ
- ドジョウ
- ヒドジョウ
- シマドジョウ
- スジシマドジョウ

「お魚の片目くらいの大きさの量」を「1日、1~2回与える」
これがお魚の餌やりの基本です。
健康な成魚なら、これくらいの量を与えれば問題無く飼育できます。
餌の与え過ぎは残り餌が出るだけで無く「水質悪化」「藻類の増殖」「水が白濁」「水槽が臭い」「お魚の健康悪化」の原因になります。
餌の大量投入は良いことが1つもありませんので特に注意しましょう。


水槽のトラブルの多くは「餌の与えすぎ」から発生します。十分に注意してください!

1番のおすすめ。
今のところ、世界で1番小さい淡水フグです。ですが抜群のスネール除去能力を持っていますよ!
こいつをいれておけば貝に悩まされることは無いでしょう。
欠点は「他の魚のヒレを齧ることがある」こと。
隠れるところの多い水草水槽ならあまり問題になりませんが、小型水槽は他のお魚逃げ切れないことがあるので注意が必要です。
また、人工餌をあまり食べてくれません。
基本的に冷凍アカムシを与えましょう。
しかし、勝手に殖える貝だけでも賄えることが多いので私は基本的に餌を与えていません。

通称「バジバジ」、カメレオンフィッシュとも呼ばれています。
その名前の通り、オスは青、黒、赤、シマシマといろんな色に変化する面白いお魚です。
割と大人しいにで混泳水槽に入れやすいです。
生まれたばかりの稚貝を主に食べるので、大人のスネールはあまり食べません。
入れるならスネールが殖えだす前に入れたいですね。
アベニーパファー同様、人工餌にあまり餌付きません。
飼育の際は冷凍アカムシを用意しましょう。こいつはアカムシをあげないと痩せてしまうことが多いですよ。

元祖スネール対策と言えばコイツです。
「大きくなる(7cm前後)」「縄張り争いをする」ことから小型水槽にはあまりおすすめできませんが、かなりのスネール退治能力の持ち主です。
複数匹で飼育しているとペアを作って産卵、子育てをするお魚なので、別の楽しみ方もありますよ。
そこそこ気が強いので混泳魚は選びましょう。餌は何でも良く食べるので困りません。
こちらの記事にてスネール対策を詳しく解説しています。
お困り方はぜひご覧ください。


水面に出る油膜を食べてくれるお魚。
油膜を食べる能力はかなりのものなので、大型水槽でも1匹いればキレイにしてくれますよ。
実は調子の良い個体はかなり手に入りづらいです。
ベトナムにて養殖されている個体は調子が良いことが多いので店舗に確認してみると良いでしょう。
油膜対策についてはこちらの記事で詳しく解説しました。
お困りの方はぜひご覧ください。


ブラックモーリーには色違いの仲間がたくさんいます。「Poecilia sphenops」というお魚なら油膜を食べてくれますよ。