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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は「ADAパワーサンドの使い方」について解説します。
パワーサンドはたくさんの養分を含む強力な底床肥料なので、上手に立ち上げることができたなら長期間肥料を添加しなくても水草が育つ環境ができます。
また、養分が多いことからバクテリアの増殖が早いという利点もあります。
反面、その養分が余ると「藻類」「白濁」などの問題が出てしまうというデメリットでもありますよ。
パワーサンドはメリット、デメリットがはっきりしているピーキーな肥料ですが使いこなせば長期に渡り水草にとって良い環境を作ることができます。
「使い方」「メリット、デメリット」「上手に使うコツ」など初心者の方にも分かりやすく解説していきますのでぜひご覧ください。
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パワーサンドとは、ADA社が開発した底床肥料です。
水槽セッティング時に底に敷いて使います。
「軽石と腐葉土と肥料」を混ぜたような感じですね。
底床肥料としての効果はとても高く、半年程度は肥料添加をあまりしなくても水草を元気の育てることができるほどです。
腐葉土みたいな成分のおかげで、バクテリアの発生量が多く健康的な底床環境を素早く整えることができます。
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とても効果が高いので僕がおすすめする水草用肥料の1つです。
数少ない有機系水草肥料である
これがパワーサンドのアイデンティティーです。
- 長期間肥料として効果を発揮する
- 土壌内のバクテリアが活性化する
- アンモニア態窒素を供給できる
有機肥料にはこのような特徴があり、液肥(液体肥料)などとは違った効果があります。
有機肥料と無機肥料についてはこちらでご紹介していますので興味のある方はぜひご覧ください。
- パワーサンド・ベーシック S 水深40cm以下用
- パワーサンド・アドバンス S 水深40cm以下用
- パワーサンド・アドバンス M 水深40~60cm用
- パワーサンド・アドバンス L 水深60cm以上用
パワーサンドにはこちらの4種類があります。
基本的には水深によってサイズを選ぶと良いでしょう。
ベーシックとアドバンスの違いはアドバンスの方が栄養素が強化配合されています。
より早く水草を育てたい、養分吸収量の多い水草を育てるなどの場合はアドバンスをおすすめします。
- 30cm水槽 500ml程度
- 30cmキューブ水槽 1L程度
- 45cm水槽 1L程度
- 60cm水槽 2L程度
- 90cm 6L程度
- 120cm水槽 6~8L程度
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使用量は化粧砂の使用などでも変わってくるのでレイアウトに合わせて調整しましょう!
- 長期間肥料として効果を発揮する
- 土壌内のバクテリアが活性化する
- アンモニア態窒素を供給できる
- セット初期に養分過多の恐れがある
- 軽石が露出することがある
- バクテリアの状態に効果が左右される
長期間肥料として効果を発揮する
パワーサンドにはたくさんの含まれている腐葉土のような成分は動植物を土壌微生物が分解してできたものです。
もともと生物をもとにしていますから、様々な成分をバランス良く含んでいます。
含まれている養分は即効性のあるものもありますが、バクテリアに分解されながらゆっくりと水草が吸収できる成分へと変化していきます。
そのため、長期に渡り肥料として効果を発揮します。
肥料添加が苦手な方でも一定期間水草を綺麗に維持できることは大きなメリットですね。
土壌内のバクテリアが活性化する
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パワーサンドに豊富に含まれる養分はバクテリアのご飯になります。
底床内にたくさんの有益なバクテリアがいることは水草水槽の重要なポイントです。
パワーサンドを使うことでバクテリアの増殖を強力にプッシュすることができます。
水槽内の生物ろ過の仕組みはこちらの記事で詳しく解説していますので、お時間のある際にぜひご覧ください。
アンモニア態窒素を供給できる
- アンモニア態窒素
- 硝酸態窒素
専門的なお話になりますが水草の必須栄養素である窒素分は大きく分けるとこちらの2種類があります。
パワーサンドは水草用肥料の中でも数少ないアンモニア態窒素を供給できる肥料です。
どちらの窒素を好むかは水草ごとに違いがありますが、ブリクサの仲間、ロタラ マクランドラの仲間などアンモニア態窒素が豊富に無いと調子を崩してしまうものもありますよ。
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sonoさんの「けと土タブレット」などもアンモニア態窒素を供給できます!
セット初期に養分過多の恐れがある
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パワーサンドにはたくさんの養分が含まれているので、養分が余ってしまう環境では「藻類の増殖」「白濁」などの原因になります。
特に新規セットした際は、新品の状態なわけですから1番養分が多い状態ですから注意が必要です。
セット初期にはマメに換水をして対応すると良いでしょう。
軽石が露出することがある
しっかり根付いた水草を抜くと底にある軽石が「水草の根にくっついて」表面に露出することがあります。
予防するにはホームセンターなどでも売っている「鉢底ネット」などをパワーサンドの上に敷くとよいでしょう。
An aquariumさんのHPにて詳しく解説されているので興味のある方はご覧ください。
バクテリアの状態に効果が左右される
パワーサンドに含まれている養分のほとんどはバクテリアに分解されることで水草が吸収できる形になります。
そのため、底床内のバクテリアをいかに良い状態でキープできるかがポイントです。
とはいえパワーサンドにはバクテリアを活性化させる効果もありますのでそこまで心配する必要はありません。
さらに環境を良くするために粉状の撒くタイプのバクテリア剤をセット時に添加すると良いでしょう。
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このように底に敷いて使用します。
「一番底」に敷く必要があるので、新規セット時にしかセットすることができません。
肥料として効果が高いので、成分が多量に水中に溶け出してしまうと藻類の増殖や白濁の原因になる可能性があります。
そこで、ソイルや砂利などの底床で「フタ」をするようにすると良いですよ。
An aquariumさんのHPにて詳しい敷き方が解説されていますので、ぜひご覧ください。
- セット初期はマメに換水をする
- 最初からたくさん水草を植える
- 底床内にバクテリア剤を撒く
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2日毎に50%換水を2週間程度続ける
これくらいを目安に換水を頑張りましょう。
パワーサンドを使う場合、セット初期の換水を怠ると何かと不具合が出やすくなります。
植えた水草が成長を始めて、養分吸収をするようになるまでは換水で乗り切ってください。
水草水槽の水の交換についてはこちらの記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
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最初は水草もバクテリアも少なく、養分を消費するものがいないので換水で余分な養分を取り除きましょう!

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最初にたくさんの水草を植えることはパワーサンドの使用に関わらず水草水槽を上手に立ち上げるコツです。
たくさん水草を植えることで、養分をその分たくさん吸収してくれますから養分過多になりづらくなります。
当ブログの「水草レイアウト入門」では水草水槽の立ち上げ方を1からご紹介しています。
水草を植え込む記事もありますので最初にどれくらい水草を植えるのが良いか参考までにご覧ください。

ADA バクター100などの有機物分解菌が含まれている粉タイプのバクテリア剤をパワーサンドに振りかけて使うと効果的です。
パワーサンドに含まれる養分の1部はバクテリアに分解されることで水草が吸収できる形になります。
パワーサンドをセットする時に一緒に撒いておくことでバクテリアの立ち上がりを助け、よりパワーサンドが機能しやすくなります。
おすすめのバクテリア剤は別記事で詳しく解説していますので、バクテリア剤をお探しの方はぜひご覧ください。
- 肥料添加をあまりしたくない方
- 肥料の無い(少ない)底床の補助

こちらは液肥(液体肥料)を添加している様子。
水草を元気に育てるには定期的に肥料を入れる必要があります。
- 砂利、砂を使った水槽 ⇒ 2週間目程度から
- ソイルを使った水槽 ⇒ 1ヶ月目程度から
ソイルを使っているなら1ヶ月目くらいから、砂、砂利系の底床なら2週目くらいから肥料不足になる水草が出てきます。
そのため、液体肥料、固形肥料などを添加する必要があるのですが、肥料添加は調整がなかなか難しいのが現状です。
セット初期の換水は大変ですが、パワーサンドを使うとしばらく肥料のことを考えなくてよくなるので、「肥料を添加する」ということが苦手な方におすすめです。
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水草用ソイルと違い、砂、砂利系の底床に養分が含まれていません。
そのため、バクテリアの増殖に時間がかかり水草の成長も緩やかです。
そこでパワーサンドと併用することで、「養分が少ない」という砂、砂利系の底床のポイントをフォローできますよ。
- CO2を添加していない水槽
- セット初期にマメな換水ができない場合
- 肥料添加の勉強がしたい場合
CO2無添加の場合、水草の活性がそこまで上がらないため養分を多量には消費しません。
そのため、養分がたくさん含まれているパワーサンドは不向きです。
パワーサンドには養分がたくさん含まれているという仕様上、セット初期にはマメな換水が必要です。
あまりメンテナンスに時間をかけられない方、そこまでしたくない方は使わないほうが良いでしょう。
安定すると半年程度は肥料添加をまったくしなくても育つほどなので、肥料添加の感覚を掴みたい方は使わないほうが良いかもしれません。

パワーサンドに頼っていると肥料添加は上手にならないかもしれません(笑)
基本的に水草用の底床なら組み合わせて使用できます。
底床とは水槽の底に敷くソイルや砂、砂利のこと。
水草水槽におすすめの底床は別記事で詳しくご紹介しているのですが、ご紹介しているすべてのものとパワーサンドは組み合わせて使用できます。
底床選びでお困りならぜひご覧ください。

パワーサンドと底面フィルターは相性が悪いです。
底面フィルターの上にパワーサンドを敷くと、含まれている養分が過度に流出してしまうので「藻類の増殖」「白濁」が発生しやすくなります。
もし底面式フィルターと併用するなら底面式フィルターのスノコ部分の上にはパワーサンドを敷かないようにしましょう。
水草水槽で底面式フィルターを使う方法は別記事で詳しくご紹介していますので興味のある方はぜひご覧ください。
いいえ。そんなことはありません!
パワーサンドには養分をたくさん含んでいるので、それを活かしきれない環境ではデメリットになってしまいます。
そのため、状況に合わせて導入するか決めると良いでしょう!
今回は「ADAパワーサンドの使い方」を解説しました。
とても効果が高い底床肥料ですが、反面、使い方を誤ると「藻類」「白濁」などに悩まされてしまいます。
コツは養分が「余らない」ようにすること!
順調に立ち上げられれば、長期間肥料添加をしなくても水草が育つ環境になりますよ。

メリット、デメリットがはっきりした商品なので上手に使いましょう!
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