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水草水槽で底面式フィルターを使う方法

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本記事は水草水槽で底面式フィルターを使う方法を解説します。

外部式フィルターが水草水槽におすすめと言われますが底面フィルターも同じくらいおすすめできます。

時として「水草水槽には不向き」「ソイルでは使えない」などと言われますがそんなことはありません!

「おすすめの底面式フィルター」「セッティング方法」「おすすめの底床」など初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説していきますので、興味のある方はぜひご覧ください。

この記事の著者
轟元気

プロアクアリスト

轟元気

とどろきげんき

プロフィール

業界歴19年の中堅。現在は有限会社エイチ・ツーに所属し埼玉県坂戸市にあるアクアリウムショップ「e-scape」の店長をしています。本ブログ、Ordinary-Aquariumでは「水草水槽の知識」を中心に今までの経験を基にした実践的な知識、技術を初心者の方にも分かりやすく解説しています。プロフィール詳細リンク、転載、引用について

底面式フィルターとは?

ニッソー スライドベースパワー

底面式フィルターとは、水槽の底に敷き底床材をろ材とするタイプのフィルター。

古くからあるろ過方式ですが、ろ過能力が高く、安価なのが特徴です。

底床材をメンテしないと目詰まりしてしまうという欠点がありますが、調子の良い水草水槽なら「根」が底床を耕してくれるのであまり目詰まりを気にせず使うことができます。

逆に水草の調子が良いと根が絡んで詰まってしまうことがありますが底上げすることである程度防ぐことができます。

底面式フィルターを水草水槽におすすめする理由

  • 透明度が上がる
  • 安価
  • 邪魔にならない

透明度が上がる

底面式フィルターの強力な物理ろ過は透明度を高くキープしやすいです。

透明度抜群の水は観賞価値がありますのでこれだけでも採用価値があるはずです。

安価

数あるフィルターの中でも底面式フィルターは安価な部類です。

導入コストが安いのは嬉しいですよね。

邪魔にならない

配管を隠しやすいので美観の邪魔になりません。

見た目が重要な水草レイアウト水槽にとって大切なポイントですよ。

水槽サイズ別底面フィルターの役割

~60cm

メインフィルターとして

90㎝~

サブフィルターとして

水槽サイズに応じてこのように考えると良いでしょう。

底面式フィルターだけで十分に水を循環できるサイズならメインとして、複数台使わないと水が循環しないサイズならサブフィルターとして使うのがおすすめです。

水草水槽におすすめのフィルターはこちらの記事でまとめて紹介しています。

本記事と合わせてご覧ください。

水草水槽におすすめの底面式フィルター

  • ニッソー スライドベースパワー
  • ニッソー マイクロパワー バイオフィルター

こちらの2つがおすすめ。

底面式フィルターを稼働する方法には「エアーリフト」「ポンプ」の2つがあります。

水草水槽で使うなら「ポンプで動かすタイプ」がおすすめ。

エアーで動かすタイプはCO2のロスが大きくなってしまうので水草水槽には不向きですよ。

MEMO

CO2無添加ならエアーで動かすタイプでもOKです。

ニッソー スライドベースパワー

スライドベース パワー

おすすめの底面式フィルターその1。

決してベストとは言えませんが現状ベターな選択だと思います。

ポンプ部分が下にくるので盛り土をしてしまうと埋まってしまいます。

メンテナンス性が悪くなってしまうのでポンプ部分はできるだけ露出させるようにしましょう。

ビックリするほどのろ過能力なので大型水槽でも十分に活躍します。

90cm以上の場合、1台では水の巡りが悪いので、「2台使う」「他のフィルターと組み合わせる」ことで対応しましょう。

ニッソー マイクロパワー バイオフィルター

マイクロパワー
バイオフィルター

おすすめの底面式フィルターその2。

こちらもベストとは言えませんが現状ベターな選択だと思います。

ポンプが上にくるので盛り土をするならこちらを選びましょう。

小さいポンプの割にパワーが強いので45cm以上の水槽での使用をおすすめします。

こちらもビックリするほどのろ過能力なので大型水槽でも十分に活躍しますよ。

90cm以上の場合、1台では水の巡りが悪いので、「2台使う」「他のフィルターと組み合わせる」ことで対応しましょう。

セッティング方法

基本的に上から砂利やソイルなどの底床材を敷いて使うのが一般的です。

スノコの上には最低でも3cm以上の厚みが必要ですよ。

手前側の底床が厚いと見苦しくなってしまいます。

フィルター部分はしっかりと厚く敷いて手前を薄くするのがポイント。

底床をどれくらい敷くのかはこちらの記事で詳しく解説しています。

お時間のある際にぜひご覧ください。

スライドベースパワーの場合

スライドベースパワー

ギリギリ底床を盛ってポンプ中程までです。

これ以上盛るとポンプのメンテが大変なので止めておきましょう。

手前は厚く盛ってもろ過能力は変わらないので、なるべく薄く敷いて美観を優先させましょう。

目の細かな底床を使わないのであればウールマットは不要です。

マイクロパワー バイオフィルターの場合

マイクロパワーバイオフィルター

ポンプがパイプの上にあるのでギリギリまで盛り土をしても大丈夫です。

さらに盛り土をしたいならパイプをもっと長いものに変えればOKです。

やはり手前は厚く盛ってもろ過能力は変わらないので、なるべく薄く敷いて美観を優先させましょう。

ポンプ
カートリッジ

ポンプの中には「ウールマット」「謎の黒いツブツブ」などが入ったカートリッジが装着されています。

せっかく付属で付いてくるものなのですが目詰まりしやすいので取り除くことをおすすめします。

一度外して、カートリッジの中身を出して、空にしてから装着しましょう。

ろ過能力は底床材だけで十分です。

おすすめの底床

こちらの記事で紹介しているソイル、砂利は全て底面式フィルターで使うことができます。

いつも仕事、自宅の水槽でお世話になっているものばかりなので自信を持っておすすめできるものばかりです。

底床をお探しの方はぜひご覧ください。

MEMO

「砂」は細かいので底面式フィルターに使う場合、ウールマットを敷く必要があります。その分、目詰まりすることが多くなってしまうのでご注意ください。

ソイルと砂利はどっちがおすすめ?

ソイル

メリット

  • 栄養が豊富
  • 吸着作用がある(水が透明になる)
  • 水草の生長が早い

デメリット

  • 立ち上がりが不安定(ソイルによる)
  • 黒色か茶色しか無い
  • 寿命がある

砂利

メリット

  • 様々な色から選べる
  • ずっと使える(寿命が無い)
  • 藻類の発生量が少ない

デメリット

  • 栄養が無い
  • 水草の生長が緩やか

それぞれメリットデメリットがありますのでどちらが優れているというものではありません。

どちらを使っても底面式フィルターの良さが出ます。

元気
元気

初心者の方にはソイルがおすすめ!

メンテナンス

こんな感じでたまに底床の中の汚れを吸い出しましょう。

底面式フィルターの場合、「底床材をろ材」にするのでどうしても底床内に汚れが溜まります。

底床内に溜まった汚れは「水作 プロホース」などを使って取り除くと良いでしょう。

実はお魚メインの水槽と違って、水草水槽の場合はそれほど汚れが溜りません。

ガッツリと底床掃除をするところは「水草が植わっていない場所」だけOKです。

水草が元気に調子良く成長しているならそれが1番の底床掃除になります。

元気
元気

目詰まりは汚れよりも水草の根が原因になることが多いです!

底面式フィルターのスノコ

スノコ

何枚使ってもろ過能力は変わりません

今までの経験上、幾度となく確認しています。

ろ過能力だけに焦点を絞って考えた場合、1枚も10枚も変わりません。

複数枚使うメリット

  • 目詰まりに強くなる
  • 底床内の循環

目詰まりに強くなる

水の循環としてはパイプ部分を中心に水を吸い込みます。

そこが詰まってくると、徐々に円状に吸い込む部分が広がっていくイメージです。

スノコの枚数が増えれば、吸い込む部分が増えることになるので目詰まりに強くなりますよ。

とはいえ、手前側の底床が厚くなってしまうと見苦しいので手前側にはスノコを設置しないようにしましょう。

さらに目詰まりを予防するなら底上げするのがおすすめです。

底床内の循環

冬期など底床内が冷たくなると水草の生長が鈍ります。

スノコが底床内にあれば水の循環が生まれるので、底床が冷えこむのをある程度防ぐことができますよ。

水草水槽×底面式フィルターの弱点

  • 目詰まりする
  • 追加ろ材を使いづらい

こちらの2つが水草水槽で底面式フィルターを使ううえでの弱点です。

それぞれ工夫しだいでなんとかなりますので予め対策しておくとよいでしょう。

根で目詰まりすることがある

底面式フィルターに詰まった水草の根

こんな感じで水草の根がスノコの中に詰まってしまうことがあります。

底床の中の状態が良く水草の根がたくさん成長した証拠ではあるのですが、こうなってしまうと水が流れないのでフィルターとして機能しなくなってしまいます。

根が詰まってからではリセットするしか解決策はありません。

対策:底上げをする

軽石とレンガで土台を作る

こんな感じで軽石などを詰めたネットを底面式フィルターの上を覆ってしまうのがおすすめ。

軽石やレンガを使って底上げをすることでソイルや砂利の使用量を節約できるだけでなく、底面式フィルターが根で詰まってしまうことを予防することができます。

軽石やレンガで底上げする方法はこちらの記事で解説していますのでぜひご覧ください。

追加ろ材を使いづらい

  • 活性炭
  • 硬度を下げるろ材

などなど、状況に応じて追加したいろ材を柔軟に使うことができません。

底面式フィルターは底床そのものをフィルター化するものなのでろ材を追加で入れるスペースが無いのです。

元気
元気

硬度を下げたいから「硬度を下げるろ材」を入れたい!なんてときに不便なんです!

対策:サブフィルターを使う

  • 小型水槽⇒ 内部式フィルター、外掛け式フィルター
  • 大型水槽⇒ 外部式フィルター

などを底面式フィルターとは別に稼働させて、状況に応じてろ材を交換して対応するのがおすすめです。

上記のフィルターはろ材を工夫しだで積み替えて稼働させられるので柔軟に対応することができます。

対策:他のフィルターと合体させる

  • 外掛け式フィルター
  • 外部式フィルター

底面式フィルターはこちらのフィルターと組み合わせて稼働させることもできます。

活性炭などを吸着ろ材はそちらにセットすることで底面式フィルターの弱点をフォローすることができます。

組み合わせることで配管も1つで済むのでスッキリするのも利点です。

底面式フィルターと組み合わせる方法はこちらでご紹介していますので興味のある方はぜひご覧ください。

ADAパワーサンド

ADA パワーサンド・ベーシック

底面式フィルターは「ADAパワーサンド」などの底床ベース肥料とは相性が悪いです。

もし一緒に使うなら底面式フィルターのスノコの上にはパワーサンドなどを敷かないようにして使いましょう。

パワーサンドの使い方についてはこちらの記事をご覧ください。

参考水槽

120cm水槽

こちらの水槽ではエーハイム2217の吸水部を底面式フィルターに接続して使用しています。

「水の透明度」「水草の調子」どちらも高いレベルでキープできました。

他にもたくさんの水槽を底面式フィルターで管理しています。

制作過程をご紹介しているものがいくつかありますのでお時間のある際にぜひご覧ください。

まとめ

今回は「水草水槽で底面式フィルターを使う方法」を解説しました。

水草水槽に自信を持っておすすめできるフィルターですのでぜひ皆さんも取り入れてみてください。

透明度抜群の水槽になりますよ!

元気
元気

最近は外部式フィルターと底面式フィルターを合体させて使うことが多いです!