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【エロモナス症】腹水病の治療法 ーおすすめの薬、使い方ー

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本記事は淡水魚の腹水病の治療法」を解説します。

突然、お魚のお腹が膨れてしまったことはありませんか?

なんだかぼーっとしていて元気が無い、餌食いが悪いなどの症状が出ているなら腹水病かもしれません。

餌が原因になることが多く、シクリッドやグラミー、メダカの仲間などが罹りやすいです。

「治療一連の流れ」「おすすめの魚病薬」などを初心者の方にも分かりやすく丁寧にご紹介しますのでぜひご覧ください。

注意

今回ご紹介する方法が唯一の治療法ではありません。他にも様々な方法がありますので時と場合によって柔軟に対応しましょう。

この記事の著者
轟元気

プロアクアリスト

轟元気

とどろきげんき

プロフィール

業界歴19年の中堅。現在は有限会社エイチ・ツーに所属し埼玉県坂戸市にあるアクアリウムショップ「e-scape」の店長をしています。本ブログ、Ordinary-Aquariumでは「水草水槽の知識」を中心に今までの経験を基にした実践的な知識、技術を初心者の方にも分かりやすく解説しています。プロフィール詳細リンク、転載、引用について

腹水病とは?

腹水病とは、細菌感染によってお腹が膨れたようになる病気の1種です。

多くの場合でエロモナス菌が原因になっていると思われます。

エロモナス菌は感染箇所によって呼び名が変わりますが、基本的な対応は似ています。

  • 体表が赤い⇒ 赤斑病
  • 体に穴が開く⇒ 穴あき病
  • 鱗が逆立つ⇒ 松かさ病

このように症状により呼び名が変わります。

感染部位が充血したように赤くなり⇒壊死(ボロボロになる)というように変化することが多いです。

エロモナス菌は水槽に常にいる常在菌のため、季節の変わり目などお魚が弱りやすい時期に発症しやすいです。

穴あき病、赤斑病の治療法は別記事で解説していますのでご覧ください。

簡単な治療の流れ

まずはざっくりと治療の流れから見ていきましょう。

全行程は1~2週間程度かかると思っててくださいね。

発見

お魚を良く観察して変にお腹が膨れていないかところチェックしましょう。

  • フラフラと泳ぐ
  • 食欲が無い
  • どこか元気がない
  • 全身がなんとなく白っぽくなった
  • 体の1部が赤く充血している

などの症状も同時起こることが多いです。

治療

最初から魚病薬を使って治療にあたると早く治ります。

初手からエルバージュエースを使うのがおすすめです。

※症状が改善するまでエサは与えないようにしましょう

様子を見る

お魚から症状が消えても数日間は再発する可能性が高いです。

治ったと判断した後も2~3日間は薬浴を続けて様子をみましょう。

終了

1~2日程度様子を見て再発しないようなら治療を終了してください。

感染、治療によりお魚の体力が下がっているので、しばらくはよく観察して再発が無いか気をつけましょう。

治療の流れを詳しく解説

まず最初に必要なことはこちらの4点。

こちらをクリアしてから、実際の治療方法へ進みましょう。

発見

まず必要なことは腹水病かどうかの確認です。

お腹が膨れたようになるのが大きな特徴なので見逃すことは少ないはずです。

  • フラフラと泳ぐ
  • 食欲が無い
  • どこか元気が無い
  • 全身がなんとなく白っぽくなった
  • 体の1部が赤く充血している

このような症状も同時に起こることが多いです。

お腹に卵・子供がいる場合は、同様にお腹が膨れますが元気があります。

太ってお腹が大きくなった場合も同様です。

「元気が無い」かつお腹が大きくなっている場合は腹水病を疑いましょう。

薬の準備

  • エルバージュエース
  • グリーンFゴールド顆粒
  • 観パラD(薬餌を作るなら)
  • グリーンFゴールドリキッド(薬餌を作るなら)

こちらの薬がおすすめです。

私は基本的にエルバージュエースを使用します。

グリーンFゴールド顆粒は初期症状なら治癒率が高いのですが、ある程度症状が進んでいると効かないことがあるので、最初からエルバージュエースを使うのがおすすめです。

どちらの薬もよく出る病気に対応できるものなので、常備薬として予め準備しておくと安心です。

グリーンFゴールド顆粒の使い方エルバージュエースの使い方観パラD・グリーンFゴールドリキッドの使い方は別記事で詳しく解説していますのでご利用前にご覧ください。

ヒーターの準備

  • 水温変化を少なくしお魚への負担を減らす
  • 水温を上げるだけで症状が改善することがある

ヒーターを使用する目的はこちら。

ヒーターの設置は必ずしも必要なものではありませんが、設置することで水温のブレを少なくしお魚への負担を少なくすることができます。

3~5月、梅雨時期、9~10月などは気温差が激しいことからお魚も調子を崩しやすい時期です。

ヒーターをセットすれば簡単に水温変化を少なくすることができますので、予算に余裕があるならぜひ使用しましょう。

水温はお魚に合わせて調整すればOKです。

ヒーターの設置は水温の変化を少なくするのが目的ですので「この水温にしなければならない」というものではありません。

以下を目安にヒーターで調整してブレを少なくしましょう。

  • 熱帯魚⇒ 25~30℃程度
  • メダカ⇒ 20~30℃程度
  • 金魚⇒ 20~30℃程度
元気
元気

ヒーターが無いと治療できないわけではありませんが、あると治療しやすくなります。

隔離水槽の準備

  • エルバージュエース
  • グリーンFゴールド顆粒

こちらの薬は水草やろ過バクテリアにダメージがあることから隔離水槽での薬浴をおすすめします。

隔離水槽についてはこちらの記事で詳しく解説しましたので、ぜひご覧ください。

腹水病の治療法

  • エルバージュエース
  • グリーンFゴールド顆粒

こちらの魚病薬を使い治療する方法です。

ろ過バクテリア、水草にダメージのある薬なので隔離水槽で薬浴を行いましょう。

腹水病の治療の場合、餌を抜く必要があります。

お腹を空っぽにして薬浴をしないと効果が薄いので注意してください。

隔離水槽については別記事にて詳しく解説しましたので先にこちらの記事をご覧ください。

手順

「エルバージュエース」を使った治療手順をご紹介します。

グリーンFゴールド顆粒の場合も基本的には同様の手順でOKです。

1日目
隔離水槽の準備、投薬、病魚の移動

隔離水槽をセッティングし、薬を入れましょう。

準備が整ったら病魚を移して治療スタートです。

塩水浴を同時に行うと治癒効果が高まります。

1~6日目
様子を見る

お魚の様子を確認してください。

もし、何か異変がある場合は、50%程度換水をし薬を抜き様子をみましょう。

7日目
換水

50~100%程度換水を行い、薬を抜きましょう。

腹水病の症状が消えているようなら薬浴は終了です。

症状がまだある、元気が無いなどの場合は再度薬を投入し薬浴を続けましょう。

8~14日目
様子を見る

お魚の様子を確認してください。

薬浴を継続している場合、お魚に何か異変があれば換水して薬を抜きましょう。

15日目
お魚を戻す or 様子を見る

治療の終わったお魚を飼育水槽へ戻して治療を終えてください。

7日に再度薬を投入している場合は、50%程度換水を行い薬を抜きましょう。

もう3~7日程度様子を見て再発が無いようなら、お魚を飼育水槽へ戻し治療を終えてください。

ポイント!
  • エルバージュエース、グリーンFゴールド顆粒で薬浴をする際は隔離水槽を用意しましょう。
  • 塩水浴を組み合わせてると効果的です。

薬餌を与える場合

観パラD、グリーンFゴールドリキッドを餌に含ませて「薬餌」を作り魚に与える方法です。

腹水病になると餌を食べなくなるのですが、食べるなら薬餌を与える方法もアリです。

観パラDは薬餌にするとかなり強い治癒効果を発揮するのですが、薬害もキツく出ることがあります。

グリーンFゴールドリキッドは、その逆ですね。

どちらを使う場合も必ずお魚の調子を見ながら行いましょう。

薬餌を作る

スポイトなどを使い、薬を「1滴」餌の上に落としましょう。

1分程度待てば薬餌の完成です。

※餌は薬を吸い込みやすい「顆粒状」のものが適しています。

薬餌を与える

普段、与えている量の「半分程度」を与えましょう。

1日~3日程度続ける

薬害もあるので3日を限度に与えてみてください。

腹水病の原因

ざっくり言うとこちらの4つが原因であることが多いです。

常在菌であるエロモナス菌は基本的に水槽内から根絶することが難しいです。

そのため「お魚を健康に維持すること」が最善の予防策です。

お魚が何らかの原因で弱った

  • 水温変化
  • 水の汚れ
  • ケンカのストレス

などなど、お魚が弱ると病気になりやすいと考えてOKです。

腹水病は餌が原因になることが多いのですが、上記と重なることでより腹水病になりやすくなります。

元気
元気

人が季節の変わり目に風邪を引きやすいようにお魚も水温変化が激しい時期は調子を崩しやすいです!

古くなった餌を与え続けた

封を開けてから3ヶ月以上経過した餌は与えないようにしましょう。

古くなって酸化した餌を与え続けると調子を崩してしまうことがあります。

まとめ買いをした方が安上がりなのですが、短期間で使い切れるように餌を買うようにしましょう。

餌の与えすぎ

単純に餌の与えすぎは腹水病の原因になります。

太り過ぎによる免疫力の低下、餌が多いことからくる水質悪化などが複合して腹水病が発生しやすくなります。

餌は適正量を与えるようにしましょう。

餌の与え方については別記事で詳しく解説しています。

イトメに当たった

  • イトメの与えすぎ
  • 運が悪かった

イトメとは、活餌であるイトミミズのこと。

とても食いが良いので重宝するのですが、当たりどころが悪いと腹水病になります。

与えすぎてしまうと当たるケースが多いので、少なめに与えるのがコツ。

イトメの与え方はこちらの記事で解説しています。

腹水病になりやすいお魚

  • シクリッドの仲間
  • グラミーの仲間
  • メダカの仲間

などが特に罹りやすい印象です。

ついでテトラの仲間やコイの仲間でしょうか。

餌の与えすぎが原因になるので、初心者の方が飼育している魚に多く発生しがちです。

水温を上げるだけで治癒することもある

  • ヒーターを使用していない
  • 寒い時期に発生した

上記の状況で発生した腹水病は水温を28℃以上にするだけで治癒することもあります。

恐らくは低水温を好むタイプのエロモナス菌が原因になっているタイプと思われます。

金魚やメダカが腹水病になったら水温を上げて様子を見るのも1つの方法です。

MEMO

水温を28℃以上にして餌を3日~1週間程度抜きましょう。

塩水浴について

塩水浴にはエロモナス菌を直接倒す力はありませんがお魚の調子を整える効果があります。

隔離水槽にて薬浴をするなら薬と一緒に塩水浴も同時に行うと良いでしょう。

塩水浴の方法は別記事で詳しく解説していますので本記事と併せてご覧ください。

注意

「水草が枯れる」「塩抜きが大変」というデメリットがありますので飼育水槽には入れないようにしましょう。

病気の原因と予防法

お魚の病気の原因と予防法についてはこちらで詳しく解説しました。

正直なところ、100%予防できる方法はありませんが、気をつけることである程度防ぐことはできます。

興味のある方はぜひご覧ください。

まとめ

今回は「腹水病の治療法を解説しました。

腹水病は対処法を知り早めに対応することで十分に治療できます。

重症化してしまうと、治癒までに時間がかかりお魚の体力勝負になることが多いので、早め早めの対応がポイントですよ!

元気
元気

グリーンFゴールド顆粒、エルバージュエースは常にストックしておくと便利です!