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【CO2添加入門】発酵式CO2キットのセッティング方法と使い方

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本記事では発酵式CO2キットのセッティング方法と使い方について解説します。

発酵式CO2キットはボンベや配管のセッティングを必要とせず手軽にCO2添加を行えます。

菌による発酵によってCO2を発生させるので、適度は気温(15℃~30℃)と待ち時間さえあれば連続してCO2添加を行えるようになります。

「CO2を添加してみたいけど、難しいイメージが、、、」なんて方がCO2添加の感覚を掴むのにピッタリの添加方法です。

本格的な水草水槽を作るには不向きですが、小型水槽で丈夫な水草を育てるには十分な効果があります。

初心者の方にも分かりやすく解説していきますので、興味のある方はぜひご覧ください。

ちなみに、本格的な水草水槽を作るなら高圧ボンベ式CO2添加キットがおすすめです!

この記事の著者
轟元気

プロアクアリスト

轟元気

とどろきげんき

プロフィール

業界歴19年の中堅。現在は有限会社エイチ・ツーに所属し埼玉県坂戸市にあるアクアリウムショップ「e-scape」の店長をしています。本ブログ、Ordinary-Aquariumでは「水草水槽の知識」を中心に今までの経験を基にした実践的な知識、技術を初心者の方にも分かりやすく解説しています。プロフィール詳細リンク、転載、引用について

発酵式CO2添加ってどんなもの?

アルコール発酵

アルコール発酵の際に発生するCO2を水槽へ添加する方式です。

アルコール発酵とは「糖分を酵母菌が発酵」させてエタノールをつくる反応のこと。

この時、副産物としてCO2ができます。

お酒のシャンパンをイメージすると分かりやすいでしょうか。

菌の力を借りてCO2を発生させるので、添加量が不安定ですがコスパの良い添加方式ですよ。

元気
元気

お酒を作る過程と一緒です!

発酵式CO2添加のメリット、デメリット

メリット

  • 初期投資が安い
  • コスパが良い
  • 発酵の勉強にもなる

デメリット

  • CO2量が不安定
  • 培地の交換が面倒
  • 大型水槽には不向き

メリット解説

初期投資が安い

発酵式CO2添加の最大のメリット。

セット一式を購入しても数千円程度なので、CO2添加方法の中では割安です。

「いきなり高圧ボンベを使ったCO2セットは使うのは抵抗がある」という方が試しに導入するのにおすすめですよ。

コスパが良い

要するに糖分と酵母菌を交換すれば良いのでとても割安です。

メーカーから出ている専用のものを使うのがおすすめですが、さらに安く済ませるなら「砂糖」と「イースト菌」をスーパーで買いましょう。

発酵の勉強にもなる

CO2を添加し水草を育てながら発酵のことも知ることができます。

水槽管理とは関係ありませんが、夏休みの自由研究などお子さんの勉強に丁度よいです。

メリット解説

CO2量が不安定

菌による発酵は温度によって反応速度に差が出ます。

そのため、夏と冬でCO2添加量が変わってしまいます。

培地の交換が面倒

発酵が終わったら培地をもう一度セットし直さなければなりません。

最初に行ったセッティングを培地交換毎に行う必要があるので面倒です。

大型水槽には不向き

大型水槽に合わせた添加量を発酵式で作ろうとするとかなり大きなボトルが必要です。

発酵式は小型水槽用(45cm以下)と割り切って考えましょう。

発酵式CO2添加はこんな人におすすめ!

  • 小型水槽ユーザー
  • とりあえずCO2添加の感覚を知りたい方
  • 発酵という現象を楽しめる方
  • メンテナンスに時間をかけられる方

発酵式CO2添加は添加量が不規則になりがちなことから、「小型水槽」で「丈夫な水草」を綺麗に育てるものと考えると失敗が少ないと思います。

大なり小なりCO2を添加するということには代わりありませんので、まずCO2添加の効果を肌で感じてみたいという「お試し用品」として優秀です。

「発酵」という菌がおりなす不思議な現象を楽しめると上手に発酵式と付き合えると思います。

仕様上、定期的な培地交換が必要なのでその作業を楽しみながらできるとなお良いですね。

元気
元気

本格的な水草水槽を作るなら高圧ボンベ式のCO2セットをおすすめします!

おすすめの発酵式CO2添加キット

こちらの2つは必要なものはとりあえず揃っている発酵式CO2添加のエントリーモデルです。

セット方法も直感的に理解できるようなマニュアルがついてくるので初心者の方でも使いやすいです。

セッティング方法

NEO CO2
「NEO CO2」のパッケージ裏

ここではタイムストップ NEO CO2を例にしたセッティング方法をご紹介します。

お湯を入れる

40~50℃程度のお湯を入れます。

培地の量に応じてお湯の量が変わるので注意してください。

  • 30DAYS → 200ml
  • 50DAYS → 300ml
密閉蓋をして100回振る

頑張りましょう(笑)

24時間放置する

お急ぎの方は「冷蔵庫で3時間冷やす → 常温に戻す」でもOKです。

お湯を再度入れる

40~50℃程度のお湯を200ml入れます。

バイオを1袋入れる

混ぜないように注意してください!

接続蓋をする

パッキンをセットするのを忘れないように注意しましょう。

チューブと拡散器を水槽にセット

キスゴムを使ってガラス面にしっかり固定しましょう。

CO2添加

大体24時間以内には発酵が始まりCO2が出ます。

MEMO

しばらく使っていてCO2発生量が少なくなってきたら、上澄み液を捨てて「STEP4、5」をもう一度行いましょう。しばらくするとCO2が出るようになるはずです。

培地の交換

「NEO CO2 リフィル50」

最初に入れた培地が無くなってきたら交換しましょう。

交換培地「NEO CO2 リフィル50」を最初にセットした時と同様にセッティングすればOKです。

MEMO

GEX 発酵式水草CO2 スターターセットの場合は「発酵式水草CO2セット 詰替用パウダー」という商品を使いましょう。

元気
元気

発酵の進み方で交換時期が前後します。夏場は早めに無くなり冬場は長持ちします。

おすすめの水槽サイズ

30~45cm程度の水槽

発酵式CO2添加は20~30L程度の水量の水槽に向いています。

添加量の微調節が難しいことから小さな水槽には不向きですのでご注意ください。

注意

10L以下の水槽はCO2中毒の危険が高くなりますので使用をおすすめしません。

発酵式CO2添加キットの設置場所

  • 温かい → CO2発生量が「多い」 けど無くなるのが早い
  • 寒い → CO2発生量が「少ない」けど長持ち

ある程度暖かくないと発酵が進まずCO2が出てきません。

なるべく水槽に近い位置にボトルを設置して水槽からの予熱で温まるようにすると良いでしょう。

発酵は温度によって反応量に差がでます。

冬季はボトルにタオルを巻くなど寒くならないように工夫するとCO2発生量を確保することができます。

MEMO

室温15~30℃程度で使用すると色々と不具合が少ないです。

添加量の調整はできるの?

発酵式CO2添加キットは添加量の調整が難しいです。

基本的に発酵で発生したCO2をそのまま水槽へ添加しましょう。

発酵させてCO2を発生させる仕様上、CO2添加量を増減させる調整は大変です。

微調整するように工夫することもできるのですが、簡単にセット、取り扱いができるという発酵式CO2添加のメリットが無くなってしまいます。

水量に合わせて添加量を変えるなら高圧ボンベ式CO2添加キットを使いましょう。

添加量の微調節をするなら

  • CO2発生量を増やす⇒ ボトルを温める
  • CO2発生量を減らす⇒ 培地に塩を混ぜる

このようにすることである程度CO2発生量を調整することができます。

ボトルを温めると反応速度が上がるのでCO2発生量を増やすことができます(25~30℃程度)。

冬季はパネルヒーターを下にセットするなどの対応をすると夏季と同じくらいのCO2発生量をキープできます。

CO2発生量を減らすなら培地に「塩or重曹」を混ぜましょう。

反応速度を遅らせてCO2発生量を減らすことができるので1g程度を目安に入れて調整しましょう。

CO2の添加時間は?

CO2は通常ライトの点灯時間に合わせて添加するのですが発酵式CO2添加キットはON/OFFできないので24時間添加しましょう。

「20~30L程度の水量」なら24時間添加してもCO2中毒にはならないはずです。

CO2中毒を予防する方法

ライトを消している間、エアレーション(ぶくぶく)をすることでCO2中毒を予防することができます。

予めセットしておくことで安心してCO2添加を行えるようになります。

水草水槽のエアレーションについてはこちらの記事で詳しく解説しましたのでぜひご覧ください。

もしもCO2中毒になったら

すぐに80%程度、カルキを中和した水道水で換水をしましょう。

新鮮な空気を含む水道水を使うことで、一気に「ガス抜き&酸素供給」することができます。

CO2中毒の対処法はこちらの記事でまとめましたので、もしもに備えて予習しておくとよいでしょう。

発酵式CO2キットで育てられる水草

丈夫な水草を育成するのに向いています!

発酵式でも十分な量のCO2が発生していれば、他の添加方式と同様にどんな水草でも育てることができます(ライトなど他の要素も揃えれば)。

しかし、発酵式はCO2発生量が気温に左右されることから添加量が不規則になりがちです。

そのため「丈夫な水草」をメインにした水槽向きですよ。

丈夫な水草はこちらでまとめてご紹介していますので、水草探しにご利用ください!

丈夫な水草

なんで本格的な水草水槽には不向きなの?

ある程度のクオリティーを水草水槽に求めるなら「安定して十分な量のCO2を添加する必要」があります。

残念ながら気温によってCO2発生量の変わる発酵式は安定してCO2を添加できるとは言えません。

日々、微調整すれば安定してCO2を供給することも可能なのですがかなりの手間がかかります。

発酵式はコスパが良いのがメリットですが、本格的にCO2を添加する際の作業量まで含めるとコスパが良いとは言えませんね。

本格的に水草を育てるなら高圧ボンベ式CO2添加キットを使うほうが簡単だと思いますよ!

元気
元気

発酵式はあくまでライトにCO2添加を楽しむものと考えましょう。

まとめ

今回は「発酵式CO2キットのセッティング方法と使い方」を解説しました。

数千円でキット一式が揃い、ある程度CO2が添加できる発酵式は「とりあえずCO2添加を始めてみたい方」に丁度よいアイテムだと思います。

CO2を添加すると水草の調子が良くなることを実感できるはずなので、さらに本格的な水草レイアウトを作りたくなったら「高圧ボンベ式CO2添加キット」にステップアップしましょう!

元気
元気

お試し用のCO2添加キットとしておすすめです!