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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事では「水道水を安全に水槽に使う方法」を解説します。
日本の水道水は世界的に見ても綺麗で水槽用としても優れており、人間が安全に飲めるよう様々な処理をされています。
しかし、中にはお魚に害のあるものもありますので調整をしてから水槽に入れたほうが安全です。
そこで今回は、私が普段から仕事、プライベートで活用している水道水の調整方法をご紹介します。
調整などと言うと難しく聞こえるかもしれませんが、中和剤を入れるだけなので簡単です。
水道水が特に綺麗な地域、丈夫な生き物の飼育では、場合によってカルキ抜き、重金属などを除去しなくても調子良く飼育できることもありますが、しっかりと調整した水を使うほうがより安全です。
メダカ、金魚、熱帯魚など基本的なアクアリウム全般に応用できる内容です。
初心者の方にも分かりやすく丁寧に進めていきますので、水槽管理の参考にどうぞ!
簡単にカルキ抜き、重金属を除去するならこちらの4つがおすすめです。
中和剤、調整剤はたくさんの製品がありますので探し出すと迷ってしまいます。
基本的にはこちらの4つを使い分ければほとんどの状況に対応できますので、安心してご利用ください。
飼育スタイルに合わせてこのように使い分けると良いでしょう。
飼育スタイル | Ga ベストセーフプレミアム | リバース・リキッド フレッシュ | プロテクトX | NAウォーター |
---|---|---|---|---|
メダカ、一般的な熱帯魚 | ||||
ベタ、ディスカス、原産地が低PHのお魚、肌の弱いお魚 | ||||
稚魚、幼魚 | ||||
水質に敏感なエビ | ||||
水草水槽 |
カルキ(塩素)の中和、重金属の無害化、粘膜保護、お魚に必要なミネラルとビタミンの追加が一つにまとまった中和剤です。
メダカ、金魚、熱帯魚など一般的なアクアリウムならこちらが1つあれば十分に水道水を安全な水にすることができます。
液体タイプなので水道水をバケツなどに汲み、入れるだけですぐに水槽に入れられるようになります。
価格も安価ですから、水換え時には1つ用意しておきましょう。
メダカ、丈夫な熱帯魚の飼育など一般的なアクアリウムならこちらで十分です!
ウォーターエンジニアリング社のろ材「リバースマテリアル」を液状化させた異色のカルキ抜きです。
チオ硫酸ナトリウムなどを添加して塩素を中和するのでは無く、塩素そのものを吸着除去することで無害化します。
極めて安全なので稚魚や幼魚など、薬品の影響を受けやすい生き物にも安心して利用できます。
藻類を予防する効果もあり、添加することでろ材に成分が付着しろ過能力をアップさせます。
カルキ抜きとしては高価な部類ですが性能はたしかです。
ろ材「リバース・グレイン ソフト6.8」は水草水槽の硬度対策として優秀です。リバースリキッドと併用してさらにろ過能力を高めるのがおすすめです!
強力な粘膜保護効果とカルキ抜きがセットになった調整剤です。
新規にお魚の導入する際やベタ、ディスカスなどの肌が弱いお魚、低PHに生息している雑菌が苦手なお魚などの飼育に絶大な効果があります。
他の粘膜保護剤と違い、含まれている高分子ポリマーが「お魚の粘膜の代わりになる」というのが効果の秘訣です。
特のお魚を大事に育てたいときに使いたい製品ですね。
お魚メインの水槽ならこちらがおすすめです!
アクアリウム用に開発された浄水器です。
添加剤とは違い、水道水からカルキや重金属を取り除くことで無害化します。
ホースで直接水槽に水道水を入れることができるので、作業時間の短縮&楽になります。
基本的には何かを添加するよりも余計なものを取り除くほうがより良い結果に繋がりますので浄水器の利用がベストです。
ご予算に余裕のある方はぜひ浄水器の導入を検討してください!
水道への接続方法などはこちらの記事で解説してます。
浄水器を使うと換水作業がとっても楽になりますよ!
稚魚や幼魚、エビなど水質に敏感なエビは、ハイポ(チオ硫酸ナトリウム)を原料にしているカルキ抜きを使用すると、どのようなメカニズムなのかは不明ですが調子が悪くなることがあります。
そのため「 ウォーターエンジニアリング リバース・リキッド フレッシュ 」などの塩素を吸着除去するタイプか「 ADA NAウォーター 」などの浄水器を使いましょう。
チオ硫酸ナトリウムは酸と反応して二酸化硫黄を発生させます。
二酸化硫黄は毒性があるので、もしかしたらこのあたりが原因なのかもしれません。
ということはPHの低い環境ほど弊害が大きくなる可能性がありますね。
水道水をバケツなどに汲み、カルキを中和する薬品を入れればすぐに中和できます。
入れて1回かき混ぜる程度ですぐに中和されますから待たずに水槽に水を入れることができます。
基本的に安価なので水槽の水を交換する作業は水槽管理の基本ですから用意しておくと良いでしょう。
温水の出る水道なら水温調整も自由自在なので、より簡単に換水作業ができます。
中和剤はカルキ抜きだけでなく、重金属の無害化、粘膜の保護なども同時にできるものがありますので優秀な製品を使えば1本で済みます。
- 手軽
- 簡単
- すぐに中和できる
- 水温調整が容易
- 製品がたくさんあるのでどれにするか迷う
手軽にカルキを中和できるの方法です。
カルキの量にもよりますが、10~20分程度煮沸すれば水道水からカルキを飛ばすことができます。
薬剤を使うわけではありませんので、コンロやケトルなどがあればできます。
換水作業に使える時間がたくさんあり、かつ少量であれば実用的かもしれません。
煮沸する時間が長くかかるので燃料代、電気代がかかること、煮る→冷ますのに時間がかかることからおすすめはしません。
冷まさないと水槽に入れられないことや、任意の水温に調整するのが大変なので室温と水温に開きがある時期は不向きです。
頑張った割にカルキ抜きしかできないので、場合によっては別の調整剤が必要になることから、それなら最初からカルキ抜きを含む調整剤を入れるほうが遥かにシンプルで簡単です。
- コンロ、ケトルなどがあればできる
- 手間がかかる
- 時間がかかる
- 燃料、電気代がかかる
- 水温調整が大変
- カルキ抜きしかできない
- 大用量の換水に不向き
基本的に面倒なのでおすすめしませんが、こんな方法もあるということを知っていると役に立つかもしれません。
バケツなどに水道水を入れて天日に12~48時間程度さらせばカルキを飛ばすことができます。
時間は時期やカルキの量によってマチマチですが、昔ながらのカルキ抜き方法です。
メダカなど丈夫なお魚を屋外で鉢に入れている方は、隣にバケツなどを置いて予め水を用意しておくと簡単に換水用の水を用意できます。
ただし、カルキ抜きしかできないこと、基本的に水温調整が難しいこと、大用量の換水には不向きであることには注意が必要です。
- 手軽
- 簡単
- コストがかからない
- 時間がかかる
- 水温調整が大変
- カルキ抜きしかできない
- 大用量の換水に不向き
外飼いの金魚やメダカなど、気温と水温が近い環境で飼育しているタフなお魚の換水作業なら十分に対応できます。
井戸水を使えば基本的にカルキの心配をする必要な無いでしょう。
地下水を使うことから水質はその地域の地質の影響をモロに受けるので、水槽使用にどの程度向くかどうかは調べてみないとなんとも言えないのが欠点です。
汲み出すだけで水道代がかからないことから、実は井戸水を使用しているプロショップや熱帯魚問屋はそれなりにあります。
基本的に冷水魚を除き、温めてからで無いと水槽に使えないので水温調整が難しいです。
- 井戸があるなら手軽
- 水道代がかからない
- 水温調整が大変
- 水質調整が必要な場合がある
良くも悪くも水質に大きく左右されます。
ミネラルウォーターなら基本的にお魚に有害な成分を含まないので、コストはかかりますが安心して水槽用としても使えます。
カルキを無害化するというよりは、カルキを含んでいないというほうが正しいです。
ミネラルウォーターは大きく分けると軟水、硬水のものがありますが、基本的に軟水のものを選べばほ現在流通しているほとんどの淡水魚に使えます(海水魚の場合は硬水にしましょう)。
「今すぐに綺麗な水が必要だ!」という場合に知っていると便利な方法です。
継続して換水に使うとかなりのコストになってしまうので、一時的な方法として割り切ると良いでしょう。
- 手軽
- 水質として優れている(種類による)
- コストが高い
- 水温調整が大変
- 大用量の換水に不向き
アクアリウム用の浄水器を使えば、水道水に含まれるお魚に有害なもののほとんどを取り除くことができます。
導入にコストがかかりますが、換水作業の負担を大きく減らせるので長くアクアリウムを楽しむならいつかは導入したいですね。
換水は水槽を管理している上で1番行う作業ですから、ここを簡略化できると大きく時間を節約できるだけでなく労力も減らせるので水槽管理が楽になりますよ。
水道水に何かを足すことでお魚向きの水質にするのでは無く「取り除くこと」で無害化するので、水質に敏感な生き物の飼育にもおすすめです。
- 簡単
- 換水作業が楽
- 水質に敏感な生き物にも安心
- カートリッジを定期的に交換する必要がある
ある程度大きな水槽の水を交換するなら浄水器が無いとやってられません!
水道水をバケツに汲んで調整剤を入れればすぐに重金属が無害化できます。
手軽かつ簡単なので重金属の無害化方法として1番普及しています。
カルキ抜きや粘膜保護剤とセットになっているものなら、1つの調整剤で済みますからアレコレと買わなくてよいので楽ちんですよ。
- 手軽
- 簡単
- すぐに無害化できる
- 製品がたくさんあるのでどれにするか迷う
アクアリウム用の浄水器を使えばカルキ抜きだけでなく重金属も一緒に無害化できるものがほとんどです。
重金属を無害化する場合も薬剤を添加するわけではなく、水道水から取り除くため水質に敏感な生き物の飼育にも安心です。
水道につないで水槽に入れるだけで様々なお魚に有害なものを取り除ける浄水器は換水作業を楽にする便利なアイテムです。
- 簡単
- 換水作業が楽
- 水質に敏感な生き物にも安心
- 導入コストがかかる
- カートリッジを定期的に交換する必要がある
基本的に大丈夫です。
水道水に調整剤を入れる、浄水器を使うなどの対応で水槽用として使用できます。
私もそうですが、多くのアクアリスト、プロショップが水道水を使って水槽を管理しています。
地域、生き物の種類によっては水道水をそのまま使っても大きな問題にならないこともありますが、基本的にはカルキ抜き、重金属の無害化を行ったほうが安心です。
水道水に入れるおすすめの調整剤は後ほど詳しくご紹介します。
カルキの中和とは話がそれますが、水道水の硬度が低い地域の方がアクアリウムに向いているといえます。
- 硬い藻類(コケ)がどうしても増える
- 水草の育ちが悪い
- 水面のあたりに白い垢がつく
などでお悩みの方は水道水の硬度が高いことが原因かもしれません。
こちらで日本中の水道水の硬度が確認できますので、一度見てみることをおすすめします!
こちらの2つが主に水道水に含まれる生き物に害のあるものです。
こちらを無害化するか取り除いてから水道水を水槽に入れましょう。
水道水には微生物などを殺菌するために塩素が含まれています。
水道法では水道水の安全を守るために0.1mg/L以上塩素を保持するように定めまれており、水質検査基準としては 1mg/L以下にするように指定されています。
地方自治体により微妙に基準が変わりますが 、0.1mg/L ~ 0.6mg/L 程度の濃度のことが多いです。
実際のところは各家庭により異なりますが、多くの場合で中和剤や浄水器を使うことでカルキを安全に無害化することができます。
細かく言うとカルキの濃度は「0.02mg/L以下」にしましょう!
水道水は河川、井戸などから水を引いているため極少量ながら地層より溶け出した重金属が含まれています。
日本の水道水の場合、WHO(世界保健機関)の定める基準よりもさらに厳しい基準を設けているので基本的に人間は安全なのですが、お魚にはダメージがある場合があります。
特に稚魚、幼魚には大きなダメージがありますので無害化したほうが良いでしょう。
こちらも塩素と同様、調整剤や浄水器を使うことで簡単に無害化することができます。
カルキよりも優先度は低めですが対策した方が無難です!
主にお魚のエラと粘膜にダメージがあります。
お魚はエラで呼吸しているため、塩素のダメージにより酸欠になります。
エラへのダメージですので、いくら水中に酸素濃度を高くしても解決しません。
そのため、エラにダメージが無いよう、水槽に水道水を入れる前にカルキを中和するのがベストです。
粘膜にダメージがあるとお魚はたくさんの粘膜を出したり、粘膜が白く濁ったりします。
お魚の肌を守ってるのは粘膜なので粘膜にダメージがあると防御力が弱ってしまうので病原菌や寄生虫などへの抵抗力が弱くなります。
また、粘膜を大量に作り直すことからお魚は体力を大きく使うので疲れてしまいます。
ベタ、ディスカス、コリドラスなど粘膜の多いお魚や肌荒れに弱いお魚は特に注意したほうが良いでしょう。
お肌の弱いお魚の飼育には「粘膜保護剤」入りの中和剤がおすすめです!
塩素が水槽に入るとお魚の糞やオシッコから出たアンモニアと反応してクロラミンができます。
どちらかというと、水道水に含まれる塩素そのもののダメージよりもクロラミンの方が害が大きいです。
そのため、厳密に言えばクロラミンを発生させないためにカルキ抜きが必要です。
重金属もカルキと同様にエラにダメージがあります。
直接、重金属の中毒症状が出るのではなく、粘膜と反応して綿状の物質となりエラに詰まることで窒息を起こします。
稚魚、幼魚など子供のお魚ほどダメージが大きいので注意が必要です。
重金属は水中のミネラル分と結合して無害化する性質があることから硬度の高い水ほど弊害が少なくなります。
反対に軟水では弊害が大きくなるので、低PHで管理している水槽など軟水の水槽は特に注意しましょう。
金属塩による魚の死亡原因は科学的反応によるものよりも、むしろ物理的反応によるもので、魚の鰓から分泌した粘膜成分と重金属塩が結合して綿状沈殿物を形成し、この沈殿物質による窒息死であると言われている。
河川汚濁物質の魚類に及ぼす影響
水質により大きくお魚へのダメージが変わります!
基本的におすすめの中和剤、浄水器を使用すれば問題無くカルキは中和されますのでチェックする必要性は低いのですが、天日に当てる方法など調整剤を使用しない場合はチェックのために用意しておいても良いでしょう。
浄水器のカートリッジの寿命を確認用として使うこともできます。
カートリッジの寿命が来ると、浄水器を通してもカルキが抜けませんのでチェッカーで計ると確認できます。
正直なところ、こちらを買うくらいなら中和剤を買ったほうが良いと思います!
- カルキ抜きは絶対に使わなきゃダメ?
- 使わなくても大丈夫なこともあります。
水道水にあまりカルキが含まれていない地域や、金魚、コイなどカルキに比較的強いお魚なら使わなくても大きな問題にならないこともあります。
とはいえ使用したほうが無難です。
- どんなお魚がカルキが苦手なの?
- お魚は全般的にカルキでダメージを受けますが、エラにダメージがあることから酸欠に弱いお魚ほど苦手とする傾向があります。例えばイワナや鮎、ヤマメなどは少量でも大ダメージです。
- カルキ抜きを入れたらどれくらいで水槽に入れられるの?
- 本記事で紹介した調整剤、浄水器ならすぐに水槽に入れて大丈夫です。
固形タイプのハイポなどは溶けるまで待ってから水槽に入れましょう。
待っている時間がもったいないので、液体タイプの調整剤か浄水器がおすすめです。
- カルキ抜きを入れ過ぎちゃいました。問題は無い?
- 本記事でご紹介した「エーハイム フォーインワン」「ウォーターエンジニアリング リバース・リキッド フレッシュ」「キョーリン プロテクトX」なら多少入れ過ぎても問題はありません。 リバース・リキッド フレッシュ に関してはたくさん入れることでろ過能力をよりアップさせることができます。
- カルキ抜きをした水が腐るって本当?
- はい。
カルキは水道水を殺菌するために添加されているので、それを中和するわけですから雑菌が繁殖するようになります。そのため、カルキ抜きをした水は数日中に使用しましょう。
- 人間用の浄水器じゃだめ?
- 場合によります。
結果としてカルキが抜けていれば良いわけですから、しっかりとカルキを除去できるものなら使用できます。ただし、どのような水質にするものなのかはチェックした方が良いでしょう。例えば「アルカリイオン水」などは不向きです。
- 炭でもカルキが抜けるって本当?
- はい。
「ADA NAウォーター」などの浄水器は炭の力でカルキを除去しています。
備長炭などをバケツに入れておくことでもカルキを除去することもできますが、時間と手間がかかりコストも高くつくことから浄水器以外の場合はおすすめしません。
- ブクブクでもカルキを除去できるって本当?
- ブクブク(エアーレーション)だけではカルキを完全には除去できません(クロラミンが除去できない)。
そのため他の方法と組み合わせる必要があるのですが、それならブクブクする必要は無くなるのであまり意味は無いと私は考えています。
- 固形のハイポじゃだめなの?
- 量の調整が難しいこと、溶けるまでに時間がかかること、カルキ抜きの効果だけしかないことからあまりおすすめしていません。
とはいえ安価でコスパが良いですから、薬浴水槽などカルキ抜きのみを使用したいケースなどでは使えます。
※水質に敏感なエビの飼育には不向きですのでご注意ください。
今回は「水道水を安全に水槽に使う方法」を解説しました。
調整剤や浄水器を使用すれば簡単かつ素早く安全に水道水を水槽に入れられます。
水槽の水交換は管理の基本ですから、アクアリウムを続ける以上はずっと付き合うことになります。
調整剤は比較的安価なので、アクアリウムを始めるならぜひご用意ください!
地味に重要です!
この記事が参考になったら感想を教えてもらえると嬉しいです。
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