どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事では「底床の厚み」について「レイアウト」「水草育成」の2つの視点からアプローチしていきます。
「手前はなるべく薄く、奥はできるだけ高く」
これがレイアウト水槽の底床ルール。
底床の「厚み」一つでレイアウトの印象がガラッと変わります。
初心者の方にも分かりやすいよう、丁寧に解説しますのでぜひご覧ください。
底床とは水槽の底に敷く「砂利、砂、ソイル」などのこと。
アクアリウム以外ではあまり使われない言葉かもしれませんね。
水槽の大地となる部分なので、特に水草水槽では重要なポジションです。
レイアウトの美観から考えた場合、底床の厚みは「手前はなるべく薄く、奥は出来るだけ高く」
する必要があります。
こちらの2つの水槽を見比べてみましょう。
青いバックの水槽の方がより「奥行き」と「横の広がり」を感じますよね。
実は青いバックの水槽は60cm水槽、白いバックの水槽は90cmです。
60cm水槽の方が大きく感じますね!
レイアウトが違うので一概には言えませんが、このように「底床の厚み」が見た目の印象に大きな影響を与えています。
最初に目に入る部分である水槽前景は印象を決める重要なポイントです。
そのため、なるべく薄く仕上げることでスッキリとした印象になりますよ。
- 化粧砂の場合
- 前景草を植える場合
大きく分けるとこちらの2パターンがあります。
どちらの場合でも手前側はできるだけ薄く仕上げましょう。

厚さ:3mm~10mm程度
これくらい敷けばOKです。
化粧砂の厚さはレイアウトの作り方によっても様々なのですが、手前側は「できるだけ薄く敷く」というのがポイントです。
化粧砂についてはこちらの記事で詳しく解説しました。
興味のある方はぜひご覧ください。
【前景を砂で演出】化粧砂の効果と使い方 ーソイルとの敷き分け方も詳しく解説ー

厚さ:1cm~1,5cm程度
こちらの場合もなるべく薄く敷きましょう。
これは前景草の「根」が隠れるギリギリの厚さです。
白い根が見切れてもそれはそれで見苦しいですからね。
底床が薄い部分には水草を植えづらいですし、抜けやすいです。
前景草を植える際は「厚さが2cm程度ある部分」に植えて、前景草が手前に伸びてくるのに任せたほうがキレイに仕上がりますよ。
レイアウトイメージにもよりますが、奥側はなるべく高く盛ったほうが立体感ある水景になります。
背面側を高くすることでより奥行き感を演出することができますよ。

水槽高の半分以上に盛る
これが奥行き感を演出する高さの目安です。
例えば60cmレギュラー水槽なら、高さ36cmなので「18cm以上盛る」ということです。
こちらの水槽はたしか22cmくらい盛ったと思いますよ。
このレイアウトのように中央に「道」のあるレイアウトは奥行感の演出が重要なので、盛り土は効果的なテクニックです。

「抜け」とは水槽の背面が見えている部分のこと。
ここが少なすぎると圧迫感が生まれます。
こちらの水槽のように「清涼感」を演出したい場合は画面上の面積で「15%以上」は欲しいですね。
【IAPLC2015】世界水草レイアウトコンテスト出品水槽の作り方
底床を盛るためには「軽石」や「レンガ」などを使って底上げすると効果的です。
こちらの記事で詳しく解説しましたのでぜひご覧ください。
【レイアウト水槽向き】軽石、レンガを使って底床を底上げする方法

こちらの記事でオーソドックスな盛土レイアウトの作り方を解説しました。
ソイルが崩れてこないようにする「土留の方法」なども詳しくまとめてあります。
立体感、奥行感のあるレイアウトを作り方はぜひご覧ください。
- ピンセットで植え込むため
- 水草が抜けないように
様々な媒体で水草を植える場合、底床は「最低3cm」の深さが必要と記載されています。
なぜ3cmなのかと言うとこちらの理由からなんです。
基本的にピンセットでつまんで植えるため、ある程度深さがないと植え込みが困難です。
そのため最低3cmは必要とされています。
単純に厚いと抜けづらいです。
浅いと底床の抑えが緩いので抜けやすくなってしまいます。
「抜けて、植えて、抜けて、植えて」を繰り返すと水草が弱ってしまいます。
調子良くキープするためにも、植え込みは一度で終わらせたいところですね。
場合にもよりますが、根を強く張る水草は5cm以上の厚さがある方が育ちが良いです。
1部の前景草など、厚く敷いても育ちが変わらないものを多いので、そこまで強く気にしなくても大丈夫ですよ。
水槽の見栄えを考えた場合、「レイアウト優先」でOKです。
前述の通り、前景を水草の絨毯にする場合でも、底床が厚い部分に植えて水草が伸びてくるのを待てば良いのです。
目に入る部分の底床はなるべく薄く敷いてスッキリと仕上げましょう。

底面フィルターを使用する場合は底床に「厚み」が無いとフィルターとして機能しません。
最低でもフィルターの上に「3~5cm程度」の底床を敷きましょう。
水草水槽向けに底面式フィルターの使い方をこちらの記事で紹介しています。
興味のある方はぜひご覧ください。

底面は水草水槽向きのフィルターです!
こちらの記事で水草レイアウト水槽向きの底床をまとめてご紹介しています。
底床選びにぜひご活用ください。
【2022年版】水草水槽におすすめのソイル、砂、砂利 ープロが選んだ水草の育つ底床ー
今回は「底床の厚さ」を解説しました。
「手前はなるべく薄く、奥は出来るだけ高く」
これがキレイなレイアウト水槽の底床です。
高く盛るのは結構技術が要りますが、手前を薄くするだけなら簡単なので初心者の方でもできると思います。
早速ホースで厚い底床を吸い出しちゃいましょう!

手前を薄くするだけでも見た目がスッキリして「広がり」のある水景になりますよ!