どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事では東京コミュニケーションアート専門学校の卒業生である私が「アクアリウムの専門学校」について解説します。
「専門学生2年間で得た1番のもの」「授業内容」「メリット、デメリット」など思い出せる限り赤裸々に書いていきます。
私の率直な意見なので、必ずしもすべての人に合うものではありませんが、進学を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
- 専門学校であること
- 専門性が高いこと
- 積極性が問われること
このような事情から、「将来アクアリウム業界で働きたい」と強く考えている方以外には進学をおすすめしません。
将来、働いてみたい職種が決まっていない方は「4年制大学」への進学をおすすめします。

「とりあえず」という感覚で進学するところでは無いと思います!
友人
月並みかもしれませんが、これが私が得た1番のものです。
専門学校へ行くまで私の周りに同世代のアクアリストはいなかったのですが、そこにはたくさんいました。
アクアリウムを仕事にするために努力するわけですが、私の趣味でもあります。
同じ趣味を持つ仲間がいるというのは、心強いだけでなく、なんだか良いものですよ。
卒業後も同業他社に同期がいるというもの、張り合いがあり刺激になるので今でも助かっています。

と言っても数人ですが。
残念ながらなりません。
そもそも、黙って受けているだけで「即戦力」になるカリキュラムなんて無いと思います。
「即戦力」を掲げているところは多いのですが、実際に現場で働かないことには経験値は蓄積しませんので学業だけでは難しいのが現実です。

学生のうちから業界でアルバイトをしてみるのがおすすめです。
- アクアリウム実習
- 海洋学
- 魚類学
- 爬虫両生類学
- フィールド実習
実際に水槽を触り維持管理の方法を学びます。
「熱帯魚」「海水魚」「水草水槽」「繁殖水槽」「日淡」「爬虫類」「両生類」など、様々なスタイルの水槽があるので実際的に作業を覚えられます。
また、座学もあり、アクアリウムの基礎的な事柄を学ぶことができました。
その名を通り、海のことを学びました。
海流、潮の満ち引きなどの海で起こる現象、海に住む生き物などのことを広い視野から勉強する授業です。
海について学術的に学ぶ機会は、なかなか無いので貴重な経験でした。
担当していた講師の方の趣向もあり、海以外にも自然科学分野を広く学んだことを覚えています。
お魚のことを学術的に学ぶ授業。
「背鰭」「脂鰭」「臀鰭」などお魚の部位の名前、各器官の役割などを学びました。
また、解剖実習、骨格標本制作などもあります。
爬虫類、両生類についての授業。
アクアリウム関連と比べ、ちょこっと触る程度だったと記憶しています。
一言でいうと「自然観察」です。
実際に川や海で魚や水草を採集することもあり、遠足感覚なので楽しかった思い出しかないです。

学び?たぶんあったと思います(笑)
飼育している生き物達は生徒が当番を決めて順番に世話をします。
班編成など自分たちで話し合って決めるので、「折り合い」をつける方法などの練習になりますよ。
- 税金
- 経済学
- ビジネスマナー
などなど、ビジネスに関する授業があればよかったなと卒業後に感じました。
働くということは基本的にビジネスですので、どの職につくにしても腐りませんし、何より必要とされます。
アクアリウムができればお金が稼げる訳では無いので、「お金を生む」「キャッシュフロー」などの仕組みは早いうちに知っておくべきでしょう。
- 同じ方向性の仲間が集まる
- 業界へのコネ
- 研修制度
- 潰しが効かない
- 講師の良し悪しが激しい
- 自主性に頼るところが大きい
名前からして専門性が高いので、同じような趣味、趣向を持った人が集まります。
卒業後も同じ業界に同期がいるのは頼もしいもので、月日が経つごとにその実感が強くなります。
同業他社に知り合いがいるというのは、大きな武器になりますよ。

1番のメリットだと思います!
現役で業界で働いている方が講師をしているので(全員ではありません)、その方と仲良くなることで業界へのコネを手に入れることができますよ。
アクアリウム業界は狭い業界なので、割と横のつながりが強く、信頼できる人物からの評価は業界内である程度通用します。

講師の方の業界内での評価は、「業界に入らないと知ることができない」というのがジレンマですが、、
- メーカー
- 問屋
- ショップ
- 水族館
などなど、学校を通じて1~2週間程度の研修に行くことができます。
研修先では実際の働く現場に立つことになるので、「アクアリウム業界で働く」ということを生で知ることができます。
基本的に他の業界への就職を考えた場合、潰しが効きません。
2年間の努力は無駄と言いませんが、卒業後、他の業界へ進むのであれば他の進路を考えるべきです。
アクアリウムに関連する業界から人をピックアップして講師をしてもらっています。
「人に何かを教えること」はとても難しいので、中には得意で無い方もいます。
また、独自の見解などを押し付けてくる方もいるので注意が必要ですよ。

今でもお付き合いのある先生もいますよ!
自分から学ぶタイプで無いと、何も吸収できないかもしれません。
手取り足取り教えてくれる訳ではないので、積極性の無い方には不向きです。
「企業研修」などで上手くアピールできる方は大きく有利です。
もし、就職したい企業があるなら積極的に研修に行くべきです。
通常、アクアリウム業界の企業へ外から入るには就職するしかないので、それを在学中に研修という形で受けられるのは大きいですね。
逆に積極的にアピールできないのであれば、特に有利性は無いと思います。
「あなたと一緒に仕事したいな」
と思ってもらえるようにするのがポイントです。
あなたが採用側の立場だとして考えてみましょう。
- 挨拶がろくにできない
- 「ありがとう」「ごめんなさい」が言えない
- 目を合わせて話ができない
このように、基本的なことができない方と一緒に仕事をしたいと思いますか?
すでに私は15年業界で働いているので分かるのですが、現場はいきない新人に即戦力を期待してはいません。
まずは「一緒に働けるのかな?」というところを最重要視していますよ。
本当です。
ですが、3年後、アクアリウム業界に残った卒業生は半分もいませんでした(私の代の場合)。
ちなみに、2020年で卒業から16年目ですが私の同期で業界残っているのは、私を含め5人です。
同期の卒業生は24名なので、20.8%残っていることになりますね。
これは、とても多い数値で、1つ上、1つ下の代になると5%以下です。
就職とは「アルバイト」も含まれます。
卒業を控え、まだ就職先が決まっていない生徒に関しては「人が足りていない会社」に学校が交渉をしてバイトとして雇ってもらう体にしていました。
卒業時に「業界にとりあえず席をおいている状態」ということですね。

気になる方は3年後の離職率とその理由も学校に聞いてみましょう!
- アクアリウムメーカー
- 観賞魚卸問屋
- アクアリウムショップ
- 釣具メーカー
- 水族館
などなどですね。
アクアリウムのお仕事についてはこちらの記事でまとめましたので、興味のある方はご覧ください。
【アクアリウム業界で働きたい方へ】プロアクアリストのお仕事をご紹介!
私は、専門学校に行きアクアリウム業界に就職したことを後悔したことはありません。
それは「プロアクアリスト」という職がたまたま私にマッチしていたという部分が大きいです。
「どの仕事が自分に本当に向いているのか?」ということは仕事を実際にやってみないと分からないことなのだと思います。
最初に選んだ仕事を今まで続けられているということは私はラッキーなのでしょう。
アクアリウムは趣味の業界なので、「好き」という理由から職業に選ぶことが多い分、離職率が高い傾向にあります。
好きでないと、本質的にできない職業であることは間違いないのですが、仕事にしてしまうと苦しくなってしまう方もいますよ。
- 仕事として本気で向き合う
- 趣味として楽しむ
ということは、趣味を仕事にする業界に共通する悩みかと思います。
仕事とする以上は、「辛いこと」「きついこと」「理不尽なこと」などと向き合い、克服しなければならないことを覚悟したほうがよいでしょう。
その代わり、私たちの仕事の価値が「お金」として評価されます。

仕事にすると「酸いも甘いも味わう」ということですね!
「好き、嫌い」で仕事を選ぶと、どうしても無理があるので、まずは「自分に何ができるか」に注力すると良いです。
かならず人には強み、弱みがありますので、まずは自分の特性を知り、それを活かす方法を考えるようにすると建設的ですよ。
こちらの記事で客観的に自分を知る方法をご紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
【自己診断ツール】ストレングス・ファインダーを使って自分の強みを探す方法
今回は「アクアリウムの専門学校」について解説しました。
正直なところ、卒業したの2005年なので今の現実とは違うかもしれません。
ですが、あまり卒業生視点からまとめてあるような記事がなかったので書いてみました。
手取り足取り教育をしてくれて、気がついたらアクアリウムのことに詳しくなっている、ビジネスパーソンとしての基礎ができている、という場所ではないので自分から学ぶ姿勢が大事です。
もし進学をするのなら積極的に学校の資源を活用して、後悔の無い2年間にしてくださいね!

プロアクアリストが増えるといいな!