この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事では「テトラ PH/KHマイナスの使い方」をご紹介します。
テトラPH/KHマイナスは簡単にPHを下げることができる液体タイプの水質調整剤です。
特に水草水槽におすすめのアイテムで換水時に使用するのがおすすめ。
CO2添加をしていない水槽でもテトラPH/KHマイナスを使うことである程度水草を育てられるようにもなりますので、ぜひ使い方をマスターしましょう。
「PH調整に必要なもの」「手順」「PHが戻る場合の対策」などを丁寧に解説していきます。
初心者の方にも分かりやすいくご説明しますのでぜひご覧ください。
メーカー名 | スペクトラム ブランズ ジャパン株式会社 |
商品名 | テトラ PH/KH マイナス |
成分 | 塩酸、硫酸 |
規定量 | 100Lあたり10ml添加を基準とする |
容量 | 250ml、500ml |
テトラ PH/KH マイナスとは、スペクトラム ブランズ ジャパン株式会社より発売されている「PH降下剤」です。
簡単に言うと水槽の水を酸性に調整する薬品。
液体タイプなので計量しやすく扱いやすいため、水槽のPHを下げる薬品として1番使いやすいと考えています。
有名メーカーの商品なので手に入れやすいのもポイント!
PHとは、「potential of hydrogen」の略で、「ピーエイチ」と読み、酸性、アルカリ性の程度を表す指標です。
ほとんど淡水魚、水草は弱酸性を好みます(PH5.0~6.5程度)。
PHは、液体に含まれる水素イオン H+ と水酸化物イオン OH− の量で決まります。
水素イオンが水酸化物イオンよりも多いと酸性に、逆に少ないとアルカリ性になります。
pHと表記されることもありますがどちらも意味は同じです。
一概に「このPHだから良い、良くない」とは言えませんので、あくまでも今の水槽の現状を知るための指標と捉えると良いです。
「ここからが弱酸性」のように明確な区切は無いのですが、私は便宜上、下記の表のような感じで区切って活用しています。
酸性 | 弱酸性 | 中性 | 弱アルカリ性 | アルカリ性 |
---|---|---|---|---|
5.0以下 | 6.0前後 | 7.0前後 | 8.0前後 | 9.0以上 |
PHについての詳しい解説はこちらの記事で行っていますので本記事と合わせてご覧ください。
- 水草水槽の換水時
- 南米原産のホシクサなどの栽培時
- アピストなどの低PHを好むお魚の飼育
などなど、商品名にある通り水槽のPHを下げたい場合に活用します。
通常の熱帯魚管理ではあると便利ですが必須とまではいきません。
もっと深く管理したいときに手を出すアイテムですね。
弱酸性の水質を好む水草は換水時にテトラPH/KH マイナスで水質調整をするのがおすすめ。
CO2無添加の水槽でもこれだけで水草が良く育つようになることもあります。
PH5台など、低PHを好む水草に育成時にはテトラ PH/KH マイナスで水質調整をしましょう。
換水時に使用するのが効果的です。
アピストグラマなど、低PHを好むお魚を飼育するなら普段のPH調整や換水時にテトラPH/KHマイナスを使うと効果的です。
今回は水道水を使用した換水方法をご紹介します。
水道水に入れて水槽に入れるだけなので簡単なのですが、添加量の調整にちょっとコツがあります。
自宅の水道水のPHの下がり具合を掴むのがポイントです。
必要なものから使用手順まで丁寧に解説していきます。
- テトラPH/KHマイナス
- スポイト
- バケツ
- PH計
テトラPH/KHマイナス
まずは必要になるのがこちらですね。
250mlと500mlがありますので必要な方を手に入れましょう。
スポイト
テトラPH/KHマイナスはフタが計量カップになるのですが、細かな調整にはスポイトがあると便利です。
5~10ml程度が計量できるスポイトが扱いやすいです。
バケツ
水道水を計量できるメモリが付いているものがおすすめ。
水槽サイズにもよりますが5、10Lが計量できると使いやすいです。
PH計
マーフィード エコ・ペーハーDUOなどの0.1単位でPHを確認できるものがおすすめ。
試薬タイプのものでも作業できなくもないですが、正確な数値が分からないこと、作業に時間がかかることからPHメーターを使うようにしましょう。
まずは水道水のPHを確認します。
今回は7.4でした。
日本の水道水は大体7.0~8.0程度です。
地域、季節により微妙に異なりますのでご自宅の水道水のクセを掴むと調整が楽になります。
1日エアレーションをしてから確認するとより詳しく確認できます。
テトラPH/KHマイナスを規定量入れます。
- PH7.0以上⇒ 10Lあたり1ml添加
- PH6.9以下⇒ 10Lあたり0.5ml添加
こちらが規定量です。
STEP1で確認したPHに合わせて添加しましょう。
まずは規定量を入れてPHの変化量を確認するのがおすすめ。
同じPH7.4でも地域や季節によってどれくらいPHが下がるかが変わります。
今回の場合、PH7.4の水道水に1Lあたり1ml添加で5.9まで下がりました。
- PHをもっと下げる場合⇒ テトラPH/KHマイナスを追加
- PHが下がり過ぎた場合⇒ 水道水で薄める
希望の数値に近づくように上記の対応を繰り返して調整しましょう。
私の場合、6.0などぴったり合わせることはせず、多少の誤差は気にしないことが多いです。
調整した水を水槽に入れましょう。
1日後、水槽のPHを確認しましょう。
目標値まで下がっていない場合は、水槽に直接テトラPH/KHマイナスを入れて調整することもできます。
※少量づつ入れるようにしましょう。
自宅の水道水のPHがどれくらいなのかを予め確認しておきましょう。
夏季、冬季など季節ごとの変化を掴んでおくと作業がはかどります。
大雨の後などでも数値が変わることがあるので確認しておくと安心です。
水道水のPHを確認する際は1日程度、エアレーションをして曝気しましょう。
水道から出した直後の水道水には空気が多量に含まれているため、空気が抜けるとPHが変化します。
多くの場合、PH0.3~0.5程度上昇します。
水道から出した直後のPH | 7.4 |
1日エアレーション後のPH | 7.9 |
私が住む地域の場合、上記のように変化しました。
本来の水道水のPHは7.9ということですね。
PHの変化を少なくする場合は、換水前に1日エアレーションをしてからテトラPH/KHマイナスを入れて調整するとより確実な数値で換水することができます。
面倒なので基本的には1日待つことは少ないですが、、
PHの下がり方は水質によって大きく変わります。
同じPH7.4であっても、水に含まれる成分の比率によってPHの下がりやすさは大きく変わります。
規定量の添加で大きく下がる地域もあれば、規定量の2倍3倍と添加しないと下がらない地域もあります。
水道水の水質は地域によって微妙にことなるので水道水のPHを確認したら、どれくらいの添加でどこまで下がるかのクセを掴むと作業が楽になります。
- 水道水の硬度が低い地域
- 上流で取水している地域
こちらの地域はテトラPH/KHマイナスを規定量使うだけでも十分にPHを下げられることが多いです。
場合により、規定量添加ではPHが下がり過ぎてしまうケースもありますので確認しながら作業しましょう。
水道水の硬度については日本中の硬度を簡単に確認できるページをご用意していますので一度ご確認ください。
- 水道水の硬度が高い地域
- 下流から取水している地域
こちらの地域はPHが下がりづらい傾向があるので、場合により規定量よりも多く添加して調整する必要があります。
どれくらい下がるのかは地域によって大きくことなることが多いので、確認しながら作業しましょう。
場所により規定量の2倍3倍添加しないと下がらないところもあります。
まずはご自宅の水道水の硬度から確認すると良いでしょう。
下流域などから取水している場合、水処理の過程でPH調整剤を多く添加する場合があります。
水酸化カルシウムや炭酸ナトリウムなどが多く添加されている地域はそうでない地域に比べてPHが下がりづらいです。
- 冬季
- 大雨の後
上記のタイミングは普段よりもPHが下がるづらい傾向があります。
水処理の過程で普段よりもPH調整剤を多く添加することがあるためです。
水酸化カルシウムや炭酸ナトリウムなどが多く添加されると普段よりPHが下がりづらいです。
いつも使用している量よりもテトラPH/KHマイナスを多めに添加する必要がありますのでご注意ください。
昨日はPH6.5だったけど今確認したら7.5なんだけど?
テトラPH/KHマイナスを使用していると、せっかく下げたPHが短期間で戻ってしまうケースに遭遇します。
多少、戻ってしまうのはしょうがない部分もありますが、何度下げても元に戻ってしまう場合は原因があります。
原因に対応することで下がりやすくなりますので確認してみると良いでしょう。
下記の表は私の自宅の場合のPH変化です。
参考までにご覧ください。
水の状態 | PH |
---|---|
【1日目】水道から出した直後 | 7.4 |
【1日目】テトラPH/KHマイナスを規定量添加後 | 5.9 |
【2日目】1日エアレーションした後 | 7.5 |
【2日目】テトラPH/KHマイナスを0.5ml追加後 | 6.2 |
1日目に規定量添加しPH5.9まで下げた水道水を1日エアレーションして放置するとPH7.5まで上昇します。
これは水道水から空気が抜けてPHが上がった証拠です。
上がり幅が大きいのはテトラPH/KHマイナスを添加したことによりKHが下がりPHの変化量が増えたためです(後ほど解説します)。
ここにテトラPH/KHマイナスを0.5ml追加することで6.2まで下げることができました。
7.5⇒ 6.2まで下げるのに0.5ml添加で十分なのがポイントです。
2回目に下げる時はちょっとづつ添加しましょう。
- 水道水に含まれる空気
- 水槽の中にPHを上げるものがある
- 水槽の中に硬度を上げるものがある
こちらの3点が主なPH上昇の原因です。
多かれ少なかれ水槽の中にはPHを上昇させる成分がありますので、多少PHが上がってしまうのは目をつぶりましょう。
何度テトラPH/KHマイナスを添加してもPHが元に戻ってしまう場合は何か原因がありますので探してみましょう。
水道水に含まれる空気
水道から出したばかりの水道水には多量の空気が含まれているので通常よりもPHが下がっていることが多いです。
1日程度エアレーションをしてからPH調整を行うことでより確実にPH調整できます。
水槽の中にPHを上げるものがある
- ろ材
- 石
- 砂利
などの中にはPHを上げる効果があるものがあります。
これらが水槽の中にある限り(効果の続く限り)はいくらPHを下げてもすぐに上がってしまいます。
PHを下げるなら水槽から取り除いてから作業しましょう。
水槽の中に硬度を上げるものがある
- ろ材
- 石
- 砂利
などの中には硬度を上げる効果のあるものがあります。
硬度が高いとPHが下がりづらくなるためたくさんテトラPH/KHマイナスを添加しないとPHが下がりません。
硬度の低い水(=軟水)にすることでPHを下げやすくなります。
硬度を下げる方法はこちらの記事で解説していますのでぜひご覧ください。
成分 | 効果 |
---|---|
塩酸 | PHを下げる PHの下がりやすい水質にする 水中のカルシウム分を微量に維持する マグネシウムは取り除かない |
硫酸 | PHを下げる PHの下がりやすい水質にする 水中のカルシウム分を除去する マグネシウムは取り除かない |
テトラPH/KHマイナスの主成分である塩酸と硫酸には上記のような効果があります。
多量にあると邪魔なカルシウム分をある程度除去し水草の必須栄養素であるマグネシウムを維持することができます。
まさに水草水槽の水質管理のために開発されたかのような薬剤で換水時にはぜひ使用したいアイテムですね。
テトラPH/KHマイナスについては「水草オタクの水草がたり.」の記事で深く解説されています。
ソイルの考察なども同時にされているので興味のある方はぜひご覧ください。
シャープな記事が多くて参考になりますよ!
こんな感じのカルシウム汚れをテトラPH/KHマイナス使って掃除することができます。
雑巾などに含ませて拭くことで主成分である塩酸、硫酸がカルシウム分を溶かして綺麗にできます。
今回は「テトラ PH/KHマイナスの使い方」を解説しました。
使い方をマスターするだけで一歩進んだ水質調整ができるようになります。
液体タイプで扱いやすいですからぜひお試しください!
水草水槽のマストアイテムの1つ!
この記事が参考になったら感想を教えてもらえると嬉しいです。
記事作成の励みになります!