どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
今回は「流木のアク抜き方法」を解説します。
アク抜きとは流木の中に残っている成分を抜き出す作業のこと。
新しい流木を水槽に入れると水が茶色になることがあります。
予めアク抜きをすることで、水が染まるのを防ぎ透明な水に保つことができますよ。
そこで今回は「アク抜きの必要性」「アク抜き方法」「アクの効果」など流木のアクにまつわるトピックをまとめました。
初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説していきますので、流木をレイアウトに使う際はぜひご覧ください。
流木を水槽に沈めると染み出してくる成分のこと。
流木から出てくる出汁のようなものと思えばOKです。
基本的には水が茶色くなり、水槽が紅茶を薄めたような色になります。
必ず必要なものではありません。
特に害があるものではありませんので、しなくても問題ありません。
水が茶色くなるので気になる方は予めアク抜きをしましょう。
- アク抜き剤を使う
- 煮る
アク抜きには大きく分けるとこちらの2つの方法があります。
それぞれ詳しく解説していきます。
簡単で確実な方法です。
「アク抜き剤」を入れた水に漬けるだけでアクが出てきますよ。
アク抜き剤は水質を強アルカリ性にするものが使われます。
強アルカリにすることで、酸性であるアクを流木から絞り出すというわけですね。
流木にあった入れ物は必要になりますが、どんなサイズの流木にも対応可能です。
大きな流木は水槽自体やお風呂を使ってアク抜きをすると良いですよ。
- アク抜き剤
- 容器
- 水
水質を強アルカリ性にしてアクが出やすくする薬。
基本的に規定量を使えば問題無くアク抜きができますよ。
換水に利用しているバケツで十分です。
大きな流木をアク抜きするなら「水槽」「お風呂」などで代用すると良いでしょう。
水道水で十分です。
ちなみにお湯の方がアクが出やすいので、お急ぎの方は温めた水を使いましょう。
- 簡単
- たくさんアクが抜ける
- どんなサイズの流木でもできる
- 薬抜きが必要
- 時間がかかる
- サイズに合った入れ物が必要
「出汁を取る要領」で鍋で煮る方法です。
アク抜き剤を使うよりもアクは抜けませんが小さな流木ならこの方法が簡単ですよ。
ちなみに、アク抜き剤を使って煮ると超速でアクが抜けます。
水で煮るだけなら薬抜きの手間がかからないので、短時間で終わらすことができます。
- 鍋
- 水
こんな感じの安い鍋で十分です。
ある程度料理をしているご家庭でしたら、鍋の1つや2つ余っていると思いますのでアク抜き用にしてしまっても良いと思いますよ。
煮ると部屋中が木の香りに包まれます。
こちらも水道水で十分です。
煮る場合は冷たいところから徐々に温めた方がアクが出ますよ。
鍋に流木と水を入れる
10~20分程度煮る
そのまま1晩放っておけば良いでしょう。
お急ぎの方は流水にさらしてください。
レイアウトをお楽しみください!
- 小型流木ならこっちの方が簡単
- 薬抜きが要らない
- アクは大量には抜けない
- 大型流木には不向き
アクは流木から出る天然の「有機酸」のようなものなので良い効果もあります。
特にお魚をメインで飼育している場合はメリットにもなりますよ。
- 弱酸性、軟水にする
- 水が茶色くなり現地の雰囲気を再現
- 水の透過度が下がりお魚が落ち着く
「有機酸」の効果で水質を調整してくれます。
南米や東南アジアを原産とするお魚などこの水質を好むものには「色が揚がる」「繁殖行動を誘発する」などの効果が期待できます。
ワイルドアクアリウム、ビオトープ系のレイアウトを作るなら「水が茶色」というのは雰囲気が出て素敵だと思います。
万人受けするスタイルでは無いですが一度は作ってみたいレイアウトですね。
人に慣れていないお魚は「見られている」という状況にストレスを感じます。
水の透過度が低いと視線が遮られので落ち着きますよ。
また、お魚同士の視線も遮られるのでケンカが少なくなります。
- 水が茶色い
- 透過度が低いので良く観察出来ない
- 薬が効かない
水に色が付いているとなんだか汚れて見えてしまいます。
様々な方に審査していただくコンテストでは「水は透明」という事は絶対条件ですよ。
せっかく泳いでいる姿が見たくてお魚を入れたのに見えなくては本末転倒です。
あまり観察できないということは、状態不良のサインなどを見過ごしやすくなってしまうので注意が必要ですよ。
また、光を遮ってしまうので水草が枯れてしまうかもしれません。
魚病薬は「有機物がたくさんある水」だと効果が下がります。
薬浴の際にはアクは邪魔でしかありません。
流木の形状によってアクの量に差があります。
流木は自然物なので絶対にそうだというわけでもないのですが参考までにお知らせします。
このようなある程度太さのある流木はアクが出やすい傾向があります。
形状がずんぐりとしているほど、アクの量が多いと思っていただいて良いですよ。
このような細い枝状の流木はあまりアクが出ません。
その変わり、水槽に入れた直後に「白いモヤモヤしたもの」が発生することがあります。
モヤモヤについては別記事にて解説しましたのでお困りの方はご覧ください。
- pHの高い水槽
- ろ過の弱い水槽
- 採集してきた流木
アクがたくさん出るので予めアク抜きをしましょう。
例えば「海水」「汽水」の水槽デザインに使用する場合などです。
小型水槽など「ろ過の弱い水槽」の場合はアクが目立つので、美観を考えるならアク抜きした方が良いでしょう。
アクがどの程度出るか未知数なのでアク抜きした方が無難です。
- ソイルを使用した水槽
- フィルターに活性炭を入れた水槽
- マメに換水している水槽
ソイルの特性により「弱酸性」の水質になるのでアクが出づらくなります。
また、ソイルの「吸着作用」によりアクを取り除いてくれますよ。
フィルターなどに活性炭を入れている場合、すぐに吸着されてしまうのであまり気になりませんよ。
流木を使う場合は予めフィルターに活性炭を入れておくと良いでしょう。
週2回以上換水しているならそれほど気になりません。
換水を続けていくうちにアクが出なくなりますよ。
アク抜き作業とは、1番出汁、2番出汁を取り除くようなイメージなのですべてのアクを出し切れるわけではありません。
そのため、アク抜きをしたとしてもゆっくりと薄めのアクが出続けますよ。

週1回50%程度の換水をしていれば気にならないはずです!
流木の質にもよりますが、1年単位の時間がかかります。
とはいえ、ほとんどのケースで最初の濃いアクが出てしまえば気にならないと思いますが、、
今回は「流木のアク抜き方法」を解説しました。
私はアクでそれほど悩んだことがないので「アク抜き」をしたことがほとんどありません。
最近アク抜きをしたのは採集した流木でレイアウトを作った時くらいですね。
アクは深刻な問題ではありませんのであまり悩まなくて良いですよ。
気になるなら「アク抜き」しちゃってくださいね!

流木が「乾燥」していた方がレイアウトを組みやすいというのもアク抜きをしない理由の1つです。