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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は「サンゴ苔(カワモズク)対策」を解説します。
サンゴ苔は主に硬度が高くCO2添加をしている水槽で増殖するので基本的に水草水槽ユーザーの方が困る藻類です。
特に水道水の硬度が高い地域にお住まいの方は慢性的に問題になることも。
そこで今回は「サンゴ苔の増える原因」「サンゴ苔を予防する方法」「サンゴ苔を除去する方法」をご紹介します。
対処法の限られてる藻類ですからしっかり予防して大量に増殖する前に除去するのがポイントです。
初心者の方にも分かりやすく解説するのでぜひご覧ください。
こちらの記事で水槽内で増える11タイプの藻類(サンゴ苔を含む)の特徴や藻類対策の心構えなどをご紹介していますので、藻類でお困りの方はお時間のある際にぜひご覧ください!
サンゴ苔とはカワモズクという淡水性の紅藻の1種。
見た目がなんとなくサンゴに似ていることからこう呼ばれます。
自然下では湧き水が出ているような環境に生息している珍しい藻類。
あまりお掃除屋さんも食べてくれない厄介な藻類の1つですが、育つ環境がかなり限定されているのですべての水槽で増えてしまうわけではありません。
石を多用していたり、水道水の硬度が高い地域にお住まいの「水草水槽ユーザー」が悩む藻類です。
CO2無添加の水槽ではあまり増えませんので本格的な水草水槽以外ではあまり困ることはないでしょう。
基本的に「CO2添加をしている」「硬度が高い」の2つを満たさないと増殖しません。
- 硬度が高い
- CO2を添加している
- 水流が強い場所
こちらの3つが主な黒髭苔の増殖要因です。
「硬度が高い」「CO2添加をしている」という条件が揃うとサンゴ苔は増殖しやすくなります。
特に水流が強い場所で増えやすくなります。
単純に水流が強くだけでは増殖しませんので、そこはご安心ください。
- 硬度の上がる石を多用している
- 硬度の上がる底床を使用している
- 硬度の上がるろ材を使っている
- 換水過多(水道水の硬度が高い場合)
このような硬度が高くなる環境では特にサンゴ苔が増えやすくなってしまいます。
サンゴ苔、黒髭苔、斑点状の藻類などは硬度の高い環境で増えやすい傾向がありますよ。
硬度の高い環境ではPHが下がりづらくなることから水草が育ちづらくなります。
水草の調子がイマイチだと「水草の水質浄化能力が弱まり⇒ 黒髭藻類の生えやすい環境になる」という悪循環から藻類に悩まされがちです。
多くの熱帯魚、メダカなどの飼育は軟水でも問題無いため、サンゴ苔の少ない環境を目指すなら水質を軟水にすると良いでしょう。
水中の「カルシウム塩」「マグネシウム塩」の総量のことです。
少ないと「軟水」、多いと「硬水」と呼ばれます。
GHやTHなどの単位で表すこともあります。
PHとは、「potential of hydrogen」の略で、「ピーエイチ」と読みます。
酸性、アルカリ性の程度を表す指標です。
ほとんど淡水魚、水草は弱酸性で問題無く飼育できます(PH5.0~6.5程度)。
pH(ペーハー)と表記することもあります。
サンゴ苔は湧水地域でよく見かける藻類であることから、ある程度CO2濃度が高くないと増殖しないようです。
そのためCO2無添加の水槽ではあまり問題になりません。
基本的に本格的な設備の水草水槽で増殖する藻類と言えるでしょう。
経験上、CO2添加をしていない水槽では困ったことがありません!
フィルターの出水側など水の流れが早いところの方がサンゴ苔の増殖量が多い傾向があります。
とはいえ「流れを緩やかにすれば増殖スピードが遅くなるのか」といえばそんなことはありません。
流れを緩やかにしても環境としてサンゴ苔が増えやすいならあまり変わりませんのでそこまで強く気にしなくてもよいでしょう。
僕はあまり水流は気にしていません!
- 石
- 流木
- 各機材
- 成長の緩やかな水草
などなど、サンゴ苔はある程度広い面積がある部分で増殖しやすいです。
特に水流が当たる部分で増殖しやすい傾向があります。
調子の悪い水草に付きやすい傾向があります!
- 水質を軟水にする
- 換水するなら硬度をチェック
- CO2添加を止める
- 水草を元気に茂らす
こちらの3つが主なサンゴ苔の予防方法です。
3つとも管理に取り入れても増える時は増えますが、確実にサンゴ苔の増殖しづらい環境を作ることができます。
軟水にできるろ材「ウォーターエンジニアリング リバース・グレイン ソフト」。
フィルターの中にセットすることで簡単に水質を調整できます。
硬度を下げ軟水をキープすることでサンゴ苔が増えづらい環境になります。
水草用ソイルを使い、流木だけを使用したレイアウトなどは硬度を上げるものが無いので軟水をキープしやすい傾向にありますが、石を多用した水槽は硬度が上がりやすいの注意しましょう。
ろ材の他にも浄水器の使用などでも軟水にすることができます。
水質を軟水にする方法はこちらの記事でまとめてご紹介していますのでお時間のある際にぜひご覧ください。
硬度の高い地域では換水をマメに行うとかえってサンゴ苔の増えやすい環境になってしまいます。
硬度の高い環境の方が圧倒的に増殖しやすいサンゴ苔は「水道水の硬度が高い地域」の方が悩むケースが多いです。
硬度の高い地域ではマメに換水をすると逆にサンゴ苔が増えやすくなってしまうことが多いですから、まずはお住まいの地域の硬度を把握してから対応すると良いでしょう。
- 硬度の高い地域⇒ 換水を控えめにしてろ材や浄水器を使って軟水にする
- 硬度の低い地域⇒ 換水量、頻度を増やす
このように状況に応じて換水量や頻度を調整するのがポイントです。
こちらの記事で日本中の硬度データをまとめてありますのでお住まいの地域をぜひチェックしてみてください!
闇雲に換水をしてもサンゴ苔には効果はあまりありません!
サンゴ苔の増殖量はCO2添加量と比例しているのでしばらくCO2添加をストップする選択も有効です。
ロタラの仲間や赤系水草、前景草などはCO2添加をストップしてしまうと短期間で弱ってしまいます。
したがってCO2添加をストップすることは難しいのですが、陰性水草をメインにしている水槽なら有効です。
例えばミクロソリウムの仲間やアヌビアスの仲間、ブケファランドラの仲間をメインにしている水槽ならしばらくCO2添加をストップしても影響は少ないですからサンゴ苔にお悩みならお試しください。
水草をたくさん繁茂させることで水中の養分を少なくし強力に藻類を予防できます。
水草を元気に茂らせることはサンゴ苔に限らず藻類全般に対して有効です。
水草を育てるための設備投資は必要ですが、それに見合うだけの美しい水景が作れますからぜひお試しください。
水草が元気良く成長を始めることを「スイッチが入る」と呼びます。
こちらの記事で水草のスイッチを入れる方法を解説していますのでお時間のある際にぜひご覧ください。
水草が元気に茂っていてもすでに発生しているサンゴ苔には効果が無いので除去方法と併用してくださいね!
- お掃除屋さんに食べてもらう
- オキシドールをかける
- ホースで吸い出す
- 熱湯をかける
こちらの4つが黒髭苔の主な除去方法です。
藻類対策はまずは藻類の量を減らすことが大切です。
大量に増殖する前に対応しましょう!
シルバーフライングフォックスがサンゴ苔を食べてくれます。
今のところ、こいつ以外に有効なお掃除屋さんには出会えていません。
ウィローモスなどを食害してしまうデメリットがありますが、お困りなら試す価値はあるでしょう。
サンゴ苔が増えだす前に水槽サイズに合った数を入れると効果的ですよ。
- 予防もできる
- 他の藻類も食べてくれる
- 水草を食害することがある
- 15cm程度まで成長する
オキシドールを藻類にかけて枯らす様子。
サンゴ苔にオキシドールをかけることで枯らすことができます。
スポイトでチュッとかけるだけなのでお手軽ですよ。
水槽全体にサンゴ苔が増殖しているような状況では効果が薄いですが、部分的に出ている程度であれば十分に対応できます。
オキシドールを使って藻類を枯らす方法はこちらの記事で解説していますので作業の前にぜひご覧ください。
- 手軽
- 安い
- ダメージを受ける水草もある
- 添加量に注意
換水のタイミングでサンゴ苔を吸い出すのも効果的です。
吸い出す際はサンゴ苔をバラバラにしないように注意して作業をしてください。
破片が散るとそこからまたサンゴ苔が生えてきてしまうので、お掃除をする意味が無くなってしまいますよ!
ゆっくり吸い出すようにするのがポイント!
熱湯をかけることでサンゴ苔を枯らすことができます。
熱湯をかけただけではサンゴ苔の死体は残ってしまうので見た目はあまり良くなりませんが、増殖は止めることができますよ。
枯れたサンゴ苔は10日~2週間程度で溶けてしまうのでしばらくの辛抱です。
サンゴ苔が付いているものを取り出し作業する必要があるので、一部分に出ているサンゴ苔にしか効果があります。
小さめの石・流木にちょっとだけ付いている場合に便利な方法です。
作業手順
基本的に熱湯を使う場合は水槽外で作業する必要があります。
そのため、水槽から取り出せるもの限定の方法です。
沸騰させた水をかけましょう。
全体にかかるようにゆっくりとかけるのがコツです。
※火傷しないようにご注意ください!
見た目は悪いですが熱湯をかければサンゴ苔は死ぬのでこれ以上増えなくなります。
死んだサンゴ苔はヤマトヌマエビなどが好んで食べてくれます。
- 手軽
- 安い
- 作業が大変
- 根本的な解決はできない
サンゴ苔の増殖量に応じてこのように使い分けると良いでしょう。
サンゴ苔が付いている場所によっても対処しやすい方法が変わるかと思いますので。複数の方法を組み合わせて対応するのがおすすめです。
- 予防⇒ 軟水化対策
- 駆除⇒ シルバーフライングフォックスに食べてもらう
今のところ、こちらの方法がおすすめです。
予防するなら軟水をキープすることがとても効果的です。
軟水=サンゴ苔が増えないというわけではありませんが、軟水下では藻類自体が柔らかい状態になるのでお掃除屋さんが食べやすくなります。
日頃から軟水で水槽をキープするように心がけると良いですよ。
現状、私が最強だと思うサンゴ苔対策はシルバーフライングフォックスに食べさせることです。
ウィローモスなどコケの仲間を食害してしまいますがしっかり黒髭苔を食べてくれます。
黒髭苔を本格的に除去するならぜひご検討ください!
こちらの県にお住まいの方は特にサンゴ苔が増殖しやすいです。
サンゴ苔は硬度の高い環境ほど増殖しやすい傾向があるので「水道水の硬度が高い=サンゴ苔が増えやすい」と考えて良いです。
こちらの地域にお住まいの方は普段から予防方法を複数取り入れるとサンゴ苔が増えづらくなりますよ!
こちらの地域にお住まいの方は水道水が軟水の場所が多いのでサンゴ苔にあまり悩まない傾向があります。
単純に換水をすることで硬度を下げることができますから「換水=サンゴ苔の一番の予防策」となる地域です。
こちらに住んでいる方はラッキーですね!
硬度が上がる石筆頭「ADA 龍王石」。
格好良いので人気は高いですが管理難易度は高め。
石は大なり小なり硬度を上昇させるのですが、大きく硬度を上げる石を使用しているとサンゴ苔が増えやすくなることがあります。
石をレイアウトで使用する際は普段よりも軟水化対策に力を入れると失敗が少ないです。
石の水質変化についてはこちらの記事でまとめて紹介していますので興味のある方はぜひご覧ください。
サンゴや牡蠣殻などがあると硬度が大きく上がることからサンゴ苔の増えやすい環境になってしまいます。
サンゴ苔を予防するならなるべく硬度の上がるものを水槽に入れない方が良いです。
フィルターに入れるろ材の中には硬度を上げるものがありますのでなるべく入れないようにしましょう。
外部式フィルター用ですがこちらの記事でおすすめのろ材を環境別にご紹介しています。
お時間のある際にぜひご覧ください。
サンゴ砂や牡蠣殻はPH調整材として良く使われますが、硬度上昇の弊害が大きいので私は基本的におすすめしません。
こんな感じでキッチンハイターで洗うのが簡単です。
複雑な形状の機材にがっちりとサンゴ苔が付いていると手作業で掃除するのは大変です。
キッチンハイターなどの漂白剤を使用してつけ置き洗いをすると簡単&時短ですからぜひお試しください。
キッチンハイターでお掃除する方法はこちらの記事でご紹介していますのでぜひご覧ください。
いつの頃からか硬度が高い&CO2添加のある水槽で増殖するようになりました。
どこかから侵入してきたものがアクアリウム業界で蔓延してしまっているのでしょうか?
限定した環境下で増殖するのであまり再現性は無いのですが、埼玉や千葉など特に水道水の硬度が高い地域で問題になることが多いです。
組織培養の水草しか使用していない水槽など、まったく侵入経路が考えられない状況でも生える時は生えるのでどこから来るのか今のところ不明です。
僕が水草水槽を始めた頃はこんなに生えてこなかったんですけどね、、
当ブログでは水槽で増殖する藻類を11タイプに分類してご紹介しています。
藻類は現在約4万種が記載されており、自然界には30万種以上がいると推定されています。
水槽で増殖するものもかなりの種類に登るのですが、対応を簡単にするために同様に対応できるものをまとめています。
藻類ごとに微妙に有効な対策法が変わりますので増えている藻類の記事をご確認ください。
- サンゴ苔が増えてしまいました。環境が悪いのでしょうか?
- いいえ。そんなことはありません。
自然の湧水地などを観察するとサンゴ苔は色々な場所に生えています。
生き物にとってサンゴ苔がある=悪い環境というわけではありませんので、そこはあまり気にする必要はありません。サンゴ苔があると美観が悪いことは事実ですから、サンゴ苔が増える環境=見た目に良くない環境と言えるでしょう。
- どうしてサンゴ苔が生えてしまうの?
- 一般的な水槽環境は藻類にとってとても生活しやすい環境です。
水槽を維持管理していると自然発生的に藻類が発生するのは当然の結果と言えます。
中でもサンゴ苔は硬度の高い環境、CO2添加のある環境で増えやすいので、水道水の硬度が高い地域では特に増えやすいですよ。
- サンゴ苔は対処が難しい種類だと聞きました。本当ですか?
- 本当です。
サンゴ苔は藻類の中でもお掃除屋さんがあまり食べないので大変です。そのため予防を続けることが一番の黒髭苔対策です。予防方法は本文をご覧ください。
今回は「サンゴ苔対策」を解説しました。
「硬度の高いCO2を添加している水槽」という限られた条件で増殖する藻類なのであまりメジャーではありませんが一度出るとやっかいです。
軟水化が効果的ですからお試しください。
たくさん増殖してしまったらシルバーフライングフォックスに食べてもらいましょう!
水道水の硬度が高い地域の方は要注意です!
この記事が参考になったら感想を教えてもらえると嬉しいです。
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