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【イカリムシ、ウオジラミに!】ムシクリア液の使い方 ー効果、用量、使い方、投薬例をご紹介!ー

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本記事はムシクリア液の使い方を詳しく解説します。

ムシクリア液はトリクロルホンとクロルヘキシジン塩酸塩を主成分とする「イカリムシ、ウオジラミ症治療」におすすめの薬です。

液体タイプなので添加しやすく、透明のためガラスなどを染色してしまうこともありません。

消費期限が短めなので使い切るのが難しいですが、計量しやすいため扱いやすいです。

説明書には「熱帯魚に使用しない」と記載されていますが、コリドラスに付く寄生虫、通称ピロピロにも効果があるので私は使用しています。

熱帯魚への使用は自己責任の範疇になりますが、効果や用量、投薬例など初心者の方にも分かりやすく解説しますのでぜひご覧ください。

注意

今までの使用経験を元に執筆しています。中には説明書記載の使用法などと違う部分もありますので参考までにご覧ください。

おすすめの魚病薬

ムシクリア液の他、おすすめの魚病薬をこちらの記事でご紹介しています。

お魚の病気の薬をお探しの方はぜひご覧ください。

この記事の著者
轟元気

プロアクアリスト

轟元気

とどろきげんき

プロフィール

業界歴19年の中堅。現在は有限会社エイチ・ツーに所属し埼玉県坂戸市にあるアクアリウムショップ「e-scape」の店長をしています。本ブログ、Ordinary-Aquariumでは「水草水槽の知識」を中心に今までの経験を基にした実践的な知識、技術を初心者の方にも分かりやすく解説しています。プロフィール詳細リンク、転載、引用について

ムシクリア液の効果

キョーリン ムシクリア液

イカリムシやウオジラミ、コリドラスのピロピロ対策におすすめ!

ムシクリア液は「イカリムシやウオジラミ、コリドラスのピロピロ症」の治療に使える薬です。

細菌感染症にもある程度効くので、外傷から二次感染が発生しやすい寄生虫対策に使いやすいです。

液体タイプなので計量しやすいのが嬉しいですね。

消費期限が短めなので注意しましょう。

元気
元気

簡単に計量できます!

用量

10Lに対して1ml程度

液体タイプなので計量は簡単です。

計量カップとスポイトが付属するので利用すると良いでしょう。

使い方

規定量を添加

基本的に規定量を添加するだけなので初心者の方でも使いやすい薬です。

液体なので簡単に計量できます。

PH、水温が高いと毒性が増すので注意しましょう。

PH8以上、水温28℃以上では毒性が強くなる

主成分であるトリクロルホンは水質によって毒性が変わります。

水道水のPHは7~8以上あることが多いので(地域にもよります)、薬浴をする場合は注意しましょう。

夏場は高水温対策をしないと基本的に28℃以上になりますから特に注意が必要です。

PHとは

「potential of hydrogen」の略で、「ピーエイチ」と読みます。

酸性、アルカリ性の程度を表す指標です。

詳しくはこちらをご覧ください

熱帯魚には使用しないとあるが、、

理由は分かりませんが説明書に「熱帯魚、海水魚には使用しない」とあります。

熱帯魚にはイカリムシやウオジラミはあまり出ないのですが、コリドラスのピロピロは入荷直後などによく見られます。

廃盤になってしまったリフィッシュやトロピカルNもトリクロルホンを主成分とする薬でしたが、コリドラスの治療によく使用していました。

本剤も同様に使用していますが、メーカー公式では無いことを留意しておきましょう。

注意

トリクロルホンは淡水魚への影響は少ないのですが、海水魚への毒性は強いのでおすすめしません。

使用期限に注意!

液体タイプのため、使用期限が短めです。

箱に記載されていますので購入する際に確認しましょう!

投薬例

こちらの場合の投薬例をご紹介します。

期間、投薬回数など参考までにご覧ください!

イカリムシ・ウオジラミの場合

イカリムシを抜く

まずはお魚の体に刺さったイカリムシや体表に張り付いたウオジラミを取りましょう。

水槽の水で濡らしたタオルで包むとお魚が痛みづらく、作業もしやすいです。

イカリムシは毛抜き、ウオジラミはピンセットなどを使うと取りやすいです。

※イカリムシやウオジラミは体に傷ができるのでカラムナリス症などを併発しやすいです。もし発症しているなら隔離水槽をセッティングし薬浴をしましょう。

1回目の投薬

イカリムシ・ウオジラミの幼生を倒すためにお魚がいた水槽に規定量投薬しましょう。

投薬前に80%程度換水を行い綺麗な水で薬浴したほうが効果が高いです。

※基本的に体に刺さっているイカリムシの成虫にはムシクリア液は効きません。

14日目 2回目の投薬

念のため、80%程度換水を行い、投薬をします。

イカリムシ・ウオジラミの幼生が残っていると再発の恐れがあるからです。

※14日の間に再発しないようであれば投薬しないこともあります。

28日目 3回目の投薬

念のため、80%程度換水を行い、投薬をします。

イカリムシ・ウオジラミの幼生が残っていると再発の恐れがあるからです。

※28日の間に再発しないようであれば投薬しないこともあります。

コリドラスのピロピロ

隔離水槽の準備、投薬、病魚の移動

隔離水槽をセッティングし、ムシクリア液を入れましょう。

準備が整ったらピロピロの付いたコリドラスを移して治療スタートです。

1~6日目
様子を見る

50~100%程度換水を行い、薬を抜きましょう。

ピロピロが消えているようなら薬浴は終了です。

症状がまだある、元気が無いなどの場合は再度薬を投入し薬浴を続けましょう。

7日目
換水

50~100%程度換水を行い、薬を抜きましょう。

ピロピロが消えているようなら薬浴は終了です。

症状がまだある、元気が無いなどの場合は再度薬を投入し薬浴を続けましょう。

8~14日目
様子を見る

お魚の様子を確認してください。

薬浴を継続している場合、お魚に何か異変があれば換水して薬を抜きましょう。

15日目
お魚を戻す or 様子を見る

治療の終わったお魚を飼育水槽へ戻して治療を終えてください。

7日に再度薬を投入している場合は、50~100%程度換水を行い薬を抜きましょう。

もう3~7日程度様子を見て再発が無いようなら、お魚を飼育水槽へ戻し治療を終えてください。

薬を入れ過ぎたら

直ぐに50~80%程度換水をしましょう。

ムシクリア液を入れ過ぎた場合、急激な酸欠症状、薬害が出ることが多いですので、すぐに換水をして薬を抜きましょう。

投薬中の餌について

様子を見ながら与えてOKです。

治療中はお魚の様子を見ながら餌を与えても大丈夫です。

かなり弱っている場合、餌を食べないこともありますのでその場合は与えないようにしましょう。

元気に食べるようなら、残り餌が出ない程度に与えてください。

投薬時の注意

活性炭、ゼオライトで無効化されてしまう

キョーリン ブラックホール

濁り取りなどに有用な活性炭は薬も吸着してしまう。

  • 活性炭
  • ゼオライト

などの吸着系ろ材は薬を吸着除去してしまうため薬浴中は水槽から取り除きましょう。

MEMO

薬の成分を抜きたい場合は水槽に入れましょう。

汚れ、グリーンウォーターに注意

グリーンウォーター

有機物の多い環境(≒汚れている)やグリーンウォーターの場合、薬を添加してもほとんど効果が出ません。

換水をするなどして綺麗にしてから薬浴をしましょう。

ソイル水槽では薬効が短くなる

JUN プラチナソイル パウダー

水草水槽でよく使用するソイル(土)は活性炭などと同様に薬を吸着してしまいます。

ソイルを使用している水槽に薬を添加するとソイルが成分を吸着してしまうので薬効が短くなります。

そのためヒコサンZ、アグテンを使用する場合は毎日の添加が必要です。

酸欠に注意

魚が酸欠で鼻上げしている様子

薬を添加すると場合によって水槽中の酸素を大きく消費することがあるため、お魚が酸欠になる場合があります。

フィルターを稼働させている場合は酸欠になることは稀ですが、念のためエアレーション(ブクブク)をセットしておくと安心です。

MEMO

フィルターを使用していない水槽で薬浴をする場合はエアレーションを必ずセットしましょう。

エビにダメージがある

この薬の成分は虫を倒すものなので、虫に近い甲殻類などへ大きな影響があります。

薬浴中だけ一時的に避難させておくと良いでしょう。

水草にダメージがある

継続して薬浴を行う場合、水草に大きな影響があります。

イカリムシやウオジラミの幼生対策としてマメに飼育水槽に添加をする場合は、水草を避難させてから薬浴を行いましょう。

薬浴中にお魚の様子がおかしくなったら

すぐに50~80%程度換水しましょう。

もしかしたら薬によるダメージかもしれません。

投薬を中止し換水をして薬を抜きましょう。

成分

1ml中

トリクロルホン:5mg

クロルヘキシジン塩酸塩:2mg

塩水浴とは併用しない

PHが高くなると毒性が強くなることから、塩水浴との併用は不向きです。

塩水浴をする場合は薬浴を終えてから行いましょう。

塩水浴についてはこちらで詳しく解説しましたのでぜひ覧ください。

おすすめの魚病薬

こちらで私が普段から使っている薬を紹介しています。

病状別におすすめの薬を一覧表にまとめましたのでぜひご覧ください。

よくある質問

ムシクリア液で薬浴をする期間はどれくらいですか?
イカリムシ、ウオジラミ対策の場合、2週間程度の間隔で3回程度投薬をするのが目安です。
コリドラスのピロピロ対策の場合、週1回の投薬を2回行うのが目安です。
ムシクリア液は他の薬と併用できる?
おすすめしません。
薬効が短いのでムシクリア液での対応を終えてから他の薬を使用しましょう。
ムシクリア液が手についてしまいました。人体になにか影響はありますか?
私は職業柄、たくさん手で触っていますが今のところ何も異常はありません。
特別に悪いものというわけではありませんが、良いものでもありませんので触れないようにするのに越したことはありませんが。