本記事は「水槽の油膜対策」を解説します。
油膜とは水面の浮かぶ膜のような汚れのこと。
特にCO2を添加している水草水槽、海水水槽で発生します。
今はキラキラとした水面を楽しむ「フタをしないスタイル」が主流なので、油膜があると気になりますよね。
そこで今回は「油膜を除去する4つの方法」「油膜除去を続ける期間」「油膜の害」などを詳しく丁寧に解説していきます。
どれも簡単に行える方法ですので取り入れてキレイな水面を維持してください!
タップする目次

油膜とは、水面に浮かんだ有機物系の膜のことです。
水面のキラキラ感が無くなり汚らしく見えてしまいます。
水面を覆うように広がり、光を反射してなんだか汚く見えます。
特にフタをしていない水面を楽しむようなスタイルだと余計に気になりますね。


- CO2添加している水槽(主に水草水槽)
- 海水水槽
こちらの2つのアクアリウムスタイルは基本的に油膜が発生します。
このような水槽を管理するなら予め油膜対策をすることでキレイな水面を保つことができますよ。
- 油膜取りを使う
- 水面を動かす
- エアレーション(ブクブク)をする
- ブラックモーリーに食べてもらう
油膜を除去する方法は大きく分けるとこちらの4つ。
4つとも「原因を取り除き油膜が発生しないようにする」と言うよりも「油膜が発生しているけど見た目に気にならないようにする」ための方法です。
- エアレーション
- ブラックモーリー
こちらの2つの方法は海水水槽には不向きです。
エアレーションは塩ダレが強く発生し、淡水魚であるブラックモーリーは海水では飼育できないからです。
- 確実に油膜を除去できる
- 即効性がある
- 美観が悪い
- フィルターがすぐに目詰まりする
もっとも確実に、かつ素早く油膜を除去できます。
油膜を強力に除去できる代わりに目詰まりが早いです。
どの機種もメンテナンスはマメにする必要がありますよ。
- エーハイム スキマー350
- ADA ブッパⅡ
自宅で使っているのはコイツです。
コストパフォーマンスがとっても良いです。
もちろん油膜もきっちり取れますよ。

僕のイチオシ油膜取りです!
油膜退治をスタイリッシュに行うならこいつ。
お値段もなかなかなので「油膜取り」として考えると躊躇しちゃいますが、格好良さは抜群ですね。
- フィルター排水を利用するので、追加でものを購入しなくて良い
- 水の流れる音が気になるかも
- フィルターの種類によってはできない
水面を混ぜるように動かすと油膜が気にならなくなります。
油膜を消すのではなく「水中に沈める ⇒ フィルターで濾し取る」ことで油膜に対処する感じでしょうか。


フィルター排水を水面より上から水槽に戻すことで油膜を沈めて対処します。
配管が微調節しやすい「外部式フィルター」なら簡単に対応可能ですよ。
水槽設置場所によっては水の音が気になります。
あまり水面から離さないようにしましょう。


- 手軽にどんな水槽にもセットできる
- CO2中毒の予防になる
- 酸欠の予防になる
- ブクブクの音がうるさい
- 泡の飛沫が飛ぶ


こんな感じで泡が水面で弾ける際に油膜を沈めて対処します。
どんな水槽でも簡単に設置できるのが特徴です。
仕組み上、泡が弾ける過程で油膜に対応するので飛沫が飛びます。
そのため、塩ダレがおきる海水水槽には不向きな方法ですよ。



- 1匹で100Lくらいの水量をカバーできる
- 可愛い
- 効果が体調に左右される
- 海水には使えない


水草水槽の油膜退治と言えばコイツと言うくらい有名ですね。
とりあえず1匹入れば油膜をキレイに食べてくれます。
真っ黒い体色が水槽の中でとっても目立つので、好き嫌いが分かれるところ。
グッピーのように雌雄が揃っていると簡単に殖えるので、殖やしたくない方は1匹で飼うか、雌雄どちらかで揃えるようにしましょう。


セット初期など油膜が発生しやすい時期は基本的に常時続けても良いです。
長期間維持している調子の良い水槽でも油膜は発生することがあるので、ずっとなんらかの対策をし続けても良いでしょう。
常時、油膜対策をする場合はこちらの方法がおすすめです。
- 油膜取り
- エアレーション
- ブラックモーリー
海水水槽、水草水槽におすすめの方法です。
強力に油膜を取り除き、かつ飛沫が飛ばないので海水水槽でも使いやすいですよ。
あまり美観がよくないので上手くレイアウトで隠すとよいでしょう。


水草水槽におすすめの方法です。
タイマーを使って「ライト点灯時間、CO2添加時間」と逆に設定すると効率が良いですよ。
一度セッティングしてしまえば後は自動で油膜対策が出来るのでメンテナンスフリーに近いです。
ついでにCO2中毒の予防ができますよ。







ブラックモーリーが好きな方におすすめです。
コイツが元気に泳いでいればモリモリ油膜を食べてくれますので、油膜で悩むことは無いんじゃないでしょうか。
見た目が悪い
こちらが油膜最大の害です。
基本的に生き物や水草の健康状態に直接の影響はありませんので、そこはご安心ください。


CO2を添加している水槽の場合(主に水草水槽)、油膜が水面を覆っているとCO2が空気中にあまり逃げなくなるので「CO2中毒」になる可能性が高くなります。
CO2添加をしている水槽なら、もしもに備えてCO2中毒の対処法を知っておくと良いでしょう。
こちらの記事で詳しく解説しましたので、お時間のある際にぜひご覧ください。





CO2が逃げないということは、CO2添加量を節約できるということですので、ある意味ではメリットとして捉えることもできます。
いいえ。そんなことはありません!
セット初期など、養分が多くバクテリアの数が少ない時期に出やすいので一応、立ち上がりの目安にはなります。
ただし必ずしも「油膜がある=悪い環境」というものではありませんよ。
がっつり油膜が出る水槽でもお魚が元気ということは良くありますので。



油膜が出ているからと言って、過度に心配しなくてもよいですよ!
油膜の発生原因は今現在(2020年5月)はっきりと分かっていません。
私の勉強不足かもしれませんが判明したらお知らせします。
油膜が何からできているかというと、以下の3点が有力候補です。恐らくはこれらが、複合して油膜となっているのだと考えられます。
- バクテリアの死骸
- 有機物
- 鉄バクテリア
セット初期に発生する油膜はコレと有機物が原因だと考えています。
死骸は常に水槽の中で発生し他のバクテリアのご飯になります。
セット初期はバクテリアの数が足りないので、食べきれず、余ったものが油膜になっていると考えられます。
くくりが大きすぎて投げやりな感じですが、有機物が多く含まれる栄養系ソイルを使うと油膜が出やすいので恐らくは原因の一つだろうと考えています。
通常、有機物はバクテリアのご飯になります。そのため、バクテリアが繁殖した環境ではあまり余りません。
「ろ過が安定したら油膜が消えた!」というのはこの辺りが理由なんだと考えています。


水中の二価鉄などを食べるバクテリアです。
こいつは通常、水槽の中にたくさんいます。セット初期(特に栄養系ソイルを使った水槽)の養分がたくさんある状態だと異常に増えてしまい油膜になることもあるのかな?と考えています。
沼や水溜まりに七色に光る油のようなものが浮かんでいるのを見たことはありませんか?それの原因もコイツです。
参考 鉄バクテリアWikipedia今回は「油膜対策」を解説しました。
私の自宅水槽は「エーハイムスキマー350」を常時稼働させています。
仕事で作った水槽はセット時に「エアーレーション」を組み込んでしまうことが多いですね。
油膜は対策法を知っていれば簡単に対処できますので、本記事で油膜から開放されたら幸いです。



水草水槽、海水水槽を趣味にするとずっと油膜と付き合っていくことになりますので、早めに対策法を知っておくと悩まずにすみますよ!