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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は「芝生状の藻類対策」を解説します。
水草などの表面に毛足の短い藻類がブワーと生えてきたことはありませんか?
それは私が芝生状の藻類と呼んでいるタイプかもしれません。
高光量の環境を好むので主に本格的な設備のある水草水槽で問題になります。
硬くお掃除屋さんもあまり食べてくれないので対処の難しい藻類です。
そこで今回は「芝生状の藻類の増える原因」「予防する方法」「除去する方法」を詳しくご紹介します。
初心者の方にも分かりやすく解説していきますのでぜひご覧ください。
こちらの記事で水槽内で増える11タイプの藻類(芝生状の藻類を含む)の特徴や藻類対策の心構えなどをご紹介していますので、藻類でお困りの方はお時間のある際にぜひご覧ください!
芝生状の藻類とは、ビロード状に生える細かな糸状の藻類のこと。
光の強い環境で増殖し、強く張り付くように生えることから除去の難しい藻類です。
硬度の高い環境では特に硬くなることからお掃除屋さんがあまり食べず、対応が難しくなります。
かなり明るい環境を好む藻類のため、主に本格的な設備の整った水草水槽で問題になります。
藻類には様々な種類がありますので「芝生状の藻類」とは特定の種類を指すのでは無く上記のような生え方をするものをまとめてこう呼んでいます。
特に名前が無かったので勝手に「芝生状の藻類」と名付けました!
- 光量が強い
- ライトの点灯時間が長い
- 硬度が高い
- CO2を添加をしている
- 太陽の光が水槽に当っている
こちらの5つが主な芝生状の藻類が増える要因です。
芝生状の藻類は光合成をして生活しているので基本的には「光」に関係して増殖するケースが多いです。
水草を育てるために光量の強いライトを使用している水草水槽では日常的に増殖する可能性があります。
硬度が高いと硬く成長することから対応がより難しくなります。
水草育成用の強力なライトを使用しているなど、明るい環境の方がアオミドロが増えます。
極端に言うと芝生状の藻類は明るければ明るいほど増えやすくなります。
生体メインの水槽など明るさを必要とない環境では暗めのライトを使用するほうが藻類で悩みません。
- 生体メイン⇒ ~5時間程度
- 水草メイン⇒ 8時間~10時間程度
こちらがライトの点灯時間の目安。
長時間ライトを点灯しているとそれだけ芝生状の藻類が増えやすくなるのでご注意ください。
生体メインの水槽の場合、極端に言えばライトを点けていなくても大きな問題は起きません。
芝生状の藻類でお悩みならしばらくライトを点けないという作戦もあります。
水草水槽の場合はライトを点けないと水草が枯れてしまいますからタイマーを使って点灯時間をコントロールすると良いでしょう。
- 硬度の上がる石を多用している
- 硬度の上がる底床を使用している
- 硬度の上がるろ材を使っている
- 換水過多(水道水の硬度が高い場合)
このような環境では硬度が高くなることから芝生状の藻類が硬くなってしまいます。
硬度の高い環境ではPHが下がりづらくなることから水草が育ちづらくなります。
水草の調子がイマイチだと「水草の水質浄化能力が弱まり⇒ 黒髭苔の生えやすい環境になる」という悪循環から芝生状の藻類に悩まされがちです。
多くの熱帯魚、メダカなどの飼育は軟水でも問題無いため、芝生状の藻類の少ない環境を目指すなら水質を軟水にすると良いでしょう。
水中の「カルシウム塩」「マグネシウム塩」の総量のことです。
少ないと「軟水」、多いと「硬水」と呼ばれます。
GHやTHなどの単位で表すこともあります。
PHとは、「potential of hydrogen」の略で、「ピーエイチ」と読みます。
酸性、アルカリ性の程度を表す指標です。
ほとんど淡水魚、水草は弱酸性で問題無く飼育できます(PH5.0~6.5程度)。
pH(ペーハー)と表記することもあります。
芝生状の藻類はある程度CO2濃度が高くないと増殖しないようです。
そのためCO2無添加の水槽ではあまり問題になりません。
基本的に本格的な設備の水草水槽で増殖する藻類と言えるでしょう。
経験上、CO2添加をしていない水槽では困ったことがありません!
太陽の光が水槽に当っている場合、芝生状の藻類が増えやすくなります。
太陽光線はとても強力。
どんな水槽用ライトよりも明るいですから、太陽光線が当たっていると藻類はかなりのスピードで増殖します。
藻類対策をするなら太陽の光が当たらない場所に水槽を設置しましょう。
太陽の光が当っている場合、緑藻に限らず様々な藻類が増えやすくなります。
- 石
- 流木
- 機材類
- ガラス面
- 水草
など、光がよく当たるところならどこでも生える可能性があります。
影になるところには生えないので、光の当たり方を調整することである程度生える場所を限定することができます。
- ライトを暗いものにする
- ライトの点灯時間を短くする
- 水質を軟水にする
- CO2添加を止める
- 水草を元気に茂らす
こちらの5つが主な芝生状の藻類を予防する方法です。
水草水槽の場合、暗くする、ライトの点灯時間を短くする作戦は水草の育成とのバランスになるので思い切ったことはできません。
ライトの光量も点灯時間を多すぎず、少なすぎずバランス良くして水草を元気に茂らせる形で対応するのがおすすめです。
- 水作 ライトアップシリーズ
明るすぎず暗すぎないライトで初心者の方でも扱いやすいです。
生体メインの水槽なら最初から明るすぎないライトを使うのがおすすめ。
水草水槽の場合、光量の少ないライトでは水草が本調子にならないのでより明るいライトを使うことが求められます。
とは言えオーバースペックのライトを使用しても光が強すぎることで水草が調子を崩すことがありますからご注意ください。
こちらの記事で水草水槽におすすめのライトをご紹介しています。
水槽サイズ別に「丁度良いライト」をご紹介していますのでライト選びでお困りならぜひご覧ください。
- 生体メインの水槽⇒ しばらく餌を与える時間しかライトを点けない
- 水草メインの水槽⇒ しばらくライトの点灯時間を5時間程度にする
このようにしばらくライトを点灯する時間を短くするのが効果的です。
芝生状の藻類は光合成をして生活していますから暗い時間を増やすことで目に見えて数を減らすことができます。
生体水槽の場合はライトの点灯時間を極端に短くしても弊害はほとんどありませんから積極的に取り入れることをおすすめします。
軟水にできるろ材「ウォーターエンジニアリング リバース・グレイン ソフト」。
フィルターの中にセットすることで簡単に水質を調整できます。
こちらのろ材は軟水化と同時に酸化物も吸着除去できるのでダブルで藻類予防に効果があります。
硬度を下げ軟水をキープすることで硬いタイプの芝生状の藻類が増えづらい環境になります。
軟水にしても直接的に芝生状の藻類が減るわけではありませんが、硬いタイプが少なくなることでよりお掃除屋さんが食べてくれるようになります。
水草用ソイルを使い、流木だけを使用したレイアウトなどは硬度を上げるものが無いので軟水をキープしやすい傾向にありますが、石を多用した水槽は硬度が上がりやすいの注意しましょう。
ろ材の他にも浄水器の使用などでも軟水にすることができます。
水質を軟水にする方法はこちらの記事でまとめてご紹介していますのでお時間のある際にぜひご覧ください。
芝生状の藻類の増える量はCO2添加量と比例しているのでしばらくCO2添加をストップする選択も有効です。
ロタラの仲間や赤系水草、前景草などはCO2添加をストップしてしまうと短期間で弱ってしまいます。
したがってCO2添加をストップすることは難しいのですが、陰性水草をメインにしている水槽なら有効です。
例えばミクロソリウムの仲間やアヌビアスの仲間、ブケファランドラの仲間をメインにしている水槽ならしばらくCO2添加をストップしても影響は少ないですから芝生状の藻類にお悩みならお試しください。
水草が元気に茂ると水中から養分をたくさん吸収するのでその分藻類が増えづらくなります。
藻類対策を期待できるほど水草を育てるためにはある程度「水草育成のための設備」が必要です。
水草用の設備が整っていない水槽なら浮草を使うのがおすすめ。
浮草ならライトがあればある程度育成できますので生体メインの水槽でも育成できますよ。
藻類予防におすすめの浮草はこちらの記事でご紹介していますのでぜひご覧ください。
- お掃除屋さんに食べてもらう
- 水草の葉をカットする
- オキシドールをかける
- 遮光をする
こちらの4つが主な芝生状の藻類を除去する方法です。
芝生状の藻類は硬く対処の難しい藻類なので複数の方法を組み合わせて対応するのがおすすめ!
- ヤマトヌマエビ
- サイアミーズフライングフォックス
- シルバーフライングフォックス
など、芝生状の藻類はエビの仲間かついばんで食べるタイプのお掃除屋さんが適しています。
芝生状の藻類は増殖スピードが早いため、増える速度に負けない数をいれるのがポイント。
とはいえ、芝生状の藻類は美味しくないのかあまり食べてくれないので、他の除去方法と組み合わせて対応しましょう。
どうしても食べる量が増える量に負けてしまう場合は遮光を組み合わせて対応しましょう。
おすすめのお掃除屋さんはこちらの記事でまとめてご紹介していますので併せてご覧ください。
オキシドールをかけて枯れた芝生状の藻類。
芝生状の藻類にオキシドールをかけることで枯らすことができます。
スポイトでチュッとかけるだけなのでお手軽ですよ。
水槽全体に芝生状の藻類が増殖しているような状況では効果が薄いですが、部分的に出ている程度であれば十分に対応できます。
オキシドールを使って藻類を枯らす方法はこちらの記事で解説していますので作業の前にぜひご覧ください。
- 生体メインの水槽⇒ 1週間程度
- 水草メインの水槽⇒ 3~5日程度
これくらいの期間を目安に遮光をするとかなり芝生状の藻類を弱らせることができます。
水草の入っていない水槽ならデメリット無しで行えますので長期間遮光を続けるのも良いです。
水草水槽の場合、長期間続けると水草も枯れてしまうので長くても5日程度にしましょう。
遮光だけで芝生状の藻類を駆除するのは時間がかかりますのでお掃除屋さんと組み合わせて行うのが効果的です。
- お掃除屋さんに食べてもらう
- 水草の葉をカットする
- 遮光
- お掃除屋さんに食べてもらう
- 水草の葉をカットする
- オキシドールをかける
お掃除屋さん、付いている水草の葉をカットすることは共通として、芝生状の藻類がどれくらい増殖しているかで「遮光」と「オキシドール」を使い分けるのがおすすめです。
- 換水
- 活性炭の使用
などで水中の養分を少なくすることである程度ではありますが芝生状の藻類の増殖を少なくすることができます。
ただし、効果は限定的なのであまり過信しないようにしましょう。
現状、芝生状の藻類が増殖しているなら除去方法を参考に対応することをおすすめします。
当ブログでは水槽で増殖する藻類を11タイプに分類してご紹介しています。
藻類は現在約4万種が記載されており、自然界には30万種以上がいると推定されています。
水槽で増殖するものもかなりの種類に登るのですが、対応を簡単にするために同様に対応できるものをまとめています。
藻類ごとに微妙に有効な対策法が変わりますので増えている藻類の記事をご確認ください。
本記事は「芝生状の藻類対策」を解説しました。
厄介な藻類なのでリセットに追い込まれた方も多いハズ。
ある程度増えてしまうとお掃除屋さんだけでは対応が追いつかないですから、状況に応じてオキシドールや遮光を組み合わせて対応しましょう!
思い切った対応が必要な藻類です!
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