今回は初期エロモナス症の治療に効果的な「観パラD、グリーンFゴールドリキッドの使い方」を解説します。
どちらも液体タイプで使いやすく、小さなサイズもあるので小型水槽でも使いやすい薬です。
初期、中期症状のエロモナス症には「観パラD」「グリーンFゴールドリキッド」を使い、重症のエロモナス症には「エルバージュエース」と使い分けると良いでしょう。
殺菌剤としては珍しく、ろ過バクテリアへのダメージが少ないので急ぎの場合は飼育水槽へ入れる使い方も出来ますよ。
元気

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どちらも「オキソリン酸」を主成分とする薬です。
違うのは「濃度」
観パラDの方がより濃いので、少ない投入量ですみます。そのため、コスパが高いですよ。
グリーンFゴールドリキッドはコスパが悪いのですが、濃度が薄い分、小型水槽でも使いやすいです。
効果は変わりませんので、使いやすい方を使えば良いでしょう。
観パラD | グリーンFゴールドリキッド | |
コスパ | ○ | △ |
使いやすさ | ○ | ◎ |
主に「初期、中期のエロモナス症」治療薬です。
その他、こちらの病気にも効果があります。
- カラムナリス症(初期症状なら)
- コショウ病(初期症状なら)
- 白雲病(効果は限定的です)
- エビの細菌感染症(初期症状なら)
細菌の仲間「エロモナス」の感染によって起きる病気の総称です。
・エロモナス サルモニシダ
・エロモナス ハイドロフィラ
などが原因菌として有名ですよ。
感染する箇所、症状から病名が変わります。
- 運動性エロモナス症
- 赤斑病
- 穴あき病
- 松かさ病
などと呼ばれている病気はエロモナス菌が原因であることが多いですよ。
「無色透明の液体」のお薬です。
※グリーンFゴールドリキッドは黄色です
規定量を入れましょう。
他の薬と違い、薬液の色で濃度、効果を測ることが出来ません。
そのため、投入日、投入量をメモるようにしましょう。
基本的に「隔離水槽」での薬浴をオススメしますが、ろ過バクテリアへのダメージが限定的なので飼育水槽へ投入する方法もありますよ。
熱帯魚など「小型魚」を対象とした投薬例です。
隔離水槽をセッティングし、薬を入れましょう。
準備が整ったら病魚を移して治療スタートです。
お魚の様子を確認してください。
もし、何か異変がある場合は、換水をして薬を抜き様子をみましょう。
50%程度換水を行い、薬を抜きましょう。
治癒しているようなら薬浴は終了です。
症状がまだ残っている場合、再度薬を投入し薬浴を続けましょう。
※投薬量は換水した水量分です
お魚の様子を確認してください。
もし、再発があるようなら薬を追加して、再度薬浴を行ってください。
薬浴を続けている場合、お魚に何か異変があれば、換水して薬を抜きましょう。
治療の終わったお魚を飼育水槽へ戻して治療を終えてください。
STEP3で再度、薬を投入している場合は、50%程度換水を行い薬を抜きましょう。
もう3日~7日程度様子を見て再発が無いようなら、お魚を飼育水槽へ戻し治療を終えてください。
ここまでで治らないようなら、投入量を1.5倍~2倍に増やし再度STEP1より薬浴をスタート or 薬を「エルバージュエース」に切り替えて薬浴をしましょう。
「薬餌」を作り与える方法です。
特にエロモナス菌がお腹に入って起こる「腹水病」に効果があります。
観パラDは薬餌にするとかなり強い効果を発揮するのですが、薬害もキツく出ることがあります。
グリーンFゴールドリキッドは、その逆ですね。
どちらを使う場合も必ずお魚の調子を見ながら行いましょう。
スポイトなどを使い、薬を「1滴」餌の上に落としましょう。
1分程度待てば薬餌の完成です。
※餌は薬を吸い込みやすい「顆粒状」のものが適しています。
普段、与えている量の「半分程度」を与えましょう。
薬害もあるので3日を限度に与えてみてください。
オキソリン酸 :50mg
オキソリン酸:500mg
水酸化ナトリウム94mg
黄色4号:微量
精製水:適量
ざっくり言うと観パラDはグリーンFゴールドリキッドの「10倍の濃度」です。
10Lに対して、1ml程度です。
本体のフタが計量カップ代わりになりますよ。
サイズによってフタの大きさが変わります。
詳しくは説明書を御覧くださいませ。
10Lに対して、10ml程度です。
観パラDに対して10倍投入しなければならないので、水量の多い水槽には不向きです。
5L以下の水量で使うと良いと思います(しっかり計量出来る方は観パラDをオススメしますが)
- 紫外線で分解される
- 活性炭、ゼオライトで無効化されてしまう
- 薬浴は隔離水槽で
- 生き物によっては使えない
・紫外線で分解される
紫外線で成分が分解され薬効を失います。
太陽光が当たる水槽では効果が下がるのでご注意ください。
・活性炭、ゼオライトで無効化されてしまう
「吸着系ろ材」は薬を吸着して無効化してしまいます。
薬浴時は予め取り除いておきましょう。

・薬浴は隔離水槽で
ろ過バクテリアに多少ダメージがある
水草を枯らす
以上の点から、薬浴は隔離水槽で行うことをオススメします。
この薬はろ過バクテリアへのダメージは限定的なので、隔離水槽をすぐにご用意出来ない場合は飼育水槽へ投入する手段もありますよ(水草はダメになりますが)

・生き物によっては使えない
古代魚、ナマズの仲間などは薬にあまり強くありません。
耐性は魚種によって異なり、まったく駄目というわけではないので、薬浴する際は詳しい方に聞いてみましょう。
隔離水槽で薬浴する場合、「塩水浴」と合わせて行うとより効果的ですよ。
塩水浴についてはこちらで詳しく解説しましたので、御覧ください。

エビの細菌感染症に効果があります。
「エビが1日数匹づつ死んでいる」「外傷は無い」などの場合、もしかしたら細菌感染が原因かもしれませんよ。
お困りの方は試してみると良いでしょう。
こちらで私が普段から使っている薬を紹介しています。
病状別にオススメの薬を一覧表にまとめましたので薬をお探しの方はぜひ読んでみてください!

また、こちらの記事では流通量の多いポピュラーな薬を網羅した一覧表を作りました。
魚病薬に興味のある方は、お時間のあるときにでも読んでみてくださいね。
