どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は「カリウム肥料と微量元素肥料の使い方」を初心者向けに解説します。
水草の肥料ってたくさん合って迷ってしまいますよね?
肥料は入れ間違えると効果が無いばかりでか「藻類」が生えてしまいます。
初心者の方はまず「カリウム肥料、微量元素肥料」から肥料添加の練習をしましょう。
まずはリスクの少ないこれらの肥料から始めると失敗が少ないですよ。
「肥料を入れ始めるタイミング」「肥料のタイプ」「添加例」「おすすめの肥料」など分かりやすく丁寧に解説していきます。
今までの経験上、肥料で失敗する方が多いですので初心者の方はぜひご覧ください。
水草には成長するのに欠かせない「5つの要素」があります。
肥料もそのうちの1つなのですが、肥料が豊富にあっても他の要素が足りないor合っていないと水草は元気に育ちません。
特に肥料は余ってしまうと「藻類」が発生しやすくなってしまうので注意が必要です。
他の4つをクリアしてから肥料に取り組むようにしましょう。

「CO2が足りない」「水質が合っていない」ことが特に多いです。肥料を入れるのは全てをチェックしてからにしましょう!
水槽で生える藻類(苔)対策まとめ ー増殖原因、藻類一覧、お掃除屋さんの適正数などを丁寧に解説ー
こちらが「5つの要素」です。
上から順にチェックすると良いでしょう。
それぞれが詳細記事へのリンクになっていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
また、「5つの要素」についてはこちらの記事で詳しくまとめました。
水草育成の基本となるお話ですので、肥料を入れる前にご覧になることをおすすめします。
- 水槽内で不足しやすい
- 多少入れ過ぎても藻類が出にくい
こちらの理由から肥料の入門として使いやすいです。
不足しやすいことから効果を実感しやすく、藻類が出てしまうなどの失敗が少ないため初心者の方が肥料を始めるのにぴったりですよ。

肥料の練習に丁度良いです!
光合成に必要なクロロフィルの合成に関わっています。
これは低光量下では特に重要になるので、暗めのライトで育成している際に特に大切です。
- マグネシウム
- ホウ素
- 鉄
水草の育成に必要な微量元素には様々なものがありますが、水槽内で不足しやすいのはこちらの3つです。
ざっくり一言でいうと、どれも水草の調子を整える作用がありますよ。
こちらの記事で肥料に含まれる成分についてまとめてあります。
どのような成分があるのか、各成分の機能などを詳しく解説しましたので、肥料に詳しくなりたい方はぜひご覧ください。
- セット後、1ヶ月程度を目安に肥料入れ始める
- セット後、2週間程度を目安に肥料入れ始める
状況にもよるのですが、これくらいのタイミングから肥料を入れ始めましょう。
ある程度水草が生長を始めないと肥料を吸収しないため、最初からたくさん肥料を入れてもあまり意味がありません。
特に水草用ソイルの場合は、予め肥料が含まれていることが多いのでセット初期から肥料を入れると藻類が出やすくなってしまいますよ。
セット初期は肥料を入れるよりも、まず環境を安定させることを優先させましょう。

セット初期から肥料不足で問題が起きることはほとんどありません!
- 液体肥料
- 固形肥料
肥料は大きく分けるとこちらの2タイプがあります。
どちらも使っても結果は同じなので、使いやすい方をお選びくださいね。
おすすめの肥料は後ほどご紹介します。
通称、液肥。
発売されている商品が多く、肥料の中でもっともメジャーなタイプです。
液体なのですぐに投入でき、水槽全体へ広がります。そのため、即効性がありますよ。
プッシュポンプで適量を添加すればOKなので作業が簡単ですね。
すぐ効く代わりに持続性はありませんので、適時追加する必要があります。
添加が簡単な分、入れすぎてしまうことがあるのでご注意ください。
- 即効性がある
- 添加量の微調整が簡単
- 添加作業が楽
- 持続性が無い
- 入れすぎに注意
ソイルや砂利に埋めるようにして使うタイプです。
徐々に溶け出して効果を発揮するので、しばらく効果が持続します。
多少、入れすぎたとしてもゆっくりと効果が出てくるタイプなので問題になりにくいですよ。
一度、水を張ってしまうと、肥料を追加する作業が大変です。
- 持続性がある
- 失敗が少ない
- すぐに効果が出ない
- 追肥作業が大変
使い方は簡単です。
「規定量の4分の1~半分」程度を水槽へ投入するだけ!
まずは4分の1~半分程度からスタートして、調子を見ながら添加量を増やしていくと良いですよ。
水槽セット直後は添加しないようにしましょう。
水草が落ちつてきたら添加するくらいで十分に間に合いますよ。
- ソイル ⇒ 1ヶ月後
- 砂利 ⇒ 2週間後
から添加を始めると良いでしょう。
水槽へ肥料を添加しましょう。
水槽へ肥料を添加しましょう。
水槽へ肥料を添加しましょう。
換水、トリミング、水草の追加などメンテナンス作業を行ってください。
後は繰り返しです。
添加は2~3日間隔が良いでしょう。
何か作業をした日は肥料を入れなくてOKですよ。

曜日は例ですので、ご都合の良いタイミングで行ってくださいね。
水槽をセットする際に底床へ予め入れると作業が簡単です。
砂利使う場合はセット時に入れましょう。
※ソイルを使う場合は入れなくて良いです
ピンセットなどで肥料をつまんで底床内へ入れましょう。
ピンセットなどで肥料をつまんで底床内へ入れましょう。
後は繰り返しです。
肥料を入れる際は素早く作業をしないと肥料が崩れてグズグズになってしまいます。
何か害があるわけではありませんが注意して作業しましょう。
液体タイプと固形タイプを「同時に使用してもOK」です。
むしろおすすめの使い方ですよ!
固形タイプを底床内へ入れ、足りない分を液体タイプで補うようにすると良いでしょう。
添加量の微調節が簡単な液体タイプを使いこなすことで、環境の微妙な変化に対応できるようになりますよ。
私が使ったことのある肥料の中から特におすすめできるものをご紹介します。
どの肥料も効果を実感していますので安心してご利用ください。
カリウム肥料のパイオニア。
たしかカリウム肥料の重要性を最初に言い出したのはADAかデュプラ(海外のメーカー)だったような気がします。
ボトルも格好良いですよ。
ADAの肥料リニューアル時に登場した「pHを上昇させない」カリウム肥料です。
「硫酸カリウム」が原料なのかな?
極端な軟水を好む水草を育てるならこちらがおすすめです。
通称「イニ棒」
底床肥料として1番知名度があるのではないでしょうか?
表記されている規定量はとっても多いので、「規定量の半分程度」で十分です。
水に触れると短時間でグズグズになってしまうので追肥作業は素早く行いましょう。
水槽内で不足しやすい「マグネシウム」「鉄」を補充できる肥料です。
微量元素しか含まれていない肥料なので初心者の方にも使いやすいですよ。
ブライティKと合わせて最初に揃える肥料としておすすめできます。

微量元素の中でも「ホウ素」を選択的に添加できる肥料はこちらを除くとあまりありません。
ホウ素はセット初期から足りなくなることは稀ですが、セットから3ヶ月~半年程度経過している水槽なら添加することをおすすめします。
- ブライティK
- グリーンブライティ・ミネラル
- グリーンゲイン・プラス
初心者の方はまずはこちらの3つから肥料を始めると失敗が少ないですよ。
「ブライティK」「グリーンブライティ・ミネラル」を揃えてから、セットから3ヶ月~半年程度経過したら「グリーンゲイン・プラス」を入れ始めると良いでしょう。

水草用ソイルとこちらの3つがあれば十分にキレイな水草水槽が作れますよ!
水草を「完璧なコンディション」で「長期間に渡り維持する」には、様々な肥料を使いこなすことが必要不可欠です。
しかし、肥料を使いこなすことはとても難しく熟練した技術が必要です。
初心者の方はまずはカリウム・微量元素肥料から始めて「水槽へ肥料を添加するということ」に慣れてからステップアップしましょう!
窒素、リンはお魚のフン、残り餌などから供給されます。また、カルシウムなどのミネラルは換水によって水道水から供給されます。
それだけでは水草が繁茂すると不足してしまいますが、「入れ過ぎ」「肥料の選択を間違える」ことから藻類が大量発生するよりマシだと考えています。
カリウム・微量元素肥料に慣れたら次のステップです。
窒素やリンなどが含まれるものにチャレンジしてみましょう。
これらの肥料は「余る」と藻類が出やすいですよ。
水槽のコンディションと相談しながら添加しましょうね!
今回は「カリウム肥料と微量元素肥料の使い方」を解説しました。
水草をキレイに育てるには肥料を使いこなすことが大切なのですが、肥料の使い方ってプロでも難しいんです。
ですが、肥料をしっかりと使いこなせるようになると、今までとは比べものにならないくらい水草を元気に育てられるようになりますよ。
まずはカリウム・微量元素肥料から始めて、いろいろな肥料を使いこなせるようになってくださいね!

入れ過ぎにはくれぐれもご注意ください!