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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は水槽から「リン酸塩を除去する方法」を解説します。
リン酸塩とは、餌などが原因で水槽に蓄積していく、いわゆる汚れです。
多少あるくらいなら大きな問題にはなりませんが溜まり過ぎると藻類増殖の原因になります。
生き物の調子を崩すまでにリン酸塩が高濃度になってしまうことは稀ですが、藻類増殖の原因にはなりますので藻類でお悩みの方は対策をすると良いでしょう。
「リン酸塩を取り除く方法」「リン酸塩が増える原因」「リン酸塩のメリット・デメリット」「リン酸塩濃度を測る方法」などを初心者の方にも分かりやすく解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
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アクアリウムにおけるリン酸塩は、主に餌や生体の排泄物からから発生します。
過剰にあると藻類増殖の原因となることから、低い数値でキープすることで綺麗な水槽を維持しやすくなります。
除去しやすいものなので対策してしまえば簡単に水槽から取り除くことができるので過度に心配する必要はありません。
除去方法は後ほど詳しくご紹介します。
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厳密に0にする必要はありませんが、なるべく少なくキープするという気持ちで水槽に向き合うと良いでしょう!
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シンプルにお水を交換することで溜まったリン酸塩を排出します。
一気に0にすることは難しいですが、定期的に換水を行うことで低いレベルでキープできることも多いです。
換水をしてもリン酸塩の数値が下がらない場合は、この後ご紹介するろ材や水草を使う方法をお試しください。
- エーハイム リン酸除去剤
- ウォーターエンジニアリング リバース・グレインシリーズ
エーハイム リン酸除去剤
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フィルターに入れることで簡単にリン酸塩を除去できるろ材です。
小分けになっているため扱いやすいです。
1~3ヶ月程度効果が継続しますので、状況に応じて交換して使いましょう。
ウォーターエンジニアリング リバース・グレインシリーズ
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こちらもリン酸塩を吸着できるろ材です。
リバースグレインシリーズはリン酸塩だけでなく、様々な酸化物を吸着除去できるため総合的に総合的藻類対策ができます。
水草水槽向きの軟水化作用のあるものなど、いくつかタイプがあるので水槽に合わせて選びましょう。
赤玉土などの火山灰系の土はリンを強力に吸着します。
火山灰系の土は鉄やアルミニウムを多く含み、鉄イオンやアルミニウムイオンはリンと強く結びつくため吸着されるというわけです。
底床材として水槽に敷くだけで効果があるので手軽です。
吸着効果には限界があります。
ソイルをパックなどで小分けにしてフィルターの中に入れるようにすれば、簡単に交換できるので吸収効果を継続することができます。
こちらのソイルでもリンを吸着できますので、興味のある方はお試しください。
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ADAクリアウォーターなどの凝集剤にはリン酸塩を除去する機能もあります。
凝集剤とは、水槽に漂う濁り成分を大きな塊にしてフィルターで濾し取れるようにする薬品のこと。
水槽に規定量添加するだけで効果があるので手軽にリン酸塩を除去できます。
凝集剤の使い方はこちらの記事で解説していますのでご覧ください。
成長の早い水草を繁茂させることでリン酸塩を吸収させると良いです。
水槽の環境に合わせて育つものを選ぶと良いでしょう。
水草用の設備を整えていない水槽(最低限、ライトは必要です)なら「 低光量、CO2無添加の水槽向け 」、本格的な水草水槽なら「高光量、CO2添加の水槽向け」のものがおすすめです。
低光量、CO2無添加の水槽向け
高光量、CO2添加の水槽向け
鉄イオンはリンと強く吸着するため、鉄釘を入れるだけでも除去することができます。
リンと鉄が結合するとリン酸鉄になります。
リン酸鉄は生き物に有害なのですが、基本的に底床に沈殿するため過度に心配する必要はありません。
鉄釘ではありませんが、大きな鉄の廃材を使用して水草水槽を作りました。
大きな問題は起こりませんでしたので、制作過程に興味のある方はこちらの記事をご覧ください。
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餌には基本的にリンが含まれているため、餌を与えると水槽にリンが入ります。
餌の量に比例してリンの量も増えることから
- お魚を過密に飼育している
- 餌の量が多い
などの水槽ほどリン酸塩が蓄積しやすいです。
特に残り餌のある環境は特に蓄積しやすいので注意しましょう。
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水草用のソイル(土を固めたもの)と呼ばれる底床には水草を育てるための養分が予め含まれています。
リンは水草の必須栄養素でもあるので水草用ソイルに含まれていることが多いです。
必須栄養素なので0にする訳にもいかず、水草が繁茂していないセット初期はリンが余りがちです。
そのため、水草用ソイルを使うと一時的にリンが過剰にある状態になることがあります。
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水草用ソイルを使うとセット初期に藻類が増えやすいのはこの辺りにも理由があります!
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リンは水草の必須栄養素でもあることから、水草用の肥料の中にはリンを含むものがあります。
水草がしっかりと吸収する環境なら良いのですが
- 水草の元気が無く養分を吸収できない
- 間違えて大量に添加してしまった
など、リンが大量に余ってしまうことがあります。
余ってしまうと藻類増殖の原因になりますので、肥料添加は慎重に行いましょう。
おすすめの水草用肥料、使い方はこちらの記事で紹介していますのでぜひご覧ください。
水草の養分になる
リンは水草の必須栄養素の1つです。
水草の育成には欠かせないものですし、日々、水草が吸収しますので少量ある分にはメリットです。
藻類増殖の原因になる
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リンは植物の必須栄養素であるため藻類の養分にもなります。
乱暴な表現にはなりますが、リン酸塩が多ければ多いほど藻類が増えやすい環境と言えます。
水草水槽であってもリン酸塩の濃度はなるべく低い数値を目指し、水草が養分不足になったら肥料を添加してカバーするという感覚で挑むと失敗が少ないです。
とはいえ、リン酸塩は生き物の餌に含まれているため、餌を与えている環境では常に0にするというのは現実的ではありません。
藻類を食べる生体を上手に活用することで水槽を綺麗にキープするのがおすすめです。
藻類対策は別記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
リン酸塩が原因で増えやすい藻類
- 茶苔
- トロロ昆布状の藻類
- アオミドロ
など、比較的成長の早い藻類が増えやすい傾向があります。
リン酸塩はすべての藻類が必要とする養分のため様々な藻類増殖の原因になるのですが、特にこちらの種類の藻類に注意しましょう。
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黒髭苔の原因とされることが多いですが、リンだけ対応しても黒髭苔にはあまり効果がありません!
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パックチューブの中に水槽水を入れて色の変化を見るタイプです。
簡単に作業ができるので初心者の方でも扱いやすいです。
ややコストパフォーマンスが悪いですが、たまにチェックするくらいなら十分でしょう。
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付属の試験管の中に水槽水を入れて色の変化を見るタイプ。
簡単に作業ができるので初心者の方でも扱いやすいです。
色の変化を確認しやすく、コスパに優れています。
1mg/L以下
こちらが一応の目安です。
これくらいを目安にすると藻類が大量に増える減員になりづらいです。
水草の成長が悪くなります。
リンは水草の必須栄養素であることから、水草水槽の場合、減らしすぎてしまうと水草の成長が鈍ります。
リン酸塩を0にしても完全に藻類が予防できるわけでも無いのであまり気にし過ぎるのも良くないですよ。
今回は「リン酸塩を除去する方法」を解説しました。
リン酸塩は餌によって水槽に供給されることから0にするのは至難の技です。
ですが除去方法がたくさんあるので対策しやすいものでもあります。
リン酸塩を取り除く6つの方法を駆使しながらなるべく低い数値を目指すと藻類予防になります!
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「リン酸塩はそこまで大きな害にはならないけれど、低い数値でキープすることで綺麗に水槽をキープしやすくなる」と覚えておくと良いでしょう!
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