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【ソイルor砂利?】水草水槽の底床選び ー水槽環境別におすすめの底床を解説ー

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本記事は「水草水槽の底床選び」を解説します。

底床ていしょうとは水槽に敷く土や砂利のこと。

水草水槽に向く底床とはどのようなものなのでしょうか。

実は、ソイルを使っても、砂利、砂を使っても綺麗な水草水槽を作ることができます。

スタイルに合わせて底床を選べるようになると、レイアウトの幅が広がり管理も楽になりますのでもっとアクアリウムが楽しくなりますよ。

そこで今回は「初心者の方におすすめの底床」「底床の敷き方」「化粧砂」「盛土」などを丁寧に解説していきます。

また「環境に合わせて底床を選ぶ方法」「環境が安定するまでの時間」などもご紹介しますよ。

初心者の方にも分かりやすく進めていきますので、ぜひご覧ください。

水草におすすめの底床

水草水槽におすすめのソイル、砂・砂利はこちらの記事でまとめてご紹介しています。

使いやすい底床をお探しの方はぜひご覧ください。

この記事の著者
轟元気

プロアクアリスト

轟元気

とどろきげんき

プロフィール

業界歴19年の中堅。現在は有限会社エイチ・ツーに所属し埼玉県坂戸市にあるアクアリウムショップ「e-scape」の店長をしています。本ブログ、Ordinary-Aquariumでは「水草水槽の知識」を中心に今までの経験を基にした実践的な知識、技術を初心者の方にも分かりやすく解説しています。プロフィール詳細リンク、転載、引用について

水草水槽の底床とは?

ソイルを入れる

水槽にソイル(水草用の土)を入れる様子。

底床ていしょうとは、水槽における「土壌」のことです。

  • ソイル
  • 砂利

こちらの3つが主に水草水槽で使われる底床です。

水草を植えるいわば「大地」ですから水草水槽の中でも重要なポジションです。

ソイルと砂・砂利

ADA アクアソイル アマゾニア
ADA アクアソイル-アマゾニア
DOOA トロピカルリバーサンド
DOOA トロピカルリバーサンド

「ソイル」「砂・砂利」にはそれぞれメリット、デメリットがありますが、どちらのタイプを使用したとしても「綺麗な水草水槽」を作ることができますよ。

どちらを選ぶべきかは後ほど詳しく解説していきます。

「ソイル」「砂・砂利」は詳しく掘り下げた記事もありますので興味のある方はこちらも併せてご覧ください。

環境に合わせた底床選び

番号水槽スペック栄養系ソイル吸着系ソイル砂利、砂系底床
・高光量
・CO2有
・陽性水草メイン
・高光量
・CO2有
・陰性水草メイン
・低光量
・CO2有
・低光量
・CO2無し

水草水槽を「光量」「CO2添加の有無」「どんな水草を育てるか」で環境を分けた場合、適した底床はこのようになります。

栄養系ソイルとは簡単に言うと養分がたくさん含まれているソイルのこと。

吸着系ソイルとはその逆で養分の少ないソイルのことです。

水草水槽におすすめの底床はこちらの記事でご紹介していますので、実際に水槽を作る際は参考までにご覧ください。

陰性水草

ミクロソルムやアヌビアス、クリプトコリネなどのある程度暗い環境でも育つ水草を中心にした水槽の添加量です。「丈夫な水草」に分類される水草を中心に植えるならこちらの添加量を参考にしてください。

陽性水草

絨毯のように育つ前景草やロタラ、ルドウィギア、パールグラスなどトリミングを繰り返して茂みを作る水草を 中心にした水槽の添加量です。本格的な水草水槽を作るならこちらの添加量を参考にしてください。

① 高スペック水槽で陽性水草メインの場合

120cm
おすすめの底床
  • ◎:栄養系ソイル
  • ◯:吸着系ソイル
  • ◯:砂利、砂系底床

高光量ライト、CO2添加キットなどの水草育成用器材が揃っている環境では水草の代謝が高くなるため養分要求量が高くなります。

このような環境で、成長が早く養分をたくさん必要とする陽性水草を育てるなら「栄養系ソイル」がおすすめです。

栄養系ソイルを使用するとセット後しばらくは追肥を行わなくても水草がある程度は成長するので、一番難しい肥料の使用を抑えられます。

立ち上げはやや不安定ですが、一度安定すると長期間にわたり調子を維持しやすいため慣れると手放せなくなりますよ。

初めて水草水槽にチャレンジする方は「吸着系ソイル、砂利、砂系底床」から始めると失敗が少ないです。

水草水槽を管理する上で一番難しい時期は「セット初期」です。

栄養系ソイルと比べ、吸着系ソイル、砂利、砂系底床は含まれる養分が少ないため「養分過多」からくるトラブルが起きづらいですよ。

元気
元気

栄養系ソイルのメリットを最大限に活かせます!

② 高スペック水槽で陰性水草メインの場合

120cm
おすすめの底床
  • ◯:栄養系ソイル
  • ◎:吸着系ソイル
  • ◯:砂利、砂系底床

高スペックの水槽で成長の緩やかな陰性水草を中心としたレイアウトを作る際は「吸着系ソイル」がおすすめです。

養分が多く含まれる底床の場合、養分を上手に処理しないと藻類が出てしまいますが、立ち上がりの早い吸着系ソイルなら安心して陰性水草を育てることができます。

また、「砂利、砂系底床」もおすすめです。

シダの仲間コケの仲間だけでレイアウトしている場合など、養分をほとんど必要としないような水槽ならソイルでは無く「砂利、砂系底床」を使うことでメンテの手間を少なくできます。

③ 低光量だけどCO2を添加している場合

おすすめの底床
  • ◎:吸着系ソイル
  • ◯:砂利、砂系底床

「今まで熱帯魚メインで楽しんでいたけど、CO2を添加を始めてみた」なんて方はこの状態であることが多いですね。

CO2を添加していても低光量ならそこまで水草の代謝は上がらないので使うなら「吸着系ソイル」「砂利、砂系底床」がおすすめです。

④ 低光量、CO2添加無しの場合

おすすめの底床
  • ◯:吸着系ソイル
  • ◯:砂利、砂系底床

低スペックの場合、水草の代謝が低いままなのでたとえ成長の早い水草であっても、あまり養分を必要としません。

なるべく「養分の少ない底床」を使うことでトラブルを未然に防ぐことができますよ。

そのため、「吸着系ソイル」「砂利、砂系底床」がおすすめです。

ポイントは「養分量」と「光量」

水槽サイズ丈夫な水草本格水草水槽
30cm350lm程度700lm程度
45cm1000lm程度2000lm程度
60cm1500lm程度3000lm程度
90cm3000lm程度6000lm程度
120cm4000lm程度8000lm程度
180cm6000lm程度12000lm程度
水槽サイズ別光量表(ルーメン)

こちらが水草水槽の光量の目安です。

丈夫な水草なら低光量程度の光を当てれば十分に育てることができます。

「絨毯になる前景草を育てる」「真っ赤に育てる」「大きな茂みを作る」など本格的な水草水槽を作るなら高光量を目安にライトを選ぶ必要がありますよ。

水草に養分吸収は光量にも左右されるので

  • 低光量の環境⇒ 養分の少ない底床
  • 高光量の環境⇒ 養分の多い底床

このように使い分けるのがコツです。

水草水槽におすすめのライトおすすめの肥料は別記事で詳しく解説していますのでお時間のある際にぜひご覧ください。

環境が安定するまでの時間が短い底床

生物ろ過の仕組み
  • 時間が短い底床⇒ 栄養系ソイル
  • 時間がかかる底床⇒ 吸着系ソイル、砂・砂利

環境が安定するとは、「有益なろ過バクテリアがしっかりと水槽内に繁殖した状態」といえます。

バクテリアのご飯は有機物なので、より養分の多い底床を使用した方が早くバクテリアが増えるます。

ということは、養分がたくさん含まれている「栄養系ソイル」はバクテリアの増殖量が多く、より早く安定すると言えますよ。

とはいえ、養分が多ということはセット初期にその養分の多さから環境が不安定になるというリスクも抱えているため、一概に良いとも言えません。

養分が余ってしまうと白濁や臭い、藻類増殖などの原因になるので一長一短です。

逆に時間はかかりますが白濁や臭い、藻類増殖などのリスクの少ない「吸着系ソイル」「砂・砂利」は失敗の少ない底床と言えます。

水槽のバクテリアについてはこちらの記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。

ベストな底床はあるのか?

底床選びに「これがベストだ!」というものはありません(ココまで書いてきてなんですが)。

本格的水草水槽は砂利系底床でもできますし、水草の代謝に低い環境でも栄養系ソイルで綺麗な水槽を維持している方はたくさんいます。

管理次第でどうにでもなるのです!

  • コンテスト用だから栄養系ソイルで頑張るか
  • 藻類が怖いから吸着系ソイルにしよう
  • この砂の色がイイ
  • 今回のレイアウトは砂利で作ろ~

こんな感じで私は割と軽いノリで底床を決めてしまいます。

後のことは肥料添加であったり、水質調整で割とどうにかなっちゃうので「見た目優先」ですね。

なので皆様も自由な感覚で底床を選んで頂けるともっとアクアリウムが楽しくなるんじゃないかなと思っています。

特に肥料を使いこなすこと水質調整ができるようになると水草水槽がもっと楽しくなりますよ!

初心者の方におすすめの底床

JUN マスターソイル ネクスト

初心者の方におすすめしている「JUN マスターソイル ネクスト」

養分が多すぎず少なずぎないので使いやすいです。

私が初心者の方におすすめしている底床は養分の多すぎないソイルです。

養分はそこまで多くありませんから水草の成長が劇的に良いわけではありませんが、「藻類の大量発生」「白濁」などのトラブルが少ないのがメリットです。

底床の敷き方

ソイルの敷き方

手前はできるだけ薄く、後ろはなるべく高く盛るのが格好良く底床を敷くコツです。

底床の厚みはレイアウトによって微妙に異なりますが、どのような場合でも「手前をなるべく薄く敷くこと」を心がけると見栄えが良いですよ。

実際の敷き方については、30cm水槽にソイルを敷く過程を動画でご紹介したものがありますので、お時間のある際にぜひご確認ください。

底床の厚みについては別記事で掘り下げて解説していますのでこちらもご覧になると面白いと思います!

化粧砂を使う

60cm

化粧砂けしょうすな」とは、飾りとして水景の一部に使用する砂(砂利)のこと。

  • 道の表現
  • 自然感を強める効果
  • 水景を明るくする

などなど、様々な効果があるのでレイアウトに取り入れることで表現の幅が広がりますよ。

化粧砂の部分に水草を植えてもOKなので自然な雰囲気を作ることができます。

化粧砂とソイルの敷き分け方などはこちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

底床を高く盛る

盛土

石組みと盛り土で作る「山岳系レイアウト」。

背面の底床を高く盛ることを「盛土もりつち」と呼びます。

盛土には、立体感を表現し、強い奥行き感を表現する効果があります。

作業にちょっとコツが入りますが、格好良いレイアウトを作るには必須技術ですのでマスターしましょう!

ソイルを高く盛る方法はこちらの記事でご紹介していますのでご覧ください。

まとめ

今回は「水草水槽の底床選び」を解説しました。

水槽のスタイルに合わない底床を選んでしまうとその後の管理が大変です。

場合によっては水草が育ちづらくなってしまいますよ。

水槽環境、底床の特徴を掴めば、自由に底床を選べるようになりますが、慣れるまでは「養分の少ない底床」の方が管理が簡単です!

元気
元気

初心者の方は養分の少ないソイルが使いやすいと思いますよ!