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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は「流木のアク抜き方法」を解説します。
アク抜きとは流木の中に残っている成分を抜き出す作業のこと。
新しい流木を水槽に入れると水が茶色になることがあります。
予めアク抜きをすることで、水が染まるのを防ぎ透明な水に保つことができますよ。
そこで今回は「アク抜きの必要性」「アク抜き方法」「アクの効果」など流木のアクにまつわるトピックをまとめました。
初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説していきますので、流木をレイアウトに使う際はぜひご覧ください。
必ず必要なものではありません。
特に害があるものではありませんので、しなくても問題ありません。
水が茶色くなるので気になる方は予めアク抜きをしましょう。
アクとは流木を水槽に沈めると染み出してくる成分のこと。
流木から出てくる出汁のようなものと思えばOKです。
基本的には水が茶色くなり、水槽が紅茶を薄めたような色になります。
流木に含まている成分が水に溶け出して茶色くなり「ブラックウォーター」と呼ばれる状態になります。
水が茶色いので嫌われがちですが意外とメリットが多いのも事実。
見た目を許容できるなら茶色い水を活かすのも「アリ」ですよ。
- フミン酸
- フルボ酸
などの有機酸が主成分です。
- 弱酸性、軟水にする
- 藻類増殖を予防
- 病気を予防
- 現地の雰囲気を再現
- 水の透過度が下がりお魚が落ち着く
- 水が茶色い
- 透過度が低いので良く観察できない
- 薬が効かない
弱酸性、軟水にする
アクに含まれるタンニンなどの成分はナトリウムやカルシウム、カリウムなどアルカリ性で硬度の高い物質と結合することで弱酸性、軟水になります。
南米や東南アジアを原産とするお魚など、弱酸性、軟水を好むものには「色が揚がる」「繁殖行動を誘発する」などの効果が期待できます。
藻類増殖を予防
フルボ酸の主成分であるタンニンなどのポリフェノール類には植物の成長を阻害する作用があり、その影響で藻類の増殖を抑える効果があります。
すでに生えている藻類を枯らすほどの効果は期待しないほうが良いので、すでに藻類でお悩みならこちらの記事をご覧ください。
病気を予防
アクに含まれるタンニンなどのポリフェノール類には静菌作用があります。
殺菌とまではいきませんが病気の原因となる菌の働きを抑える効果が期待できます。
菌は酸性の環境では増殖スピードが遅くなるので、アクはダブルで病気予防に効果があります。
現地の雰囲気を再現
ワイルドアクアリウム、ビオトープ系のレイアウトを作るなら「水が茶色」というのは雰囲気が出て素敵だと思います。
万人受けするスタイルでは無いですが一度は作ってみたいレイアウトですね。
水の透過度が下がりお魚が落ち着く
人に慣れていないお魚は「見られている」という状況にストレスを感じます。
水の透過度が低いと視線が遮られので落ち着きますよ。
また、お魚同士の視線も遮られるのでケンカが少なくなります。
水が茶色い
水に色が付いているとなんだか汚れて見えてしまいます。
これが最大のデメリットでしょう。
アクの機能的には大きなメリットがありますが見た目のデメリットが大きすぎてこれだけでアクをなんとかしたくなりますね。
透過度が低いので良く観察できない
せっかく泳いでいる姿が見たくてお魚を入れたのに見えなくては本末転倒です。
あまり観察できないということは、状態不良のサインなどを見過ごしやすくなってしまうので注意が必要ですよ。
薬が効かない
薬剤の中にはアクの成分とぶつかって効果を発揮できないものもあります。
特に魚病薬は「有機物がたくさんある水」だと効果が下がります。
そのため薬浴の際にはアクは邪魔でしかありません。
- 活性炭を使う(おすすめ)
- アク抜き剤を使う
- 煮る
アク抜きには大きく分けるとこちらの3つの方法があります。
それぞれ詳しく解説していきます。
「キョーリン ブラックホール」などの活性炭を予めフィルターなどにセットすることでアクを取り除くことができます。
流木のアク抜きをしてからレイアウトするというよりは「アクは水槽に出ているけど活性炭がアクを吸い取るから気にならない」という感じです。
アク抜きをしてから流木をレイアウトするよりも手軽なので一番おすすめの方法です。
私は活性炭でアク抜きをすることが多いです!
アク抜き剤とは水質を強アルカリ性にしてアクが出やすくする薬。
基本的に規定量を使えば問題無くアク抜きができますよ。
重曹などで代用することもできます。
簡単で確実な方法です。
「アク抜き剤」を入れた水に漬けるだけでアクが出てきますよ。
アク抜き剤は水質を強アルカリ性にするものが使われます。
強アルカリにすることで、酸性であるアクを流木から絞り出すというわけですね。
流木にあった入れ物は必要になりますが、どんなサイズの流木にも対応可能です。
大きな流木は水槽自体やお風呂を使ってアク抜きをすると良いですよ。
- アク抜き剤
- 容器(バケツなど)
- 水
手順
バケツなどの容器にアク抜き剤と水道水を入れる
薬液の中に流木を漬ける
1~2日程度様子を見る
真水に1~2日程度さらす
軽く洗ってレイアウトをお楽しみください!
「出汁を取る要領」で鍋で煮る方法です。
アク抜き剤を使うよりもアクは抜けませんが小さな流木ならこの方法が簡単ですよ。
ちなみに、アク抜き剤を使って煮ると超速でアクが抜けます。
水で煮るだけなら薬抜きの手間がかからないので、短時間で終わらすことができます。
- 鍋
- コンロ
- 水
手順
鍋に流木と水を入れる
10~20分程度煮る
そのまま1晩放っておけば良いでしょう。
お急ぎの方は流水にさらしてください。
レイアウトをお楽しみください!
- 塊状流木
- 枝状流木
流木の形状によってアクの量に差があります。
流木は自然物なので絶対にそうだというわけでもないのですが参考までにご覧ください。
このようなある程度太さのある流木はアクが出やすい傾向があります。
形状がずんぐりとしているほど、アクの量が多いと思っていただいて良いですよ。
このような細い枝状の流木はあまりアクが出ません。
その変わり、水槽に入れた直後に「白いモヤモヤしたもの」が発生することがあります。
流木のモヤモヤについては別記事にて解説しましたのでお困りの方はご覧ください。
- PH、硬度の高い水槽
- ろ過の弱い水槽
- 採集してきた流木
アクはPH、硬度の高い水質のほうが出やすい傾向があります。
硬度の高くなる石を使用している、塩を入れている水槽などはアクが出やすいです。
水が酸性かアルカリ性かという指標です。PHの低い水=酸性、高い水=アルカリ性と呼びます。
水が硬水か軟水かという指標です。水の中のカルシウム分、マグネシウム分が多い水を硬水、少ない水を軟水と呼びます。
小型水槽など「ろ過の弱い水槽」の場合はアクが目立つ場合があるので、予めアク抜きをしてから流木をレイアウトすると良いでしょう。
通常、自然から採取してきた流木はアクが出るものが多いです。
どの程度アクが出るかも予測できないことが多いので、アク抜き対策をしてから使うのが無難です。
- ソイルを使用した水槽
- フィルターに活性炭を入れた水槽
- マメに換水している水槽
ソイルとは土を固めて粒状にしたもの。
ソイルは基本的に水質を弱酸性の軟水にするためアクが出にくくなります。
また活性炭のようにアクを吸着するため、水があまり茶色くなりません。
フィルターの初期ろ材などに活性炭が予め入っているとアクが吸着されてしまうのであまり気になりません。
多くのフィルターが活性炭を組み合わせたろ材を採用しているのである程度アクを吸着します。
ただし、初期ろ材についている活性炭はあまり強力ではないので「キョーリン ブラックホール」などを追加することをおすすめします。
週2回以上換水しているならそれほどアクは気になりません。
そのまま換水を続けていくうちにアクが出なくなりますよ。
アク抜き作業とは、1番出汁、2番出汁を取り除くようなイメージなのですべてのアクを出し切れるわけではありません。
そのため、アク抜きをしたとしてもゆっくりと薄めのアクが出続けますよ。
場合によっては数年レベルの長い期間、アクが出続けるようなものもあります。
どうしてもアクが気になる場合は活性炭をフィルターに入れておくのがおすすめです!
今回は「流木のアク抜き方法」を解説しました。
私はアクでそれほど悩んだことがないので「アク抜き」をしたことがほとんどありません。
アクは深刻な問題ではありませんのであまり悩まなくて良いですよ。
気になるなら「アク抜き」しちゃってくださいね!
流木が「乾燥」していた方がレイアウトを組みやすいというのもアク抜きをしない理由の1つです。
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