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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事では「パイロットフィッシュ」を解説します。
水槽をセットしてまず初めに入れるお魚のことをパイロットフィッシュと呼びます。
セット直後は環境がまだ不安定なので丈夫なお魚を少しだけ入れて様子を見るということですね。
最初から丈夫なお魚を飼育する予定があるのなら、あえて別にパイロットフィッシュを用意する必要はありません。
気に入ったお魚を飼育すると良いでしょう。
「丈夫なお魚」と言ってもたくさんの種類がありますので「特にパイロットフィッシュに向いているもの」をご紹介します。
「パイロットフィッシュの条件」「入れるタイミング」「入れる数の目安」なども詳しく解説していきます。
初心者の方にも分かりやすく丁寧に進めていきますのでぜひご覧ください。
パイロットフィッシュとは、水槽セット初期に入れる丈夫なお魚のこと。
餌を食べ、フンをさせることでバクテリアの増殖を促し環境を安定させるために入れるお魚の総称です。
まだ環境が不安な水槽セット初期に環境を安定させるために入れる丈夫なお魚が向いています。
基本的に「丈夫なお魚」はすべてパイロットフィッシュとして活用できます。
最初から丈夫なお魚を飼育するのであれば、あえてパイロットフィッシュはいりません!
「テストフィッシュ」と呼ばれることもあります!
環境が安定するとは、主に「ろ過バクテリア」が十分に増えた環境を差します。
ろ過バクテリアとは、簡単にいうと「残り餌」「排泄物」などの汚れを食べてくれる小さな生き物のこと。
水槽をセットしてしばらくするとろ過バクテリアが徐々に増えていくのですが、パイロットフィッシュを入れることでその増殖をスピードアップさせることができます。
ろ過バクテリアが行う生物ろ過については別記事で詳しく解説しました。
ちょっと難解なお話かもしれませんが大切なことですのでぜひ目を通してみてください。
- グローライトテトラ
- ブラックネオンテトラ
- レッドテトラ
- チェリーバルブ
- ラスボラ ヘテロモルファ
私がおすすめするパイロットフィッシュを5種ご紹介します。
パイロットフィッシュとはいえ、見た目にもこだわりたいですよね。
こちらの5種は「見た目」「流通状況」など様々な観点から考えてパイロットフィッシュとして使いやすいので、きっとお役に立つと思います。
5種とも丈夫さはあまり変わりませんので、見た目に気に入った子を選んでくださいね。
- 全長:4cm
- ガイアナ原産
- テトラの仲間
淡いピンクオレンジのラインが綺麗なテトラの仲間。
比較的地味な体色なのでイマイチ人気が無いのですが、1番最初に入れるお魚としておすすめです。
じっくりと長い時間をかけて色合いが綺麗になるタイプなので「色が揚がる」という体験も味わえますよ。
- 全長:4cm
- パラグアイ原産
- テトラの仲間
黒と白銀、2色のラインが綺麗なテトラの仲間。
「ネオン」と名前に入るテトラの中で最も丈夫です。
大人しく群泳させやすいので、思い切って本種だけを泳がせてみるのも面白いですよ。
- 全長:2cm
- ブラジル原産
- テトラの仲間
全身がオレンジレッドに染まる小型テトラ。
大きくなっても全長2cm程なので小型水槽のパイロットフィッシュにピッタリですよ。
店舗によっては「ファイヤーテトラ」の名前で販売されています。
こちらも飼い込むことで色が揚がるお魚です。
最初はうっすらと赤いだけかもしれませんが、徐々に赤みが濃くなりますよ。
- 全長:4cm
- スリランカ原産
- コイの仲間
鮮やかな赤色が綺麗なコイの仲間。
オス、メスで体色が大きく異なり、真っ赤に育つのがオスです。
水槽内でも繁殖させやすいお魚なので、オス、メスを揃えて飼育することで卵を生みますよ。
小さなエビの興味を持ち、突いてしまうことがあるので「ミナミヌマエビ」「チェリーシュリンプ」「ビーシュリンプ」などの小型シュリンプの飼う予定があるなら注意が必要です。
水槽内で発生するスネールの赤ちゃんを食べてくれます。
最初から入れておくことで、スネール予防の効果が期待できますよ。
- 全長:4cm
- 東南アジア原産
- コイの仲間
渋めのオレンジの体色に独特の紺色の模様が入るコイの仲間。
紺色の模様部分が三味線のバチに似ていることから業界では「バチ」と呼ばれています。
「ラスボラ」と名前がつくお魚の中で1番丈夫なので、ラスボラ入門種としておすすめです。
群泳させやすく、群れると映える体色なのでぜひ10匹単位で飼育したいですね。
- 丈夫
- 流通が安定している
- 手に入りやすい
「丈夫であること」がパイロットフィッシュの1番大切な条件です。
水槽環境が不安定な時期から入れるわけですから、丈夫でないと務まりません。
- 流通量
- 輸入時の状態
- 売れ行きがほどほどに良い
これらの条件が揃ったお魚は、常時安定した健康状態、数を店舗が維持しやすいです。
結果として「丈夫」な状態で販売できるためパイロットフィッシュ向きに仕上がります。
多くの方に情報をお届けする以上、広く一般的に手に入りやすいお魚を紹介する必要があると考え条件に含めました。
基本的に丈夫であればパイロットフィッシュとして活用できますので、購入する店舗にて「現在、状態が安定しているお魚」から選ぶようにすればOKです。
お店の方に今ならどれが良いか聞いてみましょう!
水槽セット後、3~7日程度経過してから
こちらが目安です。
水槽を立ち上げて水槽の水が透明になったら投入時期です。
「透明になる」ということを目安にすると分かりやすいです!
パイロットフィッシュ投入後、5~10日後程度が目安
これくらいを目安に他のお魚を追加していきましょう。
「1週間に5~10匹づつ追加する」など水槽の水量に合わせて少しづつ追加していきましょう。
途中でパイロットフィッシュに何か問題がある場合は追加を見送り、問題を解決してからお魚を追加すると良いです。
一気にたくさんの数を追加しないほうが安心です!
5Lに1匹程度
こちらを目安にすると良いでしょう。
数が多すぎると汚れが増えすぎてしまいパイロットフィッシュに負担がかかります。
かと言って、少なすぎるとろ過バクテリアがあまり増えないのでパイロットフィッシュとしての役割が無意味になってしまいます。
5Lに1匹程度でしたら丈夫なお魚であれば新規の水槽であっても大きな問題にならず育成できますので、ある程度まとまった数を入れるようにしましょう。
パイロットフィッシュに餌を与え、フンをさせることでろ過バクテリアのご飯になり増殖を促します。
ですが、餌を与えすぎてしまうと汚れがたくさん出てしまいますので逆効果です。
餌の量は「お魚の片目」を目安に1分程度で食べきる量を与えましょう。
水槽セット初期は残り餌から発生するトラブル(白濁、臭いなど)が何かと問題になる時期です。
まずは少なめに餌を与えることを意識すると失敗が少なくなります。
与える量の目安などは別記事で解説しましたのでぜひご覧ください。
約1ヶ月程度
水槽により微妙に異なりますが、1ヶ月程度あればある程度落ち着いてきます。
最初は意外と問題が起きません。
10~14日目あたりが1番環境が不安定なので注意しましょう。
どのような流れで水槽が安定してくるのかは生物ろ過を解説した記事で紹介しています。
水槽管理の基本となるものの1つですのでお時間のある際にぜひご覧ください。
生きたろ過バクテリアが含まれている「バクテリア剤」を使うことで、水槽が立ち上がるまでの期間を短くすることができます。
おすすめのバクテリア剤、使い方などは別記事で詳しくご紹介していますのでぜひご覧ください。
水草用のソイル(土を焼き固めたもの)などを使っている場合、パイロットフィッシュは必要ありません。
ソイルの中にはろ過バクテリアの餌となる有機物が含まれているため、お魚を入れなくても徐々に増殖していきます。
- 頻繁に換水をする
- フィルターを使わない
このような飼育スタイルの場合は「ろ過バクテリアが定着する前に流出してしまう」「汚れが少ない」ためバクテリアがあまり増えません。
むしろ、汚れが少ないためろ過バクテリアをあまり必要としていない環境と言えます。
「換水に頼った管理」「生体をあまり入れない」「フィルターを使用していない」などのスタイルの場合、パイロットフィッシュは必要無いでしょう。
例えば、ベタ、ウーパールーパーの水槽などはパイロットフィッシュは必要ありません。
- 水草水槽におすすめのパイロットフィッシュは?
- ソイルを使用しているのであれば特にパイロットフィッシュは必要ありません。
砂・砂利を底床にしている場合は丈夫なお魚を入れると良いでしょう。
- メダカ水槽のパイロットフィッシュのおすすめは?
- メダカがおすすめです。
メダカ自身がパイロットフィッシュを務められますので、あえて他のお魚をパイロットフィッシュにする必要はありません。
- レッドビーシュリンプ水槽のパイロットフィッシュのおすすめは?
- 金魚がおすすめです。
エビ水槽を作ったらそこで1ヶ月程度金魚を飼育するようにしています。
この方法は立ち上がるスムーズなのですが、その後、金魚を飼育する水槽を別に用意しなければいけないのが欠点です。
- ウーパールーパー水槽のパイロットフィッシュのおすすめは
- ウーパールーパーの場合、私はパイロットフィッシュを入れません。
というのもウーパールーパーの飼育環境は特にパイロットフィッシュが必要なタイプではないからです。詳しくは本文をご覧ください。
- パイロットフィッシュはいつまで飼育するの?
- 水槽が安定するまでの期間という意味でしたら、1ヶ月程度が目安です。
飼育を始めた生き物は基本的に終生飼育が基本です。
そのためにも単にパイロットフィッシュに向いている魚を選ぶのではなく、丈夫なお魚の中から気に入ったお魚を探すのがポイントです。
- パイロットフィッシュが死んでしまいました。
- お魚の死因には様々なものがあり断言はできませんが、大きく分けると「水槽環境が悪い」「調子の悪いお魚を導入してしまった」「事故死」の3つに分けることができます。
飼育設備が不十分でないか、水槽のセット方法に問題が無かったのかなどを確認し、状態の良い丈夫なお魚を導入することを心がけましょう。
- ろ過バクテリアのいない環境に入れたら死なないの?
- 死にません。
ろ過バクテリアがいない=お魚の死ぬ環境かと問われるとそれはちょっと違います。
お魚に有害なものが多量にあると死因の原因の1つになるということですので、単純にろ過バクテリアがいないからと言って直接の死因になることはあまりありません。
今回は「パイロットフィッシュ」について解説しました。
お魚を購入する店舗で「今現在、状態が落ち着いているお魚」を導入することが大切です。
見た目のお好みもあるでしょうから「どんな水槽にしたいのか」「これからどんなお魚を入れたいのか」などを勘案して選んでみてくださいね!
言い方は悪いですが「売れ残りのお魚」の方が在庫期間が長いので状態が安定していることが多いです(笑)
この記事が参考になったら感想を教えてもらえると嬉しいです。
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