どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事では「水草の量とCO2添加量の関係」について解説します。
水草を綺麗に育てるためにはCO2の添加が必要ですが、実はCO2添加量って水草の量とほとんど関係がありません。
例えば、水草がちょっとしかない60cm水槽も、水草がたくさん茂っている60cm水槽も綺麗に水草を育てたいなら、ほとんど同じ量を添加する必要がありますよ。
トリミング直後など、「水草の量が減ったタイミングでCO2添加量を変える必要あるの?」という疑問からこの記事に辿り着いたのなら、答えは簡単!
「変える必要はありません」
答えだけ知りたい方はこれでもう十分です。
もし、詳しく理由を知りたい方はこれから解説していきますので、ぜひ読んでみてください。
初心者の方にも分かりやすく、説明していきます。
基本的に「水量と水質」です。
単純に水量が多いほど、多く添加する必要があります。
これは直感で理解できるかと思いますが、ややっこしいのは水質です。
理屈を説明すると長くなってしまうので結論からお話すると
「pH5.5~6.5」
こちらの水質になっていないとCO2を添加してあまり効果がありません。
pH5.5よりも低い分にはCO2の添加効率が良くなるのですが(CO2中毒の危険が高まりますが)、pH6.5よりも高くなってしまうと、加速度的にCO2の添加効率が悪くなってしまうのです。
6.5よりも高いpHの場合は、その分、余計に添加する必要があります。また、添加量を増やしても効率が悪いので水草に使われることなく水中にあることになってしまいます。
一言でいうと、「酸性~弱酸性」じゃないとCO2添加しても効果的じゃないよということです。
CO2添加をするなら、pHはとても大切なので気にするようにしましょう。
詳しくはこちらの記事で解説してありますので、お時間のある時にでも読んでみてください。
[reco title=”あわせて読みたい”]

こちらの図のように、水草が光合成に利用できるCO2は体の周りにあるものだけです。
水草は体中からCO2を吸収していると考えれられますが、「体に密着している水」からしかCO2を吸収できません。
ですが、CO2は添加すると、水槽全体へ拡散します。
そのため、水槽全体のCO2濃度を高くキープする必要があるのです。
添加したCO2は水中に拡散し、水槽全体が均一な濃度になるまで広がっていきます。
そのため、「水草の周りだけ高濃度にすること」ができません。
ざっくりとした説明になりますが、「濃い濃度 ⇒ 薄い濃度」へ向けて拡散していきますよ。
元気
- 水草は密着している水からしかCO2を吸収できない
- 添加したCO2は水槽全体へ均一に拡散する
こちらの2つの点から、水草が光合成に利用しているCO2は添加量のうちの「ほんのちょっと」であると考えられます。
実際に水草の量によって添加量を変えたことがあるのですが、添加量を減らした場合、調子を崩すケースが圧倒的に多かったです。
元気
こちら3つの作品はすべて同じサイズです(120cm×60cm×60cm)。
水草の量は大きく違いますが、基本的に同じくらいのCO2添加量で育成していますよ。


水草が1株しか無い水槽も、水草が茂っている水槽も育成に必要なCO2添加量はほとんど同じです。
- トリミングして水草が減った
- 水草の総数が少ない
などの状態でも、添加量は少なくしない方が良いですよ。
水槽内のCO2濃度は常に良い状態をキープしましょう。
今回は「水草の量とCO2添加量の関係」について解説しました。
トリミングをして水草の量が減ったタイミングなど、水草の数が少ないと直感的にCO2添加量を減らしがちですが、減らさないようにしましょう。
水草の量によって必要なCO2添加量はほとんど変わりません。
添加量は「水量と水質」で判断しましょう。
特に水質は大切ですよ。
元気

