この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
今回の水草レイアウトステップアップガイドは「水草レイアウトをミスト式で立ち上げる」を解説します。
さて、今回からようやく実際のレイアウト作業に入ります。
「流木配置のコツ」「おすすめの組織培養水草とは?」「水草の下処理方法」「ミスト式管理のコツ」などを丁寧に解説していきます。
今回も画像をたっぷりご用意して進めていきますので、どうぞご覧ください。
本講座、次回講座をまとめた動画もご用意しました。
実際に作業をする際はこちらも併せてご覧になるとより理解が深まります!

前回の講座にて「機材のセッティング」まで終わりました。
今回はこの状態からスタートしていきます。
まだ機材のセッティングが済んでいない方は、前回の講座を参考にまずは先に済ませちゃいましょう。
今回の作業で使ったものを先にご紹介します。
レイアウト作業は準備が大切です。
スムーズに作業を進めるためにも先に用意しちゃいましょう。

今回使うのはこちらの流木1つだけ。
1つに絞ることでより簡単にレイアウトを作れます。
複数の流木を組み合わせるとより本格的に水草レイアウトを作れるのですが、慣れないうちはお気に入りの流木を1つだけ使うほうがシンプルかつ見栄え良く配置できるはずです!

水槽よりも一回り小さいものを使う!
これが流木選びのコツです。

- 枝の長さにメリハリがある
- 複雑な枝振りをしている
この2点を意識して探すと格好良い流木に出会えます!
少し難しいお話になってしまうのですが、石を使うと水の「硬度」が上がります。
硬度とは簡単に言うと水の中にどれだけカルシウムやマグネシウムがあるのかということなのですが、水草は硬度の低い軟水を好みます。
石により硬度の上昇幅に違いがあり、たくさん使用しても問題の少ないものもあります。
最初から「こっちの石は硬度が高くなる~」「こっちの石は大丈夫~」などと選ぶのは大変かと思い本講座ではあえて流木だけを使う方法にしました。
種類 | 数量 |
---|---|
ニューラージパールグラス | 1カップ |
ショートヘアーグラス | 1カップ |
タイワンモス | 1カップ |
パールグラス | 1カップ |
ベトナムゴマノハグサ | 1カップ |
ルドウィギアsp. スーパーレッド | 1カップ |
本講座ではこちらの6種類の水草を1カップづつ使いレイアウトしていきます。
今回はすべて「組織培養水草」というものを使います。
組織培養水草には「藻類の混入が無い」「スネールの混入が無い」「無農薬」など大きなメリットがありますよ。

組織培養水草はこんな感じのカップに入って販売されています。
そこまで流通量が多くないので専門店で無いと手に入れづらいですが、何かとトラブルの多い水槽の立ち上げを楽にしてくれますので初心者の方はぜひともご利用ください。
こちらの水草画像をタップすると図鑑へ飛びます(タイワンモスはまだ無いです、、、)。
詳しい情報が知りたい方はご利用くださいませ。
水草にはたくさんの種類がありますからどれを使って良いか迷ってしまいますよね。
本講座と同じサイズの水槽なら、とりあえず講座で使用する水草と同じものを植えて水草の育成に慣れてから色々な水草にチャレンジしてもよいでしょう。
Ordinary-Aquariumではレイアウト水槽向けに「直感で選ぶ水草図鑑」をご用意しています。
こちらからお気に入りを見つけてチャレンジするのも面白いと思いますよ!
特にレイアウトに使いやすい水草をまとめた記事もありますので、お時間のある際にぜひご覧ください。
- 水草用ピンセット
- 糸
- 霧吹き
- ハサミ
- サランラップ
作業で使うのはこちらの5つ。
今回の作業ならピンセット以外は専用のものでなくてもOKです。
家にあるもので工夫してみてください。
水草用ピンセット
その昔、水草用メーカーとして一時代を築いた「JAQNO」から発売されているピンセット。
現在も専門店を中心に密やかに流通しています。
このピンセットじゃなきゃダメ!というわけではありませんが、水草用ピンセットは用意しましょう。
糸
「ADA モスコットン」を愛用しています。
糸の細さ、強度が水草を巻きつけるのに丁度良くてずっと愛用しています。
木綿糸など自然素材の糸は水に沈むと、1~2周間程度でボロボロになり溶けてしまいます。
そのため、糸がレイアウトの邪魔になりませんよ。

手芸用の木綿糸で代用できます!
霧吹き
とりあえずは500ml程度入るタイプが使いやすいです。
どんな角度でも霧吹きができるものが便利ですよ。
ハサミ
今回の作業なら差し当たり文房具用のハサミで十分です。
家の中にあるものを使いましょう。
サランラップ
普通のサランラップで十分です。
詳しくは後ほど解説しますが、水槽が乾燥しないようにこれでフタをします。
詳しく解説する前にまずは簡単な流れを見ていきましょう。
後ほど1つずつ丁寧にご説明していきます。








まずは流木を配置して位置を確認します。
本講座では「流木を1つだけ使用すること」とします。
今回の水槽の場合、右奥に機材を集中させて設置したので、中央からやや右側に重心がくるように配置すると、機材を隠しやすいですよ。

重心と頂点を中央からずらすように配置
これが流木配置のコツです。
重心(流木の1番重たそうなところ)は機材を隠すために右側へ寄せます。
反対に頂点は左側にくるように配置しました。
ど真ん中にくるとレイアウトが左右2つに割れてしまうので自然な雰囲気がでません。

中央から少しずらすことを意識しましょう。
水草は植え込む前にしっかり下処理をすることが大事です。
予め植え込みやすいようにすることでこの後の作業をスムーズに進めることができます。


まずはカップのフタを外しましょう。
ビリっと破ってOK!

優しくカップから引き出しましょう。
素手で持ってOK!

1つまみ程度の大きさに手でちぎります。
種類にもよりますが、1カップあたり10~20束くらい作るイメージです。
ブチッとちぎってOK!

さっと水で洗いましょう。
水道水でOK!
※撮影の関係でボールを使っていますが、水道でジャーっと洗い流すほうが簡単です

植えやすいように整列させましょう。
バットやまな板に並べると植えやすい!

同様の手順で6種類を下処理したものがこちら。
ちなみにまな板に並べています(奥さんには内緒)。

乾燥を防ぐために濡らしたキッチンペーパー、新聞紙などで覆っておきましょう。

「流木に付いたコケ」って格好良いですよね。
作業がちょっと手間ですが頑張りどころです。
水草を石・流木などに付けることを「活着」といいます。
レイアウトの基本テクニックですので、これからのアクアライフでヘビーユースすることになりますよ!
水草を活着する方法を徹底解説! ー糸、ビニタイ、ボンドの使い分けー
- 枝先
- 枝の途中
- 股の部分
などにランダムに巻くのがおすすめです。
今度出かけたら身近なコケを観察してみましょう。
きっとレイアウター目線でコケを見るようになっているはずです!

流木の折れた部分など格好悪いところを隠すように活着させるのもアリです!

- 流木
- コケ(今回はタイワンモス)
- 糸
- ハサミ
- 霧吹き
こちらを用意しましょう。
流木は水槽から取り出してください。

コケを付けるところを霧吹きで濡らします。
濡らすことでコケが張り付きやすくなる&乾燥を予防します。

薄く伸ばすようにコケをのせます。
厚くなってしまうと下の方のコケから調子を崩すので注意!

糸でコケを巻いていきます。
5~10mm程度の間隔でリズム良く作業すると巻きやすいです。
糸をピンと張って巻くのがコツ!

巻き終えたら2回こめ縛りをして固定しましょう。
流木の端っこのほうに結び目がくるときっちり固定できます。

縛ったところからはみ出たコケをカットします。
地味ですが仕上がりに影響する重要な工程です。


これだけで格好良いですよね。
なんだかワクワクしてきませんか?

頑張って霧吹きしましょう!
疲れたら右手・左手を持ち替えてくださいね。
ソイル全体を湿らせて水草を植え込みやすく&乾燥しないようにします。
本講座の水槽サイズなら「300ml程度」霧吹きしましょう。
これから水草を植えていきます。
慣れないうちはイライラする作業かもしれませんが、楽しみながら進めてくださいね。
水草の持ち方

1束ごとにピンセットでつまんで植えます。
水草の下の方をつまみましょう。
水草の植え方

ソイルにズボッと刺すように植えます。
ソイルの中で「ピンセットを開くこと」を意識すると水草が抜けずらいです。
最初はイライラするかもしれませんが、ゆっくり休憩しながら作業を進めてくださいね。
途中で水草が乾燥してしまわないように霧吹きをするのを忘れずに!
水草を植える順番
ニューラージパールグラス
ショートヘアーグラス
パールグラス
ベトナムゴマノハグサ
ルドウィギアsp.”スーパーレッド”
今回はこちらの順番で植えていきます。
基本的に「手前」から植えていきましょう。
手前はちょっと開ける

水槽の前面、1~2cm部分には水草は植えないようにしましょう。
- 水草は手前に伸びてくる
- 植えた水草がガラス面に触れていると見苦しい
こちらの2点がその理由。
今は深く考えずに「手前のガラス面に水草が触れないように植えること」を意識すればOKです。

水草が生長するにつれ、なぜ手前に植えないのかが分かるようになります!
流木の際

石・流木と底床の境目を「際」といいます。
ここにはちょっとだけ背が高くなる水草を配置するのがおすすめ。
今回はその役目をショートヘアーグラスが担っていますよ。
慣れてくると「今回はあの草にしよう」みたいな感じで遊べるようになります。

際にどんな水草を配置するかでレイアウトの印象が大きく変わります!
植えた場所

- オレンジ⇒ ニューラージパールグラス
- ブルー⇒ ショートヘアーグラス
- パープル⇒ パールグラス
- グリーン⇒ ベトナムゴマノハグサ
- レッド⇒ ルドウィギアsp.”スーパーレッド”
- 流木に活着⇒ タイワンモス
なるべくみっちり植える

幅30cm×奥行20cmの水槽に組織培養カップ水草を「6カップ」植えたわけですが、画像の間隔くらいの密度で植えると良いです。
水草をたくさん植えるということは、その分コストが高くなりますが、この後の育成が楽になりますよ。

水草が水を綺麗にしてくれるので、その分良い環境を維持しやすくなります!

水草を植え終わったら乾燥しないようにサランラップでフタをしましょう。
フィルターは邪魔なので外してください。

1cm程度隙間を作って空気が入れ替わるようにしましょう。
隙間は水草が乾燥してしまうようなら微調整してくださいね。
このように水槽を温室みたいにしてしばらく管理する方法を「ミスト式」といいます。
- 水を換えなくて良い
- 水草が根付いてから水を張るので抜けづらい
などのメリットがありますよ。
何かと失敗の多い水槽の立ち上げを簡単にする便利な手法です。
詳しく解説した記事もありますのでさらに学びたい方はご覧ください!

これで今回の作業は終了です。お疲れ様でした!
慣れない作業で大変だったと思いますが、自分だけの箱庭作りを楽しめたのではないでしょうか。
すぐに水を入れたくなりますがグッと堪えて我慢してください。
水を入れるのは1~2週間程度待ちましょう。
- ライトは1日8~10時間程度点灯する
- 毎日1~2回霧吹きをする
- 水草が枯れてしまったら取り除く
- 気温に注意!
こちらの4点がミスト式管理のコツです。
水草がソイルにある程度根付くの待ってから水を張ることで、せっかく植えた水草が浮かんでしまうなどのトラブルを防ぐことができます。
水槽のトラブルの多くは水槽をセットした初期に発生することが多いのですが、ミスト式はセット初期のトラブルをある程度予防できるものとお考えいただくとよいです。

万能の方法ではありませんが上手に取り入れることで水草水槽の立ち上げを楽にしてくれます!

水を入れるまではそれほどシビアではありませんので、ざっくり8~10時間程度点灯しましょう。
点灯する時間帯は規則正しいほうが良いので、ある程度決めておきましょう。
- 8:00~18:00
- 15:00~23:00
空気の入れ替え&乾燥予防のため、毎日霧吹きをしましょう。
サランラップをちょこっと外して5~10プッシュ程度霧吹きすれば十分です。
組織培養水草は無菌状態で育成されているためか、外気に触れると溶けるように枯れてくることがあります。
もし、枯れているものを見つけたらすぐに取り除きましょう。
15℃~30℃以内
こちらがミスト式に向く気温です。
春、秋はあまり気にしなくても良いのですが、夏は暑くて水草が蒸れてしまいます。
冬は寒くて水草の成長がストップしてしまいます。
- 夏⇒ フタの隙間を大きして空気がこもらないようにする
- 冬⇒ 温かい部屋に移動する・エアコンを使って部屋を温める
このような対策をしてくださいね。
気温の調整が難しい場合は1週間程度で切り上げて次の工程に進みましょう!
ミスト式期間中は正直なところ毎日の霧吹きくらいなので管理の手間があまりかかりません。
最初は水槽をいじりたくてウズウズしてしまうかもしれませんが、この時期はあまりやることも無いので手持ち無沙汰になりがちです。
そこで気を紛らわすがてら、当ブログを記事を見て水草水槽の予備知識を付けるのはどうでしょうか?
知っていることが多ければそれだけ選択肢の幅が広がりますから、もっと水草水槽が楽しくなりますよ!
- レイアウトに使うものは予め準備する
- 水草は「組織培養水草」がおすすめ
- 流木は1つだけ
- 流木は水槽より一回り小さいものを使う
- 流木の配置は中央からちょっとずらす
- 水草の下処理も先にする
- 流木にはコケを巻いてお洒落にする
- 水草は1番手前には植えない
- 流木の「際」に水草を植える
- 水草はみっちり植える
- サランラップでフタをする
- ミスト式で1~2週間キープする
さあレイアウトができあがりましたね!
すぐに水を入れたくなりますがここはちょっと我慢です。
水草をミスト式で馴染ませましょう。
次回はいよいよ水を張ります。
「水が濁らない注水方法」「CO2添加キットのセッティング」などを詳しく解説しますのでぜひご覧ください!
この記事が参考になったら感想を教えてもらえると嬉しいです。
記事作成の励みになります!