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【水槽の温度管理】エアコンを使った場合の電気代 ー水槽用ヒーター、クーラーとの比較

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本記事ではアクアリウムの水温管理にエアコンを使った場合の電気代を解説します。

実はエアコンを24時間使用することでも、水槽の水温管理をすることができます。

最近では、夏の高水温対策が必須ですので、エアコンを導入したい方も多いと思います。

しかし、エアコンで水温管理をすると電気代が心配ですよね?

そこで今回は、「エアコンを使用した場合の電気代」「水槽用ヒーターとの比較」「水槽用クーラーの電気代」などを詳しく解説していきます。

「大型水槽ユーザー」「たくさん水槽がある方」は一部屋にまとめてエアコンで管理したほうが電気代が安くなるケースがあります。

それぞれ一覧表にまとめて比較しやすくしましたので、エアコン導入の際の目安としてお使いください。

注意

実際の電気代はエアコンの省エネ能力、外気温、部屋の広さ、断熱性能などで異なります。この記事に記載している電気代はあくまで目安としてご利用ください。

アクアリウム全般の電気代

水槽管理の電気代については別記事で詳しく解説しています。

ヒーターだけでなくライトやフィルターも加味して計算していますので、電気代を知りたい方はぜひご覧ください。

この記事の著者
轟元気

プロアクアリスト

轟元気

とどろきげんき

プロフィール

業界歴15年の中堅。現在は埼玉県坂戸市にあるアクアリウムショップ「e-scape」の店長をしています。本ブログ、Ordinary-Aquariumでは「水草水槽の知識」を中心に今までの経験を基にした実践的な知識、技術を初心者の方にも分かりやすく解説していきます。プロフィール詳細リンク、転載、引用について

モデルエアコン「三菱電機 霧ヶ峰 Zシリーズ」

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三菱電機(MITSUBISHI ELECTRIC)
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本記事では省エネに定評のある「三菱電機 霧ヶ峰 Zシリーズ」をモデルエアコンとしました。

6畳程度の「一人暮らし」「水槽部屋」を想定した「MSZ-ZW2220」。

14畳程度の「リビングに水槽がある場合」を想定した「MSZ-ZW4020S」。

こちらをそれぞれ解説していきます。

MEMO

霧ヶ峰シリーズはエアコンの中でも高級な機種です。もっと安いものもありますので、導入の際は家電ショップなどでご相談ください。

24時間稼働させた場合の電気代目安

品名期間消費電力量24時間稼働電力量電気代
(月平均)
電気代
(年額)
MSZ-ZW2220
(6畳用)
695kWh924kWh約1,925円約23,100円
MSZ-ZW4020S
(14畳用)
1081kWh1438kWh約2,996円約35,950円
※1kWh=25円で計算

計算内容解説

  • 期間消費電力量
  • 24時間稼働電力量
  • 電気代(月平均)
  • 電気代(年額)

期間消費電力量

期間消費電力量とは「エアコンで冷房、暖房を使い通年で室温管理をした場合の電気量」のことです。

エアコンは「外気温」「お部屋の環境」などに合わせて設定温度を保つように、その都度パワーを変えながら稼働しています。

このような仕様のため、電気料が変化するので正確な電気代を計ることが難しいです。

そこで各エアコンの電気代の目安として登場したのが「期間消費電力量」です。

販売されているエアコンの公式HP、カタログ等には期間消費電力量が記載されているので、こちらに「1kWh単価」をかけることで簡単に年間電気代を計算することができます。

例:695kWh × 25円(1kWh単価) = 17,375円(年間電気代)

ちなみに、期間消費電力量の算出には詳しい定義が定められています。

外気温東京をモデル
設定室内温度冷房時27℃/暖房時20℃
冷房期間5月23日 ~ 10月4日
暖房期間11月8日 ~ 4月16日
使用時間18時間(6:00~24:00)
住宅JIS C 9612による平均的な木造住宅(南向)
期間消費電力量の算出の定義

24時間稼働電力量

水槽用としてエアコンを使う場合は24時間連続で稼働させる必要があります。

そこで、期間消費電力量(18時間使用)を24時間使用に再計算してみました。

18時間 → 24時間 = 期間消費電力量 × 1.33倍

電気代(月平均)

単純に年間電気代の目安を平均化したものです。

実際には気温によって大きく電気代は上下しますので季節ごとに差が出ます。

電気代(年額)

エアコンを24時間使い水槽の温度管理をした際の年間電気代の目安です。

水槽用ヒーターの電気代

水槽サイズ 水量総電気代
(年額)
ヒーター以外の電気代
(年額)
ヒーターの電気代
(年額)
W20×D20×H20 6L 約3984円約1,356円約2,628円
W30×D18×H2410L約4692円約1,848‬円約2,844円
W36×D22×H2616L約4740円約1,884‬円約2,856円
W30×D30×H3022L約6900円約2,280‬円約4,620円
W45×D27×H3030L約7080円約2,376円約4,704円
W60×D30×H3655L約12708円約3,924円約8,784円
W45×D45×H4579L約17760円約6,012円約11,748円
W60×D45×H45107L約18600円約6,120円約12,480円
W90×D45×H45155L約29880円約9,996円約19,884円
W120×D45×H45204L約45480円約15,972円約29,508円
W180×D60×H60559L約104436円約33,444円約70,992円
※W=幅、D=奥行、H=高さ
※水量は水位を水槽高より3cm程度下げた状態で計算

こちらがヒーターの電気代をまとめた表です。

本記事ではこの表をもとにエアコンとの電気代を比較していきます。

アクアリウムの電気代についてはこちらの記事で詳しく解説していますので併せてご覧ください。

エアコンの方がコスパが良くなるライン

MSZ-ZW2220(6畳用)
  • 電気代(年額) 約23,100円
MSZ-ZW4020S(14畳用)
  • 電気代(年額) 約35,950円

それぞれこちらより電気代が高くなればエアコンで水温管理をした方が電気代が安くなります。

下記の表よりご使用の水槽の電気代を計算して比較してみてください!

水槽を複数台お持ちの方は合算して計算してくださいね。

水槽サイズ ヒーターの電気代
(年額)
W20×D20×H20約2,628円
W30×D18×H24約2,844円
W36×D22×H26約2,856円
W30×D30×H30約4,620円
W45×D27×H30約4,704円
W60×D30×H36約8,784円
W45×D45×H45約11,748円
W60×D45×H45約12,480円
W90×D45×H45約19,884円
W120×D45×H45約29,508円
W180×D60×H60約70,992円

エアコンの方が安くなる例

MSZ-ZW2220(6畳用)の場合

  • W120×D45×H45以上の水槽
  • W60×D30×H36 ×2台 W45×D27×H30 ×1台
  • W90×D45×H45 ×1台 W36×D22×H26 ×1台

MSZ-ZW4020S(14畳用)の場合

  • W180×D60×H60以上の水槽
  • W90×D45×H45 ×2台
  • W120×D45×H45 ×1台 W60×D30×H36 ×1台

エアコンは冷房より暖房が苦手

傾向として暖房の方が電気代が高くなります。

そのため、暖房期間は20℃設定にし、残りを水槽用ヒーターに頼るようにすると結果的に電気代を安くすることができますよ。

オスカー
オスカー

見た目が悪いからヒーターを水槽に入れたくないよ!

という方は、暖房期間は25~27℃設定で稼働させましょう。

その分、電気代は高くなってしまいますがレイアウトを作る際に邪魔なヒーターの問題を解決することができます。

ヒーターは「コーナーカバー」の中に仕舞うことで目立たなくすることもできます。

簡単な加工でできますので興味のある方はこちらの記事をご覧ください。

エアコンの電気代を節約するには

  • エアーサーキュレーターを使う
  • ドアやカーテンを締める
  • マメにフィルターを掃除する
  • 自動運転にする
  • ON/OFFはなるべく少なく

エアーサーキュレーターを使う

このような「エアーサーキュレーター」を使い部屋の空気を循環させると、稼働効率が上がります。

音が大きいものが多いので、気になる方は「静音性」に着目して選ぶと良いでしょう。

元気
元気

無印のサーキュレーターは価格、デザイン、性能のバランスが良くおすすめです!

ドアやカーテンを締める

「窓」が断熱の大敵です。

なるべく隙間ができないようにカーテンをキッチリ締めることで、熱が逃げる(入っていくる)のをある程度防ぐことができます。

マメにフィルターを掃除する

エアコンのフィルターはマメに掃除するようにしましょう。

ホコリなどで詰まると稼働効率が下がります。

理想は1ヶ月枚に掃除することですが、最低でもシーズンごとに掃除しましょう。

自動運転にする

基本的にずっと「自動運転」でOKです。

最近のエアコンは優秀なので、文字通り「空気を読んで」最適な稼働で設定温度にしてくれます。

下手にいじるよりはずっと省エネですよ。

ON/OFFはなるべく少なく

エアコンは稼働直後が最も電力を消費します。

そのため、マメにON/OFFを繰り返してしまうと返って電気代が増えてしまいます。

稼働中はなるべく動かしたままでOKですよ。

エアコンの環境負荷

誰も人がいないのに水槽のためにずっとエアコンを稼働させておくのは、なんだか罪悪感がありますよね?

しかし、水槽用ヒーターを使っていた時より電気代が安くなっているなら、「より環境負荷っが少ない」と言えます。

環境負荷を考えると「安心してガンガン使え」とは言えませんが、水槽用ヒーターを使い続けるよりはマシでしょう。

水槽用クーラーの電気代

ZC-500α
製品名冷却水量目安電気代目安
(8時間稼働/日)
ZC-100α70L約570円
ZC-200α140L約1122円
ZC-500α315L約924円
ZC-700α455L約1302円
ZC-1000α665L約1890円
ZC-1300α 910L約3318円
※クーラー周囲温度35℃の状態で水温を25℃まで下げる際の電気代

夏季の高水温対策に水槽用クーラーを使う場合、7、8月にこちらの電気代が加算されます。

6、9月にも暑い日がありますので、表の半額程度の電気代がかかるはずです。

水槽用クーラーは導入、維持にかなりのコストがかかります。

結果としてエアコンを24時間稼働した方ががコストが安くなるケースも多いですので、ご注意ください。

水槽用クーラーを導入したほうが良いケース

  • 冷水管理が必要
  • 広い空間に水槽がある
  • 外気の影響を大きく受ける場所

「23℃以下」など冷水温で管理する場合(渓流魚、高難易度のサンゴなど)、エアコンで行うと電気代が高額になります。

企業のエントラスなど、大きな空間に設置した水槽の水温管理をエアコンだけで行うのうと電気代がかなり高額になります。

マンションのエントランス、ガレージなど、外気の影響を大きく受ける場所はエアコンで水温管理を行うことが困難です。

このような場合は水槽用クーラーを導入したほうが結果として電気代が安くなることが多いですよ。

まとめ

今回は「エアコンを使った場合の電気代」を解説しました。

アクアリウムにハマるとどんどん水槽が増えますよね(大きくなりますよね)!

それに合わせて維持コストも増えてしまいます。

水槽の維持コストのほとんどが電気代(多くはヒーター)ですから、一度計算してみると良いでしょう。

もしかしたら、エアコンの方が安上がりかもしれませんよ?

元気
元気

以上。「水槽部屋を作って、まとめてエアコンで管理しちゃいなよ」というお話でした!