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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は「CO2中毒の対処法」について解説します。
水草を育てるためにCO2添加をしていると、「事故により大量にCO2を添加してしまう」「徐々にCO2濃度が高くなる」などの原因でCO2中毒になってしまうことがあります。
なる時は急に中毒になるので予め対処法を予習しておきましょう。
「CO2中毒の対処法」「症状」「予防法」など初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説していきますので、ぜひご覧ください。
直ちに80%程度換水をしてください
使用する水は「水温を合わせカルキ抜きをした水道水」がベストです。
- CO2が過度に溶け込んでいる水を捨てる
- 水道水に豊富に溶けている空気を水槽内へ供給する
水道水で換水をすることでこの2つを同時に行うことができます。
初期、中期程度の症状ならこれで改善するはずです。
しばらく横になっている魚やエビが出るかもしれませんが、半日~1日程度で復活するのでそのまま様子を見てみましょう。
末期症状は進んでいる場合は、どれくらい生き残るかは神のみぞ知ると言った感じなので、なるべく早く対応してくださいね。
エアレーション(ブクブク)もCO2を逃がす&空気を供給する効果がありますが効果が出るまでに時間がかかります。
CO2中毒には素早く対応するならまずは換水をしましょう。
お魚とエビで症状が変わります。
一部に出るのでは無く水槽内にいる生き物全部に症状がでるのが特徴です。
こんな感じで、最初は全員が水面でパクパクします。
そして段々と動きが鈍くなり底の方でジッと動かなくなります。
また、目を見開いたように瞳孔が開きます。
お魚同様、なるべく水面に近い位置に来ます。
ヤマトヌマエビなどは水から出ようと水草や配管、配線を登って水槽外に脱走するようになります。
また、足を動かさなくなり、体が白っぽく濁ってきます。
エビの場合、初期、中期症状からも死んでしまう子が出てきます。
換水後、倒れていても1日くらい様子を見ると復活することもあるのでちょっと様子を見てみましょう。
お魚もエビもほとんどが死に絶えてしまいます。。。
エビは、お魚よりもCO2中毒に弱のであまり猶予はありません。
なるべくならCO2中毒にならないように予防策を取ることが重要ですよ。
- 添加量が多すぎる
- 余ったCO2が徐々に溜まってしまった
CO2添加機器の設定ミスや不具合により一時的に大量に添加してしまうとCO2中毒になることがあります。
「詰まりやすい目の細かい拡散器を使っている」「安物のレギュレーターを使っている」などの状況が重なると起こりやすくなりますのでご注意ください。
CO2の量を設定するのはちょっとコツが要ります。
レギュレーターの設定ネジを調整しても実際の添加量に反映されるまで時間がかかります。
設定量を変える際は、必ず1分~2分程度時間をおいて量が正しく出ているか確認する癖をつけましょう!
水量 | 添加量(陰性水草メイン) | 添加量(陽性水草メイン) |
---|---|---|
15L | 3秒/1滴 | 2秒/1滴 |
30L | 2秒/1滴 | 1秒/1滴 |
60L | 1秒/1滴 | 1秒/ 1滴 ~ 2滴 |
100L | 1秒/2滴 | 1秒/ 2滴 ~ 3滴 |
150L | 1秒/3滴 | 1秒/ 3滴 ~ 4滴 |
300L | 1秒/4滴 | 1秒/ 5滴 ~ 7滴 |
650L | 1秒/8滴 | 1秒/ 9滴 ~ 15滴 |
こちらがCO2添加量の目安です。
まずはこちらを参考に添加量を調整してみてください。
扱いやすい機種を使うこともポイントです!
水草が消費しきれなかったCO2がどんどん蓄積していくことがあります。
水草のためには適正量を添加することが大切ですが、丁度ぴったり添加することは難しいので余ってしまうことがあります。
フィルターの水流で水面を動かす、夜間エアレーションなどをすることで予防できますので心配な方はセットしましょう。
CO2が蓄積するメカニズム
こちらは余ったCO2が溜まり、どんどん蓄積される様子をグラフにしたものです。
このように添加したCO2は「水草に消費されない分」「空気中に逃げなかった分」が蓄積されていきます。
そして生体の限界を超えると「CO2中毒」が起きるというわけです。
CO2の消費量は日々変化するので、毎日丁度よく添加することは至難の技です。
- たくさんの水草が茂っている水槽
- 水面が動いていない水槽
特にこのような水槽はCO2が余りやすい傾向があります。
そのため夜間エアレーションなどでCO2中毒を予防しましょう。
このような有茎草をたくさん茂らせた水槽は添加量が多くなる傾向があるので、何かの拍子にCO2が余るのことがあります。
まったく水面が動いていないと、ほとんどCO2が逃げないので余る可能性が高くなります。
今までの経験上「水面が動いていない+フタが閉まっている水槽」は特に注意した方が良いです。
こちらの5つがCO2中毒を予防する方法です。
すべてを取り入れる必要はありませんが、上記のうち2~3つ程度を取り入れるとCO2中毒が発生する確率を大きく下げることができます。
「ADA CO2アドバンスシステム-フォレスト」「DOOA CO2 システムキット」など初心者の方でも比較的簡単に扱えるCO2添加キットを使うことで安全かつ安定的にCO2添加を行えます。
特にレギュレーター(ボンベの圧力を調整する器具のこと)が扱いづらいものはCO2中毒のご相談が多い印象です。
初心者の方は割高になってしまってもより安全な製品を使うことで失敗が少なくなるでしょう。
ADA CO2アドバンスシステム-フォレスト
古くからあるCO2添加キットの決定版。60cmクラスの水槽におすすめです。
DOOA CO2 システムキット
小型水槽でも使いやすいCO2添加キットです。
CO2拡散器とは添加するCO2を細かな泡にする機材のことです。
泡の細かすぎるタイプの拡散器は
- 詰まってCO2の出が悪くなるタイミングが早い
- CO2吐出量を多めに設定しがち
このような傾向があることからCO2中毒が発生しやすいです。
メンテナンス性の良い扱いやすい拡散器を使用することでCO2中毒が発生する確率を下げることができますので、水槽サイズにあったものを選ぶと良いでしょう。
おすすめの拡散器についてはこちらをご覧ください。
積極的にCO2中毒を予防する方法ではありませんが、CO2拡散器が詰まってくると何かと問題が発生しやすくなる傾向があります。
定期的に塩素系の薬品でつけ置き洗いすることでCO2の出を良くするだけでなくCO2中毒も予防することができます。
洗浄方法についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、お時間のあるときにご覧ください。
フィルターからの出水を利用して水面が動くようにするとエアレーション効果があるのでCO2中毒を予防できます。
- 外部式フィルター
- 底面式フィルター
- 外掛け式フィルター
などは水流の向きをコントロールしやすいことから適度にエアレーションを行いやすいです。
3タイプともに水草水槽で使いやすいフィルターですから水槽サイズに見合ったものを使うと良いでしょう。
水草水槽におすすめのフィルターについてはこちらをご覧ください。
- ライト点灯時⇒CO2添加
- ライト消灯時⇒エアレーション(ブクブク)
ライト消灯時にエアレーション(ブクブク)をすることを「夜間エアレーション」と呼びます。
水草水槽への夜間エアレーションには「CO2が過剰に溜まるのを予防する」「油膜対策」などの効果があります。
水草水槽のエアレーションについてはこちらの記事で詳しく解説しましたのでぜひご覧ください。
CO2中毒の症状、対処法は酸欠とほぼ同じです。
生き物の症状からは「CO2中毒なのか、酸欠なのか」の判断は難しいのですが、対処法は同様なのでとりあえず換水をしましょう。
どちらの場合であったとしても換水をすれば症状は収まるはずです。
当たり前ですがCO2中毒が発生するのはCO2を添加している水草水槽が圧倒的に多いです。
逆に水草水槽の場合、酸欠はあまり起こりません。
水草から酸素の気泡が確認できるほど光合成をしている環境では酸欠になることは稀です。
そのため、水草水槽でお魚が鼻上げをしている場合は「CO2中毒」を疑いましょう。
- CO2添加キットが壊れてCO2がたくさん出てしまいました。
- お魚が鼻上げをしているならすぐに80%程度換水をしましょう。
特に目立った症状が出ていないなら念のため20~30%程度換水する程度で大丈夫です。
- いつもと同じ添加量なのに急にCO2中毒になりました。
- 継続的にCO2添加をしていると環境によりCO2が蓄積しCO2中毒が発生することがあります。夜間エアレーションをすることで予防できますので取り入れましょう。
- CO2中毒はエアレーションで改善しますか?
- CO2中毒の症状が出ている場合は換水で対応しましょう。
エアレーションは予防には効果的ですが効果が出るまでに時間がかかるので、すでに症状が出ている場合は換水をしましょう。
- CO2中毒の酸欠の見分け方は?
- 生き物に出る症状から判断するのは困難です。
どちらの場合も換水が即効性のある対処法ですので、まずは換水をして時間を稼ぎましょう。
その後、落ち着いて原因を探ってください。
今回は「CO2中毒の対処法」を解説しました。
急にお魚やエビの様子が変になるとビックリしてしまいますよね。
水草水槽を楽しんでいると一度は起こる事件だと思います。
「換水」をすることで何とかなることが多いので、慌てずに対応してみましょう。
これから水草水槽を始める方は予め「夜間エアレーション」をセッティングすることである程度予防できますので忘れずに予算に入れておきましょう。
CO2添加をしていると一度は経験すると思います!
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