本記事は「水槽が濁る5つの原因と対処法」を解説します。
せっかくオシャレな水槽セットを買って作ってみたものの、お水が濁っていたら台無しですよね。
しかし、適切な対応をすることで「水が見えないくらい透明な水槽」を作ることができますよ。
そこで今回は、私が普段から実践している濁り対策を詳しく解説していきます。
「5つの濁りの原因」「それぞれの対処法」「特に濁りが発生しやすい水槽」「Q&A」など、初心者の方にも分かりやすく丁寧にご説明していきます。
本記事を参考に、ぜひとも水槽の水を「透明」にしましょう!
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水槽のお水が濁る原因はこちらの5つに大きく分けることができます。
対処法が微妙に変わりますので、それぞれの濁りの特徴と対処、予防法を解説していきます。
① ゴミが舞っている

ソイル(水槽用の土)や砂利、石、流木などから出るカスのようなものが舞って濁っている状態です。
濁りの中で最も簡単に対処できます。
白、灰色がかって見えることが多いですね。
主に水槽の中をいじった時に発生するので、新規セット時に発生しやすいですよ。
金魚やドジョウなどの「底床を掘り起こす生き物」がいると継続的に発生することがあります。
このタイプの濁りを放置しておくと、「藻類の増殖」「悪玉バクテリアによる濁り」「アオコ」などの発生原因になるので、なるべく早く対応しましょう。

- 換水
- 物理ろ材を使う
- 凝集剤を使う


セット初期の濁りなら「換水」をするのが一番早い解決策です。
50%程度の換水を2~3回繰り返すそれなりに透明になります。
換水だけでは完全に濁りを取りきるのは難しいので他の方法と併用するのがおすすめです。


物理ろ材とは大きな汚れを濾し取るためのろ材です。
最も一般的なタイプのろ材なので、多くのフィルターの初期セットに含まれています。
ウールマット(白い綿状のろ材など)をフィルターに多めに入れることで素早く濁りをとることができます。
物理ろ材は目が細かいので強力にろ過をしてくれますが、その分、目詰まりするのが早いのでマメに交換するか、落ち着いたら取り除いてしまうと良いでしょう。
規定量を投入すると数分で水が透明になるので、1本持っておくと重宝しますよ。
濁りをキレイに消すわけではなく、「水に舞っている小さな粒子をまとめて大きな塊にしてフィルターでろ過できるようにする」というものなのでフィルターが無いと機能しません。
また、仕様上、汚れがフィルター集まるのでろ材が目詰まりしやすくなりますのでご注意ください。



② 着色料が溶けている
主にエサに含まれている着色料が原因で起こる濁りです。
水が黄ばんだように見えたり、赤く濁ったように見えることが多いです。
「フレークタイプ」のエサを与えすぎていることが原因であることが多いです。
また、エサの量が多くなりがちなお魚をたくさん飼育している水槽で起こりやすいです。
- 餌の量を見直す
- 換水
- 活性炭を使う
- 着色料を使っていないエサにする


「お魚の片目くらいの大きさの量」を「1日、1~2回与える」
これがお魚の餌やりの基本です(小型魚の場合)。
餌の与えすぎは水が濁るだけでなく、「水質悪化」「藻類の増殖」「水槽が臭い」「お魚の健康悪化」と良いことが1つもありません。
餌の量には十分注意しましょう。




シンプルに換水すれば濁りが薄まります。
換水だけではこの濁りの原因を取り除くことができないので応急処置でしかありません。
必ず、「餌の量の見直す」「餌を交換する」などの対策とセットで行いましょう。
活性炭をフィルターに入れて吸着させることで着色料を取り除きます。
お手軽ですがこちらも原因を取り除く訳では無いので注意が必要です。
換水同様お手軽ですがこちらも原因を取り除く訳では無いので注意が必要です。
必ず、「餌の量の見直す」「餌を交換する」などの対策とセットで行いましょう。
もし、エサに着色料が含まれているものを使っているなら、常に水に色をつけているようなものです。
すぐに違うエサに変えた方が良いですよ。


③ 流木などのアク


流木などから滲み出すアクが原因で起こる濁りです。
水が薄めた紅茶のような色になります。
特に大きな塊状の流木からはアクがたくさんでますので、予めフィルターの中に活性炭を入れておくと予防できますよ。
- 換水
- 活性炭を使う
- 予めアク抜きをする


シンプルに換水すればアクが薄まります。
換水を繰り返すだけでも、徐々にアクは薄まっていきますよ。
活性炭をフィルターに入れて吸着させることでアクを取り除きます。
最初からフィルターに入れておくことで、あまりアクが気にならなくなるはずです。


バケツなどで予めアク抜きをしてから水槽へ流木を入れれば、あまりアクで悩まされることは無いでしょう。
アク抜きをしても全てのアクが抜け出る訳ではありませんが、一番最初に出る「濃いアク」は水槽へ出ませんので、あまり気にならないはずです。


④ 悪玉バクテリア


何らかのバクテリアが大量に発生することで濁っているように見えます。
最も対処することが難しい濁りです。
「まあまあキレイなんだけど、何となくモヤっとしている」ように、ちょっとだけ濁っている場合はだいたいこれです。
余分にある養分、有機物を餌にして増えた悪玉バクテリアが増えることで発生しています。
凝集剤を使い濁りを抑えつつ、フィルターが成熟するのを待つのがおすすめの対処法です。
- 換水
- 餌の量を見直す
- 活性炭を使う
- 凝集剤を使う
- フィルターを成熟させる
- 殺菌灯を使う


換水をすることで余分にある「養分」「有機物」を取り除くことで予防できます。
あくまで予防なので換水だけでこの濁りを抑えることはできません。


「余ったエサ」=「余分な養分、有機物」です。
餌が残らないように与えることで、このタイプの濁りを予防できます。


活性炭をフィルターに入れて吸着させることで余分な有機物を取り除きます。
特にセット初期の水槽などは多めに活性炭を入れることで余った有機物由来の濁りを予防することができますよ。





このタイプの濁りの原因に対処できる唯一の方法です。
一言で説明するなら「生物ろ過」を成熟させることで透明な水になります。
- 発達したバイオフィルムによる凝集効果
- 原生動物などによる浮遊バクテリアの捕食
主にこの2つの効果によって透明な水がバキバキに透明になります。
ろ過バクテリアの成熟は悪玉バクテリアを抑える唯一の方法ですので、ぜひとも生物ろ過に詳しくなって透明な水槽にしましょう。
こちらの記事で生物ろ過について詳しく解説しました。
パキッとした透明な水槽の水にするには欠かせないお話ですので、ぜひお時間のある際にご覧ください。


- 比較的高価
- 水温が上昇する
- 別途、水流ポンプが必要(外部式フィルターなど)
などなど、導入ハードルは高いですが、その分、効果も高いです。
濁りだけでなく「病原菌抑制」「藻類抑制」に大きな効果があるので、予算に余裕のある方は導入を検討しても良いでしょう。


⑤ アオコ


植物プランクトンが大量発生して濁っている状態です。
水が薄っすらと灰色~緑色になります。
効果の高い対処法が限定されているので難しいタイプの濁りと言えます。
こちらも悪玉バクテリアの濁りと同様、余分な養分、有機物が原因となって起こります。
アオコに最も効果の高い「凝集剤」を使うのが対処のコツです。
高光量のライト、養分が豊富なことが多い水草水槽で発生しやすいです。
- 換水
- 活性炭を使う
- お掃除屋さんに食べてもらう
- 凝集剤を使う
- アオコ除去剤を使う
- 殺菌灯を使う


換水をすることで水中のアオコ、余分な養分、有機物を取り除くことで予防できます。
あくまで予防なので換水だけでこの濁りを抑えることはできません。
活性炭をフィルターに入れて吸着させることで余分な有機物を取り除きます。
特にセット初期の水槽などは多めに活性炭を入れることで余った有機物由来のアオコを予防することができますよ。


タニシ、淡水シジミはアオコを食べてくれます。
大量に発生すると対処は難しいですが、最初からある程度いれておくことで予防することができます。


- 比較的高価
- 水温が上昇する
- 別途、水流ポンプが必要(外部式フィルターなど)
などなど、導入ハードルは高いですが、その分、効果も高いです。
濁りだけでなく「病原菌抑制」「藻類抑制」に大きな効果があるので、予算に余裕のある方は導入を検討しても良いでしょう。




餌の量の目安は「お魚の片目の大きさ程度」です。
特に初心者の方は、餌を多く与えすぎてしまいトラブルが起こることが多いので十分に注意してくださいね。
餌を与えすぎてしまうと濁りだけでなく、「水槽が臭う」「藻類の増殖」「お魚の健康悪化」などの原因になりますので、くれぐれもご注意ください。
餌の与え方はこちらの記事で詳しく解説しています。
興味のある方はぜひご覧ください。


- 大型魚の水槽
- 肉食魚の水槽
- 活餌を与えている水槽
- カメ、ウーパールーパーなどの水を汚しやすい生き物の水槽
このような水槽は餌の量、フンの量が多いことから、どうしても汚れが多く発生するので濁りやすいと言えます。
そのため、これらの水槽を透明にキープするためには本記事の内容を参考にマメにメンテンスをする必要がありますよ。


大きなお魚はその分餌の量が多くなるので餌の残り、分の量が多くなる傾向があります。


肉食魚の好む餌は高タンパクなものが多く、その分を水が汚れがちです。


人工餌と比べ、活餌の方が水が汚れやすいです。
特に噛み砕いで食べるタイプのお魚は破片が飛び散りより水を汚すので注意が必要です。
※ミジンコやブラインシュリンプ幼生などは例外的に水が汚れずらいです


カメやウーパールーパーは餌の食べ方、フンの量から水を汚しやすい生き物と言えます。
そのため、濁り予防には限界があるのでマメに換水をして汚れそのものを定期的に取り出すようにすると良いでしょう。


こちらの4つの方法は様々な濁りに幅広く対応できるので、多くの水槽で活躍してくれます。
水槽の濁りでお悩みなら、まずはこちらをセットして濁り対策をすると良いでしょう。
凝集剤は多くの濁りに対応でき、かつ液体タイプなので手軽に水槽に添加することができます。
1つ持っておくと水槽が濁った時にすぐに対応できますので便利ですよ。
こちらの記事で凝集剤の使い方を詳しく解説しています。
興味のある方はぜひご覧ください。



今回ご紹介した濁り対策は結果として「臭い予防」「藻類予防」にもなります。
それぞれの対策については別記事で詳しく解説しました。
合わせてご覧になって、キレイな水槽管理のコツを学んでください!






フィルターを稼働させればすぐに収まる場合もありますし、無策の場合、ずっと続くこともあります。
そのため、3日~1週間以上濁りが続くようなら濁り対策をしたほうが良いでしょう。
新規セット水槽の場合、環境が落ち着くまでの間(2週間~1ヶ月程度)濁りが継続してしまうことがあります。
多くの場合、フィルターが安定してくると収まりますが、長く続くようならこちらの施策を試してみてください。
セットから時間のある程度時間が経過している水槽なら、フィルターを回してしばらくすると(12~24時間程度)元のようにキレイな水に戻るはずです。
そのため、過度に気にする必要は無いでしょう。
大掃除など、大きく水槽内の環境が変わった場合は新規セット時と同様にしばらく濁りが継続するかもしれません。
その場合は、こちらの施策を行うことで濁りを予防することができます。
温度が高い時期はバクテリアなどの活動が活発になるため、特に「悪玉バクテリア」「アオコ」などが原因の濁りが発生しやすくなります。
季節柄、ある程度は仕方がありませんがそれぞれの濁り対策をご確認のうえ、お試しください。
また、水温を下げる施策も同時に行うとより効果があります。


エアレーション(ブクブク)をすることは新鮮な空気を水槽内に入れることができるので、行なって悪影響のあるものではありませんが、濁り対策になるかというと微妙なところです。
そのため、あまり過信しないようにしましょう。


「悪玉バクテリア」に関係している濁りならある程度効くこともあります。
ただし、しっかりとバクテリア剤が効く環境を用意しなければならず効果は限定的です。
バクテリア剤の使用を否定するものではありませんが、濁り対策ならもっと効果の高い施策がありますよ。


屋外で管理しているビオトープなどのアクアリウムは太陽光が当たりやすいことから、アオコなどの植物プランクトンが大量発生しやすいです。
そのため、濁りやすい環境と言えます。
屋外のビオトープでアオコを予防する場合は、「睡蓮を育てる」「遮光する」「タニシ、淡水シジミを入れる」などの対策が有効です。
見た目のお好みもあると思いますが、睡蓮は見た目にも楽しくアオコを抑制できるのでおすすめの方法です。


今回は水槽の「水槽が濁る5つの原因と対処法」を解説しました。
水槽のお水を透明に維持するにはそれなりの努力が必要です。
しかし、透明な水の水槽はそれだけで美しいものですよ。
なかなか最初からは上手く透明にならないかもしれませんが、水槽と向き合ううちに徐々に感覚的に掴めてくると思います。
特に「生物ろ過」の成熟は一筋縄では行かないと思いますので、気長に向き合ってみてくださいね!



「透明な水」は簡単なようで、意外と難しいです!