どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は「金魚を簡単に飼育する水槽を作る方法」を解説します。
5cm未満の金魚を3匹適度飼育するイメージで考えてみました。「金魚掬い」で採ってきた金魚を飼う感じですね。
初心者の方でも十分にセット、メンテナンスができるように考えた内容ですので、これから金魚飼育を始める方の役に立つ情報かと思いますよ。
- 簡単にセットできる
- メンテナンスが楽
- 見栄えが良い
こちらを重視した内容です。
なるべく飼育者の負担が減るように、私が管理していて「不必要」だと思っている部分は削りました。
丁寧に解説していきますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

様々な金魚用品が発売されていますが、物が増えるほど管理が大変です。
なるべくシンプルに管理した方が楽ですし、なにより「金魚の飼育」に集中できます。
ここでは「必要最小限」でも「十分に飼育を楽しめる」機材をご紹介します。

30cm程度の水槽が扱いやすいです。
水量10L~20L程度の水槽がおすすめです。
大きい程、水質は安定しやすくなるのですが大きすぎると管理が大変ですし、寂しく見えます。これくらいの水量がちょうど良いでしょう。
こちらのように、「水槽」「ライト」「フィルター」がセットになっているものは入門セットにおすすめです。
付属品で固定されてしまうため拡張性は低いのですが、一式セットになっているのでセッティングが簡単なので初めての方向けですよ。
ライトの有る無しは金魚の「生き死に」には影響しません。
しかし、水槽が暗いとキレイに見えないのでライトは必ず付けたほうが良いですよ。
水槽をインテリアとして見た場合、ライトがダサいと「残念」な印象になってしまうので、こだわりたいところです。
金魚の場合、ライトを点ける時間は「5時間程度」で十分です。
長くても10時間以内にしましょう 。
長時間のライト点灯は藻類が増殖しやすくなるのでお掃除が大変になってしまいます。

アクアリウム用品ではありませんが、関節照明やデスクスタンドライトを使うのも良いですよ.
水槽用ライトよりも、こちらの方がお洒落に見えます。
もしLED電球が使えるならこんな可愛いランプもあります。
こだわりのある方はぜひ既存のランプと交換して使ってみてくださいね。
光の色味は電球色(夕日の色みたな感じ)のものが多いのでお魚をキレイに見せるというよりはインテリアとしての雰囲気を重視するイメージです。
水温をチェックするために使用します。
お部屋ごと、季節ごとなど週一くらいでチェックすれば十分なので、常時水槽につけてなくても良いですよ。

僕は水温計の見た目が好きではないので、たまにしか水槽に入れません!
金魚はエサをたくさん食べてフンをたくさんするお魚です。
そのため、フィルターがすぐに目詰まりするので簡単にメンテナンスできるタイプがオススメですよ。
フィルターには様々なタイプがありますが、中でも外掛け式フィルターはセッティング、メンテナンスが簡単なので初心者の方向けです。
メンテナンスは汚れ方にもよりますが「月に1度」ろ材カートリッジを交換する程度なので簡単ですよ。

砂利、砂タイプの底床を「薄く」敷きましょう。
水槽下部のガラスが見切れると格好悪いので「3mm~5mm程度」の厚さに敷けば十分ですよ(無くても問題ありません)。
金魚はたくさんフンをするお魚なので、底床を厚く敷いてしまうとお掃除が大変です。
「底床は厚く敷いてバクテリアを増やす」という管理手法もありますが、薄く敷いたほうがシンプルに管理ができます。
- 水草を植える
- 底面フィルターを使う
などの理由がない限りは薄敷きがマストです。
小型水槽の場合、目の大きなものよりも細かなタイプの方がキレイに見えるので「砂」が特におすすめですよ。

できることなら水槽に貼るシールタイプのバックスクリーンがおすすめです。
バックスクリーンとは水槽背面やサイドに貼るシールのようなものです。
飼育と言うよりは見栄えに関わることなのですが、必ず必要なものではありません。
しかし、有るのと無いのではスッキリ感が全然違いますよ。
貼り方などはこちらの記事で詳しく解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。


石や流木などをシンプルに配置するのがおすすめです。
金魚は比較的よく泳ぎ回るお魚なので、素材を詰め込んだレイアウトよりも「泳ぐスペース」を広くとってあげた方が良いです。
そのため、あまりゴテゴテさせないほうが良いですよ。
また、なるべくシンプルにすることでメンテナンスしやすくなります。
おすすめは流木や石を1つだけ使ってレイアウトする方法です。
コレなら気に入った素材を1つ選ぶだけで済みますので簡単ですよ。石でも流木でも良いのでお気に入りを見つけましょう。
金魚は「水草を食べる」お魚です。
柔らかい葉の水草はおやつとして割り切りましょう。
飾りとして水草を入れたいなら「葉が硬い」「不味い?」種類がおすすめです。
- 金魚藻その①
大体のアクアリウムショップで販売されているのではないでしょうか?
フサフサとした姿が可愛らしいですが金魚がガンガン食べます。
おやつとして割り切りましょう。
- 金魚藻その②
別名「オオカナダモ」。
すごくタフな水草です。
カボンバよりも葉が硬いので金魚によっては食べないかもしれません。
独特の濃いグリーンの葉色が金魚に良く似合いますよ。
とはいえ、食べられちゃうことが多いですが。
- 金魚藻その③
根を持たず、水中を漂うように生活している水草です。
植える必要が無くポンと入れるだけで良いので簡単ですよ。
古くから金魚鉢に入れて楽しまれてきました。
本来、金魚藻とはマツモのことを差します。
丸い大きな葉が特徴の水草です。
丈夫な水草の中でも特に有名な種類なので見かけることも多いと思います。
現在、私が1番丈夫だと考えている種類です。
とりあえず「丈夫な水草」が欲しいという方にはこちらをおすすめしています。
クリプトコリネの仲間は金魚の口に合わないのか、あまり食べられません。
金魚水槽なんだけど、水草も茂らせたいんだよね。
なんて場合におすすめです。


セッティング方法を順を追って解説していきます。
初心者の方でも1時間程度で終わる内容ですので難しくはありませんよ!
まずはざっと流れを見てみましょう。

例えばこちらの水槽なら、水を入れ諸々セットと20kgくらいをみておきましょう。
例えば30cmクラスの水槽なら、重く見積もっても25~35kgくらいなので丈夫な台の上なら設置できると思います(耐荷重をご確認ください)。
また、耐荷重だけで無く、水槽を設置する場所は以下の要件を満たしている必要があります。
- 水平である
- 直射日光が当たらない
「水槽に水が入った状態」で水平であることが重要です。
アーチ状にしなって重みに耐える構造の台はおすすめしません。
丈夫な本棚などが向いていると思いますよ。
特に夏場に直射日光が当たると水温が上がり煮えてしまいます。必ず直射日光が当たらない場所に置きましょう。

もしシールタイプのバックスクリーンを貼るなら、最初に作業することをおすすめします。
バックスクリーンは水を入れてから貼るのは難しいので、1番最初に作業しましょう。
作業しやすい開けたところに水槽を持ってきて貼ると良いでしょう。


こんな感じのクッションマットが付いているなら、予め水槽に貼ることでスムーズに設置作業を進めることができます。
クッションマットは、水槽を設置する場所の「ちょっとした歪み」「振動」「水槽が滑る」のを防いでくれるアイテムです。
全ての面がガラスで作られている「オールガラス水槽」には必須となるものですので、必ず使うようにしましょう。
このマットは水槽の下に敷いて使うのですが、水槽ピッタリに収まりよく敷くのが難しいです。
そこで、両面テープなどを使って予め水槽の下に貼ることで見栄え良くセットできますよ。
貼り方などはこちらの記事で詳しく解説しましたので、作業前に一度ご確認ください。

設置場所に水槽を置きます。
そしてちょっと離れて見てチェックしましょう。
もしイメージと違うようなら別の場所を探してくださいね。

水を入れてから移動するのは大変なので、ここできっちり場所を確定しておきましょう。
袋の口を切ってザザッと入れてください。
「洗ってから使用してください」と記述があっても今回ご紹介する水の張り方をするなら大丈夫です。
砂利、砂は乾いた状態の方がキレイに底床を整えられます。
そのため、私はいつも洗わずにそのまま使用していますよ。
機材類は、この後のレイアウト作業で隠しやすいようになるべく後ろの方にセットしましょう。
一箇所にまとめるようにすると隠しやすいですよ。

大きめの流木を1つだけ配置した例
リズム良く「ポン」と置いてみてください。
なるべく機材を隠すようにすると見映えが良いです。
石や流木に活着させてある水草もこのタイミングで入れちゃいましょう。


水槽全体にキッチンペーパーを敷いてその上から水を注ぐようにするとキレイに水が張れます。
コップや小さなジョウロなどを使って水を注ぐと濁りが出づらいです。
せっかく作ったレイアウトが崩れないようにゆっくりと注水しましょう。
金魚をすぐに入れる場合は「金魚が入っている袋の水」と同じくらいの水温になるように調整しましょう。
慣れると手で触って調整出来るようになりますが、初心者の方は水温計を使うと確実です。
水の張り方はこちらの動画で解説していますので、作業前にご覧になるとイメージしやすいと思います。
水草水槽の水の張り方ですが、金魚水槽でも同様の方法でOKです。
もし作業をしていて水が濁ってしまったら「水を交換」をして水を透明にします。
金魚をすぐに入れる場合は「金魚が入っている袋の水」と同じくらいの水温になるように調整しましょう。
慣れると手で触って調整出来るようになりますが、初心者の方は水温計を使うと確実です。

しばらく水槽に浮かべることで水温を合わせることができます。
まずは水温合わせをするために金魚を袋のまま10分くらい水槽に浮かべておきましょう。
次に袋を開けて、手でお水を触ってみてください。
同じくらいの水槽になったら「金魚だけ」を水槽へ移しましょう。
機材類の電源を入れて完成です。お疲れ様でした!
すぐに餌をあげたくなりますが、ここは我慢してください。次の日からあげてくださいね。

順調に作業が進めば初心者の方でも1時間程度で終わると思いますよ!
- 餌をあげる
- 換水
- フィルターの清掃

餌の量の目安は、金魚の片目サイズです。
与え過ぎにご注意ください!
基本的に毎日与えましょう。
健康な子がたまに3~7日程度、餌を食べない程度は大丈夫ですよ。
お魚の飼育は「餌の与え過ぎ」から多くの問題が発生します。
くれぐれも餌の与えすぎにはご注意ください。


7~14日ごとに半分程度交換しましょう。
金魚は新しい水を好みます。
あまり換水はサボらないようにしましょう。長くても2週間に1度は行った方が良いですよ。
使用する水は「水道水」で十分です。
水道水に中和剤(後ほどご紹介します)を入れるだけで十分です。
底床を薄く敷いている場合は「底床掃除」は必要ありません。
換水時に底に溜まっている汚れを軽く吸い出すだけで大丈夫ですよ。
1ヶ月に一度、ろ材を新しいものに交換しましょう。
古いものを使い回したりせず、新しいものにまるっと交換したほうがトラブルが少ないですよ。
メンテナンス時に使うグッズを紹介します。こちらがあれば問題無く管理が行なえるはずです。
今回のセッティングなら、8~10Lくらい入るものがおすすめです。
「注ぎ口がある」「目盛りが付いている」ものがあると使いやすいですよ。
経験上、バケツはケチらない方が良いです。
なるべく高品質なものを使うと普段のメンテが楽になります。

金魚は肌荒れの多いお魚ですので「粘膜保護剤」「重金属を無害化」するタイプの中和剤がおすすめですよ。
薬剤を使っていないスポンジなら家庭用のもので問題ありません。
私はこちらをカッターで小さく切って使っています。
ガラス面が汚れてきたらこれでお掃除しましょう。
小型水槽で使うならこのアミが一番使いやすいと思います。
大きめと小さめのアミを2つ用意しておくとメンテしやすいですよ。
今回の水槽サイズなら「お掃除用にS、金魚を掬う時にM」みたいな感じでしょうか。
金魚にあげるエサは「下に落ちる粒状のもの」がオススメです。
餌は長期で見るとお魚の調子に大きく影響を与えるのでこだわった方が良いですよ。
こちらのメーカー(キョーリン)の餌はどれもおすすめです。


今回のセッティングならバクテリア剤は必要ありません!
「水槽をセットしてバクテリアを増やしてからお魚を入れましょう」と言われますが、今回の内容ならすぐに金魚を入れても大丈夫ですよ。
金魚は水をたくさん汚すお魚なので、小型水槽の場合はあまり深く考えず「汚れは換水で取り除く」ように管理した方が簡単です。
- ドジョウ
- ヒドジョウ
- スジシマドジョウ
などなど、日本にいるドジョウが特におすすめです。
どの子も大人しいので金魚をいじめたりしませんよ。
金魚はエサをよく食べこぼすので、それを食べてくれるドジョウを一緒に飼うと水があまり汚れません。
金魚はヒーターを使わなくても飼育でます。
ただし、ヒーターを使うメリットもありますので、お部屋の環境などと合わせて考えて導入するか決めると良いでしょう。
病気の予防のためにヒーターを導入するか、寿命を伸ばすためにヒーター無しでいくかの選択でしょうか。
そもそも病気で死んでしまうと寿命を全うできないので「温度変化の大きな」場所に水槽があるならヒーターを付けたほうが良いかもしれませんね。
- 水温の変化が少ない
- 冬場でも活発な姿が観察できる
- 寿命が短くなる
- 電気代がかかる
ヒーターをつけることにより、季節ごと、時間ごとの水温変化を少なくすることができます。
水温が変動する時期は白点病などの病気が出やすくなるので予防になりますよ。


水温が低い時期は「底の方でじっとして動かなく」なります。
ヒーターをつければ常時活性が高い状態をキープできるのでずっと動き回っていますよ。

常時活性が高い状態が続くので、全体としての寿命が短くなります。
お魚は「変温動物」なので代謝スピードが周りの温度に左右されます。
- 温度高い ⇒ 代謝スピード早い ⇒早く寿命がくる
- 温度低い ⇒ 代謝スピード遅い ⇒遅く寿命がくる
みたいな感じです。
代謝スピードが遅いというのは「時間の流れが遅く」なっているような感じなので、その分、寿命が長く伸びるというわけです。
ヒーターを別途動かすことになるので、その分電気代がかさみます。
今回ご紹介している水槽サイズなら、月200円~300円くらい増える感じでしょうか。
水槽の管理にかかる電気代はこちらの記事で詳しくご紹介しています。
興味のある方はぜひご覧ください。

今回は「金魚を簡単に飼育する水槽を作る方法」をご紹介しました。
「シンプルに」と言っておきながら、長い記事になってしまいました。ここまでご覧いただきありがとうございました。
今回ご紹介した同じ設備、管理方法で「メダカ」「アカヒレ」「小型熱帯魚※ヒーターが必要」を飼育できます。
小型水槽ならではの手軽さでアクアリウムが始められますのでぜひチャレンジしてみてください!

アクアリウムを始める方が1人でも増えたら幸いです。