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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は「外部式フィルターのろ材」について解説します。
エーハイム クラシックシリーズやプロシリーズ、ADA スーパージェットフィルター、テトラ バリューエックスシリーズ、コトブキ パワーボックスシリーズなど様々な外部式フィルターがありますが、ろ材の工夫はしていますか?
せっかく高性能な外部式フィルターがあってもろ材の性能やセッティングが悪ければ性能を活かしきれません。
外部式フィルターは構造的に目詰まりに弱く、メンテナンスが大変なフィルターです。
そのため、優秀なろ材を正しくセットし、なるべく目詰まりを減らしメンテナンス回数を少なくするのがポイントです。
そこで今回は
- 外部式フィルターにおすすめのろ材
- 外部式フィルターにろ材をセッティングする方法
- 外部式フィルターのろ材の洗い方
などを詳しくご紹介します。
外部式フィルターのろ材はなるべくシンプルにセットするのがコツです。
複雑に形の違うろ材などを組み合わせてもろ過能力は変わりませんので、本記事を参考にぜひ最適なろ材、最適なセッティングで運用しましょう!
- 水をいろいろな意味で綺麗にすること
一言でいうとろ材の役割はこちらです。
「大きな汚れを濾し取る」「不必要なものを吸着する」「ろ過バクテリア」の住処になるなど細かく分けるといろいろな役目があります。
その中でも最も重要なのが「ろ過バクテリアの住処」になることです。
大きく分けると3種類あるろ材ですが、どれもすべてろ過バクテリアの住処になりえます。
ろ過バクテリアについてはこちらで詳しく解説してありますので、お時間のある際に読んでみてください。
きっとろ過についての理解が深まると思いますよ!
- 物理ろ材(大きな汚れを取る)
- 化学ろ材(濁りなどを吸着)
- 生物ろ材(バクテリアの家)
ろ材は大まかに分けるとこちらの3種に分類されます。
それぞれ役割が違いますので状況に応じて使い分けましょう。
外部式フィルターのへのおすすめのセッティング方法は後ほど詳しく解説します。
また、各ろ材の特徴を詳しく解説した記事もございますので、お時間のある際にぜひご覧ください。
種別 | 商品名 |
---|---|
物理ろ材 | サンミューズ ファインマット BIG |
物理ろ材 | メーカー純正ウールマット |
化学ろ材 | キョーリン ブラックホール |
化学ろ材 | ウォーターエンジニアリング リバースグレインシリーズ |
生物ろ材 | 太平洋セメント パワーハウス Mサイズ |
生物ろ材 | ZOOX ネクストジェネレーション バイオメディア Sサイズ |
生物ろ材 | 園芸用の軽石 |
大きな汚れを濾し取ることのできるウールマットです。
とても目が細かく精密なろ過ができますが、その分、目詰まりしやすいのが欠点です。
外部式フィルターに使うならセット初期など、大きなゴミを濾し取りたいときにだけ使うのが効果的です。
フィルターケースの大きさに合わせて切って使うタイプのためコスパが良いです。
安価ですが緻密なろ過ができるろ材です!
エーハイム純正 細目フィルターパッド
フィルターサイズにぴったり合うウールマットが各メーカーより発売されていますのでこちらを使うとより簡単です。
成形してある分、割高ですのでコストと手間を考えて選ぶと良いでしょう。
- 流木のアクを吸着
- 濁り取り
- 臭い取り
こちらの3つの効果が期待できるのが活性炭です。
活性炭はピンキリで良いものと悪いものの差が激しいのですが、こちらは私が15年以上愛用している商品です。
もちろん効果は抜群ですので、とりあえず水槽セット初期なら入れるようにしています。
正しく対応すれば濁りや臭いは短い期間で解消されますので、問題が解決するまでの間だけ使用するようにするとコスパが良いですよ。
- 酸化物の除去
- 軟水化
などの効果が期待できる吸着系ろ材です。
いくつか種類がありますが私がおすすめするのは「リバースグレイン ソフト」「 リバースグレイン ソフ6.8 」です。
軟水化作用があるため、硬度の高い水を好む「黒髭苔」などの硬い藻類を予防する効果があります。
また、水草は軟水を好むため水草を育てやすい水質にする効果も期待できますよ。
私は水草水槽の立ち上げ時によく使っています。
水草水槽なら常時使っても良いと思います!
程よい粒感と形状から外部式フィルターの生物ろ材として最もおすすめしています。
ろ材としては高価な部類ですが、私が試している中では最も長持ちしメンテナンスの手間も少ないことから長期維持を念頭に置いてセッティングをする際には必ずこちらを使用しています。
PHが上がりづらいので水草水槽に使いやすく、硬度への影響もほとんどないためとても使いやすいですよ。
イチオシです!
程よい大きさと水質に影響を与えない性質から使いやすいろ材です。
1箱2.5Lと丁度良い量でコスパが良いです。
構造的にろ過バクテリアの住処として申し分なく、細かすぎないので目詰まりもしづらいため外部式フィルターに適しています。
エーハイム クラシックフィルター2213なら1箱でOKです!
ろ材にそこまで予算はかけられない、、
なんてときは園芸用の軽石がおすすめです。
形状的にやや目詰まりしやすいですが、ちょっと目の大きなものを選べばそれほど気になりません。
粗悪品はpHや硬度を上昇させてしまいますので、必ずパッケージを確認して「弱酸性」「pH6.4」などと記載があるものを使いましょう。
粒感は1.5cmくらいのものが使いやすいです。
軽石は底床の底上げに使えるなど、色々と使いまわしが効きますので用意しておくと便利です。
- 上⇒ 物理ろ材
- 中⇒ 化学ろ材
- 下⇒ 生物ろ材
こちらが基本の構成です。
どのような順序でろ材をセットしたとしてもろ過能力はほとんど変わりません。
物理ろ材、化学ろ材は定期的に交換する必要があることから下部にあると交換作業が大変です。
そのため、メンテナンスのしやすさを考慮してなるべく上の方にセットしましょう。
ろ材の組み合わせは時期によって変えるとよりメンテナンス性がよくなりますので、状況に応じて変更すると良いです。
フィルターの形状により水流が「上⇒下」「下⇒上」となるものがありますが、どちらの場合であってもこちらのろ材のセッティングで問題ありません。
- 物理ろ材 10%
- 化学ろ材 20%
- 生物ろ材 70%
水槽セットから3ヶ月程度はろ過バクテリアが十分に繁殖していないことから不安定な時期です。
そこで大きな汚れを強制的に濾し取る物理ろ材(ウールマットなど)と汚れを科学的に吸着する化学ろ材(活性炭、リバースグレインなど)を組み合わせてフォローします。
特に水草育成用のソイル(土)を使用している場合は養分が多いことから、白濁や臭いが出やすいです。
そのため予め物理ろ材、化学ろ材をセットして予防すると良いでしょう。
環境が安定してきたら「安定期のセッティング」にろ材を変えることでろ材を洗うスパンを長くすることができます。
私は「水の透明度」を指標にしています。
水が透明だからと言ってろ過バクテリアがたくさんいる訳ではないのですが「物理ろ材」「化学ろ材」の役目は水を透明にすることなので、透明になっているのなら「安定期のセッティング」に変えていますよ。
- 生物ろ材 80%程度
環境が安定してきたら(大体セット1ヶ月~3ヶ月)物理ろ材と化学ろ材を抜いて生物ろ材だけにしちゃいましょう。
成熟した生物ろ過は「物理ろ材」「化学ろ材」と似たような働きもするので、生物ろ材だけでも十分に綺麗な水を作ることができます。
ろ材を洗ってしまうとせっかく発達したろ過バクテリアのコロニーが壊れてしまいます。
そのため交換の必要な「物理ろ材」「化学ろ材」が邪魔になってしまうのです。
目一杯ろ材を入れないのは「目詰まりの予防」と「不測の事態に備える」ためです。
何か問題が起きたらウールマットや活性炭、リバースグレインなどを追加して対応しましょう。
私が仕事で作るお魚中心の水槽の定番のセッティングです。
セット初期は何かと水が濁りやすいので最初からブラックホールを入れることで予防します。
水槽が安定してきたらファインマットとブラックホールは取り除き、パワーハウスだけにしてしまいます。
生体の数が多いなど、ろ過への負担が大きい場合はファインマットとブラックホールを交換しながら使い続けることもあります。
パワーハウスの代わりに「ZOOX ネクストジェネレーション バイオメディア Sサイズ」にしても良いでしょう。
私が仕事で水草水槽を作るときにいつも使用しているセッティングです。
ソイルを使うことの多い水草水槽はセット初期に養分が余りがちです。
そのため、余分な有機物を吸着するブラックホールは欠かせません。
また硬度が高くなると水草の育ちが悪くなるのでリバースグレイン ソフトを入れて軟水化対策をします。
より硬度の高い環境では「リバースグレイン ソフト6.8」を使用する場合もあります。
生物ろ材はパワーハウスが1番おすすめですが「ZOOX ネクストジェネレーション バイオメディア Sサイズ」でも良いでしょう。
安定してきたら生物ろ材だけにしてしまうことが多いですが、硬度が気になる場合はリバースグレインは交換して使い続けることもあります。
私はお魚メインの海水水槽ならこちらのセッティングを基本にしています。
大きな濁りが取れ次第、ファインマットは取り除き早めにパワーハウスだけにすることが多いです。
海水水槽の場合、ろ材になるべく触らないほうが良いことから、目詰まりしやすいウールマット系のろ材は早めに卒業したいところ。
状況に応じてリバースグレイン マリンは交換して継続使用することが多いです。
パワーハウスは「ZOOX ネクストジェネレーション バイオメディア Sサイズ」でも良いでしょう。
- 物理ろ材⇒ 交換する
- 化学ろ材⇒ 交換する
- 生物ろ材⇒ 洗って再利用する
ろ材の洗い方は種類によって異なります。
物理ろ材(ウールマットなど)と化学ろ材(活性炭、リバースグレインなど)は洗っても効果が元に戻らないので基本的には交換しましょう。
生物ろ材はろ材としての寿命(3~5年程度)が来るまで洗って再利用できます。
ろ材ケースのフタを開けます。
ろ材をバケツに移します。
軽く水道水で洗います。
2~3回かき混ぜる程度でOKです。
汚れが多少残るくらいの方が良いですよ。
水槽水で洗うなど諸説ありますが私は水道水で洗っています。
特に何か問題が発生したことはありませんので、個人的には水槽水を使う必要は無いと考えています。
ろ材をケースに戻しましょう。
水が透明になるまで水道水を流しましょう。
透明になったら水をもう一度抜いて終了です!
- 物理ろ材⇒ 1~3ヶ月程度で交換
- 化学ろ材⇒ 1~3ヶ月程度で交換
- 生物ろ材⇒ セット初期:1~3ヶ月程度で洗う 安定期:なるべく洗わない
これくらいを目安にすると良いでしょう。
物理ろ材、化学ろ材は基本的に洗わずに交換しましょう。
汚れ具合や水槽の状況次第ですが、おおむね1~3ヶ月程度で交換することが多いです。
生物ろ材はセット初期こそ1~3ヶ月程度で洗いますが、安定したらなるべく洗わないようにしましょう。
その方が透明感が出ますよ!
残り餌が出ないように給餌する!
外部式フィルターが目詰まりする原因のほとんどは「水の汚れ」です。
一口に汚れというと範囲が広いですが多くの場合で餌が原因のことが多いです。
生体数が多い場合はある程度しょうがない部分もありますが、残り餌が出ないように上手に与えることで目詰まりを予防することができます。
餌の与え方は別記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
硬度を上げるろ材は使わない!
軟水を好む水草には硬度を上げてしまうろ材は不向きです。
なるべくなら違うろ材を使うようにしましょう。
水草が綺麗に育たず、色々と工夫しているけれど原因が分からない 、、
そんな時はろ材が原因で硬度が高くなっているケースがあります!
古くからPH、硬度を上げるろ材として使われているサンゴの骨は硬度を大きく上昇させます。そのため水草水槽には不向きです。
こちらのろ材は多少ですが硬度を上昇させます。そのため水草水槽にベストのろ材とは言えません。使えないレベルではありませんが交換することをおすすめします。
これらのろ材は水草水槽には不向きですが、硬度が上がるという特性を利用して「PH」「硬度」を高めたい水槽で利用しましょう。
おすすめの外部式フィルター エーハイム クラシックシリーズ。
Ordinary-Aquariumではおすすめのフィルターをまとめた記事をご用意しています。
水草水槽向きですがお魚メインの水槽でも利用できるものばかりですので、フィルターをお探しの方はぜひご覧ください。
- ろ材を入れすぎるとどうなるの?
- ろ材を詰めすぎると目詰まりしやすくなります。
目安はすんなりとフタが閉まる程度です。
ろ材が多いほうがろ過能力が高くなりますが、入れ過ぎはかえってろ過能力を下げる原因になりますので注意しましょう。
- ろ材を入れる順番は?
- 正直なところ、どのろ材をどのような順序で入れてもろ過能力に大差はありません。
ですがメンテナンス性を考慮して「上 物理ろ材」「中 化学ろ材」「下 生物ろ材」となるように構成することをおすすめしています。詳しくはこちらをご覧ください。
- リング状のろ材とボール状のろ材は組み合わせて使ったほうがいいの?
- パワーハウスMサイズなど程よいサイズのリングろ材だけで良いと私は考えています。
組み合わせても害はありませんがろ過能力がアップするわけではありません。その分手間が増えますからメンテナンス性が悪くなります。
- 外部式フィルターのろ材にソイルは使える?
- 使えますがおすすめはしません。
理由はすぐに目詰まりしてしまうからです。
ろ過能力、水質調整能力自体はかなり強力なので短期間だけ使用するなど限定した条件であれば良いかもしれません。
- ろ材はろ材ネットに入れたほうが良い?
- お好みです。
パワーハウスなどの生物ろ材はネットに入れることでメンテナンスしやすくなります。
こちらで紹介しているろ材構成ならシンプルなのでネットに入れなくてもメンテナンスしやすいですよ。
- リングろ材だけでも大丈夫?
- 水槽が安定しているなら大丈夫です。
水槽セット初期など不安定時期は物理ろ材、化学ろ材を組み合わせることをおすすめしますが、安定した環境の場合、私はパワーハウスMサイズなどの生物ろ材だけにすることが多いです。
- ろ材を混ぜて使ってもいいの?
- リングろ材、ボール状のろ材などを混ぜて使用しても問題ありません。
寿命の長さが違うものを混ぜると交換するときに面倒ですのでご注意ください。
- ろ材の寿命は?
- ものによりマチマチです。
物理ろ材、化学ろ材はおおむね1~3ヶ月程度で交換しましょう。
生物ろ材は商品により大きく異なります。だいたい3~5年程度で交換が必要になることが多いです。
- ろ材を洗う時は水槽の水を使うの?
- 私は水道水で洗っていますが特に問題はありません。
水道水で洗っても全てのバクテリアが死ぬわけではありませんので、そこまで心配する必要は無いでしょう。気になる方は水槽水で洗ってください。
- フィルターを購入したときに付いてきたろ材のままでもいいの?
- ダメではありませんがもっと良いろ材があります。
交換することでより強力なろ過することができます。
予算に余裕があるならぜひ交換することをおすすめします。
詳しくは本記事のおすすめのろ材をご覧ください。
- ウーパールーパーを外部式フィルターで飼育する場合のおすすめのろ材は?
- ろ材の組み合わせ例の熱帯魚水槽と同じもので良いです。
濁りや臭いが気になる場合はキョーリン ブラックホールなどの活性炭の量を増やしましょう。
- 亀を外部式フィルターで飼育する場合のおすすめのろ材は?
- ろ材の組み合わせ例の熱帯魚水槽と同じもので良いです。
濁りや臭いが気になる場合はキョーリン ブラックホールなどの活性炭の量を増やしましょう。 亀はフィルターに頼るよりも換水をマメにして管理したほうが良いので、メンテナンス性の低い外部式フィルターよりも他のタイプのフィルターをおすすめします。
今回は水草水槽向けに「外部式フィルターのろ材」を解説しました。
外部式フィルターはなるべくシンプルにろ材をセットしましょう。
ろ材のセッティングが複雑だとメンテナンスが大変ですし、使っているろ材が1つでも目詰まりしたら洗わなければなりません。
それではいつまで経ってもろ過が安定しないですよ。
あまり深く考えずにシンプルにセッティングしましょう!
複雑にろ材をセットしてもろ過が強くなるわけではありません!
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