本記事は「水草を赤く育てる方法」を解説します。
水草の葉がなぜ赤くなるのかというと「強い光から身を守るため」なんです!
そのため、赤くするには、まず、適切な光量が必要ですよ。
緑色の水草の中に「真っ赤な水草」があると、コントラストが効いてとてもインパクトのある水景になります。
色見の鮮やかな水景は老若男女にウケる水景ですので、真っ赤な水草のあるレイアウトは「映える」作品と言えるでしょう。
初心者の方にも分かりやすく解説しますので、ぜひご覧ください。
- 光量
- CO2
- 水質
- 温度
- 肥料
こちらが「水草を赤くするため」に必要な条件です。
5つを同時に揃えることが重要ですよ。
また、こちらの5つの要素は「水草育成の基本」になるものです。
基礎となる考え方はこちらの記事でまとめましたので、まだお読みでない方はこちらから読むことで、本記事の理解がより深まりますよ。

一番重要なのが、「十分な光量」です。
水草の赤い色は「アントシアニン」の色です。
アントシアニンは強い光に対する防衛反応なので、まずは強い光を当てない事には真っ赤な水草に育てることは出来ません。
人間に例えると日焼けするような感じですね。
葉が赤くなるのは強い光に対するストレス反応ということです。
サイズ | 丈夫な水草 | 本格水草水槽 |
---|---|---|
30cm | 350lm程度 | 700lm程度 |
45cm | 1000lm程度 | 2000lm程度 |
60cm | 1500lm程度 | 3000lm程度 |
90cm | 3000lm程度 | 6000lm程度 |
120cm | 4000lm程度 | 8000lm程度 |
180cm | 6000lm程度 | 12000lm程度 |
水草を真っ赤に育てるなら「本格水草水槽」を目安にライトを選ぶ必要がありますよ。
ライトのパッケージにlmが表示されているはずなので、購入時に必ずチェックするようにしましょう。
こちらの記事で水草水槽にオススメのライトをまとめて紹介しています。
ライトをお探しの方はぜひご覧ください。

(5時間)8時間~10時間(12時間)
※()内は下限と上限です
こちらが適切なライトの点灯時間です。
ですが真っ赤に育てるなら、「10時間程度」点灯することをおすすめします。
ちなみに「12時間」くらい点灯すると本当にキレイに赤がでます。
藻類の発生量も増えるので、バランスを取りながらになりますが真っ赤に育てたいなら、勇気を持って長時間点灯すると良いでしょう!
水草水槽の「光」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
興味のある方はぜひご覧ください。

水量 | 添加量(陰性水草メイン) | 添加量(陽性水草メイン) |
---|---|---|
15L | 3秒/1滴 | 2秒/1滴 |
30L | 2秒/1滴 | 1秒/1滴 |
60L | 1秒/1滴 | 1秒/ 1滴 ~ 2滴 |
100L | 1秒/2滴 | 1秒/ 2滴 ~ 3滴 |
150L | 1秒/3滴 | 1秒/ 3滴 ~ 4滴 |
300L | 1秒/4滴 | 1秒/ 5滴 ~ 7滴 |
650L | 1秒/8滴 | 1秒/ 9滴 ~ 15滴 |
こちらはざっくりと水量別にCO2添加量をまとめた表です。
真っ赤に育てるなら「陽性水草メイン」を参考に添加してくださいね。
こちらの記事で「CO2添加」について詳しく解説しています。
興味のある方はぜひご覧ください。



真っ赤に育てるならCO2添加は必須です。CO2添加方法などをまとめた記事もありますのでまだ添加を始めていない方は合わせてご覧ください!
pH 5.5~6.5
こちらが水草に適した水質です。
水質は「CO2」と「肥料」と深く関係しています。
適切な水質では「効率良く」CO2と肥料が消費されるようになりますよ。
- 光量十分!
- CO2十分!
環境で赤くならないならそれは水質に原因があるかもしれません。
その場合は水質を調整する必要がありますよ。
適した水質にするなら、水草用ソイルの使用がもっとも簡単です。
こちらの記事でおすすめの底床をまとめて紹介しています。
ソイルも多数解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

なかなか適した水質にならないよ。。
という方はこちらの記事で水質を調整する方法を詳しく解説しましたのでご覧ください。
「pH降下剤」「硬度を下げるろ材」などを使用すると、水草に適した水質にすることができますよ。

(18℃)22℃~28℃(30℃)
※()内は一応の下限と上限です
こちらが水草水槽の適温です。
冬場はヒーターを使えば簡単に調整できます。
夏場は「冷却ファン」「水槽用クーラー」「エアコン」などを使い水温を下げる努力が必要ですね。
他の要素に比べ簡単に調整できるので、それほど困らないはずです。
こちらの記事で水草水槽の「適温」について詳しく解説しています。
興味のある方はぜひご覧ください。

特に鉄(Fe)が有効と色々なところで言われていますが、他の元素が欠乏しても赤くならないので肥料のバランスが重要です。
今までご相談いただいたケースで一番多いのは
「肥料は十分にあるけど他の要因で肥料が使えない状況」
になっているケースです。
- 点灯時間が短い
- CO2不足
- 水質が合っていない
このようなケースが特に多いですよ。
本当は水槽の中に養分がたくさんあるのに「使えない」という状況は意外と多いです。
肥料を入れる前にまずは、他の要因(光、CO2、水質、温度)を疑ってみましょう。
肥料が余ってしまうと藻類の原因になるので、入れるのは最後にしましょう。
初心者の方はまずはカリウム肥料から入れることをおすすめします。
カリウムは多少入れすぎた程度であれば大きな問題が起きにくい成分です。
使い方などこちらの記事で詳しく解説しましたので、興味のある方はぜひご覧ください。

「直感で選ぶ水草図鑑」では赤系水草の一覧をご用意しています。
赤くなる水草をお探しなら一度ご覧くださいませ。
一言でいうと「全体の30%程度」を目安に配置すると効果的です。
こちらの記事で水草の様々な配置の仕方を解説しましたので、レイアウトに興味のある方はぜひご覧ください。


ここから先のお話は上級者向けです。
「赤く」育てるには上記のお話だけでも十分なので、興味のある方は暇な時にでも目を通してみてください。
- 光エネルギーを使用して生化学エネルギー(ATP等)を作る光化学反応
- その生化学エネルギーを利用してCO2を固定する反応
水草は光合成をして生きているわけですが、光合成は大きく分けるとこちらの2つの反応に分けることが出来ます。
「なんらかの要因」によって光化学反応が減少し、生化学エネルギーが少なくなるとCO2固定があまり進まなくなります。
このような状況になると
「CO2固定に利用されるはずだった光エネルギーが余り活性酸素を発生」
させます。
活性酸素は葉緑素を破壊してしまうため、水草は葉の表面にアントシアニン(赤色)を作り余分な光をカットするようになります。
水草は葉を赤くすることによって強すぎる光から葉緑素を守っているということですね!
「なんらかの要因」とは、水草の育成にマイナスとなる要因は全て当てはまります。
例えばこのような感じです。
- 強い光
- 肥料過多
- 肥料不足
- 低水温
ストレスが原因なら、CO2添加しない方が赤くなるんじゃない?
肥料入れなきゃいいんじゃない??
と思うかもしれませんが、成長に必要な要素が少なすぎると「育成そのもの」が上手くいかないのでほどほどにする必要があります。
要するに環境を揃えて、かつ
「光が余っている」
状況が必要ということです。
なかなかイメージしづらいですよね。
こちらの記事をご覧になると、イメージしやすくなると思います。
本記事の理解を深めるためにも、先に目を通すことをおすすめします。


光を余らせなくちゃいけないので、これ以上無いくらい理想的なバランスで管理していて「光が余っていない水槽」だと赤くならない場合があります。
その場合は変な話ですが「バランスを崩す」必要がありますよ。
バランスを崩すには大きく分けると2つの方向性があります。
- もっと強力なライトに変える
- 点灯時間を長くする
- CO2添加量を減らす
- 肥料添加量を減らす
このような変更を加えて「光が余っている」状況を作る必要があります。
また、理想的なバランスで管理している環境下では水草が鉄分をガンガン消費するので、鉄分肥料を添加していない場合は不足する可能性大です。
実は、なかなか鉄分不足の状況って起きないのですが、高レベルで管理していると割と発生します。
そんな時は鉄分肥料の出番ですね。
藻類も出てないし水もピカピカだし、水草超元気なのにぜんぜん赤くならん!
なんて時にはこのお話を思い出してください。
こちらの記事で赤く育てやすくレイアウト水槽に使いやすい赤系水草を紹介しています。
赤系水草をお探しの方はぜひご覧ください。
本記事の内容を動画でも解説しました。
こちらもぜひご覧ください。
今回は「水草を赤く育てる方法」を解説しました。
色鮮やかな水草がたくさん茂っている水槽は華やかでキレイですよね。
その中でも「真っ赤な水草」は目を引くのでぜひ取り入れたい水草です。
植えたら、まずは光から当たって真っ赤な水草となるよう育ててくださいね。

僕のおすすめは「ロタラsp Hra」です!