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ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビが死ぬ! ー7つの原因と対策法ー

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本記事ではヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビなどが死ぬ原因と対策法を解説します。

水槽の藻類対策をしてほしくてエビを入れたのに調子が悪い、、死んでしまった、、、

せっかく水槽に入れたのに死んでしまうと悲しいですよね。

かなりご相談件数が多い事柄なのでまとめてみました。

ざっくりと7つの原因に分かれますので対策法と合わせてご紹介します。

1つ1つ丁寧に進めていきますのでぜひご覧ください!

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この記事の著者
轟元気

プロアクアリスト

轟元気

とどろきげんき

プロフィール

業界歴19年の中堅。現在は有限会社エイチ・ツーに所属し埼玉県坂戸市にあるアクアリウムショップ「e-scape」の店長をしています。本ブログ、Ordinary-Aquariumでは「水草水槽の知識」を中心に今までの経験を基にした実践的な知識、技術を初心者の方にも分かりやすく解説しています。プロフィール詳細リンク、転載、引用について

エビが死ぬ!

死んでしまったヤマトヌマエビ。エビは死ぬと茹でたようにオレンジ色になります。残念ですが、死体があると水質悪化の原因になりますので取り除きましょう。これから死因などを詳しく解説していきますので、気を落とさずにご覧ください。

症状早見表

症状疑わしい原因
体の1部がオレンジ色細菌性の感染症
1箇所に固まって動かないアンモニア、亜硝酸塩の急性中毒の初期症状
急にみんなひっくり返ったCO2中毒
酸欠
水草の残留農薬

ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビの症状、死に方から疑わしい原因を絞り込むことができます。

ざっくりと全体的に症状がでているか、1部の子だけなのかという点に着目すると判別しやすいです。

上から順に可能性が高いものを並べましたので順番に確認しましょう!

元気
元気

原因が複数ある場合もあります!

主な7つの死因

こちらの7つが主な死因です。

私の今までの経験から相談件数の多い順に並べました。

正直なところ、①②③が圧倒的に多く、最近は夏が暑いので⑥が増えています。

1つ1つ対策法と合わせてご紹介しますのでご覧ください。

元気
元気

水合わせを心配する方が多いのですが、死因として圧倒的に少ないというのが私の意見です!

細菌性の感染症

ちょっと分かりづらいですが体の1部がオレンジになっている様子。足先などがオレンジになっていると分かりやすいです。

プロとしてお恥ずかしいお話にはなりますが、感染症にかかってしまっているエビを販売しているケースがあります。

体の1部がオレンジ色になっている場合、高確率で感染症ですので水槽に入れない方が無難。

感染症の疑いのある子を入手した場合は、隔離水槽を用意して薬浴を終えてから本水槽に入れると良いでしょう。

正直なところ、元気な子を入手するのが1番ですから、管理のしっかりした店舗で入手することをおすすめします。

対策

  • 元気な子を手に入れる
  • 症状のある子は隔離する
  • 殺菌作用のある魚病薬で薬浴をする

元気な子を手に入れる

身も蓋も無いお話ですがこれが1番です。

本来、ヤマトヌマエビやミナミヌマエビはタフなエビです。

基本的に丈夫なエビですから初心者の方でも飼育しやすい生き物なのですが、流通量が多い分、ケアが不十分なこともあります。

しっかりトリートメントした子を購入したいものです。

安価に提供すためには、色々と経費を減らさなければなりません。

「高価な生体=状態の良い生体」とは必ずしも言えませんが、ある程度状態は価格に反映されますから、値段だけで選ばない方が良いですよ!

元気
元気

管理のしっかりした店舗で入手しましょう!

症状のある子は隔離する

感染力の強い症状なのか「体の一部がオレンジになっている子」はすぐに隔離した方が無難です。

可哀想かもしれませんが健康な子を守るためにも飼育水槽から取り除いて隔離水槽に移動しましょう。

隔離水槽の作り方はこちらの記事で紹介していますのでご覧ください。

殺菌作用のある魚病薬で薬浴をする

  • 観パラD
  • グリーンFゴールド顆粒

エビの感染症にはこちらの薬が効果的です。

どちらの薬も基本的には隔離水槽での薬浴をおすすめします。

一度、感染しているとすべてのエビを助けることは難しいのですが、死亡率を下げられますのでお試しください。

ちなみに私は観パラDを使うことが多いです。

薬の使い方は各記事をご覧ください。

アンモニア、亜硝酸塩の中毒

水槽セット初期など、生物ろ過が十分に機能していないタイミングはアンモニア、亜硝酸塩の中毒に注意が必要です。

特に養分の多い水草用ソイルを使用している場合、セットから2~3週間はアンモニア、亜硝酸塩の濃度が高くなりがちなので、特に注意しましょう。

  • エビが一箇所に固まって動かない
  • エビの手が止まっている

なんて場合はアンモニア、亜硝酸塩の中毒の初期症状ですので早急に対策をしましょう。

対策

  • 換水
  • ろ材で吸着する
  • ろ過バクテリアに分解してもらう

などの対策が有効です。

アンモニア、亜硝酸の対策は別記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

CO2中毒

CO2中毒

CO2中毒になったグローライトテトラとブラックネオンテトラ。CO2中毒になるとエビも水面に集まってくることがあります。

CO2を添加している水槽は、事故による大量添加や蓄積したCO2によって中毒症状が出ることがあります。

特にセット初期など、油膜がたくさん出ている時期はCO2が逃げづらいので特に注意が必要です。

夜間エアレーションをするなどで簡単に予防ができますのでセット初期なら行っても良いでしょう。

MEMO

CO2を添加していない水槽は気にしなくて大丈夫です。

対策

直ちに80%程度換水をする

CO2中毒が疑わしい場合は、すぐに換水をしましょう。

換水をするだけですぐに改善できますので迷わずバッと行動するのが吉です。

CO2中毒の対策法は別記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

酸欠

CO2中毒

酸欠の症状はCO2中毒と似ています。酸欠になるとエビも水面に集まってくることがあります。

フィルターを使用していない、エアレーションをしていない、飼育数が多すぎるなどの条件が複数重なると酸欠になりやすいです。

死亡原因としてよく挙げられますが、私の経験上、あまりありません。

換水やエアレーションの設置で簡単に対策できますので、心配なら予め水槽にセットしておきましょう。

元気
元気

水面が動くように水流を作るだけでも簡単に酸欠予防ができます!

対策

  • 換水をする
  • フィルターを設置して水流を作る
  • エアレーションをする

こちらの3つが簡単な酸欠対策です。

CO2中毒と同様に一気に80%程度換水することで瞬間的に酸欠を解決することができます。

換水で時間を稼いで、そのうちにフィルター、エアレーションを設置しましょう。

水草の残留農薬

ポットに入った水草

水草ポットの中のグラスウールは農薬が残りやすいです。

海外から輸入される水草には、検疫を通すために農薬が使用されていることがあります。

輸入されてから日の浅い水草には農薬が残っている可能性が高く、そのまま水槽に入れるとエビが死んでしまうことがあります。

農薬による中毒症状は、水槽全体のエビに現れるのが特徴で、ほとんどのエビが急に動かなくなった、ひっくり返ったなどの症状が出た場合、農薬の可能性があります。

対策

  • 換水
  • 農薬除去剤の使用
  • 養生した水草を購入する
  • 活性炭の使用

こちらが主な残留農薬対策。

具体的な水草の残留農薬対策については別記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

高水温

30℃以上なら要注意!

エビの中でもヤマトヌマエビやミナミヌマエビは高水温に強い方です。

それでも水温が30℃を超える日が続くと徐々に弱り、やがて死んでしまいます。

30℃超え=すぐに死んでしまうわけではありませんが、良い条件ではありませんのでなるべく早く対策をしましょう。

MEMO

レッドビーシュリンプなどは28℃を超えないように管理すると良いです。

対策

  • 冷却ファン
  • 水槽用クーラー
  • エアコン

などが水槽の高水温対策としておすすめ。

夏の暑さ対策についてはこちらの記事をご覧ください。

水合わせの失敗

点滴法で水合わせをする様子

水合わせの失敗を疑う方が多いのですが、ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビの死因としてはかなり少ないです。

本来、ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビは丈夫なエビですから調子の良い水槽に元気な子をいれるなら、水合わせの精度はあまり問題になりません。

死んでしまう場合は、ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビの状態か水槽のコンディションを疑うことをおすすめします。

とはいえ、水合わせの方法を覚えておいて損はありませんので対策方法をご確認ください。

対策

このような水合わせセットを準備すると作業がはかどります。

アクアリウムを続けていると水槽に生き物を入れることは日常茶飯事ですから、ぜひ水合わせをマスターしましょう。

水合わせの詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。

エビの感染症

エビの感染症についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので本記事と合わせてご覧ください。

よくある質問

買ってきたヤマトヌマエビの一部がオレンジ色なんだけど?
恐らく細菌性の感染症でしょう。
治療するには隔離水槽で観パラD、グリーンFゴールド顆粒などで薬浴する必要があります。
薬浴できない場合でも、健康な子に感染するので隔離をするのがおすすめです。
エビが流木やパイプの裏に固まって動かない
アンモニア、亜硝酸塩中毒の初期症状が疑わしいです。
本文で解説している対策方法をご覧ください。
水合わせを数時間したのに死んでしまいます。
水合わせで防げるのは急激な水温変化、水質変化によるダメージだけです。
感染症や各中毒症状を緩和することはできません。

まとめ

今回は「ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビなどが死ぬ原因と対策法」を解説しました。

死んでしまうと悲しいですが、最初から元気の無い子の場合、なかなか立ち上げ直すのは難しいです。

元気な子を入手すれば死亡リスクを大きく下げることができますので、なるべく管理の良い店舗で購入するようにしましょう!

元気
元気

管理がしっかりしている≒値段が高いのがネックですが、、