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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事ではアクアリウムの水温管理に「エアコンを使った場合の電気代」を解説します。
実はエアコンを24時間使用することでも、水槽の水温管理をすることができます。
最近では、夏の高水温対策が必須ですので、エアコンを導入したい方も多いと思います。
しかし、エアコンで水温管理をすると電気代が心配ですよね?
そこで今回は、「エアコンを使用した場合の電気代」「水槽用ヒーターとの比較」「水槽用クーラーの電気代」などを詳しく解説していきます。
「大型水槽ユーザー」「たくさん水槽がある方」は一部屋にまとめてエアコンで管理したほうが電気代が安くなるケースがあります。
それぞれ一覧表にまとめて比較しやすくしましたので、エアコン導入の際の目安としてお使いください。
水槽管理の電気代については別記事で詳しく解説しています。
ヒーターだけでなくライトやフィルターも加味して計算していますので、電気代を知りたい方はぜひご覧ください。
本記事では省エネに定評のある「三菱電機 霧ヶ峰 Zシリーズ」をモデルエアコンとしました。
6畳程度の「一人暮らし」「水槽部屋」を想定した「MSZ-ZW2220」。
14畳程度の「リビングに水槽がある場合」を想定した「MSZ-ZW4020S」。
こちらをそれぞれ解説していきます。
品名 | 期間消費電力量 | 24時間稼働電力量 | 電気代 (月平均) | 電気代 (年額) |
---|---|---|---|---|
MSZ-ZW2220 (6畳用) | 695kWh | 924kWh | 約1,925円 | 約23,100円 |
MSZ-ZW4020S (14畳用) | 1081kWh | 1438kWh | 約2,996円 | 約35,950円 |
- 期間消費電力量
- 24時間稼働電力量
- 電気代(月平均)
- 電気代(年額)
期間消費電力量
期間消費電力量とは「エアコンで冷房、暖房を使い通年で室温管理をした場合の電気量」のことです。
エアコンは「外気温」「お部屋の環境」などに合わせて設定温度を保つように、その都度パワーを変えながら稼働しています。
このような仕様のため、電気料が変化するので正確な電気代を計ることが難しいです。
そこで各エアコンの電気代の目安として登場したのが「期間消費電力量」です。
販売されているエアコンの公式HP、カタログ等には期間消費電力量が記載されているので、こちらに「1kWh単価」をかけることで簡単に年間電気代を計算することができます。
例:695kWh × 25円(1kWh単価) = 17,375円(年間電気代)
ちなみに、期間消費電力量の算出には詳しい定義が定められています。
外気温 | 東京をモデル |
設定室内温度 | 冷房時27℃/暖房時20℃ |
冷房期間 | 5月23日 ~ 10月4日 |
暖房期間 | 11月8日 ~ 4月16日 |
使用時間 | 18時間(6:00~24:00) |
住宅 | JIS C 9612による平均的な木造住宅(南向) |
24時間稼働電力量
水槽用としてエアコンを使う場合は24時間連続で稼働させる必要があります。
そこで、期間消費電力量(18時間使用)を24時間使用に再計算してみました。
18時間 → 24時間 = 期間消費電力量 × 1.33倍
電気代(月平均)
単純に年間電気代の目安を平均化したものです。
実際には気温によって大きく電気代は上下しますので季節ごとに差が出ます。
電気代(年額)
エアコンを24時間使い水槽の温度管理をした際の年間電気代の目安です。
水槽サイズ | 水量 | 総電気代 (年額) | ヒーター以外の電気代 (年額) | ヒーターの電気代 (年額) |
---|---|---|---|---|
W20×D20×H20 | 6L | 約3984円 | 約1,356円 | 約2,628円 |
W30×D18×H24 | 10L | 約4692円 | 約1,848円 | 約2,844円 |
W36×D22×H26 | 16L | 約4740円 | 約1,884円 | 約2,856円 |
W30×D30×H30 | 22L | 約6900円 | 約2,280円 | 約4,620円 |
W45×D27×H30 | 30L | 約7080円 | 約2,376円 | 約4,704円 |
W60×D30×H36 | 55L | 約12708円 | 約3,924円 | 約8,784円 |
W45×D45×H45 | 79L | 約17760円 | 約6,012円 | 約11,748円 |
W60×D45×H45 | 107L | 約18600円 | 約6,120円 | 約12,480円 |
W90×D45×H45 | 155L | 約29880円 | 約9,996円 | 約19,884円 |
W120×D45×H45 | 204L | 約45480円 | 約15,972円 | 約29,508円 |
W180×D60×H60 | 559L | 約104436円 | 約33,444円 | 約70,992円 |
※水量は水位を水槽高より3cm程度下げた状態で計算
こちらがヒーターの電気代をまとめた表です。
本記事ではこの表をもとにエアコンとの電気代を比較していきます。
アクアリウムの電気代についてはこちらの記事で詳しく解説していますので併せてご覧ください。
- 電気代(年額) 約23,100円
- 電気代(年額) 約35,950円
それぞれこちらより電気代が高くなればエアコンで水温管理をした方が電気代が安くなります。
下記の表よりご使用の水槽の電気代を計算して比較してみてください!
水槽を複数台お持ちの方は合算して計算してくださいね。
水槽サイズ | ヒーターの電気代 (年額) |
---|---|
W20×D20×H20 | 約2,628円 |
W30×D18×H24 | 約2,844円 |
W36×D22×H26 | 約2,856円 |
W30×D30×H30 | 約4,620円 |
W45×D27×H30 | 約4,704円 |
W60×D30×H36 | 約8,784円 |
W45×D45×H45 | 約11,748円 |
W60×D45×H45 | 約12,480円 |
W90×D45×H45 | 約19,884円 |
W120×D45×H45 | 約29,508円 |
W180×D60×H60 | 約70,992円 |
MSZ-ZW2220(6畳用)の場合
- W120×D45×H45以上の水槽
- W60×D30×H36 ×2台 W45×D27×H30 ×1台
- W90×D45×H45 ×1台 W36×D22×H26 ×1台
MSZ-ZW4020S(14畳用)の場合
- W180×D60×H60以上の水槽
- W90×D45×H45 ×2台
- W120×D45×H45 ×1台 W60×D30×H36 ×1台
傾向として暖房の方が電気代が高くなります。
そのため、暖房期間は20℃設定にし、残りを水槽用ヒーターに頼るようにすると結果的に電気代を安くすることができますよ。
見た目が悪いからヒーターを水槽に入れたくないよ!
という方は、暖房期間は25~27℃設定で稼働させましょう。
その分、電気代は高くなってしまいますがレイアウトを作る際に邪魔なヒーターの問題を解決することができます。
ヒーターは「コーナーカバー」の中に仕舞うことで目立たなくすることもできます。
簡単な加工でできますので興味のある方はこちらの記事をご覧ください。
- エアーサーキュレーターを使う
- ドアやカーテンを締める
- マメにフィルターを掃除する
- 自動運転にする
- ON/OFFはなるべく少なく
このような「エアーサーキュレーター」を使い部屋の空気を循環させると、稼働効率が上がります。
音が大きいものが多いので、気になる方は「静音性」に着目して選ぶと良いでしょう。
無印のサーキュレーターは価格、デザイン、性能のバランスが良くおすすめです!
「窓」が断熱の大敵です。
なるべく隙間ができないようにカーテンをキッチリ締めることで、熱が逃げる(入っていくる)のをある程度防ぐことができます。
エアコンのフィルターはマメに掃除するようにしましょう。
ホコリなどで詰まると稼働効率が下がります。
理想は1ヶ月枚に掃除することですが、最低でもシーズンごとに掃除しましょう。
基本的にずっと「自動運転」でOKです。
最近のエアコンは優秀なので、文字通り「空気を読んで」最適な稼働で設定温度にしてくれます。
下手にいじるよりはずっと省エネですよ。
エアコンは稼働直後が最も電力を消費します。
そのため、マメにON/OFFを繰り返してしまうと返って電気代が増えてしまいます。
稼働中はなるべく動かしたままでOKですよ。
誰も人がいないのに水槽のためにずっとエアコンを稼働させておくのは、なんだか罪悪感がありますよね?
しかし、水槽用ヒーターを使っていた時より電気代が安くなっているなら、「より環境負荷っが少ない」と言えます。
環境負荷を考えると「安心してガンガン使え」とは言えませんが、水槽用ヒーターを使い続けるよりはマシでしょう。
製品名 | 冷却水量目安 | 電気代目安 (8時間稼働/日) |
---|---|---|
ZC-100α | 70L | 約570円 |
ZC-200α | 140L | 約1122円 |
ZC-500α | 315L | 約924円 |
ZC-700α | 455L | 約1302円 |
ZC-1000α | 665L | 約1890円 |
ZC-1300α | 910L | 約3318円 |
夏季の高水温対策に水槽用クーラーを使う場合、7、8月にこちらの電気代が加算されます。
6、9月にも暑い日がありますので、表の半額程度の電気代がかかるはずです。
水槽用クーラーは導入、維持にかなりのコストがかかります。
結果としてエアコンを24時間稼働した方ががコストが安くなるケースも多いですので、ご注意ください。
- 冷水管理が必要
- 広い空間に水槽がある
- 外気の影響を大きく受ける場所
「23℃以下」など冷水温で管理する場合(渓流魚、高難易度のサンゴなど)、エアコンで行うと電気代が高額になります。
企業のエントラスなど、大きな空間に設置した水槽の水温管理をエアコンだけで行うのうと電気代がかなり高額になります。
マンションのエントランス、ガレージなど、外気の影響を大きく受ける場所はエアコンで水温管理を行うことが困難です。
このような場合は水槽用クーラーを導入したほうが結果として電気代が安くなることが多いですよ。
今回は「エアコンを使った場合の電気代」を解説しました。
アクアリウムにハマるとどんどん水槽が増えますよね(大きくなりますよね)!
それに合わせて維持コストも増えてしまいます。
水槽の維持コストのほとんどが電気代(多くはヒーター)ですから、一度計算してみると良いでしょう。
もしかしたら、エアコンの方が安上がりかもしれませんよ?
以上。「水槽部屋を作って、まとめてエアコンで管理しちゃいなよ」というお話でした!
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