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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事では「水草の活着」を解説します。
活着とは「石や流木に水草が根を張ること」です。
水草が着いている石、流木は「長い時の流れ」を感じさせる定番テクニックです。
コツを掴めば初心者の方でも簡単に取り入れられる技ですので、本記事を参考にぜひお試しください。
写真を多く使いながら分かりやすく丁寧にご紹介しますのでぜひご覧ください。
モスを糸で活着させた様子。
活着とは広い意味では「植物が根付き成長を始める」ことを差しますが、アクアリウムの世界では主に石や流木に水草が着くことを言います。
一部の水草は一定期間固定しておくと石や流木に根で張り付き体を安定させます。
この状態を「水草が活着した」と呼ぶのですが、多くの場合は
- 水草を石や流木に固定する作業=水草を活着させる
と表現します。
本記事では水草を固定する作業を主にご紹介していきます。
- 自然感の演出
- 水草の移動が簡単
- 植えなくよい
- 活着力の強いタイプは剥がすのが大変
- 根が露出して見栄えが悪い場合がある
なんと言っても自然感の演出ですね。
コケの仲間、ミクロソルム、アヌビアスなどを組み合わせて活着させることで、遥か昔からあったような「時間の流れ」を水槽に表現できます。
活着させてしまえば「植えなくて良い」のも楽ちんですよね。
砂やソイルを敷いていない水槽でも育てることができるようになり、お掃除の際に簡単に移動できるのもポイントです。
あえてデメリットとするなら「活着力の強い種類は1度活着させてしまうと外すのが大変な点」と「根が悪目立ちすることがある点」ですね。
どちらも気にするほどでもありませんが。
こちらの5種類が主な活着する水草です。
自生地でも石や流木に着いて生活している種類ですので、水槽内でも簡単に活着させることができます。
こちらの記事ではおすすめの活着する水草をご紹介していますので、迷ったらぜひご覧ください。
こちらはウィローモス。
活着する水草といえばコケの仲間ですね。
種類によって活着する力に差があります。
弱く活着するタイプは「溶けない糸」か「ボンド」で固定することをおすすめします。
主なコケの仲間
活着時間の目安
- 活着力の強いコケ⇒ 10日~2週間程度
- 活着力の弱いコケ⇒ 2週間~1ヶ月程度
こちらはアヌビアス ナナ ‘プチ’です。
アヌビアスには様々な品種がありますがどれも活着するまでに時間がかかるので、ビニタイなどできっちり固定するのがポイントです。
主なアヌビアスの仲間
活着時間の目安
- 1~2ヶ月程度
こちらはミクロソルム プテロプスです。
ミクロソルムの仲間はほとんどの種類が活着させることができます。
丈夫で比較的短期間で活着するためレイアウトに取り入れやすいです。
主なミクロソルムの仲間
活着時間の目安
- 1~2ヶ月程度
こちらはボルビティス ヒュデロッティです。
ボルビティスの仲間もミクロソルム同様に活着させやすいのでレイアウトに使いやすいです。
軟水で管理するのが綺麗に維持するコツです。
活着時間の目安
- 1~2ヶ月程度
こちらはブケファランドラsp. ‘クダカン’です。
扱い方はアヌビアスの仲間に似ています。
様々なバリエーションがありますのでお気に入りを探してください!
活着時間の目安
- 1~2ヶ月程度
主にこちらの3つのアイテムを使い活着させます。
活着とは水草が根を下ろすことですので水草自身の根で石や流木に張り付くまでの間、固定しておくというわけです。
それぞれ特徴がありますのでレイアウトや水草に合わせて使いやすいものを使用しましょう。
糸は主にコケの活着に使用します。
「溶ける糸」と「溶けない糸」がありますので水草の活着スピードや活着力に合わせて適してものを選びましょう。
溶ける糸
ADA モスコットンなど自然素材でできているものはバクテリアに分解されて10日~1ヶ月程度で溶けてしまいます。
水草が活着すくらいのタイミングで糸が無くなるため見映が良いです。
活着するのに時間がかかる水草に使うと、活着する前に溶けてしまうのでご注意ください。
溶けない糸
ナイロン等の化学繊維はずっと溶けません。
活着するのに時間のかかる水草はこちらを使いましょう。
化学繊維は目立つので見切れる場所には使わない方がよいですね。
活着するまでに時間のかかるもの、活着力の弱いものはこちらで巻いておいた方が何かと便利ですので様々な場面で使用されます。
ビニタイ(ビニールタイト)とは、細い針金をビニールでコーティングしたようなものです。
とても加工がしやすく簡単に扱えます。
目立ちやすいのでなるべく見えないように巻くのがポイント。
コケの仲間以外の活着はこちらを使用した方が作業が簡単です。
瞬間接着剤の要領で貼り付けるだけでOKの便利アイテム。
活着作業時間を大幅に短縮することができます。
欠点は接着跡が白くて目立つこと。
上手く見切れないように隠しながら接着すると良いですよ。
基本的にプレミアムモス以外のコケの仲間の活着にはあまり適していません。
株の大きな水草の活着に使用しましょう。
- 結束バンド
- 輪ゴム
- タコ糸
- ミシン糸
- 木綿糸
などなど、水草を一定期間固定できるものであれば水草の活着用に使えます。
アクアリウム用品で無くてもホームセンターなどで手に入るもので代用することもできますので工夫しても面白いでしょう!
- 石
- 流木
こちらの2つが大定番です。
表面がザラザラしているものなら何にでも活着しますので、色々工夫して遊んでみてください。
水質に影響を与える石もありますので、今の水槽にあったものを使いましょう。
実際にレイアウトで使用する活着方法は主にこちらの4つです。
「これが1番!」というものはありませんので、水槽の状況やレイアウトなどを勘案して取り入れやすい方法で活着させてください!
- 活着させる素材(今回は流木)
- 活着させる水草(今回はタイワンモス)
- 糸
- ハサミ
- 霧吹き
まずはこちらを用意しましょう。
コケを付けるところを霧吹きで濡らします。
濡らすことでコケが張り付きやすくなる&乾燥を予防します。
薄く伸ばすようにコケをのせます。
厚くなってしまうと下の方のコケから調子を崩すので注意!
糸でコケを巻いていきます。
5~10mm程度の間隔でリズム良く作業すると巻きやすいです。
糸をピンと張って巻くのがコツ!
巻き終えたら2回こめ縛りをして固定しましょう。
流木の端っこのほうに結び目がくるときっちり固定できます。
縛ったところからはみ出たコケをカットします。
地味ですが仕上がりに影響する重要な工程です。
- 活着させる素材
- 活着させる水草
- ビニタイ
- 霧吹き(あると便利)
まずはこちらを準備しましょう。
軽く水草を素材の上にのせてイメージを固めます。
ビニタイで2箇所程度縛って固定します。
目立たないようにすると見栄えが良いです。
- 活着させる素材(今回は流木)
- 活着させる水草(今回はブケファランドラ)
- ボンド
- 霧吹き(あると便利)
まずはこちらを準備しましょう。
つける量は少量にしましょう。
出しすぎると接着までに時間がかかるばかりか乾燥跡が目立ってしまいます。
出したボンドに水草をギュッと押し付けましょう。
ボンドは水分に反応して固着するので霧吹きをかけると早く固定できます。
こちらは水草を流木の間にただギュッと差し込んだだけの様子です。
- 間にはさむ
- 隙間に差し込む
というだけでも活着させることができます。
要は水草が自分の根で活着するまでの時間だけ固定できていればOKですから、レイアウト組み方しだいでは糸で巻く、ビニタイで固定する、ボンドで接着するなどしなくても活着させることができます。
石に固定して垂れ下がるように成長させているニューラージパールグラス。
極論から言うと水草は「動かない状態」であれば成長を始めるので、底床に植え込まなくても育てることができます。
多くの水草が今回ご紹介した活着方法で固定することで育成することが可能です。
水草は体全身を使って水中から養分吸収するため、根を使い底床から栄養を吸収しなくても問題無い種類が多いです。
工夫しだいでは様々な水草を固定してレイアウトすることができますので、色々と工夫して遊んでみてください。
今回は固定してレイアウトされることの多いこちらの2種をご紹介します。
- ハイグロフィラ ピンナティフィダ
- ニューラージパールグラス
ハイグロフィラ ピンナティフィダは有茎草の仲間ですが、ミクロソルムやアヌビアスの仲間のような要領で活着させることができます。
大きく育ったものを活着させるのは難しいので、小型の状態で流通している組織培養タイプのものが活着作業しやすいためおすすめです。
ニューラージパールグラスも活着させてレイアウトすることが多い水草です。
石や流木などの上に活着させることで垂れ下がるような独特の景観を作ることができます。
コツを掴めば簡単に取り入れられるテクニックですのでぜひお試しください。
活着例
一度小石に巻き付けてから小石ごとボンドで接着する方法がおすすめです。
「巻く⇒接着する」という二度手間ではありますが、好きな位置にニューラージパールグラスを配置できるのでレイアウトの自由度が上がります。
ニューラージパールグラス自身の石、流木に根付く力は弱いので溶けない糸で巻くと良いでしょう。
ニューラージパールグラスを石の上に配置した水槽の作り方はこちらでご紹介しています!
- 水草の乾燥に注意
- 予め準備する
水草が乾燥しないようにマメに霧吹きをしましょう。
ボンドを使う場合は霧吹きの水分で接着剤の固着を促進できるので一石二鳥です。
活着作業をする際は予め準備をしておきましょう。
素早く作業することで水草の乾燥リスクも抑えることができます。
- 水草が活着するまでの期間は?
- 水草の種類にもよりますが10日~2ヶ月程度です。
成長の早いコケの仲間は活着が早く、成長の緩やかなミクロソルムやアヌビアスの仲間は時間がかかります。
- 活着する水草に赤い種類はありますか?
- ハイグロフィラ ピンナティフィダは環境により赤みがかることがあります。
赤系を活着させたい場合はご検討ください。
- 活着させる素材は石と流木どちらが良いの?
- どちらでも大差ありません。
レイアウトの見た目や扱いやすいものをお選びください。
- 水草は石や流木以外にも活着するの?
- します。
表面がザラザラしているものなら活着します。
フィルターパイプやスポンジ、植木鉢など様々なものに活着させることができます。
- 活着した水草を剥がす方法は?
- ベリッと剥がしましょう。
ウィローモスなど活着力が強いものは完全に取り除くのは大変かもしれません。
- 水草の活着に結束バンドは使えますか?
- 使えます。
ビニタイの代わりに使用することがあります。
- 水草の活着に針金は使えますか?
- 使えます。
針金よりもビニタイの方が使い勝手が良いのであまりおすすめではありませんが。
- 水草の活着にミシン糸は使えますか?
- 使えます。
自然素材の糸は溶ける糸として、化学繊維のものは溶けない糸として使えます。
- 水草の活着に木綿糸は使えますか?
- 使えます。
木綿糸は2週間程度で溶けてしまうので活着力の強い水草に使用しましょう。
- 水草の活着に輪ゴムは使えますか?
- 使えます。
1ヶ月程度でゴムが劣化してしまうので活着力の強い水草向きです。
見栄えが悪いのでご注意ください。
- 水草の活着にグルーガンは使えますか?
- 使えなくもないです。
熱で水草が痛むので接着するのであれば水草用ボンドをおすすめします。
今回は「水草の活着」を解説しました。
水草の活着を使いこなせば一歩進んだレイアウトが作れるようになります。
作業はちょっと手間ですが自然感演出には欠かせないテクニックですので、ぜひマスターしましょう!
慣れるとササッと作業できるようになりますよ!
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