どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は「CO2を分岐して複数の水槽へ添加する方法」を解説します。
水槽毎にCO2セットを購入するのは予算、設置、ボンベ交換作業においても大変ですよね?
そこで今回はCO2添加システムを分岐して複数の水槽に添加する方法をご説明します。
CO2配管は水槽サイズに関わらず仕様が同じなので、工夫しだいで様々な水槽に1度に添加できるようになります。
「必要なもの」「セッティング例」「CO2分岐の注意点」など詳しく解説しますので、複数の水槽にCO2添加を検討している方はぜひご覧ください。
タップする目次
- CO2ボンベ
- レギュレーター
- OnOffバルブ
- 分岐パーツ
- スピードコントローラー(スピコン)
- 耐圧チューブ
- 逆流防止弁
- CO2カウンター
- シリコンチューブ
- CO2拡散器
- 電磁弁
- タイマー

小型ボンベでも分岐することはできるのですが、容量の関係ですぐに空になってしまいます。
そのため、分岐する場合は基本的に大型ボンベを使うことをおすすめします。
大型ボンベは水草に強いお店でないとなかなか取り扱いが無いので予め店舗に問い合わせると良いでしょう。
取り回しの良い0.7kgボンベか、容量の多い1.5kgボンベ、5kgボンベが使いやすいですよ。

レギュレーターとは直訳すると「調整装置」のことです。
ボンベからの圧力を調整して水槽に添加出来るようにする装置ですね。
実はピンキリで性能に差がある商品なので良品を使いたいです。ケチると後で後悔しますよ。
ミドボンを使う場合、小型ボンベと径が違うため大型ボンベ専用のものが必要です。

3本以上の水槽へ分岐する場合やハイプレッシャータイプの拡散器を使用する場合は圧力を強く調整できる「ADA CO2スピードレギュレーター」などがおすすめです。
分岐する数が多いほど圧力が分散するので添加量が不安定になりやすくなります。
圧力を調整できるタイプのレギュレーターならたくさん分岐する場合でも添加量の調整が簡単です。
ハイプレッシャータイプの拡散器とは「特に泡の細かいCO2拡散器」のことです。
泡を細かくしている分、石の目が細いのでたくさん圧力をかけないと安定して出ません。
分岐をしてさらにハイプレッシャータイプの拡散器を使う場合は、特に添加量が不安定になりやすいのでご注意ください。

手動でCO2添加のON/OFFができるパーツです。
CO2添加を自動化できる電磁弁を使うなら不要です。
基本的にはCO2添加は自動化して規則正しく管理したほうがよいので、特別な理由が無い限りは「タイマー、電磁弁」を使って自動化しましょう。

T字ブランチ、Y字ブランチなどと呼ばれる分岐するパーツです。
どちらも使い方、効果は同じなので配管の都合に合わせてお好みで選びましょう。
分岐する水槽毎に必要です。
レギュレーターで調整した吐出量をさらに細かく調整できる弁。
水槽ごとに設置しないとCO2の添加量を調整できませんのでご注意ください。
特にこちらの低流速タイプはかなり細かな設定にも対応できるので使いやすいですよ。
スピコンは製品ごとに微妙に調整能力に差があるので、できる限り同じ製品で揃えることで添加量調整が楽になりますよ。

硬くて丈夫なチューブです。
圧力が強くかかる部分に使用します。
硬くてとても入れづらいのでガラス器具にはつながないようにしましょう。
基本的にボンベから逆流防止弁までは耐圧チューブで繋ぐことをおすすめします。その方がCO2漏れリスクを少なくできますよ。

分岐する水槽毎に必要です。
これを忘れるとパーツ類に水が逆流してしまい最悪壊れてしまうので注意してください。
中の弁は経年劣化でやがて機能しなくなるので定期的に交換しましょう。
目安は1~3年程度です。

分岐する水槽毎に必要です。
添加量をチェックするために水槽ごとに必ず設置しましょう。
カウンターは製品ごとに微妙に泡の大きさが違いますので、分岐する際はできるだけ同じ製品で揃えるようにすると添加量の調整が楽ですよ。

ただのエアーチューブでも良いのですが、おすすめはシリコン100%のチューブです。
ちょっと値が張りますが一度使うと普通のエアーチューブに戻れなくなります。それくらい使用感に差があります。

分岐する水槽毎に必要です。
ガラス製かストーンタイプかの選択になるかと思います。基本的にお気に入りのものを使っていただいてOKですよ。
注意点として、分岐する場合はボンベからの圧力が分岐した分だけ弱くなるので、強い圧力を必要とするタイプの拡散器は相性が悪いのでご注意ください。
製品によって吐出するのに必要な圧力が微妙に違うので、できるだけ同じ製品で揃えるようにすると添加量の調整がしやすくなります。

タイマーと組み合わせて使うことでCO2添加を自動化できます。
通電している間は弁が開く仕組みになっていますよ。
手動でもCO2添加できるのですが、自動化しないと日々の添加時間が不規則になってしまいがちなのでほぼ必須だと思います。
様々なタイマーがありますがイチオシはスマートプラグです。
スマホのアプリでON/OFF、通電時間をコントロールできるようになるのでとっても便利です。
電磁弁、ライトを接続すれば毎日のON/OFFを自動で管理できますよ。
こちらの記事でセット方法、使い方などを詳しく解説していますので興味のある方はぜひご覧ください。


簡単なセッティング例を用意してみました。セットの際の参考にどうぞ。
※画像の黒いラインは「耐圧チューブ」、青いラインは「エアーチューブ」です。
樽みたいな寸胴タイプのボンベは自立しますが、細長い0.7キロボンベは安定しないので何かに縛り付けるかスタンドを利用しましょう。
どちらか使う方だけでOKです。なるべくレギュレーターに近い位置に取り付けることでCO2漏れリスクを抑えられます。
ここから分岐します。配管はなるべく短い方が効率が良く、また見た目も美しいのでなるべく短くなるように工夫しましょう。
ここから先のパーツは水槽毎に必要です。スピコンはなるべくCO2カウンターの近くに設置すると添加量の微調整がやりやすくなりますよ。
ここで耐圧チューブとシリコンチューブを切り替えるとスムーズです。
水槽サイドに設置するかキャビネット内に仕舞うかお好みでお選びください。
見切れる位置に設置するならガラス器具、見えない位置ならストーンタイプを使うと良いと思います。

スピコンは接続向きが正しくないと十分に機能しません。
画像のようにおでん?のようなマークがあるので、尖っている方向が水槽になるよう接続しましょう。

逆流防止弁の代わりにストレートチェックバルブを接続する場合はこのように接続します。
スピコンとは逆になるので注意しましょう。


配管の都合上ここで耐圧チューブとエアーチューブを切り替えると簡単です。
普通の逆流防止弁を使う場合はそのままそれぞれのチューブを繋ぐだけでOKです。
ストレートチェックバルブを使う場合、そのままエアーチューブを接続するとCO2が漏れしてしまうので注意してください。
その場合は「ADA ジョイントスティック」などを使うと良いでしょう。
- 大型ボンベとレギュレーターの接続にはレンチが必要
- レギュレーターとOnOffバルブ(電磁弁)の間はなるべく短く
- 配管はできるだけ短く
- スピコン、逆流防止弁、CO2カウンター、CO2拡散器は分岐する水槽の数だけ必要
- スピコン、CO2カウンター、CO2拡散器は同じ製品を使う
- 厳密な添加量の調整は難しい場合がある
大型ボンベにレギュレーターを接続する際はレンチで固定する必要があります。
海外製のレギュレーターなど1部手で固定できるものもありますが、ほとんどの製品が接続にレンチが必要です。

ミドボンを使うなら予め準備しておきましょう!

レギュレーター、OnOffバルブ(電磁弁)の間は使用中、常に強い圧力下にあるので最もCO2漏れが発生しやすい部分です。
そのため、なるべく短く配管しましょう。
また、OnOffバルブ(電磁弁)までなるべくまっすぐに接続することでCO2漏れが発生しづらくなります。


- CO2漏れのリスクが増える
- 添加量の調整が難しくなる
- チューブがごちゃごちゃして管理しづらい
配管全体はなるべく短くなるように工夫しましょう。
配管が長くなるほどこのようなデメリットが強くなりますのでご注意ください。
こちらの4点は水槽ごとに必ず用意しましょう。
水槽ごとにないと添加量調整ができませんので十分にCO2添加ができません。
最悪、「CO2中毒」などの原因になりますのでご注意ください。

4本の水槽に分岐するなら4つずつ必要ということです。

超重要ポイント!
「こっちの水槽にはA社のスピコン」「こっちの水槽にはB社のスピコン」のようなセッティングではCO2添加量の調整が難しくなります。
製品ごとの微妙な差が添加量の調整に大きな影響を与えるので、できる限り同じ製品で揃えることをおすすめします。
特にCO2拡散器は製品ごとに必要な圧力の違いが激しいので、違う製品を使うと「こっちの水槽はたくさん出るけど、こっちの水槽は全然出ない」なんてことが起こりますよ。

圧力は出やすいところに1点集中するので、抵抗に違いがあると「弱い部分」に集中してしまいます。そのため、1番大きな泡の出るCO2拡散器からしか出ないなんてことが起こりますよ。
- 1秒/1滴
- 2秒/1滴
などなど、厳密に調整したくなりますが、分岐をする場合はきっちり「1秒/1滴」のように調整するのはとても難しいです。
例えば、「片方の水槽を1秒/1滴ときっちり調整しても、もう片方の水槽の調整がずれてしまう」なんてことが頻発します。
そのため、ざっくりと「1秒/1滴程度」というように考えましょう。
- 低流速タイプのスピコンを使う
- ハイプレッシャータイプのCO2拡散器は使わない
- 圧力が調整できるタイプのレギュレーターを使う
どうしても添加量調整が上手くいかない場合はこちらの3点を試してみましょう。
「片側からしか出ない!」なんて時はこちらをチェックしてみてくださいね。
こちら商品のような低流速タイプのスピコンは圧倒的に添加量の調整がしやすいです。
特に「2秒/1滴」など極微量添加する場合は低流速タイプでないとかなり難しいです。
例えば、こちらのCO2拡散器のように泡の細かなタイプは添加に強い圧力が必要です。
分岐をすると圧力が下がりますので、その分泡が出づらくなり添加量調整が難しくなります。
どうしても使いたい場合は後述する「ADA CO2スピードレギュレーター」などの圧力を強く調整できるレギュレーターを使いましょう。

分岐する場合、このような拡散器はおすすめしません!

高価ですが、圧力を調整できるタイプのレギュレーターは添加量調整が簡単です。
特に「3分岐以上する」「ハイプレッシャータイプのCO2拡散器を使う」場合などは調整が難しいのであると便利です。
今回は「CO2を分岐して複数の水槽へ添加する方法」を解説しました。
今回ご紹介した方法だけがベストな方法ではありませんので、ご自宅のシステムに合わせてどんどんアレンジしてください。
CO2配管はDIY的な楽しみがあるので、工夫して楽しみながらご自宅のアクアリウムに最適な配管を目指しましょう!

スッキリ配管できると気持ちいいですよ(笑)