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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事では「発酵式CO2キットのセッティング方法と使い方」について解説します。
発酵式CO2キットはボンベや配管のセッティングを必要とせず手軽にCO2添加を行えます。
菌による発酵によってCO2を発生させるので、適度は気温(15℃~30℃)と待ち時間さえあれば連続してCO2添加を行えるようになります。
「CO2を添加してみたいけど、難しいイメージが、、、」なんて方がCO2添加の感覚を掴むのにピッタリの添加方法です。
本格的な水草水槽を作るには不向きですが、小型水槽で丈夫な水草を育てるには十分な効果があります。
初心者の方にも分かりやすく解説していきますので、興味のある方はぜひご覧ください。
ちなみに、本格的な水草水槽を作るなら「高圧ボンベ式CO2添加キット」がおすすめです!
アルコール発酵の際に発生するCO2を水槽へ添加する方式です。
アルコール発酵とは「糖分を酵母菌が発酵」させてエタノールをつくる反応のこと。
この時、副産物としてCO2ができます。
お酒のシャンパンをイメージすると分かりやすいでしょうか。
菌の力を借りてCO2を発生させるので、添加量が不安定ですがコスパの良い添加方式ですよ。
お酒を作る過程と一緒です!
- 初期投資が安い
- コスパが良い
- 発酵の勉強にもなる
- CO2量が不安定
- 培地の交換が面倒
- 大型水槽には不向き
初期投資が安い
発酵式CO2添加の最大のメリット。
セット一式を購入しても数千円程度なので、CO2添加方法の中では割安です。
「いきなり高圧ボンベを使ったCO2セットは使うのは抵抗がある」という方が試しに導入するのにおすすめですよ。
コスパが良い
要するに糖分と酵母菌を交換すれば良いのでとても割安です。
メーカーから出ている専用のものを使うのがおすすめですが、さらに安く済ませるなら「砂糖」と「イースト菌」をスーパーで買いましょう。
発酵の勉強にもなる
CO2を添加し水草を育てながら発酵のことも知ることができます。
水槽管理とは関係ありませんが、夏休みの自由研究などお子さんの勉強に丁度よいです。
CO2量が不安定
菌による発酵は温度によって反応速度に差が出ます。
そのため、夏と冬でCO2添加量が変わってしまいます。
培地の交換が面倒
発酵が終わったら培地をもう一度セットし直さなければなりません。
最初に行ったセッティングを培地交換毎に行う必要があるので面倒です。
大型水槽には不向き
大型水槽に合わせた添加量を発酵式で作ろうとするとかなり大きなボトルが必要です。
発酵式は小型水槽用(45cm以下)と割り切って考えましょう。
- 小型水槽ユーザー
- とりあえずCO2添加の感覚を知りたい方
- 発酵という現象を楽しめる方
- メンテナンスに時間をかけられる方
発酵式CO2添加は添加量が不規則になりがちなことから、「小型水槽」で「丈夫な水草」を綺麗に育てるものと考えると失敗が少ないと思います。
大なり小なりCO2を添加するということには代わりありませんので、まずCO2添加の効果を肌で感じてみたいという「お試し用品」として優秀です。
「発酵」という菌がおりなす不思議な現象を楽しめると上手に発酵式と付き合えると思います。
仕様上、定期的な培地交換が必要なのでその作業を楽しみながらできるとなお良いですね。
本格的な水草水槽を作るなら高圧ボンベ式のCO2セットをおすすめします!
こちらの2つは必要なものはとりあえず揃っている発酵式CO2添加のエントリーモデルです。
セット方法も直感的に理解できるようなマニュアルがついてくるので初心者の方でも使いやすいです。
ここではタイムストップ NEO CO2を例にしたセッティング方法をご紹介します。
40~50℃程度のお湯を入れます。
培地の量に応じてお湯の量が変わるので注意してください。
- 30DAYS → 200ml
- 50DAYS → 300ml
頑張りましょう(笑)
お急ぎの方は「冷蔵庫で3時間冷やす → 常温に戻す」でもOKです。
40~50℃程度のお湯を200ml入れます。
混ぜないように注意してください!
パッキンをセットするのを忘れないように注意しましょう。
キスゴムを使ってガラス面にしっかり固定しましょう。
大体24時間以内には発酵が始まりCO2が出ます。
最初に入れた培地が無くなってきたら交換しましょう。
交換培地「NEO CO2 リフィル50」を最初にセットした時と同様にセッティングすればOKです。
発酵の進み方で交換時期が前後します。夏場は早めに無くなり冬場は長持ちします。
30~45cm程度の水槽
発酵式CO2添加は20~30L程度の水量の水槽に向いています。
添加量の微調節が難しいことから小さな水槽には不向きですのでご注意ください。
- 温かい → CO2発生量が「多い」 けど無くなるのが早い
- 寒い → CO2発生量が「少ない」けど長持ち
ある程度暖かくないと発酵が進まずCO2が出てきません。
なるべく水槽に近い位置にボトルを設置して水槽からの予熱で温まるようにすると良いでしょう。
発酵は温度によって反応量に差がでます。
冬季はボトルにタオルを巻くなど寒くならないように工夫するとCO2発生量を確保することができます。
発酵式CO2添加キットは添加量の調整が難しいです。
基本的に発酵で発生したCO2をそのまま水槽へ添加しましょう。
発酵させてCO2を発生させる仕様上、CO2添加量を増減させる調整は大変です。
微調整するように工夫することもできるのですが、簡単にセット、取り扱いができるという発酵式CO2添加のメリットが無くなってしまいます。
水量に合わせて添加量を変えるなら高圧ボンベ式CO2添加キットを使いましょう。
- CO2発生量を増やす⇒ ボトルを温める
- CO2発生量を減らす⇒ 培地に塩を混ぜる
このようにすることである程度CO2発生量を調整することができます。
ボトルを温めると反応速度が上がるのでCO2発生量を増やすことができます(25~30℃程度)。
冬季はパネルヒーターを下にセットするなどの対応をすると夏季と同じくらいのCO2発生量をキープできます。
CO2発生量を減らすなら培地に「塩or重曹」を混ぜましょう。
反応速度を遅らせてCO2発生量を減らすことができるので1g程度を目安に入れて調整しましょう。
CO2は通常ライトの点灯時間に合わせて添加するのですが発酵式CO2添加キットはON/OFFできないので24時間添加しましょう。
「20~30L程度の水量」なら24時間添加してもCO2中毒にはならないはずです。
ライトを消している間、エアレーション(ぶくぶく)をすることでCO2中毒を予防することができます。
予めセットしておくことで安心してCO2添加を行えるようになります。
水草水槽のエアレーションについてはこちらの記事で詳しく解説しましたのでぜひご覧ください。
すぐに80%程度、カルキを中和した水道水で換水をしましょう。
新鮮な空気を含む水道水を使うことで、一気に「ガス抜き&酸素供給」することができます。
CO2中毒の対処法はこちらの記事でまとめましたので、もしもに備えて予習しておくとよいでしょう。
丈夫な水草を育成するのに向いています!
発酵式でも十分な量のCO2が発生していれば、他の添加方式と同様にどんな水草でも育てることができます(ライトなど他の要素も揃えれば)。
しかし、発酵式はCO2発生量が気温に左右されることから添加量が不規則になりがちです。
そのため「丈夫な水草」をメインにした水槽向きですよ。
丈夫な水草はこちらでまとめてご紹介していますので、水草探しにご利用ください!
ある程度のクオリティーを水草水槽に求めるなら「安定して十分な量のCO2を添加する必要」があります。
残念ながら気温によってCO2発生量の変わる発酵式は安定してCO2を添加できるとは言えません。
日々、微調整すれば安定してCO2を供給することも可能なのですがかなりの手間がかかります。
発酵式はコスパが良いのがメリットですが、本格的にCO2を添加する際の作業量まで含めるとコスパが良いとは言えませんね。
本格的に水草を育てるなら高圧ボンベ式CO2添加キットを使うほうが簡単だと思いますよ!
発酵式はあくまでライトにCO2添加を楽しむものと考えましょう。
今回は「発酵式CO2キットのセッティング方法と使い方」を解説しました。
数千円でキット一式が揃い、ある程度CO2が添加できる発酵式は「とりあえずCO2添加を始めてみたい方」に丁度よいアイテムだと思います。
CO2を添加すると水草の調子が良くなることを実感できるはずなので、さらに本格的な水草レイアウトを作りたくなったら「高圧ボンベ式CO2添加キット」にステップアップしましょう!
お試し用のCO2添加キットとしておすすめです!
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