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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は「水草を真っ赤に育てる方法」を解説します。
真っ赤に色づく水草は目を引きますよね?
色見の鮮やかな水景は老若男女にウケる水景ですので、真っ赤な水草のあるレイアウトは「映える」作品と言えるでしょう。
水草を真っ赤に育てるには「光量」「照明時間」「CO2添加量」「肥料バランス」などいくつかのポイントがあります。
現在、赤くならずにお困りの方も本記事を参考に環境を改善することで水草を真っ赤に育てることができるはずです。
初心者の方にも分かりやすく丁寧に進めていきますのでぜひご覧ください。
- CO2を添加する
- 水草育成に十分な光量のライトを使う
- 最低でも8~10時間程度照明を当てる
水草を真っ赤にするコツはこちらの3点。
まずはこれらに注意しましょう。
基本的にCO2添加の無い環境では真っ赤に育てるのは難しいです。
赤い色は強い光に反応した結果なので、光量、照明時間が十分に無いと赤くなりません。
それぞれ詳しく解説していきますので1つ1つ解決して真っ赤に育ててください!
こちらが「水草を赤くするため」に必要なものです。
どれか一つが欠けても真っ赤にはなりません。
5つを同時にバランス良く揃えることが重要ですので、まずはしっかりと設備投資を行いましょう。
そして赤くなる水草を植えることも大切です。
もともと赤くならない水草だといくら頑張っても真っ赤になりませんからね!
上記の5つの要素は「水草育成の基本」になるものです。
基礎となる考え方はこちらの記事でまとめましたので、まだお読みでない方はこちらから読むことで、本記事の理解がより深まりますよ。
水草を真っ赤に育てるのに一番重要なのが「十分な光量と照明時間」です。
水草の赤い色は「アントシアニン」の色です。
アントシアニンは強い光に対する防衛反応なので、まずは強い光を当てない事には真っ赤な水草に育てることはできません。
人間に例えると日焼けするような感じですね。
葉が赤くなるのは強い光に対するストレス反応ということです。
必要な光量
水槽サイズ | 丈夫な水草 | 本格水草水槽 |
---|---|---|
30cm | 350lm程度 | 700lm程度 |
45cm | 1000lm程度 | 2000lm程度 |
60cm | 1500lm程度 | 3000lm程度 |
90cm | 3000lm程度 | 6000lm程度 |
120cm | 4000lm程度 | 8000lm程度 |
180cm | 6000lm程度 | 12000lm程度 |
こちらは水草水槽に必要な光量(lm)を表にしたものです。
水草を真っ赤に育てるなら「本格水草水槽」を目安にライトを選ぶ必要がありますよ。
ライトのパッケージにlmが表示されているはずなので、購入時に必ずチェックするようにしましょう。
水草水槽におすすめのライトはこちらの記事で水槽サイズ別にまとめて紹介しています。
ライトをお探しの方はぜひご覧ください。
照明時間
(5時間)8時間~10時間(12時間)
※()内は下限と上限です
こちらが適切なライトの点灯時間です。
真っ赤に育てるなら「8~10時間以上」点灯することをおすすめします。
ちなみに「12時間」くらい点灯すると本当に綺麗に赤がでます。
真っ赤に育てたいなら勇気を持って長時間点灯すると良いでしょう!
水草育成における光量や照明時間についてはこちらの記事でさらに詳しく解説しています。
お時間のある際にぜひご覧ください。
高圧ボンベを使ってCO2添加をする様子。
水草を真っ赤に育てるならCO2添加は欠かせません。
無添加でもある程度育てることができる水草であっても真っ赤に育てるのであればCO2を添加しましょう。
添加量は水量によって変わるので水槽サイズに見合った添加量に調整してくださいね。
CO2添加キットのセッティング方法、使い方はこちらの記事で詳しくご紹介していますのでご利用になる際はぜひご覧ください。
CO2添加量
水量 | 添加量(陰性水草メイン) | 添加量(陽性水草メイン) |
---|---|---|
15L | 3秒/1滴 | 2秒/1滴 |
30L | 2秒/1滴 | 1秒/1滴 |
60L | 1秒/1滴 | 1秒/ 1滴 ~ 2滴 |
100L | 1秒/2滴 | 1秒/ 2滴 ~ 3滴 |
150L | 1秒/3滴 | 1秒/ 3滴 ~ 4滴 |
300L | 1秒/4滴 | 1秒/ 5滴 ~ 7滴 |
650L | 1秒/8滴 | 1秒/ 9滴 ~ 15滴 |
こちらはざっくりと水量別にCO2添加量をまとめた表です。
真っ赤に育てるなら「陽性水草メイン」を参考に添加しましょう。
CO2添加量の目安や計り方など、こちらの記事でより詳しく解説しています。
お時間のある際にぜひご覧ください。
弱酸性の軟水
こちらが水草に適した水質です。
水質は「CO2」と「肥料」と深く関係しています。
適切な水質では「効率良く」CO2と肥料が消費されるようになりますが、水草に適した水質から大きくずれているとCO2や肥料を上手に活用できなくなってしまいます。
水質が合っていない環境下ではいくらライトを工夫する、CO2添加量を増やす、肥料を増やすなどの工夫をしても真っ赤にならないことがあります。
現状、できることはしたけれど赤くならないという方は水質を検査して調整しましょう。
水草水槽に最適な水質についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
水質は水草育成の大きなポイントですので、ぜひご覧ください。
ソイルを使うとお手軽
ソイルにも色々と種類がありますが「水草育成用のソイル」を選ぶのがポイント!
水草に適した水質にするなら「水草用のソイル」を使うのが1番簡単な方法です。
ソイルとは土を固めて丸い粒にしたもの。
水草水槽におすすめのソイルはこちらの記事でまとめてご紹介していますので、底床選びに悩んだらぜひご覧ください。
PH、硬度を下げる方法
なかなか適した水質にならないよ。。
という方はこちらの記事をご覧ください。
PHと硬度を下げる方法を分かりやすく解説しています。
水草水槽の水質作りにきっと役立つはずです。
PHとは水素イオン濃度のことです。簡単に言うと「酸性」「弱酸性」「中性」「アルカリ性」などのことです。
硬度とは水中のマグネシウム、カルシウムの量のことです。少ないと「軟水」、多いと「硬水」と呼ばれます。
正直なところ、PHや硬度などの指標は目安ですのでかっちりと守る必要はありません。
ですが、よりアクアリウムに詳しくなりたいのであれば知っていて損はありません。
アクアリウムでよく登場する水質の指標についてこちらの記事で詳しくご紹介しています。
お時間のある際にぜひご覧ください。
(18℃)22℃~28℃(30℃)
※()内は一応の下限と上限です
こちらが水草水槽の適温です。
冬場はヒーターを使えば簡単に調整できます。
夏場は「冷却ファン」「水槽用クーラー」「エアコン」などを使い水温を下げる努力が必要です。
水草水槽の適温についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
興味のある方はぜひご覧ください。
夏場は特に注意する
最低でも夏場は冷却ファンが必要です。
水温が30℃を超えると水草が調子を崩すので夏場は「暑さ対策」が必須です。
こちらの記事で水槽の暑さ対策の方法をまとめていますので実際に暑くなる前に確認してみてください。
液体肥料を添加する様子。真っ赤に育てるには養分も大切なのですが養分不足から真っ赤にならないケースは意外と少ないです。
水草に必要な14の必須栄養素の中で真っ赤に育てるには鉄(Fe)が有効と色々なところで言われていますが、他の養分が欠乏しても赤くならないので肥料のバランスが重要です。
今までの経験上、赤くならない原因の多くは肥料以外にあることが多いです。
- 照明時間が短い
- CO2の添加量が少ない
- 水質が合っていない
などが原因であるケースがとても多いので、まずは光、CO2、水質からチェックして肥料を検討するのはその後からでも良いですよ。
まずはカリウム、微量元素肥料からチャレンジ
初心者の方はまずはカリウム肥料、微量元素肥料から添加を始めるのがおすすめです。
どちらも水槽内で不足しやすいですから初めての肥料として適していますよ。
カリウム肥料、微量元素肥料の使い方はこちらの記事で詳しく解説していますのでご利用の際はぜひご覧ください。
窒素分が多すぎると真っ赤にならない水草
水草の必要とする栄養素には様々なものがありますが、その中で最も多く必要とするのが窒素分です。
窒素が十分にある環境では水草は旺盛に成長するようになるのですが、中には赤みが薄れてしまうものもあります。
などが代表的です。
これらを真っ赤に育てるには窒素分を少な目にして管理をするのがポイントですよ。
セット初期など、どうしても水中の窒素分が多くなってしまう場面では仕方が無いこともあります。
水草水槽の場合、成長の早い水草が繁茂してくると自然と水中の窒素分は少なくなります。
場合により、ほとんど0になることも多いですから水草の成長に合わせて調整すると良いでしょう。
水中の窒素分(硝酸塩)を少なくする方法はこちらの記事で詳しく解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
窒素が無いとそれはそれで水草が調子を崩してしまいますからバランスが重要です!
- 光量、照明時間
- CO2添加量
- 肥料バランス
水草が真っ赤にならないよ!
という時はこちらを重点的に改善すると真っ赤に育つようになることが多いです。
特に照明時間については短い方が多いので10時間程度を目安にライトの点灯時間を増やすと良いでしょう。
CO2添加量は意外と足りていない方が多いですので、こちらの表を目安に調整してみてください。
水草の種類によっては「窒素分が多い環境」では赤みが薄れることがあります。
そんな時は窒素肥料は少な目に調整してみてください。
上記を改善してもダメな時は水質をチェックしてみましょう!
当ブログの直感で選ぶ水草図鑑では赤系水草を集めたコーナーがあります。
また、こちらの記事ではおすすめの赤系水草をご紹介していますので、真っ赤になる水草をお探しの方はぜひご覧ください。
一言でいうと「全体の30%程度」を目安に配置すると効果的です。
水草の配置の仕方などレイアウトのコツはこちらの記事で詳しく解説していますので、実際にレイアウトに使用する際はぜひご覧ください。
などは養分が不足すると赤くなるものもあります。
赤くなる種類もあるので養分から赤くなっているのかは判断が難しい部分もありますが、「赤くなっている」「葉が透明になっている」「葉が千切れたようになっている」を同時に満たしている場合は養分不足のことが多いです。
そのまま放っておくと養分不足から枯れてしまうこともありますのでご注意ください。
肥料には液体肥料と固形肥料がありますがバリスネリアやブリクサの仲間にはソイルや砂利の中に埋める固形肥料が有効です。
養分不足の場合は追加すると良いでしょう。
バリスネリアやブリクサは植え替えをすると一時的に赤くなってしまうことが多いです!
水草がどうして赤くなるのかをざっくり解説していきます。
「赤く」育てるには上記のお話だけでも十分なので、興味のある方は暇な時にでも目を通してみてください。
- 光エネルギーを使用して生化学エネルギー(ATP等)を作る光化学反応
- その生化学エネルギーを利用してCO2を固定する反応
水草は光合成をして生きているわけですが、光合成は大きく分けるとこちらの2つの反応に分けることができます。
「なんらかの要因」によって光化学反応が減少し、生化学エネルギーが少なくなるとCO2固定があまり進まなくなります。
このような状況になると
「CO2固定に利用されるはずだった光エネルギーが余り活性酸素を発生」
させます。
活性酸素は葉緑素を破壊してしまうため、水草は葉の表面にアントシアニン(赤色)を作り余分な光をカットするようになります。
水草は葉を赤くすることによって強すぎる光から葉緑素を守っているということですね!
「なんらかの要因」とは、水草の育成にマイナスとなる要因は全て当てはまります。
例えばこのような感じですね。
- 強い光
- 肥料過多
- 肥料不足
- 低水温
ストレスが原因なら、CO2添加しない方が赤くなるんじゃない?
などと思うかもしれませんが、成長に必要な要素が少なすぎると「育成そのもの」が上手くいかないのでほどほどにする必要があります。
要するに環境を揃えて、かつ
「光が余っている」
状況が必要ということです。
光を余らせなくちゃいけないので、これ以上無いくらい理想的なバランスで管理していて「光が余っていない水槽」だと赤くならない場合があります。
その場合は変な話ですが「バランスを崩す」必要がありますよ。
バランスを崩すには大きく分けると2つの方向性があります。
- 光量の強力なライトに変える
- 照明時間を長くする
- 肥料添加量を減らす
このような変更を加えて「光が余っている」状況を作る必要があります。
簡単なのは照明時間を長くして養分添加を控えて様子を見ることでしょうか。
特に窒素肥料を控え目にしてみると効果的かもしれませんよ。
藻類も出てないし水もピカピカだし、水草超元気なのにぜんぜん赤くならん!ちくしょー!!
なんて時にはこのお話を思い出してください。
水草が赤くなるのはストレス反応ですので、薬品などのストレスで赤くなるものもあります。
グリーンFゴールド顆粒などの魚病薬を使うとグリーンロタラなどが赤くなることがありますよ。
多くの場合、薬効が無くなれば赤みが薄れることが多いですのであまり気にする必要は無いでしょう。
グリーンFゴールド顆粒は藍藻対策に有効ですので水草水槽でも使用することがあります。
藍藻対策についてはこちらの記事で詳しく解説していますのでお困りの方はぜひご覧ください。
- 水草が赤くならない。どうして?
- 水草を真っ赤に育てるなら照明時間、CO2添加量、肥料バランスから環境を改善するのが近道です。
詳しくは本文をご覧ください。
- 水草が赤くなる原因は?
- 一言でいうと光に対するストレス反応です。
そのため、真っ赤に育てるなら変なお話ですがバランスを崩す必要があります。
詳しくは本文をご覧ください。
- 薬浴をしたら水草が赤くなりました。なぜ?
- グリーンロタラなどある種の薬品に反応して赤くなるものもあります。
例えば、グリーンロタラでしたらグリーンFゴールド顆粒などに反応して赤くなることがあります。
- 養分不足から赤くなる水草もあるの?
- ブリクサの仲間やバリスネリアの仲間などは養分不足になると赤くなることがあります。
これらは赤くなると同時に葉から色が抜けたように透明になると養分不足から枯れてしまうことが多いので注意しましょう。
- 窒素分が多すぎると赤くならないって本当?
- 一部の水草は水中の窒素分を少なくすることでより赤くすることができます。
ロタラsp. ‘Hra’、ニードルリーフルドウィギア、ハイグロフィラ ロザエネルビスなどが代表的です。
詳しくは本文をご覧ください。
- 緑色の水草も赤くなることがあるの?
- 強力なライトを長時間当てることで赤くなることがあります。
また、冬季にヒーターを使わずに水草を育成すると寒さに対するストレスから緑色の水草でも赤くなることがあります。
- CO2無添加でも真っ赤に育てることはできますか?
- 基本的に難しいです。
水槽で水草を真っ赤に育てるならCO2添加は必須と考えて良いでしょう。
「軟水をキープ」「明るい環境」などを揃えることで丈夫な赤系水草をある程度赤く保つことはできます。
今回は「水草を赤く育てる方法」を解説しました。
色鮮やかな水草がたくさん茂っている水槽は華やかで綺麗ですよね。
その中でも「真っ赤な水草」は目を引くのでぜひ取り入れたい水草です。
真っ赤にならない時は本記事を参考に環境を調整してください!
ロタラ ロトンディフォリア ‘レディッシュ’は真っ赤に育てやすいのでおすすめです!
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