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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は「水槽が濁る6つの原因と対処法」を解説します。
せっかくオシャレな水槽セットを買って作ってみたもののお水が濁っていたら台無しですよね。
水槽の濁りは適切な対応をすることで「水が見えないくらい透明な水槽」を作ることができますよ。
そこで今回は、私が普段から実践している濁り対策をご紹介します。
「6つの濁りの原因」「濁りの対処法」「濁りを予防する方法」「Q&A」など、初心者の方にも分かりやすく丁寧にご説明していきます。
ぜひとも水槽の水を「透明」にしてください!
水槽のお水が濁る原因はこちらの6つに大きく分けることができます。
対処法が微妙に変わりますので、それぞれの濁りの特徴と対処法を解説していきます。
ソイル(水槽用の土)や砂利、石、流木などから出るカスのようなものが舞って濁ることが多いですよ。
このタイプの濁りは比較的簡単に対処できます。
水が白、灰色がかって見えることが多いですね。
主に水槽の中をいじった時に発生するので、新規セット時に発生しやすいです。
金魚やドジョウなどの「底床を掘り起こす生き物」がいると継続的に発生することがあります。
このタイプの濁りを放置しておくと、「藻類の増殖」「悪玉バクテリアによる濁り」「グリーンウォーター」などの発生原因になるので早めに対応しましょう。
- 換水
- 物理ろ材を使う
- 凝集剤を使う
換水
このタイプの濁りなら「換水」をするのが一番早い解決策です。
50%程度の換水を2~3回繰り返すそれなりに透明になります。
換水だけでは完全に濁りを取りきるのは難しい場合は他の方法と併用するのがおすすめです。
物理ろ材を使う
物理ろ材とは大きな汚れを濾し取るためのろ材です。
最も一般的なタイプのろ材なので、多くのフィルターの初期セットに含まれています。
ウールマット(白い綿状のろ材など)をフィルターに多めに入れることで素早く濁りをとることができます。
物理ろ材は目が細かいので強力にろ過をしてくれますが、その分、目詰まりするのが早いのでマメに交換するか、落ち着いたら取り除いてしまうと良いでしょう。
凝集剤を使う
ADA クリアウォーターなど凝集剤と呼ばれる濁りを除去できるコンディショナーを使うことで、簡単に濁りに対応できます。
水槽に投入すると数分で水が透明になるので1本持っておくと重宝しますよ。
濁りを綺麗に消すわけではなく「水に舞っている小さな粒子をまとめて大きな塊にしてフィルターでろ過できるようにする」というものなのでフィルターが無いと機能しません。
また、仕様上、汚れがフィルター集まるのでろ材が目詰まりしやすくなりますのでご注意ください。
凝集剤の使い方はこちらの記事で解説しています。
エサの種類によっては成分が溶けだして濁ったように見えることがあります。
このタイプの濁りは水が黄ばんだように見えたり、赤く濁ったように見えることが多いです。
「フレークタイプ」のエサを与えすぎていることが原因であることが多いです。
エサの量が多くなりがちなお魚をたくさん飼育している水槽で起こりやすいです。
- 餌の量を見直す
- 換水
- 活性炭を使う
- 着色料を使っていないエサにする
餌の量を見直す
「お魚の片目くらいの大きさの量」を「1日、1~2回与える」
これがお魚の餌やりの基本です(小型魚の場合)。
餌の与えすぎは水が濁るだけでなく、「水質悪化」「藻類の増殖」「水槽が臭い」「お魚の健康悪化」など良いことが1つもありませんので注意しましょう。
餌の量や回数などはこちらの記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
換水
換水すれば濁りが薄まりますが、、、
換水だけではこの濁りの原因を取り除くことができないので応急処置でしかありません。
必ず、「餌の量の見直す」「餌を交換する」などの対策とセットで行いましょう。
活性炭を使う
活性炭をフィルターに入れて吸着させることで濁りを取り除きます。
お手軽ですがこちらも原因を取り除く訳では無いので注意が必要です。
換水同様お手軽ですがこちらも原因を取り除く訳では無いので注意が必要です。
必ず、「餌の量の見直す」「餌を交換する」などの対策とセットで行いましょう。
濁りずらいエサにする
身も蓋も無いですが汚れづらい餌を使うのが1番です!
もし、エサに着色料が含まれているものを使っているなら常に水に色をつけているようなものです。
すぐに違うエサに変えた方が良いですよ。
熱帯魚(小型魚)におすすめの餌はこちらの記事でご紹介しています。
流木などから滲み出すアクは水槽の水を茶色くします。
アクが出ると薄めた紅茶のような色になります。
特に大きな塊状の流木からはアクがたくさんでますので、予めフィルターの中に活性炭を入れておくと予防できますよ。
- 換水
- 活性炭を使う
- 予めアク抜きをする
換水
シンプルに換水すればアクが薄まります。
換水を繰り返すだけでも、徐々にアクは薄まっていきますよ。
流木によっては頑固にアクが出続けるものもあります。
換水をマメに続けるもの大変ですから活性炭をフィルターに入れて対応すると良いでしょう。
活性炭を使う
活性炭をフィルターに入れて吸着させることでアクを取り除きます。
最初からフィルターに入れておくことで、あまりアクが気にならなくなるはずです。
個人的にはアク対策は活性炭が一番簡単だと考えています。
フィルターに活性炭を入れておけばアクで悩むことは少ないはずです。
予めアク抜きをする
バケツなどで予めアク抜きをすればあまりアクで悩まされることは無いでしょう。
出汁のように1番最初に濃いアクが出ます。
そんな「1番アク」だけでも予めアク抜きしておくと濁りづらいですよ。
流木のアク抜き方法はこちらの記事で解説していますので作業前にご確認ください。
長期間うっすらと濁り続ける水槽。
そんな時は何らかのバクテリアが大量に増殖してしまっていることが多いです。
実は最も対処することが難しい濁りです。
「まあまあ綺麗なんだけど、何となくモヤっとしている」みたいなちょっとだけ濁っている場合はだいたいこれです。
余分にある養分、有機物を餌にして増えた悪玉バクテリアが増えることで発生しています。
生体や水草に害はありませんが見た目がスッキリしません。
このタイプの濁りに対処できるとアクアリウムショップのような透き通った水になりますよ!
- 換水
- 餌の量を見直す
- 活性炭を使う
- 凝集剤を使う
- フィルターを成熟させる
- 殺菌灯を使う
換水
換水をすることで余分にある「養分」「有機物」を取り除くことで予防できます。
あくまで予防なので換水だけでこの濁りを抑えることはできません。
換水で時間を稼いで凝集剤など別の方法を取り入れるのがおすすめ。
餌の量を見直す
「余ったエサ」=「余分な養分、有機物」です。
餌が残らないように与えることでこのタイプの濁りを予防できます。
すでに濁りが発生しているなら餌の量を改善しても解決しないかもしれません。
そんな時は他の対処法も同時にお試しください。
活性炭を使う
活性炭をフィルターに入れて吸着させることで余分な有機物を取り除きます。
特にセット初期の水槽などは多めに活性炭を入れることで余った有機物が原因で起こる濁りを予防できます。
残念ながら活性炭を持ってしてもこのタイプの濁りでは予防にしかなりません。
活性炭で解決しない場合は凝集剤をお試しください。
凝集剤を使う
凝集剤を使うことで水中を漂う余分な有機物を除去できます。
また、浮遊している悪玉バクテリアを凝集除去できるので一時的に透明な水になりますよ。
凝集剤を使うことで1時的にせよ、このタイプの濁りを無くすことができます。
根本的な解決はフィルターの成熟を待つことになりますが、それまでの時間稼ぎは十分にできるはずです。
フィルターを成熟させる
このタイプの濁りの原因に対処できる唯一の方法です。
一言で説明するなら「生物ろ過」を成熟させることで透明な水になります。
- 発達したバイオフィルムによる凝集効果
- 原生動物などによる浮遊バクテリアの捕食
主にこの2つの効果によって透明な水がバキバキに透明になります。
ろ過バクテリアの成熟は悪玉バクテリアを抑える唯一の方法ですので、ぜひとも生物ろ過に詳しくなって透明な水槽にしましょう。
生物ろ過については別記事で詳しく解説しました。
パキッとした透明な水槽の水にするには欠かせないお話ですのでぜひお時間のある際にご覧ください。
殺菌灯を使う
殺菌灯を使うことで浮遊するバクテリアを殺菌することができます。
そのため、悪玉バクテリアが関係した濁りを強く予防することができますよ。
- 比較的高価
- 水温が上昇する
- 別途、水流ポンプが必要(外部式フィルターなど)
などなど、導入ハードルは高いですが、その分、効果も高いです。
濁りだけでなく「病原菌抑制」「藻類抑制」に大きな効果があるので予算に余裕のある方は導入を検討しても良いでしょう。
グリーンウォーターとは植物プランクトンが大量発生して濁っている状態です。
水が薄っすらと灰色~緑色になります。
有効な対処法が限定されているので難しいタイプの濁りと言えます。
こちらも悪玉バクテリアの濁りと同様、余分な養分、有機物が原因となって起こります。
高光量のライト、養分が豊富なことが多い水草水槽で発生しやすいですね。
グリーンウォーター対策については別記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
換水をすると水が白濁する!
なんて時はこのパターンが多いです。
フィルターも洗ってないのに、底床もいじっていないのに、ただ水だけを交換したら白く濁るようなら、硬度と炭酸塩の影響を疑いましょう。
ちょっとややっこしい解説になるのですが、原因は炭酸カルシウムと思われます。
換水の影響により、炭酸イオンとカルシウム分が反応して炭酸カルシウムができます。
炭酸カルシウムは水にほとんど溶けないため(1Lに0.05g 溶ける)、硬度が高い水槽では溶けきれず微粒子状になります。
これが原因で濁って見えているというわけです。
- 待つ
- 換水時にPH/KHマイナスを使う
- 硬度を下げる
- 凝集剤を使う
待つ
単純に待つだけで透明になることが多いです。
換水時に炭酸カルシウムができる
水に溶けきれない分が濁りとなる
微粒子同士がぶつかり大きな塊になる
沈殿し透明になる
透明になるまでの流れを簡単に説明するとこんな感じです。
どれくらいで透明になるのかは、水槽の硬度や換水する水の炭酸塩の濃度などで変わるのですが、多くの場合で半日程度で収まる事が多いです。
換水時にPH/KHマイナスを使う
テトラ PH/KH マイナスなど、炭酸塩を少なくできる薬剤を使うことで濁りを抑えることができます。
添加量は水道水の水質により大きく異なりますので、濁り方を見ながら添加量を調整すると良いでしょう。
もともとはPHを下げる薬品ですので、PHの下がり具合も確認しながら、地域の水道水の水質にあった添加量を掴むのがコツです。
硬度を下げる
硬度を下げることができるろ材「ウォーターエンジニアリング リバース・グレイン ソフト6.8」などを使用すると硬度を下げることができます。
水槽の水の硬度が高いと炭酸カルシウムが溶けないため濁っているわけですから、硬度を下げて溶けるようにすると濁りは少なくなります。
軟水化作用のある浄水器を使用して、換水に使用する水を軟水にするのも効果的です。
硬度を下げる方法はこちらの記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
凝集剤を使う
凝集剤を使うことで水中に舞っている炭酸カルシウムの微粒子を凝集除去できます。
すぐに透明にしたい場合に頼りになります。
凝集剤を使うことで簡単にこのタイプに濁りに対応できます。
場当たり的な対応ではありますが、急に濁ってしまった場合の対応時など、持っていると便利です。
- 物理ろ材
- 餌の量に注意する
- 凝集剤
- 活性炭
- 殺菌灯
こちらの6つは様々な濁りに幅広く対応できるので濁り予防に効果的です。
水槽をセットする際にいくつかご用意しておくことで濁りで悩みづらくなりますよ!
「余ったエサ」=「余分な養分、有機物」です。
餌が残らないように与えることで濁りの原因を減らせます。
殺菌灯を使うことで浮遊するバクテリアを殺菌することができます。
悪玉バクテリア、グリーンウォーター関連の濁り予防に効果大です。
導入ハードルさえクリアできるならどの水槽にも付けたいくらい。
- 大型魚の水槽
- 肉食魚の水槽
- 活餌を与えている水槽
- カメ、ウーパールーパーなどの水を汚しやすい生き物の水槽
このような水槽は餌の量、フンの量が多いことからどうしても濁りやすいと言えます。
これらの水槽を透明にキープするためには濁り予防を導入しつつマメにメンテする必要があります。
大きなお魚はその分餌の量が多くなるので餌の残り、分の量が多くなる傾向があります。
肉食魚の好む餌は高タンパクなものが多く、その分を水が汚れがちです。
人工餌と比べ、活餌の方が水が汚れやすいです。
特に噛み砕いで食べるタイプのお魚は破片が飛び散りより水を汚すので注意が必要です。
※ミジンコやブラインシュリンプ幼生などは例外的に水が汚れずらいです
カメやウーパールーパーは餌の食べ方、フンの量から水を汚しやすい生き物と言えます。
そのため、濁り予防には限界があるのでマメに換水をして汚れそのものを定期的に取り出すようにすると良いでしょう。
今回ご紹介した濁り対策は結果として「臭い予防」「藻類予防」にもなります。
それぞれの対策については別記事で詳しく解説しました。
合わせてご覧になって、綺麗な水槽管理のコツを学んでください!
- 濁りが続く時間はどれくらい?
- 状況により変わります。
フィルターを稼働させればすぐに収まる場合もありますし、無策の場合、ずっと続くこともあります。3日~1週間以上濁りが続くようなら濁り対策をしたほうが良いでしょう。
- 濁ると水は何色になるの?
- 状況により変わります。
多くは、うっすらとした白、灰色のような感じで濁ります。
水槽が曇っているような感じですね。
流木のアクの場合は茶色に、グリーンウォーターなら緑色に濁りますよ。
- 水槽を新しくセットした。水が濁っているけど大丈夫?
- 最初からピカッと透明になることは少ないです。
新規セット水槽の場合、環境が落ち着くまでの間(2週間~1ヶ月程度)濁りが継続してしまうことがあります。
多くの場合、フィルターが安定してくると収まりますが、長く続くようならこちらの施策を試してみてください。
- 水槽を掃除したら濁ってしまった。どうしたら良い?
- 基本的にフィルターを稼働させればそのうちに綺麗になるはずです。
セットからある程度時間が経過している水槽なら、フィルターを回してしばらくすると(12~24時間程度)元のように綺麗な水に戻るはずです。
大掃除など、大きく水槽内の環境が変わった場合は新規セット時と同様にしばらく濁りが継続するかもしれません。
その場合は、こちらの施策を行うことで濁りを予防することができます。
- 夏になったら水槽が濁った。どうして?
- 水温、底床内の温度が上昇したからだと考えられます。
温度が高い時期はバクテリアなどの活動が活発になるため、特に「悪玉バクテリア」「グリーンウォーター」などが原因の濁りが発生しやすくなります。
季節柄、ある程度は仕方がありませんがそれぞれの濁り対策をご確認のうえ、お試しください。
水温を下げる施策も同時に行うとより効果があります。
- 濁り対策にエアレーションは有効?
- 行なって悪いものではありませんが効果は限定的です。
エアレーション(ブクブク)をすることは新鮮な空気を水槽内に入れることができるので、行なって悪影響のあるものではありませんが、濁り対策になるかというと微妙なところです。
- 濁り対策にバクテリア剤は有効?
- ある程度効果のある濁りもあります。
「悪玉バクテリア」に関係している濁りならある程度効くこともあります。
ただし、しっかりとバクテリア剤が効く環境を用意しなければならず効果は限定的です。
- 屋外に設置しているビオトープが濁っている。どうすれば良い?
- 太陽光の当たる環境はグリーンウォーターが発生しやすいです。
屋外のビオトープでグリーンウォーターを予防する場合は、「睡蓮を育てる」「遮光する」「タニシ、淡水シジミを入れる」などの対策が有効です。
見た目のお好みもあると思いますが、睡蓮は見た目にも楽しくグリーンウォーターを抑制できるのでおすすめの方法です。
- 換水をすると白濁します
- 恐らく硬度と炭酸塩の影響で白濁が発生しています。
環境が悪いというよりは、水槽の水と換水に使用している水の水質の違いによって発生するタイプの濁りです。詳しくは本文をご覧ください。
今回は「水槽が濁る6つの原因と対処法」を解説しました。
水槽のお水を透明に維持するにはそれなりの努力が必要です。
しかし、透明な水の水槽はそれだけで美しいものですよ。
なかなか最初からは上手く透明にならないかもしれませんが、水槽と向き合ううちに徐々に感覚的に掴めてくると思います。
特に「生物ろ過」の成熟は一筋縄では行かないと思いますので、気長に向き合ってみてくださいね!
「透明な水」になると気持ちが良いですよ!
この記事が参考になったら感想を教えてもらえると嬉しいです。
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