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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事ではお魚をさらに綺麗に育てるために「色揚げ飼料」を詳しく解説します。
熱帯魚、金魚、鯉、海水魚など、お魚の体色は色揚げ飼料を使うことでさらに綺麗になります。
実は色揚げ成分自体は流通している多くの餌に含まれています。
色揚げ効果のある成分なども詳しく解説していきますので餌の成分表示を確認してみてください。
今使っている餌にも何かしら含まれいているはずです!
ちなみに「餌についての基礎知識」「与える量など使い方」については別記事にて詳細にまとめてあります。
興味のある方はこちらもご覧ください。
色揚げ飼料とは、お魚の体色を綺麗にする成分が含まれている餌のことです。
お魚を健康に飼育していると、段々と色が綺麗になります。
これを「色が揚がる」と呼びます。
- 人工餌
- 乾燥餌
- 冷凍餌
- 活餌
餌は大きく分けると4つに分類できます。
どの種類であっても色揚げ成分が入っていれば「色揚げ飼料」です。
餌についての基礎知識はこちらでまとめましたので、興味のある方はご覧ください。
- 赤
- オレンジ
- 黄色
こちらの体色は色揚げ飼料でさらに鮮やかな色に仕上げることができます。
基本的に暖色系は色揚げができると思ってOKです。
- 黒
- 白
- 青
- 金属光沢的な色
- アルビノ
これらの体色は餌を使い色揚げをすることができません。
健康に飼育することが一番の色揚げになるでしょう。
アルビノについては「色素」を持っていないので色揚げのしようがありません。
健康なお魚が一番綺麗です。
お魚を綺麗に仕上げるにはまず健康に育てることに注力しましょう。
人間も体調が良いと肌ツヤが良くなりますよね。
お魚も同様に調子が良いとツヤが良くなりますよ。
例えばこれらの餌は色揚げに効果があります。
色揚げ効果はお魚ごとに差があり、また、色揚げ成分の入った餌はたくさんあります。
与えたことの変化を楽しみながらお魚を育ててくださいね。
色揚げ飼料はサプリメントとしてメインの餌とは別に与える方法がおすすめ。
餌の与え方についてはこちらの記事で詳しく解説しましたので、ぜひご覧ください。
- アスタキサンチン(赤、オレンジ)
- カロチノイド(赤、オレンジ)
- ヘマトコッカス(赤、オレンジ)
- スピルリナ(赤、オレンジ)
- ファフィア酵母(赤、オレンジ)
- マリーゴールド(黄色)
- クロレラ(黄色)
ミジンコ、ブラインシュリンプ、エビ、カニなど甲殻類に豊富に含まれている赤い色素(カロチノイドの1種)。
エビを茹でると赤くなるのはこれのせいです。
抗酸化作用があり、体に吸収されると一部がビタミンAになります。
動植物に広く含まれている赤い色素。
トマト、ニンジン、フラミンゴ、ザリガニなどの赤い色はこれです。
結局の所、赤の色揚げに効く成分はみんなカロチノイドの仲間です。
ヘマトコッカス藻から抽出した赤い色素。
こちらもカロチノイドの1種です。
人工的に合成した色素よりも、より自然な色揚げができると言われていますが使ったことがないので詳細は不明。
他と色揚げ効果自体は同じだと思いますが、、
あまりメジャーでは無いため含まれている餌は少ないです。
アフリカなどの汽水湖に生えている藻。
カロチノイドの1種で赤い色素です。
フラミンゴはこの藻を食べていることから、あのピンクの体色をしています。
水温が低いと消化不良になりやすいです。18℃以上で与えましょう。
ナラ、ミズキなどの樹液の中で生活をしている菌類の一種。
アスタキサンチンを高濃度に含んでいます。
そのため、赤、オレンジの色揚げに有効です。
マリーゴールドの花から抽出した黄色の色素。
主成分はカロチノイドの1種、ルテインです。
クロレラとは、淡水に住むとても小さな緑藻のことです。
黄色の色素であるルテインを多く含んでいます。
また、タンパク質含有量が多いという特徴があります(乾物として45%程度)。
色揚げ成分とは要するに「カロチノイド」です。
餌に人工的に合成したカロチノイドを混ぜるか、生物(植物)から抽出したものを混ぜています。
- 0を1にはできない
- 消化不良に注意する
もともと色素を持たないお魚を色揚げすることはできません。
例えば、青いお魚を真っ赤にすることはできませんのでご注意ください。
色揚げ飼料とはあくまで暖色の系の体色を「濃く」するものです。
一部の色揚げ作用の強い餌は与えすぎると消化不良を起こします。
給餌量の3/1程度を目安に与えるようにしましょう。
ここからは上級者向けの内容です。
「お魚の体色を決める要因」と「お魚の持つ色素」について解説していきます。
興味のある方はぜひご覧ください!
- 栄養
- 遺伝
- 環境
栄養
外部から取り込んだ色素によって体色が変わります。
スピルリナをたくさん取り込んでいるフラミンゴがピンクな理由です。
栄養面にできることはお魚の「ポテンシャル」を最大限に引き出すことですよ。
色揚げ飼料の仕事は栄養面からお魚の体色を揚げることにあります。
ポケモン的にいうと「努力値」です。
遺伝
赤い魚と赤い魚からは赤い魚が生まれるということです。
鮮やかな色の親からは、鮮やかな魚が生まれやすくなります。
ブリーダーの方は、これを繰り返して色を綺麗にしていますよ。
遺伝はそのお魚の持つ色彩の絶対値を決めます。
また、種によって持っている色素に違いがあります(後ほど詳しく解説します)。
ポケモン的にいうと「種族値」と「個体値」です。
環境
- 周りが明るい環境 → 白く体色が飛ぶ
- 周りが暗い環境 → はっきりした体色になる
こんな感じでお魚は回りの環境に合わせて体色が変化します。
極端な例ですが、真っ黒い箱の中に入れて上からライトを当てた状態が最もお魚の体色が綺麗に見えます。
明るい環境はお魚の体色は飛んでしまいますが、水槽全体の雰囲気は明るいものになります。
どちらが正しいというものではありませんので、色々工夫をしてみてお好みを探してくださいね。
太陽光下で育たてた方が、どのお魚も綺麗に育ちます。
恐らく、太陽光に含まれている紫外線の影響もあるのだと思いますが詳細は不明です。
爬虫類用の紫外線が照射できるライトなどを使うと、色揚げ効果があるのでしょうか?
- 赤、黄色素胞(光吸収性色素胞)
- 青色素胞(光吸収性色素胞)
- 黒色素胞(光吸収性色素胞)
- 白色素胞(光散乱性色素胞)
- 虹色素胞(光反射性色素胞)
大きく分けると「光を吸収して色を表現する」「光を反射して色を表現する」の2つの方向性があります。
吸収して発色している場合どこから見ても体色が変化しません。
一方、反射させて色を表現しているものは、見る角度、光の当たり具合で色が変化して見えます。
体色は色素胞の組み合わせ、強弱などで決まります。
体色は環境に隠れるための保護色であり、他の生き物への威嚇色、警戒色などです。
特に魚類は生き物の中でも色彩の多さ、変化の速さに富んでいますよ。
魚種ごとに持っている色素胞が違うので発色も違うわけですね。
- 黄色素胞
- 黒色素胞
- 白色素胞
赤、黄色素胞(光吸収性色素胞)
厳密には赤、黄色の区別ははっきりしていません。
赤っぽいものを「赤色素胞」、黄色っぽいものを「黄色素胞」と呼んでいます。
カロチノイドを多く含む餌を与えることで色揚げ効果が期待できます。
青色素胞(光吸収性色素胞)
今のところ、海水魚のネズッポの仲間にのみ確認されている色素胞。
何でできているか分かっていないという浪漫あふれる色素。
黒色素胞(光吸収性色素胞)
メラニンによって構成されている色素胞。
ほとんどの魚が持っており、気分によって凝集、拡散して体色を変化させます。
回りの環境が暗いと色が濃くなり、明るいと薄くなるのはこれの働きです。
一般的にメラニン色素を多く持つお魚の方が色がはっきりしていて派手です。
「黒地に赤、黄色で色を塗る」「白地に塗る」では黒地の方がよりはっきり発色しますよね?
ただし、メラニン色素を多く持つお魚は遺伝的に虚弱なことが多く、扱いが難しいことが多いです。
白色素胞(光散乱性色素胞)
メダカの仲間、メバルの仲間など限られた魚種が持つ色素胞。
メダカの背中に光を当てるとキラキラするのはこれです。
広い波長の光を反射するため、白く見えています。
虹色素胞(光反射性色素胞)
色素というよりは光を反射させて様々な色を表現する色素胞。
鏡のような銀白色(タチウオなど)、鮮やかな蛍光色(ネオンテトラなど)はこれです。
見る角度によって体色が変化するお魚は虹色素胞を持っています。
名前に「プラチナ」と入るお魚は基本的にこの色素胞を持っていますよ。
種別 | 色素胞 | 関わる色素 | 特徴 |
---|---|---|---|
光吸収性 | 赤色素胞 | カロチノイド、プテリジン | 赤色部に分布、黒色素胞と共存 |
光吸収性 | 黄色素胞 | カロチノイド、プテリジン | 黄色部に分布、褐色部では黒色素胞と共存 |
光吸収性 | 黒色素胞 | メラニン | 体中に広く分布 |
光吸収性 | 青色素胞 | ? | 一部の青色部に分布 |
光散乱性 | 白色素胞 | 尿酸? | メダカ、メバルなど限られた魚種のみ持つ |
光反射性 | 虹色素胞 | グアニン | 銀白色、青色部に分布 |
今回は「色揚げ飼料」を解説しました。
お魚に合った色揚げ飼料を与えると見違えるように発色することもあります。
魚種ごとに発色が変わりますので様々な餌を与えて変化を見るのもアクアリウムの楽しみでしょう!
暖色の系の体色のお魚飼っているなら、ぜひ色揚げ飼料をお試しください!
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