本記事では「硬度が高くても育つ水草」を10種ご紹介します。
「石をたくさん使ったレイアウト」「もともと水道水の硬度が高い」など、硬度が高いとpHが下がりにくいため水草がキレイに育ちません。
良いライト買ったのに、、、
CO2添加しているのに、、、
それなのに水草が育たないという方は、もしかしたら水質に問題があるのかもしれませんよ。
今回はそんな状況でお困りの方へ向けて、比較的硬度が高い環境でもキレイに育ってくれる水草を解説します。
水草が元気に育てば、硬度を構成する「カルシウム」「マグネシウム」を吸収するため、徐々に軟水化します。
まずは今の環境で元気に育つ水草を植えて、水草自身に水質を調整してもらいましょう!
レイアウトに使いやすい種類を中心に選出しました。
丈夫な水草が多いので、ぜひレイアウト制作にご活用ください。

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硬度が高くても育つ水草 = 硬度の高い水質を好む
とよく誤解されますが、本当に硬度の高い水質を好む水草は極1部です。
実際のところは
- 硬度が高くてもなんとか育ってくれる水草
- ミネラル分を好む水草
という感じです。
そのため、「サンゴ砂を足す」「牡蠣殻を入れる」などの硬度を上げることは無意味なばかりか水草の育ちづらい水質になってしまうので絶対に止めましょう。
水草をキレイに育てたいなら「軟水を目指す」というのが基本ですよ。
今回ご紹介する水草も弱酸性、軟水のほうが良く育つのですが、ある程度硬度が高くても育つというもの達です。

流通している水草の99%以上が「弱酸性」「軟水」を好みます!
- パールグラス
- ウィステリア
- ポゴステモン・バンビエン
- セイロンロタラ
- ニューラージパールグラス
- ショートヘアーグラス
- ピグミーチェーンサジタリア
- アルテルナンテラ・レインキー
- アルテルナンテラ・オキプス
- クリプトコリネの仲間
- 小さな葉が可愛い
- 茂みになる
- 中景におすすめ
可憐な小さな葉が可愛らしい水草。
トリミングを繰り返すことで大きな茂みに育てることが可能です。
石を多用したようなかなり硬度の高い環境でもキレイに育ってくれるので重宝しますよ。
小型水槽では中景、後景として、60cm以上の水槽なら中景に使うのがおすすめです。
- 春菊みたい
- 茂みになる
- 中景、後景におすすめ
「春菊」のような切れ込みの入る葉がユニークな水草。
やや大ぶりな葉ですが、トリミングに強くカットしてもあまりいじけません。
マメにカットすれば小さく維持することもできるので、小型水槽でも十分楽しむことができます。
癖のないグリーンの葉色はどんな水景、水草にもマッチしますよ。

お気に入りです!
- テープ状の細葉
- トリミングに強い
- 後景向き
数ある有茎草の中でも、特に細い葉を持つ水草。
成長が早く、すぐに水面に達してしまうのでマメに刈り込むことになりますが、トリミングに強く、カットしてもあまりいじけません。
葉が細長いこと、成長が早いことから後景に向いています。
とてもタフな種類なのでCO2無添加の環境でもある程度のクオリティーを保つことができます。
- ほのかな葉色
- 茂みになる
- 後景向き
くすんだ黄色と緑色を混ぜた独特の色彩が特徴の水草。
軟水で無いと調子を崩すことの多いロタラの仲間ですが、本種は硬度の高い環境でも比較的キレイに育ってくれます。
とても成長が早く、脇芽をたくさん出すのでトリミングを繰り返すと大きな茂みになりますよ。
すぐに背が高くなってしまうことから後景に使うのがおすすめです。
- 垂れ下がるように伸びる
- 低光量でも育つ
- 前景草
丸い葉を絨毯のように広げる前景草。
ある程度硬度の高い環境でも育つ数少ない前景草の1つです。
光量に応じて必要とするCO2量が大きく変化するという特性があります。
硬度が高い環境では水草のCO2吸収効率が低下することから、CO2が不足しがちです。
そのため、硬度が高いなら「あえて暗く」することでキレイに育ってくれる不思議な水草です。
水草のための機材を揃えたのに育たないぁ
なんて時は暗くしてみると、意外とキレイに育つことが多いですよ。
ちなみに、低光量で育てた場合は、葉が小さくなります。
- 芝生みたいな雰囲気
- 色々な水草と組み合わせやすい
- 前景草
芝生のような細長い葉を密集させる前景草。
癖の無い草姿は他の水草と組み合わせやすいです。
特に「丸葉タイプ」の水草と相性がよく、組み合わせてレイアウトすることで、より自然感の強い水景になります。

「見た目」「育成のしやすさ」からレイアウトに使う頻度の高い水草です!
- 良い意味で雑草感がある
- 自然感が強い
- 中景におすすめ
草むらのような雰囲気を表現できる水草。
単独で使うよりも、細葉、丸葉、有茎草など他の水草と組み合わせることで真価を発揮します。
あまり密生感は出ないので、ワンポイント的に取り入れるのがおすすめです。
世界水草レイアウトコンテスト2015、2019に出品した水槽に使いました。
制作過程を記事にまとめましたので、興味のある方はぜひご覧ください。


- 硬度が高くてもキレイに赤くなる
- 成長が緩やか
- 中景、後景におすすめ
硬度が高い環境でもしっかり赤くなってくれる水草。
CO2無添加でも育成できますが、しっかりキレイに育てるなら添加したほうが良いですよ。
成長が緩やかなので、小型水槽の後景として、60cm以上の水槽なら中景に使うのがおすすめです。
「葉裏」のほうがより鮮やかな赤色なので、上手く葉の裏側が見えるように配置できると本種の魅力を存分に楽しめます。
- ほのかに色づく
- 成長が緩やか
- 中景、後景におすすめ
ほのかに色づく葉がとても繊細な雰囲気を作る水草。
比較的大振りな葉が多いアルテルナンテラの中でも小さい種類なので、小型水槽にも取り入れやすいです。
成長が緩やかなので、中景のワンポイントとしておすすめです。
以前はポピュラーな水草でしたが、最近では流通量が減りあまり見かけなくなりました。
水草に強い店舗でないと手に入りづらいかもしれません。
- 環境によって色が変わる
- 低光量でもきれい育つ
- 成長が緩やか
スリランカを原産とするクリプトコリネの多くは、硬度が比較的高い環境でもキレイに成長します。
全体的に葉色の渋い種類が多いので、落ち着いた色合いの水景を作りたいときのおすすめです。
低光量、CO2無添加でも比較的きれいに育つので初心者の方にもおすすめですよ。
水質調整をして水草に適したものにするのがベストですが、水質調整はなかなか大変です。
そのため、「今の環境でも育つ水草を使う」という考え方も大切ですよ。
硬度を構成する成分「カルシウム」と「マグネシウム」は水草の必須栄養素でもあります。
元気に水草が育つと吸収しますので、カルシウム、マグネシウムが少なくなり「軟水化」します。
時間はかかりますが、水草自身の水質調整能力を活かすことでも「水草水槽に最適な水質」を作ることができますよ。
なお、pHと硬度を下げる方法はこちらの記事で詳しく解説しました。
興味のある方はぜひご覧ください。

pH 5.5~6.5
こちらが水草に適した水質です。
硬度が高いとpHが下がりづらくなってしまうため、水草の元気がなくなってしまうことがあります。
- 優秀なライト
- CO2の添加
など、水草育成に必要と言われているものを揃えたのに、上手く育たない場合はもしかしたら水質に問題があるのかもしれません。
こちらの記事で水草水槽の水質について詳しく解説しましたので、興味のある方はぜひご覧ください。

水草の配置のコツをこちらの記事で詳しく解説しました。
レイアウトの作る際はぜひ参考にしてみてください。

こちらでご紹介している「丈夫な水草」のほとんどが硬度が高い環境でも成長してくれます(例外もありますが)。
丈夫な水草をお探しの方はぜひご覧ください。

今回は「硬度が高くても育つ水草」を10種ご紹介しました。
元気に育つ水草が1つでもあると、水草自身の水質調整能力で「水草が好む水質」になります。
少しづつの変化なので時間はかかりますが、確実に水草がキレイに育つようになっているのが確認できるはずです!

まずは「今の環境で育つ水草」を探すようにしましょう!