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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は「隔離水槽のセッティング方法」を解説します。
隔離水槽とは「何らかの理由によりお魚を退避させておく水槽」のことです。
簡易的なセットで大丈夫ですので、1セット用意しておくと何かあった時にすぐに対応できるので便利です。
お魚を養生させたい場合や病気の発生時などに必要になりますので、予習しておくと良いでしょう。
今回は、分かりやすくするためにメインで飼育している水槽を「飼育水槽」、紹介するセットを「隔離水槽」と呼ぶことにします。
初心者の方にも分かりやすく丁寧に進めていきますので、ぜひご覧ください。
隔離水槽とは、飼育している水槽とは別にお魚を待避させておく水槽のことです。
水槽と表記しますが、水が張れる入れ物であれば隔離水槽として機能します。
とはいえ機材をセットすることを考えると水槽の方が何かと作業しやすいですから、できることなら水槽をご用意ください。
お魚を治療する魚病薬は寄生虫や病原菌を殺すためのものです。
しかしながら、水草やろ過バクテリア、お魚達にダメージがあるものも多いので、なるべくなら飼育水槽には入れたくありません。
治療が終わり水槽から薬を抜くのも大変なので、基本的に薬浴は隔離水槽で行いましょう。
各病気におすすめの魚病薬は別記事で詳しく解説しています。
お困りの方はぜひご覧ください。
「病気では無いけれどちょっと調子が悪い、、、」
このようなタイミングでは魚病薬を使うのも気が引けますよね?
そんな時に有効なのが塩水浴です。
ですが、塩は一度水に溶かしてしまうと取り除くのがとても大変です。
多くのお魚にとって、塩水浴程度の濃度の塩水では害はありませんが、水草は枯れてしまうものが多いです。
そのため、水草を茂らせたい場合は飼育水槽に塩を入れるのは厳禁です。
水草も活かしたいなら塩水浴は隔離水槽で行いましょう。
塩水浴の方法については別記事で詳しく解説していますので、行う際は一度ご覧ください。
- いじめられてしまった
- 餌が食べられず痩せてしまった
- 産卵直後
などなど、何らかの事情によりお魚が弱ってしまった場合は、一旦隔離水槽に避難させて養生させるという選択もあります。
飼育水槽では餌にありつけなかったお魚を隔離してゆっくり餌を食べられるようにすると元気が回復することはよくあります。
また、産卵直後などはお魚の体力が落ちていますから、隔離してゆっくり養生させると衰弱死を予防できるかもしれません。
お魚を飼育水槽に新規に導入する際はトリートメントをすると安心です。
買ってきたお魚に万が一、寄生虫や病気がついていると飼育水槽へ持ち込んでしまいます。
2週間ほど隔離水槽で管理してから飼育水槽に移すことで病気、寄生虫の持ち込みをある程度防ぐことができます。
お魚を飼育していると繁殖を目にする機会もあるかもしれません。
他のお魚がいる環境では親魚にストレスがかかり卵を食べてしまったり、親が卵、稚魚を守っていたとしても他のお魚に食べられてしまう可能性が高いです。
そのため、しっかりと繁殖をお魚にして欲しいのであれば、隔離水槽に親魚だけを移して繁殖に集中させてあげると成功率が高くなります。
稚魚を人の手で育てるなら飼育水槽から隔離して稚魚だけで飼育したほうが管理が楽です。
- 餌やり
- お水の交換
- 飼育機材
などを稚魚だけに焦点を当てて考えられるので、より育成に集中することができます。
- 5cm未満のお魚10匹程度 ⇒10~15L程度
- 5~10cm程度のお魚10匹程度 ⇒ 25~50L程度
こちらが水槽の大きさの目安です。
薬浴をする場合、魚病薬の種類によっては水槽のシリコン部分などを染色します。
そのため、美観よりも「使いやすさ」「価格」を優先して選んで良いです。
シリコン部分が黒いタイプの水槽は薬で色が付いてしまっても目立たないですよ。
プラスチックケースでも隔離水槽を作ることができますが「すぐに傷が付いてしまうこと」から長期間の使用には不向きです。
水温変化はお魚への負担が大きいので病気治療、養生させる場合は必ずヒーターを使いましょう。
白点病など、一部の病気は水温を高くすることが有効なので温度調整ができるタイプのヒーターが望ましいです。
おすすめのヒーターは別記事で詳しく解説しましたので、お探しの方はぜひご覧ください。
ヒーターを設置する理由と同様に、水温変化はなるべく避けたいので水温計を設置してチェックしましょう。
水温計の精度はものにより大きく違います。
見た目はあまり良くありませんが、大きな水温計ほど精度が高いものが多いのですから隔離水槽に使うものは精度を優先して選ぶと良いでしょう。
エアーレーションとは要するに「ブクブク」ことです。
- 水の循環
- 水温を均一にする
- 酸素の補給
などの効果がありますので、基本的にセットすることをおすすめします。
魚病薬で薬浴をする場合はフィルターは付けなくてもよいですが、薬を使わない場合は「水作エイトコア」などの簡易的なフィルターをセットするとよいでしょう。
エアーレーションに必要なものを下記にてまとめますので、必要な方はタップ(クリック)してご覧ください。
エアーレーションは何かとアクアリウムで使いますので1セット準備しておくと便利ですよ。
こちらの6点がエアーレーションに必要なものです。
それぞれ詳しく解説していきます。
エアーポンプとはブクブクさせる空気を送り出すポンプのことです。
基本的に中のゴム弁を動かして空気を送り出しているので「ヴーー」という音がします。
そのためなるべく静かなものを使うと良いでしょう。
中でも「水作 水心シリーズ」はパワーと静かさを兼ね備えているのでおすすめです。
熱帯魚屋のヴーーーーポコポコポコポコという音はエアレーションの音です。
エアーポンプと水槽を結ぶホースです。
シリコン製のものはちょっとだけ割高ですが、ずっと硬化しないので長く使うことができます。
メンテナンス性もシリコンの方が良いので私は絶対にシリコン製のエアーチューブをおすすめします。
水面より下にエアーポンプを設置する場合、ポンプがストップすると水が逆流してくることがありますので必ず付けましょう。
エアーポンプを水面より上に設置するなら無くても良いですよ。
泡が勢いよく出ていると流れが強くなってしまいますのでこれを使って調整しましょう。
小型魚を数匹隔離するくらいなら泡の量は極少量で十分です。
泡の量の目安はこちらの動画をご覧ください。
泡を細かくするために必要です。
隔離水槽で使用するなら小型のもので十分です。
チューブを固定するために使用します。
キスゴムで固定しないとエアーでチューブが暴れてしまい何かと面倒です。
できることならチューブをキスゴムでガラス面に固定しましょう。
水槽の設置場所を決めます。
ヒーター、水温計、エアーレーションをセットします(電源はまだ入れない)
飼育水槽からお水を分けるとお魚に負担がかかりません。薬浴の場合は新しいお水を使った方が良いですよ。
機材類の電源を入れて稼働を確認しましょう。
そっとお魚を移動しましょう。
隔離水槽の設置場所は「暗くて」「静かな場所」が適しています。
飼育水槽の近くに設置することで、同時に観察できるなど管理の負担を減らすことができます。
もし、水槽キャビネットの中にスペースがあるなら、そこがおすすめです。
ヒーター、水温計、エアーレーションをセットします。
邪魔にならないように水槽の奥側へ設置すると良いでしょう。
水温計は「ぱっと見て」確認できる方が良いので手前側へ設置しましょう。
「すべて水道水にする」または「50%飼育水槽の水、50%水道水にする」など必ず新しいお水を加えてください。
薬は古い水、汚れた水では効果が下がってしまいます。
※※塩素中和剤を使って水道水に含まれる塩素を中和してください
飼育水槽のお水を使いましょう。お魚をお水ごと移動させれば「水質の変化」が無いため、その分負担が少なくなりますよ。
お水を入れたら機材の電源を入れてちゃんと稼働しているか確認しましょう。
アミでそっとお魚を掬って移動させましょう。
大きめのアミを使って「お魚をアミに追い込むように掬う」のがコツです。アミは動かさず手で追い込むようにすると良いですよ。
私のおすすめはスドーのスリムネットしなりMです
お魚の掬うのにおすすめの網は「スドー スリムネットしなりM」です。小型魚全般掬いやすいですよ!
要りません。
お魚を養生させる際は「暗く」することでお魚の負担を少なくすることができます。
お魚は周囲が暗いと「休眠」するので、暗い環境下ではずっと寝ているようになります。
底床はあると汚れが溜まってしまうので無いほうが管理が楽ですよ。
見た目は味気なくなってしまいますが、ここは管理を優先したほうが良いと思います。
ライトが無いとお魚を観察できないと思いますので、観察するタイミングだけライトを点けると良いでしょう。
通常通り餌を与えて大丈夫です。
ただし、餌の与えすぎには十分に注意しましょう。
別記事で餌の与え方については詳しく解説していますので、お時間のある際にぜひご覧ください。
いつもより少なめが良いでしょう。
エサを消化する過程でエネルギーを消費してしまうので元気が無いお魚に無理に与える必要はありません。
また、薬浴時などはしばらく絶食させて養生させる方法もあります。
人間も具合が悪いと食欲が無くなりますよね?お魚も一緒です。無理に与えず、食欲を回復させるよう養生させることに注力しましょう。
- 1週間/1度 50%換水
- 底に溜まった汚れを取り除く
これくらいを目安に行うと良いでしょう。
病気の治療時など急にお魚の調子が悪くなるようなら、その都度調整して追加で換水を行うなどして柔軟に対応してください。
薬浴している水槽を換水すると薬の濃度が薄まってしまいます。
お魚の治療状況を考えて薬を追加し薬浴を継続するか、もしくは薬の濃度を下げていくのか決めましょう。
基本的に治っていないようなら薬を追加して薬浴を継続しましょう。
「どれくらいの期間を隔離水槽で過ごすか」は場合によってマチマチなので一概に言えません。
トリートメント、薬浴の場合は一応の目安がありますので、参考までにご覧ください。
2週間~1ヶ月程度が目安です。
これくらいの期間、状態に問題が無いなら飼育水槽へ戻しても大丈夫だと思いますよ。
2週間程度が目安です。
まだ調子が悪いようなら隔離して養生を継続させましょう。
治っているなら様子を見て飼育水槽へ戻してあげてください。
お魚には様々な病気があり、魚病薬も多種多様なものがあります。
症状によって薬を使い分ける必要があるのですが、たくさんあるので選びづらいですよね。
そこで私がいつも使用している魚病薬を別記事にまとめましたので、お困りの方はぜひご覧ください。
- 隔離水槽はガラスの水槽じゃないとだめ?
- 極端なことを言えばバケツなど水の張れるものなら隔離水槽として代用できます。
水槽なら横から観察できるのでお魚の状態が確認しやすいです。
そのため水槽がおすすめです。
水槽であればガラス、アクリル、プラスチックなど材質は問いません。
- 隔離水槽にエアレーションは必須ですか?
- 水が循環していれば必ずしも必要なものではありません。
水の循環、エアレーションどちらも無い場合は、換水をマメにすることである程度キープできます。
- 隔離水槽にヒーターは必須ですか?
- 熱帯魚の場合、必須ですがその他のお魚の場合は必須ではありません。
とはいえヒーターがあれば水温の変化を少なくできることが多いですから、設置することをおすすめします。
- 隔離水槽にお魚を入れる場合、水合わせは必須ですか?
- 飼育水槽から水ごと移動させる場合は水合わせ不要です。
新しいお水で隔離水槽を立ち上げた場合は水合わせをしてお魚を導入したほうが良い場合もあります。
- 隔離水槽から飼育水槽へどのように戻したらよいですか?
- 新しいお魚を水槽に導入するように水合わせをして飼育水槽に戻すと良いでしょう。
今回は「隔離水槽」について解説をしました。
アクアリウムを楽しんでいると一度はお魚が病気になったり、稚魚を隔離するタイミングがあります。
隔離水槽は一度セットを揃えてしまえば長く使えます。
使う時だけサッと出して使えるようにしておくと便利ですよ。
余った水槽があるなら隔離水槽にしちゃいましょう!
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