本記事は「水草水槽の水換え」を解説します。
水を交換することはアクアリウムの基本的な管理方法ですが、いつ、どれくらい換えたら良いのか迷ってしまいますよね。
そこで今回は「換水方法」「換水する量」「換水の頻度」などを解説していきます。
また、「水草水槽の立ち上げ時は毎日換水が必要なのか?」「換水を楽にする方法」など水草水槽ならでは事柄も解説していきますよ。
初心者の方にも分かりやすく丁寧に進めていきますのでぜひご覧ください。
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「水換え」とは、その名の通り水槽の水を交換する作業のことです。
- 老廃物の除去
- ミネラルの補給
こちらの2つが水草水槽における換水の意義です。
水槽は閉鎖された環境ですから、人間が水を交換しないといつまで経っても新しい水になりません。
状況にもよるのですが、少しづつ悪影響のある物質が溜まることがあるので、定期的に水を交換して新しい水を水槽に入れましょう。

水草水槽に限らず、換水は水槽の基本メンテナンスです!
必要です。
水草をメインに楽しんでいる水槽など、基本的にお魚がいない場合でも、定期的に換水をしたほうが良いでしょう。
換水する量や頻度についても同様でOKですよ。
「換水頻度」「換水する量」についてはこれから詳しく解説していきます。




換水用のホースとバケツを使い、水道水で換水するのが一般的です。
小型水槽なら慣れると10分くらいでできるようになりますよ。
換水ついでにガラス面のお掃除も一緒に行うのがおすすめです。
水を抜く
水槽に入れる水をバケツに汲む
水道水ならカルキ抜きなどの調整剤を入れる
水槽に入れる
完了
簡単な手順としてはこんな感じです。
詳しい手順は↓の記事にて、画像をたっぷり使ってご紹介しています。
具体的な方法を知りたい方はぜひご覧ください。




30~50%程度
こちらが換水量の目安です。
あくまで目安ですので、水槽の状況に応じて加減してくださいね。



水が濁っている場合や藻類が大量に増殖している場合などは80%程度換水することもあります!


週に1回程度
こちらが水草水槽の換水頻度の目安です。
換水量と同様にあくまで目安ですので、水槽の状況と相談して回数を増やしたり、減らしたりしてOKですよ。



環境の安定している水槽なら、2週/1回、月/1回程度の換水でも十分キレイにキープできますよ。
場合によっては毎日換水が有効なこともありますが、逆効果になってしまうこともあります。
立ち上げとは、「水槽を新しくセッティグして、環境が安定するまでの期間」のことを言います。
この期間は環境が不安定ということもあり、頻繁な換水が推奨されることも多いのですが、水草水槽においてはケースバイケースです。
使用している機材や水道水の水質などによって大きく状況が変わるので、実は毎日換水が有効になるケースはあまり多く無いですよ。
水草をキレイに育てるためには、「水草に適した水質を保つこと」が重要なのですが、頻繁な換水によって、水質が水草向きでは無くなってしまうというケースが目立ちます。
弱酸性の軟水(pH 5.5~6.5)
こちらが水草に適した水質です。
pHとは、酸性かアルカリ性かということですが、水草はアルカリ性の水質では、CO2の吸収量、養分の吸収量が下がります。
そのため、CO2を添加しても、肥料を入れても水草が使えなくなってしまうのです。
水草水槽の水質についてはこちらの記事で詳しく解説しました。
水質が絡んで水草がキレイに育たないケースは多いですのでぜひご覧ください。




- 養分の多い「栄養系ソイル」を使っている
- 水道水の水質が「軟水」
このような場合、頻繁な換水をすることで良い効果を得ることができます。
「ADAアクアソイルアマゾニア」などの養分がたくさん含まれているソイル(水草用の土)を使用している場合は、セット初期に養分が余ることから「藻類の大増殖」「白濁」などのトラブルが起こりがちです。
養分の多いソイルは水草に適した水質である「弱酸性の軟水」にする力が強い種類が多いので、頻繁に換水をしても、ソイルの力によって水草に適した水質にしてくれます。
そこで、「1~2日毎に50%程度の換水を2週間程度続ける」というメンテナンスが効果的ですよ。
また、水道水の水質が「軟水」であるというのも頻繁な換水の条件です。
地域により水道水の水質に違いがありますが、「お米が美味い地域」「日本酒が美味い地域」は基本的に水道水の水質が水草向きなので、特に水質調整などをしなくても水草がキレイに育ちますよ。





「水草に適した水質」で換水できないのなら、頻繁な換水はしない方が良いです。頻繁な換水ができない場合は、養分の少ないソイルや砂利、砂の使用をおすすめしますよ!


- 養分の少ない「吸着系ソイル」を使っている
- 水道水の水質が「硬水」
このような場合、頻繁な換水が原因に水草の調子が悪くなることがあります。
「JUN プラチナソイル」などの吸着系ソイルと呼ばれるタイプ、砂利、砂は養分が少ないことから、養分過多による問題が起こりづらいです。
そのため、立ち上げ初期であっても頻繁な換水は必要ありません。
砂利、砂などはソイルと比べて、水草向きに水質を調整する作用などは無いため、水道水の水質に恵まれない場合、換水をするたびに水草が育ちづらい水質になってしまいます。
そのため、最初から週1回程度の換水で十分ですよ。





養分の少ないソイル、砂利、砂を使っているなら頻繁な換水は不要です!むしろ逆効果かもしれませんよ。
日本の75%以上の地域は軟水のため、水草向きと言えますが中には水草の育成に不向きな硬度の高い地域もあります。
こちらの記事で日本中の浄水場の硬度を簡単に確認することができますので、ぜひ1度ご確認ください。


こちらの記事で私が普段から使っている水草水槽におすすめの「底床」をご紹介しています。
どれも実際に水草を育成してみて「使える」と感じたものばかりです。
底床選びでお困りの方はぜひご覧ください。





初心者の方には「吸着系ソイル」をおすすめします!


頻繁な換水ができるかどうかの判断は「水質」が大きく関わっていることから、判断が難しいです。
そこで私が初心者の方におすすめしているのが「養分の少ない底床」を使って水草水槽を作ることです。
養分が少ない環境なら頻繁な換水の必要性は低いので、水草水槽の立ち上げ初期であっても「週1回程度」の換水で十分キレイにキープできますよ。
そのため、水道水の水質に恵まれない方であっても水草をキレイに育てやすくなります。
こちらで、30cm水槽を使った頻繁な換水の必要無い水槽のセッティング、管理方法などをまとめていますので、興味のある方はぜひご覧ください。





今の所、「JUN プラチナソイル パウダー」がイチオシです!


藻類が大量に増殖しているなら、「藻類を吸い出しながら換水」するのがおすすめです。
藻類が大量に増殖する原因の1つに「養分過多」がありますが、換水をすることで余分な養分を吸い出しながら、藻類を除去できるので一石二鳥ですよ。
藻類対策についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、お困りの方はぜひご覧ください。




こんな感じで、ホースを使って換水をすると楽ちんですよ。
水槽がある程度大きいと、バケツを持って往復するの大変ですよね。
そんな時は
- 浄水器
- 長いホース×2
- 引っ掛けパイプ
こちらのセットがあれば、水道をひねるだけで換水ができるようになりますよ。
アクアリウムを長く楽しむなら、「換水作業」を楽にするのは必須です。
こちらの記事で詳しくセッティング方法などを解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。





60cm以上の水槽をお持ちなら、ぜひとも導入してください!
換水する水の水質しだいです。
「立ち上げ初期の毎日換水」と同様に水草に適した水で換水する分には頻繁に換水しても弊害はありません。
むしろ、水草の状態が良くなるでしょう。
しかし、「硬度の高い水」など水草の育成に適さない水での換水は逆効果ですよ。
頻繁な換水を管理に取り入れるなら、換水に使用する水の水質に注意しましょう。





「養分の少ない底床」なら頻繁な換水は必要ないので、換水時の水質の心配が少ないですよ!
水草水槽においては条件付きで可能。
というのが今のところの私の答えです。
調子良く成長した水草は、水中の「汚れ」と呼ばれるものの多くを吸収します。
そのため、いわゆる水をキレイにするための換水をしなくても調子の良い水槽をキープすることができますよ。
こちらの記事で詳しく解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。




Ordinary-Aquariumでは、水草がキレイに育たない原因を簡単に調べることができるチェックチャートをご用意しています。
30秒程度で診断でき、結果ページでは対策方法などを解説しています。
どなたでも無料で使えますので、水草の調子でお悩みの方はぜひご利用ください。


今回は「水草水槽の水換え」を解説しました。
換水はアクアリウムを管理する上で、最も基本となるものです。
「換水をしたらそれだけ水草の調子がよくなるのか」と言えばそれは状況にもよるので、程々にしておきましょう。
管理に慣れてくると、換水の手の抜き方なども徐々に分かるようになるので管理が楽になります。
慣れるまでは、「週1回、30~50%程度の換水」を心がければ良いでしょう!



「換水のやり過ぎも良くないことがある」というのがポイントです!