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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は「ヤマトヌマエビ」を詳しく解説します。
ヤマトヌマエビは藻類対策として特に水草水槽では欠かせない存在です。
できるだけ調子良く飼育して本来の水槽を綺麗にする力を発揮してもらうためにも、ヤマトヌマエビに詳しくなりましょう。
そこで今回は「飼育水温」「水合わせ」「混泳」「ヤマトヌマエビVSミナミヌマエビ」「じっとして動かない時」など、ヤマトヌマエビについて掘り下げて解説します。
初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説していきますので、興味のある方はぜひご覧ください。
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- ヌマエビ科
- ヒメヌマエビ属
- ヤマトヌマエビ
子供時代を海で過ごし、大人になると川に戻ってくるエビ。
インド太平洋沿岸に広く分布しています。寿命は3~5年程度。
アクアリウム業界では「藻類のお掃除屋さん」として古くから親しまれており、在庫していないお店は無いのでは?というくらいポピュラーなエビです。
エビの中でも丈夫で飼育しやすいことから初心者の方でも十分に飼育できますよ。
- オス⇒ 3~4cm程度
- メス⇒ 4~6cm程度
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藻類のお掃除屋さんとして頼りになります!
10~30℃
これくらい広い水温に適応できます。
もともと、インド太平洋沿岸に広く分布しているので、環境への適応範囲はとても広いエビです。
そのため、水槽でも飼育しやすいというわけです。
とはいえ、急な水温変化は苦手です。
- 熱帯魚用ヒーターを使い25℃程度にキープする
- 金魚・メダカ用ヒーターを使い20℃程度にキープする
など、あまり水温変化が起きないようにヒーターを使って管理するのがおすすめです。
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基本的に水の中の生き物は水温の急変を嫌います。ヤマトヌマエビに限らずヒーターを使い水温を一定に保つことが有効ですよ!
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いいえ。そんなことはありません!
温度変化のあまり無い場所なら、ヒーター無しでも十分飼育できますよ。
しかし、以下の環境に水槽があるなら水温管理をした方が無難です。
- エアコンなどを頻繁にON/OFFする場所
- 外気の影響を受けやすい場所
これらの環境は水温変化が大きい傾向があるので、ヒーターや冷却ファン、水槽用クーラー、エアコンなどで水温対策をすることをおすすめします。


水合わせとは生き物を水槽に入れる際に行う「水質を慣らす作業のこと」です。
いきなり水槽に入れてしまうと、環境の変化からショックを起こして調子を崩してしまいます。
大事を取るなら「点滴法」という水合わせが1番丁寧にできるのでおすすめです。
ヤマトヌマエビはとても丈夫なエビなので、「水槽に入れるヤマトヌマエビ」「入れる水槽」のコンディションが良いのなら「簡単な水合わせ」でも良いでしょう。
どちらの水合わせ方法も別記事にて詳しく解説しましたので、水槽に入れる際はご確認ください。
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僕はヤマトヌマエビの水合わせは「簡単な水合わせ」で済ましてしまうことが多いです!
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混泳とは、他の生き物と一緒に水槽に入れることです。
ヤマトヌマエビは比較的たくさんの生き物と一緒に水槽で飼育できるエビです。
ヤマトヌマエビを食べしまうお魚以外とは一緒に飼えますよ。
- メダカ
- 金魚(子供)
- 小型熱帯魚全般
- 金魚(大人)
- 肉食魚
- 大型魚
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他のエビと一緒に飼うこともできます!
ヤマトヌマエビはお掃除屋さんなので、死んでしまったお魚の死体を良く食べます。
また、すぐに死んでしまいそうお魚をフライングして食べてしまうこともありますよ。
ですが、元気なお魚は襲われませんのでご安心ください!
[fish title=”MEMO”]死んでしまった生き物をお掃除してくれる生き物のことを「スカベンジャー」と呼びます。[/fish]
新しいお魚を水槽に入れた日など、一時的にお魚が調子を崩してしまうタイミングは注意して観察した方がよいかもです!

ヤマトヌマエビは藻類対策として1番優秀なエビです。
藻類を食べる量、食べる種類ともに多いので、ヤマトヌマエビがいなければ綺麗に保つことが難しいケースは数多いですよ。
- 珪藻
- トロロ昆布状の藻類
- 糸状藻類(アオミドロ)
- 糸状藻類(芝生状)
などに有効ですよ。
特に水草水槽の場合、これらの藻類に悩まされることが多いので、なるべく早いタイミングで水槽に入れましょう。
水槽サイズ別のヤマトヌマエビの投入量や藻類対策については、別記事にて詳しく解説しましたのでお困りの方はぜひご覧ください!

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ヤマトヌマエビは残り餌も食べてくれますよ!
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
同じく藻類対策として良く使われるエビに「ミナミヌマエビ」がいますが、藻類除去能力はヤマトヌマエビの方が上です。
基本的に「3倍程度」、ヤマトヌマエビの方が藻類を食べてくれますので、藻類でお悩みの際はヤマトヌマエビを入れることをおすすめします。


こんな感じで水槽導入直後に流木や石、パイプの影などに隠れてあまり動かなくなってしまうことがあります。
- 環境を移動したことによるストレス
- 水槽環境が良くないことによるストレス
- もともと調子が良くないヤマトヌマエビだった
などなど、このような事情からヤマトヌマエビの状態が落ち着くまで、本来の動きを見せないことがあります。
状況にもよりますが、2~4週間程度で落ち着くことが多いので、ゆっくり様子を見てあげましょう。
- エアレーションをする(ブクブク)
- バクテリア剤などを使いろ過を安定させる
エアレーション(ブクブク)をして水中の酸素を増やしてあげること、バクテリア剤などを使い素早くろ過を安定させることが有効です。
必ずしも調子が上がるわけではありませんが、効く時は数日で効果が現れますので試してみることをおすすめします。
[leaf title=”MEMO”]水草水槽の場合は「夜間エアレーション」が有効です。[/leaf]
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在庫期間の長いヤマトヌマエビ
こちらがおすすめです。
身も蓋もないですが、水槽で長い期間管理されているヤマトヌマエビのほうが水槽環境に馴染んでいます。
水槽に慣れているヤマトヌマエビは前述の「じっと動かない状態」になりづらいので、水槽導入直後から元気に動き回りますよ。
また、ヒーターを使い管理しているなど、なるべく「一般的な水槽環境」に近いスタイルで管理されているヤマトヌマエビの方が水槽に入れた時に早く動き出します。
ヤマトヌマエビは日本国内で採取したものが流通しています。
そのため、漁師さんから直接仕入れた方が問屋さんを通すよりも安く仕入れることができます。
- 漁師さん⇒ 店舗⇒ ユーザー
- 漁師さん⇒ 問屋さん⇒ 店舗⇒ ユーザー
このような事情から、間に入る人の数を少なくすることで経費を削減できるのですが、その分、水槽で管理する期間が短くなってしまうため、水槽環境に馴染む時間をユーザー水槽でとる必要が多くなります。
逆に問屋さんを通して店舗に並ぶヤマトヌマエビの方が割高ですが、その分水槽に馴染みやすいですよ。
必ずしも「販売価格の高い=状態が安定している」というものではありませんが、一応の目安にはなると思います。
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管理技術の高い店舗で購入するのが1番です!
うちのヤマトヌマエビは藻を食べてくれない。。
ヤマトヌマエビが餌ばかり食べてお掃除しない。。
というお声を多く聞きますが、実はヤマトヌマエビに原因はありません。
- ヤマトヌマエビが食べる量より藻類の増殖量が多い
- 餌を与える量が多すぎる
このような状況では、一見するとヤマトヌマエビが働いていないように見えますが、実は精一杯働いているけれど、手が足りていないだけのことが多いですよ。
もし、ヤマトヌマエビが働いていないと感じているなら下記の対策が有効かもしれません。
- ヤマトヌマエビの数を増やす
- 藻類の数を減らす
- 餌の量を減らす
基本的に藻類の増殖量よりも、「ヤマトヌマエビが食べる量」が多くならないと藻類は減りません。
もし、ヤマトヌマエビがいるのに藻が減らないのであれば数を増やすことを検討しましょう。
また、同時に「藻類の数を減らす」ことも重要なので、同時進行で進めることをおすすめします。
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藻類の量に合わせてヤマトヌマエビを入れることが大切です!
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- なるべく手で取る
- 藻類を換水時に吸い出す
- ライトの点灯時間を短くする
などなど、「なるべく藻類を手で掃除すること」「藻類の生えづらい環境にすること」が大切です。
とはいえ、人の手だけでは藻類は完全に除去できませんのでヤマトヌマエビなどのお掃除屋さんの力を借りる必要があります。
大まかに藻類を減らして「細かいところをお掃除屋さんに頼る」という感覚を大切にしましょう。
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お魚の餌の量の目安は片目の大きさ程度です(小型熱帯魚の場合)。
余った餌があるとヤマトヌマエビは率先して食べます。
そしてお腹がいっぱいになれば藻類は食べません。
餌の与えて過ぎは、水が汚れて「藻類」「白濁」「臭い」の原因になるばかりか、太ったお魚は「病気」になりやすくなってしまいます。
そのため餌の量には十分に注意しましょう。
こちらの記事で餌の与え方について詳しく解説しました。
興味のある方はぜひご覧ください。
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そもそも「ヤマトヌマエビが動かないよ!」という方はこちらのパターンかもしれません。
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このような専用の餌もありますが、通常は「餌を与えなくても大丈夫」です。
というのも、自然と発生する藻類やバイオフィルム(ぬるぬる)、残り餌を食べているので、餌をあえて与えなくても問題無く飼育できることがほとんどです。
逆に大量の餌を与えてしまうとお腹がいっぱいになってしまうので、藻類や残り餌などのお掃除をしなくなってしまうので注意しましょう。

店舗のように1つの水槽で大量に飼育する場合は餌やりが必要です。
ヤマトヌマエビに限らずエビの仲間は農薬などの「殺虫成分」に弱い傾向があります。
現在、海外から輸入される水草には検疫を通す関係で農薬を噴霧している場合があります。
そのような水草を水槽に入れると急に
- ヤマトヌマエビが動かなくなる
- バタッと倒れる
などの症状がでることがあります。
そのため輸入物の水草を水槽に入れる際は、このような薬品で水草を処理してから水槽に導入することをおすすめします。
- 国産の水草
- 組織培養カップの水草
このように無農薬で流通している水草のありますので、心配な方はこれらの水草を使うと良いでしょう。
輸入物よりも数は少ないですが、国内で栽培された無農薬水草が流通することもあります。
水草に強い店舗で無いと手に入れづらいですが、興味のある方は探してみましょう。

「コケの仲間」は比較的、国産無農薬のものが出回りやすい傾向があります

組織培養水草は「水草の組織片を培養して増やした水草のこと」です。
通常は画像のようにカップに入って販売されています。
まだ伸びていない小さな株の状態で販売されているので、いまいち手に取りづらいかもしれませんが、抜群に使いやすいのでこれから水草を購入するなら組織培養水草がおすすめです。
- 藻類の混入が無い
- 貝の混入が無い
- 無農薬
という大きなメリットがありますよ。
組織培養水草についてはこちらの記事で詳しく解説しましたので、興味のある方はぜひご覧ください。
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直ちに80%程度の換水を行ってください。
農薬中毒が発生したら、すぐに水を取り替えて農薬を取り除きましょう。
倒れているエビはすぐに復活しませんので、1日程度様子をみてください。
1日待ってそれでも倒れているエビは恐らく死んでしまうため、腐敗によって水が悪くならないうちに取り除いてくださいね。。

エビは全般的に農薬に弱いのでご注意ください!
- 飼育しているお魚が病気になった
- 藍藻が出た
などなど、水槽に塩や魚病薬を入れたいタイミングもあるかもしれません。
ですが、基本的に塩水浴や薬浴をする場合は、飼育水槽では無く「隔離水槽」を用意してそちらで行いましょう。
魚病薬は基本的に生き物に負担がかかるので、病気になった生き物だけ薬浴するのが理想です。


ヤマトヌマエビは、生まれた幼生が海に下り、大人になったら川に遡上してくるエビです。
そのため、繁殖させるためには海水(汽水)環境が必要なので、ちょっと大変です。
ミジンコのような形のプランクトンからエビの形に変わっていく過程は興味深いので、繁殖に興味のある方はチャレンジしてみるのも面白いでしょう。
[fish title=”MEMO”]子供が海に下り大人になると遡上してくる生き物のことを「両側回遊型」と呼びます。[/fish]
僕は繁殖にチャレンジしたことはありませんが、今後は養殖の需要が高まると思います!
今回は「ヤマトヌマエビ」を掘り下げて解説しました。
藻類のお掃除屋さんとして水槽に入れることの多いエビなので、綺麗な水槽を維持するためにも大事に飼育したいですよね。
エビの中でも特に丈夫な種類なので、初心者の方でも飼育しやすいですから「エビ飼育の入門種」としてぜひ飼育にチャレンジしてみてください!

水草レイアウトを楽しむなら長い付き合いになりますよ(笑)
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