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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は淡水魚の「尾腐れ病、口腐れ病、エラ腐れ病の治療法」を解説します。
これらは金魚、メダカ、ベタ、熱帯魚など、水槽で飼育しているお魚がかかるカラムナリス症という病気のこと。
お魚に発生する細菌感染症として最もメジャーなものですので治し方を知っておくといざという時に役立ちます。
「治療一連の流れ」「おすすめの魚病薬」などを初心者の方にも分かりやすく丁寧にご紹介しますのでぜひご覧ください。
尾腐れ病、口腐れ病、エラ腐れ病とは、カラムナリス菌(Flavobacterium columnare)という菌が原因で発症する病気です。
原因になる菌は同じですが感染している場所に応じて
- ヒレに感染⇒ 尾腐れ病、ヒレ腐れ病
- 口に感染⇒ 口腐れ病
- エラに感染⇒エラ腐れ病
- 体表に感染⇒ 特に名称はありません
このように名称が変わります。
感染部位が白濁する⇒充血⇒壊死(ボロボロになる)というように変化することが多いです。
カラムナリス菌は水槽に常にいる常在菌のため、季節の変わり目などお魚が弱りやすい時期に発症しやすいです。
感染箇所が溶けるようにボロボロになるのはカラムナリス菌が強力なタンパク質を分解する酵素を出すためです。
早めに発見し対処できれば治癒率は高いです!
まずはざっくりと治療の流れから見ていきましょう。
全行程は1~2週間程度かかると思っててくださいね。
お魚を良く観察して「白濁」「充血」「ボロボロになっている」ところが無いかチェックしましょう。
もし、見つかるようならそれは白点病かもしれません。
※エラ腐れ病は発見が難しいので全体的な雰囲気で判断しましょう。
最初から魚病薬を使って治療にあたると早く治ります。
基本的に殺菌作用のある魚病薬を使用します。
- グリーンFゴールド顆粒、エルバージュエースなど
お魚の体から症状が消えても数日間は再発する可能性が高いです。
治ったと判断した後も2~3日間は薬浴を続けて様子をみましょう。
1~2日程度様子を見て再発しないようなら治療を終了してください。
感染、治療によりお魚の体力が下がっているので、しばらくはよく観察して再発が無いか気をつけましょう。
まず最初に必要なことはこちらの5点。
こちらをクリアしてから、実際の治療方法へ進みましょう。
まず必要なことはカラムナリス症に罹っているかどうかの確認です。
どこに感染しているかで微妙に症状が変わります。
- ヒレ⇒ ヒレの縁が白濁する、充血する
- 口⇒ 口が白っぽくなる、ボロボロと破れたようになる
- 体表⇒ 体の一部分、全体が白っぽい
- エラ⇒ ヒレを畳んでいる、魚が底でじっとしている、餌食いが悪い、フラフラとしている
このような感じです。
基本的には感染部位が白っぽくなるのが特徴です。
エラに感染している場合は見た目からエラを確認できないので「元気が無い様子」を確認できるかが発見の鍵です。
「見た目に異常は無いけれどなんとなく元気が無い」なんて時はエラに感染していることもあるので注意しましょう。
エラに感染している場合は呼吸が早くなることが多いのでそこもチェックしてみてください!
- グリーンFゴールド顆粒
- エルバージュエース
こちらの薬がおすすめです。
どちらも病気に対する有効範囲が広くお魚の病気治療でよく使う薬です。
カラムナリス症自体も発症例の多い病気ですから常備薬として予め準備しておくと安心ですね。
グリーンFゴールド顆粒の使い方、エルバージュエースの使い方は別記事で詳しく解説していますのでご利用前にご覧ください。
その他のカラムナリス症治療薬
- 初期エロモナス症対策におすすめの薬
- カラムナリス症に対しても少し効く
- 液体タイプのため計量が簡単
- 水温変化を少なくしお魚への負担を減らす
ヒーターを使用する目的はこちら。
ヒーターの設置は必ずしも必要なものではありませんが設置することで水温のブレを少なくすることができます。
3~5月、梅雨時期、9~10月などは気温差が激しいことからお魚も調子を崩しやすい時期です。
ヒーターをセットすれば簡単に水温変化を少なくすることができますので、予算に余裕があるならぜひ使用しましょう。
熱帯魚の場合は普段の飼育でヒーターを使用しているはずですから、気温に合わせて水温を調整しましょう。
メダカや金魚などはヒーターを使用していない方も多いはずですから、病気治療用に用意すると良いです。
水温はお魚に合わせて調整すればOKです。
ヒーターの設置は水温の変化を少なくするのが目的ですので「この水温にしなければならない」というものではありません。
以下を目安にヒーターで調整してブレを少なくしましょう。
- 熱帯魚⇒ 25~30℃程度
- メダカ⇒ 20~30℃程度
- 金魚⇒ 20~30℃程度
ヒーターが無いと治療できないわけではありませんが、あると治療しやすくなります。
- グリーンFゴールド顆粒
- エルバージュエース
こちらの薬は水草やろ過バクテリアにダメージがあることから隔離水槽での薬浴をおすすめします。
隔離水槽についてはこちらの記事で詳しく解説しましたので、ぜひご覧ください。
- グリーンFゴールド顆粒
- エルバージュエース
こちらの魚病薬を使い治療する方法です。
ろ過バクテリア、水草にダメージのある薬なので隔離水槽で薬浴を行いましょう。
薬浴中は餌を無理に与える必要はありません。
食べないようなら、体力の回復を待ち「餌を食べる元気」が回復したら与えてください。
食べるなら餌を与えても良いですが、消化するのにも体力を使うので治療中は少なめに与えましょう。
隔離水槽については別記事にて詳しく解説しましたので先にこちらの記事をご覧ください。
「グリーンFゴールド顆粒」を使った治療手順をご紹介します。
エルバージュエースの場合も基本的には同様の手順でOKです。
お魚の様子を確認してください。
もし、何か異変がある場合は、50%程度換水をし薬を抜き様子をみましょう。
50~100%程度換水を行い、薬を抜きましょう。
カラムナリス症の症状が消えているようなら薬浴は終了です。
症状がまだある、元気が無いなどの場合は再度薬を投入し薬浴を続けましょう。
お魚の様子を確認してください。
薬浴を継続している場合、お魚に何か異変があれば換水して薬を抜きましょう。
治療の終わったお魚を飼育水槽へ戻して治療を終えてください。
7日に再度薬を投入している場合は、50%程度換水を行い薬を抜きましょう。
もう3~7日程度様子を見て再発が無いようなら、お魚を飼育水槽へ戻し治療を終えてください。
- グリーンFゴールド顆粒、エルバージュエースで薬浴をする際は隔離水槽を用意しましょう。
- エルバージュエースの方が効きますが負担が大きいです。
- 塩水浴を組み合わせてると効果的です。
- お魚が何らかの原因で弱った
- 病魚の持ち込み
ざっくり言うとこちらの2つが原因であることが多いです。
常在菌であるカラムナリス菌は基本的に水槽内から根絶することが難しいです。
そのため「お魚を健康に維持すること」が最善の予防策です。
- 水温変化
- 水の汚れ
- 餌が古い
- ケンカのストレス
- 痩せてしまった
などなど、お魚が弱ると病気になりやすいと考えてOKです。
「これがカラムナリス症になった原因です」と断言できるケースは少ないのですが、日々健康に過ごせるようにするのが病気予防の近道です。
人が季節の変わり目に風邪を引きやすいようにお魚も水温変化が激しい時期は調子を崩しやすいです!
- カラムナリス症になっているお魚を導入してしまった
- 症状は出ていないけれどキャリアになっているお魚を導入してしまった
などなど、新しくお魚を水槽に入れる際にカラムナリス菌を持ち込んでしまうことがあります。
病魚を持ち込むと教室でインフルエンザが流行するような感覚で健康なお魚も病気に負けてしまうことが多いのです。
なるべく健康な個体を導入するように注意すると良いでしょう。
「症状は出ていないけれどキャリアになっているお魚」←こちらは見た目から判断するのは極めて難しいのが現状です。
新しくお魚を導入する際はどれだけ努力をしても、病気を持ち込むリスクを0にできないということを覚悟しましょう。
水槽という閉鎖空間は病気が流行しやすいと言えます!
暖かい時期に多い病気です。
基本的に菌は温かいと活性が高まります。
お魚の活性が高い水温 = カラムナリス菌の活性が高い水温ですので、3~10月程度に多く発生する病気と言えるでしょう。
特に暖かくなる3~4月頃はメダカや金魚を中心に発症例が多くなります。
塩水浴にはカラムナリス菌を直接倒す力はありませんがお魚の調子を整える効果があります。
隔離水槽にて薬浴をするなら薬と一緒に塩水浴も同時に行うと良いでしょう。
塩水浴の方法は別記事で詳しく解説していますので本記事と併せてご覧ください。
お魚の病気の原因と予防法についてはこちらで詳しく解説しました。
正直なところ、100%予防できる方法はありませんが、気をつけることである程度防ぐことはできます。
興味のある方はぜひご覧ください。
今回は「尾腐れ病、口腐れ病、エラ腐れ病の治療法」を解説しました。
カラムナリス症は対処法を知り早めに対応することで十分に治療できます。
重症化してしまうと、治癒までに時間がかかりお魚の体力勝負になることが多いので、早め早めの対応がポイントですよ!
グリーンFゴールド顆粒、エルバージュエースは常にストックしておくと便利です!
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