どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は「水草水槽の光」を解説します。
植物である水草は光を浴びて生活をしています。
そのため、キレイに育てるには、適切な光量を、適切な時間当てることが重要です。
少なすぎても水草が育ちませんし、逆に多すぎる(時間が長すぎる)と藻類が大量に増えてしまうなんてことにも繋がりかねません。
そこで今回は「水草育成に必要な光量」「ライトの適切な点灯時間」「ライトを点灯する時間帯」「ライトのスペックの見方」などを初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説いたします。
光は水草育成の基本です。
適切に管理してキレイな水草水槽を作りましょう!
水草水槽用のライトをお探しの方はこちらの記事をご覧ください。
私が今まで使って「水草が育てやすい」と感じたものをまとめてご紹介していますよ。


水草は光合成をして生活しているので、光は言わば「ご飯」のようなものです。
そのため、ライトは水草水槽に必要な各種機材のなかで一番重要と言ってもよいでしょう。
肥料やCO2(二酸化炭素)添加が無くても水草はすぐには枯れませんが、ライト無しではすぐに枯れてしまいます。
ですが、取り扱いは「一番簡単」です。
肥料やCO2は使用方法を間違えると無意味になってしまったり、むしろ逆効果だったりしますが、ライトは電源を入れて点灯させればOKなので、技術的、知識的な差は生じづらいでしょう。
- 光
- CO2
- 適切な水質
- 肥料
- 温度
こちらの5つが水草育成には必要です。
どれかが1つでも欠けると水草はキレイに育ちません。
5つの要素のバランスが特に重要ですよ。
こちらの記事で詳しく解説をしていますので、初心者の方はぜひご覧ください。


予算をかければどなたでも同じ環境が手に入ります。
サイズ | 丈夫な水草 | 本格水草水槽 |
---|---|---|
30cm | 350lm程度 | 700lm程度 |
45cm | 1000lm程度 | 2000lm程度 |
60cm | 1500lm程度 | 3000lm程度 |
90cm | 3000lm程度 | 6000lm程度 |
120cm | 4000lm程度 | 8000lm程度 |
180cm | 6000lm程度 | 12000lm程度 |
こちらは水草育成に必要な光量を水槽サイズ別にまとめたものです。
光量は「lm」という単位で確認するのが簡単です。
ライトをお探しの際はこの表に照らし合わせながら選ぶと良いでしょう。

こんな感じで商品パッケージやメーカーHPに記載されているので、前述の表と照らし合わせながら見てみましょう。

詳しい方に確認しながら選ぶと確実です!
- 水草の葉が小さくなる
- 葉色が薄くなる
- 茂みの密度が下がる
- そもそも育たない
光量が足りない場合、これらの症状が水草にでます。
少し足りない程度なら見た目に多少影響する程度ですが、「ライトが無い」など極端に暗い環境では最悪枯れてしまうので注意しましょう。

- 葉焼けする
- バランスを取るのが難しくなる
- 藻類の大量増殖の原因になる
ライトは明るければ明るいほど良いわけでは無く、明るすぎる環境ではこれらの弊害が発生します。
シダやコケの仲間など、低光量でも十分育成できる水草は、あまりに光量が多すぎると、それがストレスとなって成長不良を起こすことがあります。
また、光量が多くなるのに合わせて、CO2添加量、肥料添加量を増やす必要が出てくるので、水槽環境のバランスを取るのが難しくなります。
その結果、バランスが崩れて「藻類がたくさん増えてしまう。。」なんてことにもなりかねませんよ。


明るければ良いというわけではありません!
(5時間)8時間~10時間(12時間)
※()内は下限と上限です。目安なので多少前後しても大丈夫ですよ
こちらが水草水槽のライトの点灯時間目安です。
点灯時間が長すぎると「藻類の大量増殖」などの原因になります。
短すぎると水草がキレイに育ちませんので注意しましょう。
- 初心者の方 = 8時間程度
- 慣れている方 = 10~12時間程度
こちらを目安に調整すると管理しやすいです。
長時間ライトを点灯したほうが水草が良く成長するのですが、藻類の増殖量も増えてしまいます。
管理に慣れないうちは8時間程度にして、ある程度慣れてきたら長時間点灯して水草を育ててみましょう。

例えば、赤くなる水草は長時間点灯するとより赤みが強く出ますよ!



藻類が大量に増殖しているなら、まずは藻類を減らすことを優先して対応しましょう。
素早く、適切に対応すれば、水草の育成は藻類が落ち着いてから考えるのでも十分に間に合いますよ。
点灯時間を短くして対応する方法、藻類対策は別記事で詳しく解説しています。
お困りの方はぜひご覧ください。

ライトは「毎日決まった時間に点灯させること」が重要です。
水草にも体内時計のような機能があるので
- 今日は午前中から夜まで
- 明日は夜から明け方まで
というように日によって点灯時間がずれてしまっても調子良く育ちませんので注意しましょう。
点灯する時間帯は毎日一定であれば、午前中でも午後でも昼でも夜でも大丈夫ですよ。
- 8:00~16:00 ⇒ 8時間点灯
- 20:00~6:00 ⇒ 10時間点灯
ライトを夜に点灯する場合、昼間も水槽が明るい(太陽光、室内灯などで)と
- 水草がひょろひょろと成長する
- 赤みが薄くなる
などの症状が出ることがあります。
夜間ライトを点灯するなら、昼間はしっかりと遮光して水槽を夜にしてあげましょう。
タイマーを使うことでライトの「ON / OFF」を自動で管理できるようになります。
1度、点灯時間、消灯時間を設定すればOKなのでとっても簡単です。
日々の生活のおくりながら規則正しくライトのスイッチを入れるのは大変なので、ぜひともタイマー導入を検討してください!


僕の自宅はスマートプラグ&アレクサのコンボなので「アレクサ、水槽のライト点けて」で管理できます!
私が今まで使ってみて実際に水草水槽に「使える」と感じたライトをこちらの記事でまとめて紹介しています。
どれも実践で役に立つものばかりなので、ライトをお探しの方はぜひご覧ください。

ちょっとややっこしいですが、ライトのスペックの見方をご紹介します。
こちらの情報を知らなくても水草をキレイに育てられますので、必須ではありませんが、もっと水草育成に詳しくなりたい方はぜひご覧ください。
- 明るさ:lm(ルーメン)
- 波 長:nm(ナノメートル)
- 色温度:K(ケルビン)
- 演色性:Ra(アールエー)
ライトに記載されているのは、主にこちらの4つの指標です。
基本的に明るさを示すlmだけを見れば水草の育成はOKなのですが、見た目の色合いをこだわるならKやRaのことも知っておくと良いでしょう。
一言でいうと「光の量」のことです。
蛍光灯やメタハラ時代ではW数を基準にしていましたが、LEDは消費W数に対する光量がコロコロと変わるので(どんどん進化して効率がよくなっているので)W単位では十分に説明できなくなってしまいました。
そこでLED照明がほとんどを占める今はlm(ルーメン)を使って明るさを指針とするようになりました。
光は「電磁波」という波のひとつです。
空間を伝わる波は山のような形をしているのですが、 この波の長さを「波長」と呼びます。
人の目で見える光の波長範囲は360~830nmです。
これを可視光と言いnm(ナノメートル)で表します。
波長にはそれぞれ色があって、紫380~430nm、青430~490nm、緑490~550nm、黄550~590nm、オレンジ590~640nm、赤640~770nmくらいです。
これら赤・青・緑(三原色RGB)の光を人の目が認識してすべての色を感じているわけです。
光合成に利用される光はクロロフィルなどの光合成色素よって吸収される光ということです。
クロロフィルの場合では主に、400~500nmくらいの青い波長と600~700nmくらいの赤い波長の光を吸収します。
500~600nmくらいの緑色の波長は吸収効率が悪いのであまり吸収されず反射します。
そのため植物は緑色に見えていますよ。
波長は光合成において重要な要素なのですが、現在のところ、lm値がしっかりあるライトを選べば問題無く水草を育成できます。
そのため、あまり気にしていないというのが本音なのですが、今後のライトの動向によっては変わるかもしれません。
色温度とは光の色を数値で表したものです。
ライトによって見た目の色が変わるので、できれば実機で確認したいところ。
数値が低いほど暖色系、高いほど寒色系に発色します。
- 朝日、夕日の色温度 =2000K程度
- 昼間の太陽光 = 6000K程度
- 電球色のランプ =3000K程度
- 昼光色のランプ =6500K程度
色味の目安としてはこんな感じです。
アクアリウムメーカーが出している水草用ライトは色温度をちょっと高くしていて、6500K~12000Kくらいの少しだけ青味がかった白いライトが多いです。
このほうが水の透明感が出てキレイに見えるからです(6000Kくらいだとちょっと黄色く見えます)。
見た目の印象なのでこの辺は個人の好みで選びましょう。
温かみのある6000Kくらいのライトにするか、10000Kくらいの色温度高めの青っぽいのにするかは実物も見て選べると良いですね。
演色性とは、自然光が当たったときの色をどの程度再現しているのかという指標です。
太陽光が当たっている時と同様に色を再現している状態をRa100として、値が100に近い物ほど演色性が高いと言えます。
ちなみに一般家庭用の白い蛍光管はRa60くらいです。
水草を鑑賞するためのライトですから演色性は重要です。
とはいえ、どんどん演色性の高いライトが発売されているので、そこまで心配する必要は無いでしょう。

Ordinary-Aquariumでは、私が今まで培ってきた水草育成の技術、知識を初心者の方にも分かりやすく解説しています。
どれも、実勢で試して有効なものばかりを厳選してまとめていますので、水草をもっと上手に育てたい方は、他の記事もぜひご覧ください。
今回は「水草水槽の光」を解説しました。
水草をキレイに育ているには「適切な光量」を「適切な時間」当てることが重要です。
少ない(短い)と水草がキレイに育ちませんし、最悪枯れてしまいます。
多すぎる(長すぎる)とバランスが崩れて調子を崩してしまったり、藻類増殖の原因になります。
「適度なバランスが大事」という意識でライトを選び光を当てましょう!