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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は「メダカの主な死因と水槽で飼育するのが難しい理由」を解説します。
メダカは丈夫なお魚の代表種として紹介されますが、実は水槽に馴染むまでに死んでしまうことが多いお魚です。
事実、メダカが死んでしまうというご相談はかなり多く、我々プロも水槽環境に順応させるが大変なお魚なんです。
丈夫なメダカが死んでしまうんじゃ、どのお魚も飼えないな、、、
とガッカリされてアクアリウムを止めてしまう方もいますが、メダカを水槽に馴染ませるのはそこそこに難しいことですから、諦めずにアクアリウムを続けてほしいと常々思っています。
そこで今回は「メダカを水槽で飼育するのが難しい理由」と「メダカの主な死因」を詳しくご説明します。
- 名前 メダカ
- 学名 Oryzias latipes(ミナミメダカ)、Oryzias Sakaizumi(キタノメダカ)
- 日本中に広く分布
以前はメダカと一括にされていたが、今はキタノメダカとミナミメダカの2種に分類されています 。
いわゆる日本に生息しているメダカです。
小学生のころ、理科の授業などで飼育したことのある方も多いのではないでしょうか。
繁殖させやすいことから観賞魚ブリーディングの入門種として古くから親しまれています。
種として見た場合、とても丈夫なお魚なので入門種としても有名です。
今ではかなりの数の色彩バリエーションがあります!
こちらの7点が水槽飼育におけるメダカの主な死因です。
正直なところ多くの場合で「細菌感染症」「寄生虫」「ビタミン不足」が原因ですので、なぜ死んでいくのか分からない場合は細菌、寄生虫、ビタミンを疑うと良いでしょう。
それぞれ詳しく解説しますのでご覧ください。
室内の水槽でメダカを飼育している場合、今まで経験上一番多い原因は細菌感染症です。
屋外で飼育されていたメダカは様々な菌への耐性を獲得していないことが多いので病気になりやすいのです。
飼育環境は整えているのになぜかメダカが毎日ちょっとづつ死んでいく
なんて場合は細菌感染症か寄生虫ですのでお薬を使用して治療しないと死んでしまう可能性が高いです。
細菌が原因なら「グリーンFゴールド顆粒」「エルバージュエース」などの殺菌剤を使用して薬浴をするのがおすすめの対策です。
重症化していなければ治療できることが多いので早めの対応を心がけましょう。
薬の使い方については別記事で詳しくまとめていますので、薬浴をされる際はご覧ください。
- ギロダクチルス症
- ダクチロギルス症
- 白点病
- コショウ病
などの寄生虫症がメダカには発生しやすいです。
特にギロダクチルスとダクチロギルスはエラに寄生するため見た目から判断するのが難しいので重症化しやすいです。
餌を与えているけど痩せて死んでしまう、、、、
なんて時はギロダクチルス、ダクチロギルスが疑わしいです。
「キョーリン パラクリア」という餌を与えることで強力に予防できますので普段から管理に取り入れると良いでしょう。
すでに寄生が疑われる場合は「観賞魚用 ムシクリア液」で薬浴しましょう。
白点病、コショウ病はメダカはあまり罹りませんがたまにはなるので一応警戒しておくと安心です。
GEX メダカ元気 育てる栄養ウォーターは添加するだけで簡単にビタミン補給ができます。
室内飼育の場合、太陽光を浴びることで生成されるビタミン類が不足することがあります。
ビタミン類は通常の餌からは摂取しづらく不足しやすい傾向があります。
屋外で飼育している場合は太陽光パワーで植物プランクトンが豊富に発生します。
それを水と同時に取り込むことで栄養素を摂取していると思われますが、室内水槽で再現するのが難しい現状があります。
そんなときはビタミン剤を添加して補うようにすると死亡率を下げることができます。
簡単にビタミン補給をするなら、GEX メダカ元気 育てる栄養ウォーターの他、テトラ バイタルなどもおすすめ。
- 水槽に直射日光が当たり水温が35℃を超える日が続く
- 夏、部屋の気温が暑くなり水温が35℃を超える日が続く
- ヒーターを設置したが壊れてしまい温めすぎてしまった
- サーモスタットが必要なヒーターを誤って単独で使用してしまい水を温め過ぎてしまった
などのケースで高水温が続くとメダカが調子を崩す場合があります。
特に夏の間は高水温になりがちなので「涼しい場所に水槽を設置する」「水槽用の冷却ファン」などを利用して水温を下げる工夫をしましょう。
水槽の暑さ対策については別記事で詳しく解説していますのでお困りの際はぜひご覧ください。
また、ヒーターを使うなら故障の少ないエヴァリス製のものがおすすめです。
こちらも別記事で詳しく解説していますのでよろしければご覧ください。
過度に水が汚れすぎている場合、メダカが調子を崩す原因になります。
とは言え、メダカはかなりタフなお魚なので水の汚れには強いです。
週1回、水槽の30~50%程度水を交換する
このように定期的に水を交換していれば、汚れが原因で調子を崩してしまうことは少ないです。
定期的に水を交換しているのにメダカが死に続けてしまうのなら、それは水の汚れが原因で無いことが多いです。
「お魚の片目くらいの大きさの量」を「1日、1~2回与える」
これがお魚の餌やりの基本です(小型魚の場合)。
メダカは比較的餌を多く必要とするお魚なので最低1日1回は与えたほうが良いです。
水温によって食べる量(消化できる量)が変わりますので、時期に合わせて調整しましょう。
- 水温18℃以上 ⇒ 毎日
- 水温18℃以下 ⇒ 2~3日に一度
- 水温10℃以下 ⇒ ほとんど食べない
これくらいのイメージで与える頻度を変えると良いです。
寒い時期はほとんど食べなくなりますので、無理に与える必要はありません。
与えてしまうと消化不良などの原因になりますのでご注意ください。
寒い時期までにある程度体力を蓄えていないのと冬を越せないメダカも出てきますので、ご心配な方はヒーターをセットして餌食いの良い状態をキープすると良いでしょう。
「餌をしっかり与えている」「餌をたくさん食べている」のに痩せていくような症状が出ましたら 「細菌感染症」「寄生虫」 の可能性が高いので薬浴する必要があります。
水槽内が酸欠になるとメダカ(多くのお魚も)は鼻先を水面に向けて斜め泳ぎをするようになります。
元気なお魚も時折斜め泳ぎをしますし、調子の悪いお魚もするので判断を間違えてしまうケースがありますが
水槽にいる多くのメダカが鼻上げをしている
というのが酸欠症状です。
極一部のメダカが鼻上げをしているのなら、それはたまたまか調子を崩している(病気も初期症状など)ことがほとんどです。
酸欠になりやすい夏季に小さな睡蓮鉢などで100匹単位でメダカを飼育しても酸欠症状が出ないこともあるくらいメダカは酸欠に強いです。
酸欠がメダカの死因になることは少ないですので、小さな水槽で極端にたくさんのメダカを飼育するなどしない限りは強く心配しなくてもよいでしょう。
こちらの4点を意識すると水槽でもメダカを元気に飼育しやすくなります。
手間はかかりますが、水槽導入前に 「グリーンFゴールド顆粒」「エルバージュエース」などの殺菌剤 でトリートメントをすることでかなり死亡リスクを減らすことが可能です。
水槽で飼育しているクロメダカ。
2~4週間程度水槽で飼育されているものは「水槽」という環境に慣れていることが多いので死亡リスクが低いです。
メダカは屋外のケースで養殖されていることが多いですから、なるべく水槽に馴染んでいるものを手に入れるようにしましょう。
メダカは人気種なので在庫期間が短くなりがちです。購入時に何時頃入荷したのか確認すると良いでしょう。
薬では無く餌ですが継続して与えることでギロダクチルス症、ダクチロギルス症の対策ができます。
駆除を目的とした場合、最低でも2週間程度は継続して与える必要があるため即効性は低いです。
普段から餌に混ぜて与えて予防していく使い方がおすすめです。
基本的に薬害が無いので安心して利用できる点も素晴らしいです。
死因のところでもお話したGEX メダカ元気 育てる栄養ウォーターなどのビタミンを補給できるできる添加剤を入れることで死亡率を下げることができます。
特に室内で繁殖を目指している場合は稚魚の生存率が大きく変わりますのでお試しください。
グリーンFゴールド顆粒で薬浴中のベタ
水槽に入れる前に隔離水槽などを用意して薬浴をしてから飼育水槽に移す方法です。
手間はかかりますが感染症予防としては1番効果が高いです。
使う薬は様々な病気に対応できる「グリーンFゴールド顆粒」「エルバージュエース」のどちらかがおすすめです。
薬の使い方は別記事で詳しく解説していますので、薬浴をされる際はぜひご覧ください。
店舗で状況に応じて行っている方法です。導入直後の感染症をかなり抑制できますので体調が安定しやすくなりますよ。
メダカは強い水流を嫌います。
元々、流れの緩やかな場所に生息しているため、流れの早い環境では疲れてしまうのか調子を崩しがちです。
水槽でフィルターを使用して飼育するなら流れの緩やかなもの(流れを調整できるもの)を使うと良いでしょう。
- 底面式フィルター
- スポンジフィルター
- 内部式フィルター
などが流れがそれほど強くなく、調整できるものが多いのでメダカ飼育で使いやすいです。
フィルターを使うと、どうしても水流ができますのでいっそのことフィルターを使わない選択も「あり」です。
メダカでしたらフィルター無しの水槽でも十分に育成できますので、思い切ってシンプルな設備にしてしまうのも手です。
初心者の方はフィルターを使わないほうがシンプルに管理できると思います!
- 屋外で養殖されているので水槽に慣れていない
- 日光浴不足によるビタミン不足
これがメダカの水槽飼育が難しい理由です。
屋外飼育は根本的に水槽飼育と環境が違うため、上手く水槽に馴染めずに死んでしまうメダカが多いのです。
こちらの3つが大きく水槽飼育と異なる点です。
特に日光による殺菌効果、巡り巡ったビタミン類供給効果の違いは大きく、細菌に慣れていないメダカが水槽飼育をすると病気になってしまう原因なっています。
それぞれ詳しく解説していきますのでご覧ください。
日光に含まれる紫外線の殺菌効果は大きく、基本的に屋外にあるケースは水中で菌などが増殖しづらいです。
そのためメダカが細菌感染症などになりづらいのですが、同時に細菌への抵抗力もつきづらいのです。
メダカは屋外の睡蓮鉢などで飼育すると驚くほど簡単に手間をかけずに飼育することができますが、それは日光の恩恵によるところが大きいです。
日光が当たる場所にあるケースは水が緑色になることがあります。
光がよく当たる場所にあるケースは水が池や沼のように緑色になることがあります。
これは水中の養分を利用して植物プランクトンが大量に増殖した状態。
美観が悪いので対策することも多いのですが、メダカの育成には効果抜群です。
メダカが常に植物プランクトンを食べられるので痩せづらくなります。
また、植物プランクトンを餌にして他の微生物が繁殖しやすくなるので、増えた微生物が良いメダカの餌になります。
水が緑色でないと死んでしまうというものではありませんが、摂取できる栄養量の違いからかメダカの稚魚の数や成長速度や差が出ます。
植物プランクトンを食べるとビタミンを摂取できるので、屋外飼育だとビタミン不足からの死亡が少ないのはこのあたりに理由があります。
緑色の水で飼育すると青汁を常時飲んでるようなイメージですね!
雨は天然の純水です。
屋外にあるケースは蓋をしていない限り、雨が降ると自然と水換えが行われます(雨の量にもよりますが)。
雨はできた瞬間はほとんど完全な純水で降ってくる過程で空気中の様々な物質を吸収しながら地表に到達します。
そのため、水道水と比べると圧倒的に含まれているミネラル分などが少ないので軟水なのです。
ちょっと難しいお話になりますが、軟水だと水のPH(ピーエイチ、ペーハーと読みます)が下がりやすいため、酸性の水質をキープしやすくなります。
酸性の水質では細菌などの活性が鈍くなるので病気になりづらくなります。
酸性の水質でないとメダカが死んでしまうというものではありませんが、アルカリ性の水質よりも酸性側で管理したほうがメダカが飼育しやすいのは事実です。
屋外飼育は雨水によって水槽よりもPHを酸性にキープしやすいことから飼育しやすい面があります。
- PH 7.1
- TDS 11
とある日の雨水の水質。
これは私の自宅で採取した雨水です。
かなりTDS(水に含まれる物質量を数値化したもの)が低いので不純物が少ないことがわかります。
- PH 8.0
- TDS 60
こちらが自宅の水道水の水質なので、いかに雨水に不純物が少ないかが分かりますね。
メダカにこだわらず水槽で飼える丈夫なお魚を探している!
という方は「アカヒレ」がおすすめです。
アカヒレは水槽で管理されながら流通していますし、もともと水槽環境に馴染みやすいお魚です。
特にゴールデンアカヒレという品種は観賞魚として流通していますから飼育しやすいですよ。
アカヒレは活餌としても流通していますから、餌用として管理されているものは状態がイマイチであることが多いので注意しましょう。
- 学名:Tanichthys albonubes
- 原産:中国
- ヒーターを使わなくても飼育できる
- コッピーとも呼ばれる
- メダカが毎日ちょっとづつ死にます
- 環境にもよりますが、多くの場合で細菌性の感染症が発生しています。
隔離水槽などを用意して「グリーンFゴールド顆粒」「エルバージュエース」などの殺菌剤で薬浴をしましょう。また、ビタミン不足の可能性もありますので定期的に添加剤などで補給すると効果的です。
- メダカは丈夫なお魚と聞きました。水槽で飼うのが難しいなら丈夫ではないのでは?
- メダカは種として見た場合かなりタフな部類です。ですが屋外⇒水槽という大きな環境変化に上手く馴染めずに調子を崩してしまう子が多いのは事実です。その面はあまり取り沙汰されることが無いので誤解が広がっていると思われます。
- メダカはヒーターを使わなくても死なないの?
- 室内での水槽飼育ならヒーターを使わなくても十分元気に育成可能です。
稚魚など体力が無い子は死んでしまうことがありますので、その場合はヒーターを使用して加温しましょう。
- メダカはブクブクが無いと死ぬ?
- ブクブクな無いと必ずしも死んでしまうわけではありません。
メダカは酸欠に強いお魚ですので、小さな入れ物に極端に多くの数を飼育するなどしなければあまり酸欠にはなりません。
心配な方はフィルターなどをつけて水を循環させると良いでしょう。
- メダカは毎日餌を与えないと死んでしまうの?
- 健康なメダカなら3日程度餌を与えなくても大きな問題にはなりません。
痩せてしまいますが1週間程度は餌を与えなくてもなんとかなります。
冬季など水温が低い時期は餌をあまり食べなくなりますので、さらに長い期間餌を与えなくても大丈夫です。
今回は「メダカの主な死因と水槽で飼育するのが難しい理由」を解説しました。
飼育しているお魚が死んでしまうとがっかりしますよね。
それが丈夫と言われているメダカならなおさらです。
ですが、実はメダカは水槽に馴染ませるのが難しいお魚ですからあまりがっかりしないでください。
技術のある方でも失敗するケースが多いですから!
僕も店舗で毎回苦労しています!
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