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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事では「水槽レイアウトに使える石」を解説します。
「加工のしやすさ」「水質変化」など、特に水草レイアウターの方が気になる情報をしっかり調べてみました。
石によって水草が育てやすい石、育てにくい石などが分かる内容ですのできっとお役に立つはずです。
初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説しますのでぜひご覧ください。
こちらがアクアリウムで使える主な石の種類です。
各石の詳しい解説は後ほど行いますのでさらっとご覧ください。
ざっくりとした石の名前です。
同じ石でも輸入元のメーカーや販売元が違うと名前が変わってしまうので多くの名前を持つものは「~系」としています。
ざっくりと寒色、暖色、黒と分けました。
ものによっては微妙に色彩が異なるので選ぶ際は実際のレイアウト画像などでチェックしたほうが良いでしょう。
手にとった時の第一印象です。
ゴツゴツ、ザラザラとしている=表面に凹凸があるものはより、「迫力のある作品」「複雑な形状を活かす作品」に向きます。
凹凸の少ないツルっとしたものは「水の流れを表現する作品」「脇役」に向いているでしょう。
- ◎ 加工しやすい
- ◯ 加工できるけど、形が限られる
- △ 加工が難しい
加工のしやすさからこちらのように分けました。
◎の石は「タガネ」「かなづち」を使うことで、狙った形に加工しやすいです。
◯は割れやすいのですが、石の目に沿って割れてしまうなど加工は限定的です。
△は硬くて割れづらい石です。割れても格好良く割れないかもしれません。
石の加工方法はこちらの記事でまとめましたので、レイアウトに使用する際はぜひご覧ください。
- PH:6.0
- 全硬度(CaCO3換算):40mg/L
- TDS:54ppm
- ↑この水に72時間浸す
水草用ソイルの使用を想定しこちらの条件で水質変化を記録しました。
検査に使用した水は自宅の水道水をPH6.0に調整したものです。
3日後に計測して変化した数値を基準値から引いたものを記載しました。
より硬度が上がらない石が水草が育ちやすいと考えてOKです。
PHの上昇幅はそこまで強く気にする必要はありません。
水質チェックに使用した道具を後ほどご紹介します。
- ◎ 大量に使っても水草を育てやすい
- ◯ ほとんど場合で問題無く水草を育てられる
- △ 大量に使う場合は水質調整が必要
水草の育てやすさからこのように分類しました。
というか青龍石系の石以外は水草育成の邪魔にはならないでしょう。
ジオラマレイアウトなどで青龍石系の石を大量に使う場合は、硬度が大きく上昇してしまうので軟水化対策が必須です。
こちらの記事で硬度を下げる方法を具体的に解説していますので石をたくさんレイアウトに使用する場合はぜひご覧ください。
青灰色をした爽やかな印象の石です。
ゴツゴツとした複雑な形状の中に時折、白い筋が入る姿が格好良く人気がありますよ。
主に中国から輸入され各メーカーより販売されていますが、中でも「ADA 龍王石」はクオリティーが高くおすすめです。
草原レイアウトや、ゴツゴツ感を活かした迫力あるレイアウトに向きますが、硬度を上げてしまうため水草の育成難易度が高くなります。
- 龍王石
- 青龍石
- 昇竜石
- 青華石
独特の穴が空いたようなユニークな形が面白いですね。
明るい茶色をした色彩は水草と相性が良く、優しい雰囲気の作品に似合います。
柔らかく加工しやすいのでジオラマレイアウトに向いています。
表面に泥が付いていることが多いのでよく洗ってから使うと良いでしょう。
泥が残っていると接着させづらくなるので加工してレイアウトする場合は特に注意しましょう。
- 黄虎石
- 松皮石
- 気孔石
ADAのみ取り扱いのある日本の銘石(廃盤になってしまいました)。
なかなか実物を見ていただいても良さをお伝えしづらいのですが妙に写真映えします。
流通量が少なく高価なこともあり、数を揃えるのが大変なのですが石組みレイアウトを作るなら1度は使いたい石ですね。
山で取れる石なのでゴツゴツしています。
荒々しい雰囲気を活かした迫力ある石組みが似合う石ですよ。
ツルっとした質感は癖が無くどんなレイアウトにも合わせやすいです。
「水草を活着させる土台」「石の土台」「石の角度を固定する用途」などレイアウトするよりも脇役としての出番が多い石です。
ほとんどが握り拳よりも小さなサイズです。
大きなサイズはあまり流通しません。
安価なこともあり大量に確保しやすいのでジオラマレイアウトにも向きますよ。
名前の通り木の化石。
色合いもなんだか木を連想させる温かみのある茶系です。
層状になっており、四角い形をしているものが多いですね。
自然な雰囲気を作るというよりも、層状なことを活かして階段状に組むなどしたほうが面白いレイアウトになります。
木化石よりも赤みが強いものが多いことから通称「赤木化石」と呼ばれている石。
「紅木化石」と表記されることもあります。
こちらも層状になっているのでそれを活かしてレイアウトしたいところ。
柔らかいため加工しやすく目に沿って割れるため形を整えやすいですよ。
縦長のものが多いので、石を立てたデザインのレイアウトに向きます。
マグマが固まってできた石。
大きく分けると黒みが強いものと赤みが強いものがあります。
比較的安価に揃えやすいことから「水草を活着させる土台」「石の土台」「石の角度を固定する用途」などレイアウトの土台としても使いやすいです。
ゴツゴツとした質感は複雑な景観を作るのに向いており、表面の形状から積み上げやすいです。
柔らかく加工しやすいので、ジオラマレイアウトに向いています。
流れによってある程度角が取れた丸い石。
こちらのみ様々なタイプの石が混じるので混じった状態で水質変化を記録しました。
丸い形状は「水中感」を強く演出するので流れを感じさせるレイアウトに向いています。
ツルツルしているので石を積み上げるときは注意しましょう。
こちらの水槽は世界水草レイアウトコンテスト2015(IAPLC2015)に出品した作品です。
構図の組み方や水草の植栽などをこちらの記事で紹介していますので興味のある方はぜひご覧ください。
ピンク色に近い色をした明るい色味が特徴です。
薄っぺらい板状なので、基本的に積み上げるようにレイアウトすると良いでしょう。
縦に割るのは簡単なのですが、薄くスライスするのはとても難しいのが難点です。
ユニークなレイアウトを作りたい方におすすめです。
こちらの水槽は世界水草レイアウトコンテスト2018(IAPLC2018)に出品した水槽です。
こちらの記事で水槽を空の状態から撮影して完成までを順番にご紹介しています。
興味のある方はぜひご覧ください。
数あるレイアウト素材の中でも石は特に印象の強い素材です。
それは1つの石ができるまでに途方も無い時間がかかるからだと私は考えています。
道端のころんと落ちている石も数万年かけてそこにあるんだと思うと、なんだか浪漫を感じませんか?
レイアウトに1つ石を取り入れるだけでも雰囲気が出るのは、それだけの時間を内包しているからだと思います。
- 種類を揃える
- 形を揃える
- 色味を揃える
こちらが石選びのコツです。
基本的には1レイアウトにつき、1種類の石を使うようにしましょう。
複数の石を使用はバランスを取るのがとても難しいですよ。
また、同じ石であっても形、色彩が微妙に違うのでそこも揃えることでより完成度の高い作品になります。
とにかく量が必要です。
形をあまり気にしなくて良いのでとにかく量を確保しましょう。
- 黄虎石系
- 赤木化石
- 溶岩石
- 乱形石
こちらの石は加工しやすく比較的安価、そして水草育成の邪魔をしないのでジオラマレイアウトに向いていますよ。
石を割る、接着するなどの加工をして理想のレイアウトに仕上げるのがジオラマ系の特徴です。
形よりも量です!
- ブラシでこする
- 漂白剤につける
シンプルに石についた藻類をこする方法です。
力を入れて強くこするために金ブラシを使うのがポイント。
レイアウトによっては石を取り出せないのでブラシでこすると良いでしょう。
「ADA プロブラッシュ ハード」などを使うと細かな場所も作業しやすいです。
水槽から石を取り出せるならキッチンハイターなどの漂白剤で浸け置き洗いをするのがおすすめです。
石をバケツなどに入れキッチンハイターを入れることで新品同様の石になります。
2~3日程度浸けておくと良いでしょう。
漂白剤を使ってアクアリウム用品を綺麗にする方法はこちらの記事で解説していますのでお困りの方はご覧ください。
- 割る
- 接着する
こちらが主な加工方法です。
道具さえあれば簡単にできちゃいますので、自由にレイアウトしたい方はぜひチャレンジしてみてください。
石の加工方法、水槽で使える接着剤については別記事をご用意しましたのでご覧ください。
石を酸処理することで表面が綺麗になります。
石の酸処理方法についてはこちらの記事で詳しく解説していますので興味のある方はご覧ください。
- 硬度が大きく上がる石
- 濁りが出る石
これらの石は環境に大きな影響があるため水槽スタイルによっては適していません。
自分のアクアリウムの種類によては不向きな石があると覚えておくと良いでしょう。
- サンゴ石
- コンクリートブロック
これらの石は硬度が大きく上がるため淡水の水槽には不向きです。
特に水草水槽の場合はかなり管理が難しくなりますので基本的に使用しないようにしましょう。
生体メインの水槽の場合、お魚の種類によって弊害で出る場合もありますが多くの場合問題無く使用できます。
ただし、硬度の高い環境は黒髭苔、サンゴ苔などの厄介な藻類が増殖しやすくなるので軟水でキープした方が綺麗な水槽をキープしやすいと言えます。
何か特別な理由が無い限りは硬度が大きく上がる石の使用は避けて管理することをおすすめします。
- 粘土質の石
基本的に水槽用として販売されている石にはありませんが、採取して石を使用する場合に注意が必要です。
ものによってボロボロと崩れ水が濁るようなものがあるので採取して石を使用する場合は注意しましょう。
レイアウトで石や流木を配置することを「構図を組む」と言います。
構図には基本的となる「凸構図」「凹構図」「三角構図」の3つがありますよ。
こちらの記事で水槽レイアウトの基本となる構図の種類を解説していますので興味のある方はご覧ください。
水草に適した水質は「弱酸性」「軟水」です。
また、硬度の高い水質は黒髭苔やサンゴ苔など厄介な藻類が増殖しやすくなってしまいます。
硬度の高くなる石を使用する場合は軟水化対策に力を入れると管理しやすくなりますよ。
水草に適した水質、PHと硬度を下げる方法はそれぞれ詳しく解説した記事がありますのでお時間のある時にぜひご覧ください。
- テトラ PH/KHマイナス
- マーフィード エコペーハー
- マーフィード エコ・TDSメーター
- 共立理化学研究所 ドロップテスト(全硬度)
私がPHを下げる時に使っている薬品はこちら。
塩酸と硫酸が主成分なので、しっかりとPHを下げることができます。
同機種を学生時代から使っています。
高価ですが高精度、故障が少ないことから愛用しています。
学生のころよりTDSを計る際はこちらを使っています。
TDSを計る機会はあまり無かったのですが、自作肥料の効果を探るときなどここのところ使用頻度が増してきています。
より詳しく硬度の変化を記録したかったのでこちらを使いました。
アクアリウム業界で流通している硬度チェッカーよりも詳しく計れるので興味のある方は試してみてください。
- 水槽で使う石はなんでも良いの?
- 極端に言うとほとんどの石が水槽で使えます。
中には硬度を大きく上昇させるものがありますので、管理面を考えると淡水水槽の場合は使用を避けるか軟水化対策をしましょう。
詳しくは本文をご覧ください。
- 石の重さの違いは?
- 固く目の詰まった石は重く、中に空洞のあるものが軽い傾向があります。
青龍石系の石、万天石、山谷石などは重く、黄虎石系の石、溶岩石などは軽い傾向があります。
- 石はアク抜きの必要はありますか?
- 水槽用として販売されている石はアク抜きの必要はありません。
採取して使用する場合は石によってはアク抜きが必要になるかもしれません。
- 水槽に石を入れる前にすることはありますか?
- 水槽用として販売されている石でしたら軽く水洗いするだけで大丈夫です。
今回は「水槽レイアウトに使える石」を解説しました。
しっかり調べてみると青龍石系の石以外は特に問題無く水草水槽で使えることが分かりました。
私は木化石をずっと硬度が上がる石と思っていたのですが、ただの思い違いだったようです。
データ取って比べることはやはり大切です!
石の種類は少しづつ増やしいきます!
この記事が参考になったら感想を教えてもらえると嬉しいです。
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