この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事では「水草のトリミング方法」を解説します。
水草のトリミングとは水草を切る作業のこと。
成長した水草をカットして形を整える、傷んだ葉を取り除くなど、トリミングは水草水槽を管理する上で欠かすことのできない作業です。
茂った水草をシャコシャコとハサミでカットする感覚は心地良いです!
今回は「ピンチカット」「差し戻し」「古い葉のカット」という基本となる3つのトリミング方法をご紹介します。
正直なところ、言葉だけでは分かりづらい部分がありますので本記事を参考にトリミングにチャレンジをして作業に慣れてください!
グリーンロタラをハサミでカットする様子。
水草のトリミングとは、水草を切る作業のこと。
主にハサミを使用して作業しますが、時には手で千切るようにカットすることもあります。
水草は日々成長しますから余分な葉を取り除く、長く成長し過ぎた丈を調整するために切るというわけです。
調子良く成長した水草はシャキシャキしていますのでハサミでカットするとなんだか気持ちが良いです。
水草水槽管理の基本作業の1つ!
- 水草の状態管理
- 美観の維持
主にこちらの2つの観点からトリミングを行います。
水槽の中で水草を維持するためには欠かせない作業です。
慣れてくるとある程度自由に茂みの大きさをコントロールできるようになりますので水草レイアウトが楽しくなりますよ。
思い切ってカットしましょう!
枯れてしまうんじゃないかと心配になりますがトリミングが原因で水草が枯れてしまうケースは少ないです。
トリミング後に枯れてしまう場合は、トリミングを間違えたことによる枯死では無くそもそも水草の好む環境ではなかったケースが多いです。
水草が調子良く成長している水槽なら思い切ってカットしましょう!
水草が枯れてしまう原因はこちらの記事で解説していますのでお困りの方はぜひご覧ください。
水草の葉を切るわけですからまずはハサミが必要です。
専用のハサミの方が作業しやすいですが、いわゆる文房具のハサミでも作業できます。
ダイソーなどの100均のハサミでもカットできますので、まずは手近なところにあるハサミで作業をして物足りなくなったら専用のものを手に入れましょう!
水草トリミングにおすすめのハサミはこちらの記事で紹介していますのでぜひご覧ください。
トリミング後に出る水草の葉や破片を掃除するために使います。
大きめ、小さめの2つを用意しておくと作業しやすいです。
予め準備しておくと効率良く作業できると思います!
油膜取りがあると便利
水面に浮かんだ油膜などを除去できるエーハイム スキマー350などがあるとトリミング後の掃除が簡単です。
予算に余裕があるならぜひお試しください!
稼働している様子↓
大きく分けるとこちらの3つのトリミング方法があります。
水草のタイプに合わせて使い分けましょう。
1つ1つ解説していきますのでご覧ください。
ピンチカットとは伸びた水草をハサミでカットするトリミング方法のことです。
基本的に有茎草に行うトリミングです。
有茎草とはその名の通り「茎」を持つ水草のこと。
成長して伸びた茎をピンチカットして高さを調整し脇芽の成長を促すことができます。
脇芽がどれだけでるかは水草の種類にもよるのですが、基本的には1本の茎から複数の脇芽が出ることが多いのでピンチカットを繰り返すことで大きな茂みを作ることができます。
水草トリミングの王道です。ピンチカットをして作られた密度の高い茂みはとても美しいですよ!
ピンチカットに向く水草の例
基本的に元気良く成長する有茎草全般におすすめのトリミング方法です。
長期間維持しているなど、株が弱っている場合は差し戻しでトリミングするほうが良い場合もあります。
CO2無添加の水槽の場合、水草の種類によってはピンチカットしてしまうと新芽が生えてこないことがあります。
無添加の水槽の場合は差し戻しでトリミングすると失敗が少ないです。
ピンチカットの手順
まずは水草をモサモサと成長させましょう。
今回はグリーンロタラを例にします。
水草の茂みにハサミを入れてカットしましょう。
手前⇒奥の順にカットしていくと作業しやすいです。
細かな調整は後からできますので、まずはざっくりと作業しましょう。
丸くカットすると綺麗に仕上がります。
- 手前⇒ 短め
- 奥⇒ 長め
このようにすると見栄えが良いです。
慣れないうちは腑に落ちないかもしれませんが、繰り返し作業することで段々とコツが掴めてくるはずです。
水面に浮かんだ破片などをアミですくって掃除しましょう
綺麗になったら終了です!
切った有茎草は植えることで根を張り独立した株になりますので、ピンチカットをすることで水草を増やすことができます。
カットすると脇芽が出る
有茎草はカットすると、下の方の茎から新しい芽が生えてきます。
水草の種類にもよるのですが、基本的には1本の茎から複数の芽が出てくるのでピンチカットを繰り返すと茂みの密度が増します。
この生えてくる芽を脇芽と言います。
カットする位置
水草の状態、最初にどれくらいの長さで植えたのかにもよるのですが、1回目のトリミングはなるべく短い位置でカットしましょう。
というのも、カットする位置を段々と上にする必要があるからです。
そのため、最初に上の方でカットしてしまうとその分トリミングできる回数が少なくなってしまいます。
1回目のピンチカットは底床から高さ5cm以内で行うようにすると長期維持しやすいです。
2回目のピンチカット
このように前回カットした位置よりも上の方、つまり新しく生えてきた部分をカットしないと、株の古い部分が残ってしまうので芽の展開が悪いのです。
まったく新しい芽が出てこないわけでは無いのですが、新しく生えてきたところをカットするように心がけることで、健康的な茂みを維持しやすいです。
絶対に新芽が出てこないわけではありません!
差し戻しとは、水草を引き抜き、高さを調整して再度植え直すトリミング方法です。
主に古くなってしまった株、大きくなりすぎてしまった株に対して行います。
基本的に水草の新芽部分を残すので、トリミング後の成長展開が早いのが特徴です。
CO2無添加の水槽のトリミングに重宝する方法です。
差し戻しに向く水草例
要は水草を最初に水槽に植える時の状態から再スタートするようなものなので、基本的にどのタイプの水草も差し戻しで対応できます。
脇芽の出る量はピンチカットの方が多いので茂みになる水草はレイアウトと相談しながらピンチカットするか、差し戻しをするか決めると良いでしょう。
長期間育成している有茎草は下部が弱って枯死している場合があります。
その場合は傷んだ箇所を取り除いて差し戻しをすることで茂みの寿命を伸ばすことができます。
差し戻しの手順
主に傷んだ葉や古くなった葉を取り除くためのトリミングです。
藻類が付いてしまった葉や食害にあった葉など見苦しい部分だけに対応するイメージです。
庭の雑草を片付けるように気になったタイミングで適時行いましょう。
差し戻しに向く水草例
- 水草全般
- 特にロゼット型の水草の管理に向く
気になる部分のカットですから基本的にすべての水草に有効です。
葉の小さな水草はピンチカットする要領で取り除いてしまった方が早いので株の大きな水草向きのトリミングです。
カット手順
- 茂みを薄くするようにカットする
- 手前は縦にハサミを入れて茂みそのものを取り除く
前景草のトリミングのポイントを言葉で説明するとこんな感じです。
言葉として理解していただくよりも見ていただいた方が分かりやすい部分かと思いますのでぜひ動画をご覧ください!
- 成長の早い水草⇒ 2~4週間に1度程度
- 成長の緩やかな水草⇒ 1~2ヶ月に1度程度
- 成長の早い水草⇒ 2~3週間に1度程度
- 成長の緩やかな水草⇒ 1ヶ月に1度程度
これくらいのペースでハサミを入れると良いでしょう。
CO2添加をしているかどうかで成長スピードが大きく変わります。
水槽の環境に合わせてトリミングのタイミングも変わりますので適時対応しましょう。
あくまで目安です。水草の種類やレイアウトによって柔軟に対応を変えてください!
水草の破片を取り除きましょう!
水面に浮かんだ茎や葉、破片などを綺麗に取り除きましょう。
なかなか面倒な作業ですが、根気よくこなしてください。
「エーハイム スキマー350」などの水面を綺麗にできる油膜取りを稼働させておくと水面の掃除がグッと楽になります。
ウィローモスなどコケの仲間は水に浮かばないので底に沈みます。
取り除かないと思わぬところから茂みは出現しますので、レイアウトイメージに合わない場合はしっかり破片を取り除きましょう。
コケの仲間の破片を取り除くならホースで吸い出すのが簡単です。
水草には高い浄化能力があるのでトリミングをして水草の量が少なくなると藻類や濁りなどが発生することがあります。
特にピンチカットはトリミングの性質上、水草の量が一気に減りますので「この後何かあるかも」と思って作業すると慌てずに対応できます。
トリミングの後、水草量が減ったタイミングでCO2添加量を減らす方法論もありますが私は添加量を変えません。
そもそもCO2添加量は水槽の水量に合わせて変えるものです。
その辺りの詳しい解説は別記事でしていますので興味のある方はぜひご覧ください。
トリミングをして余った水草で水上ストックを作っておくと次回のレイアウト制作時に便利です。
不向きな水草もありますが水上葉になるものは基本的にストックできます。
水上ストックを作る方法はこちらの記事で解説しています。
- 水草のトリミング時に生体は移動するの?
- 基本的に生体は移動せずにそのまま作業しています。トリミングをする際は生体を切らないように注意しましょう。
- トリミングに失敗すると水草は枯れる?
- トリミングの失敗によって水草が枯れてしまうケースは少ないです。枯れてしまった場合はトリミングに問題があることよりも、そもそも環境が水草に合っていないケースが多いです。
- トリミングのいらない水草はありますか?
- 基本的にありません。水草も生き物であることから新陳代謝をして常に変化をしています。そのためいつかはトリミングをする必要があります。成長の緩やかな水草ほどトリミング頻度が少なくなりますので、トリミングをする回数を少なくしたいのであれば成長の緩やかな種類を選びましょう。
- トリミングで水草を増やせると聞きました。本当?
- 本当です。
ピンチカットをした際に切った株を植えることで増殖させることができます(挿し木の要領です)。
差し戻しをする際に株分けをする方法もあります。
今回は「水草のトリミング方法」を解説しました。
言葉ではイマイチお伝えできない部分も多い作業ですので、話はそこそこにしてまずは作業してしまうほうが上達すると思います。
慣れてくると自在に茂みのサイズがコントロールできるようになりますから、失敗を恐れずに作業をしてください!
習うより慣れろです!
この記事が参考になったら感想を教えてもらえると嬉しいです。
記事作成の励みになります!