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【IAPLC2019】世界水草レイアウトコンテスト 出品水槽の作り方 vol1 コンセプトと構図組

本記事では「IAPLC2019に出品した水槽の作り方」を解説します。

vol1は「コンセプトと構図組」です。

IAPLC2019応募

最終的に応募したのがこちらの作品。

これからこちらの作品を空の状態から順を追って解説していきます。

順位は312位と振るいませんでしたが、これが今の僕の実力なのでしょう。

せっかくなので制作過程を皆さんと共有したいと思います。

元気

興味のある方はぜひお読みください!
この記事の著者
轟元気

プロアクアリスト

轟元気

とどろきげんき

プロフィール

業界歴15年の中堅。現在は埼玉県坂戸市にあるアクアリウムショップ「e-scape」の店長をしています。本ブログ、Ordinary-Aquariumでは「水草水槽の知識」を中心に今までの経験を基にした実践的な知識、技術を初心者の方にも分かりやすく解説していきます。プロフィール詳細リンク、転載、引用について

コンセプト

・川底の風景

これが今回のコンセプトです。

今回は泳がせる魚を最初から決めてます。

「アラバマレインボーシャイナー」を群泳させたいのです!

なのでレイアウトも魚に合うように「川の流れ」を特に意識して作ります。

  • 採集した流木のみでレイアウトする

また、こちらのルールでやってみようと思います。

海外産の流木はエキゾチックで素敵なものが多いですが、日本の川で採れる流木にフォーカスして作ってみます。

せっかく日本に生まれ住んでいるのですから、日本の川にある素材を使いたいと考えるようになりました。

IAPLCは国際的なコンテストだけに逆にその気持が強くなりましたね。

なので、今回使う流木は僕が地道に拾い集めたものだけです!

アラバマレインボーシャイナー?

アラバマレインボーシャイナー

名前の通り、アメリカ原産のコイの仲間です。

雰囲気が日本産淡水魚にそっくりですね。

アブラハヤやウグイの色違いといった感じです。

温帯域の魚は「ある時期だけ激しく発色する」種類が多いのですが、こいつも同じで、発情するとメタリックピンク&ブルーになります!

こちらのISAAC SZABOさんの写真で見て以来、いつか泳がせようと思っていました。

参考 ISAAC SZABOさんのページFacebook

ちなみに自然写真なら「Maxwelさん」も素晴らしいので、一緒にお楽しみください。

構図組み「大筋を決める」

ここから構図を組んでいきます。

石は何を使うか悩みましたが直線的な流木と相性の良い川石にしてみました(川石は自宅にたくさんあるし)。

まずは底面式フィルターをセット
底面をセット

前回に引き続き外部フィルター(エーハイム2217)の給水側は底面フィルターのプレートに直結します。

下の白い板は発泡スチロール。石を大量に使うので念の為敷きました。

水草水槽で底面フィルターを使う方法

底上げ用の軽石をセット
軽石をセット
さらに軽石をセット

洗濯ネットに軽石を入れたもので底上げ。今回は大量に使いました(100Lくらい)

軽石で底床を底上げする方法

川石を入れる
川石を入れる

前景となる川石を入れます。

手前から、「大きい川石 ⇒ 小さな川石」としてゆくことで遠近感を演出できます。

なので、ここでは大きめの川石から入れていきます。

流木を仮置してみる

今回のメインとなる流木を仮置してみます。

高さを出したかったので、洗濯ネットin軽石を枕のようにしています。

グリグリと流木を動かすと中の軽石が動いて安定させることができますよ。

その際に洗濯ネットが破れないように注意してください!

大きい川石を入れる
大きい川石を入れる

一旦、流木を取り出して、今回一番大きい川石を入れます。

入れる場所は先程の流木の手前。

大きな川石を入れたあとは、周りにさらに川石を追加しました。

流木と組み合わせる
流木と組み合わせる

先程の流木と組み合わせます。

大きな川石に流されてきた流木が引っかかっているイメージです。

流木に重りをつける

大筋のレイアウトが決まったところで流木に重りをつけます。

これはシャックルという工具です。

ホームセンターで手に入りますよ。

ホームセンターで揃うアクアリウムアイテム32選

流木にヒートンをつける
ヒートンをつける

シャックルとつなぐため、流木にヒートンをつけます。

流木がもろくなって外れてしまうと怖いので、念の為、3箇所つけました。

結束バンドでつなぐ
結束バンドでつなぐ

結束バンドでシャックルとヒートンをつなぎます。

この流木の場合は輪っかをいくつか連ねるようにしてつなぎました。

要は流木が浮かないようになればOKなので、状況に合わせてつなぎ方は工夫してくださいね。

石で隠す
石で隠す②

シャックル、結束バンドは見切れてしまうと格好悪いので、石で隠します。

盛る

流木に重りをつけたら、準備完了。

一気に背面を盛っていきます。

どこかで見たことがあるような、、?

感覚に任せて盛っていたら、この作品にそっくりになってしまった、、

この雰囲気好きなので、まぁいいか(笑)

【IAPLC2015】世界水草レイアウトコンテスト出品水槽の作り方

構図組み「流木を追加する」

ここからが、今回の構図組で一番時間の掛かったところ。

川で採集した細い流木を組み合わせていきます。

流木を追加する
流木を追加①
流木を追加②
流木を追加③

うーん、、

しっくり来ませんね。

もっと細いヤツにしてみる
細い流木①
細い流木②

もう一度採集に出かけて、もっと細いヤツをいれてみることにしました。

組み合わせを探る

なんとなくまとまってきましたね。

流木を固定する
流木を固定①
流木を固定②

ある程度、形がまとまってきたところで、流木を結束バンドで縛って固定します。

それぞれが確実に浮かぶので、最初に重りを付けた流木に固定していきます。

右奥をスッキリさせる

なんだか、右奥の盛り方が気になってきました。

そこで、思い切って右側の後ろ側をスッキリさせることにしました。

川石、川砂を取り出す
砂を取り出す

盛りを少なくすると底面に繋いだパイプが目立ってしまうので、取り外して違うタイプに変えます。

底面のパイプを交換する

色を黒に変えて、間にコネクタを入れます(HIソケット)。

コネクタを入れることで、撮影時にパイプを取り外しできるようにしました。

微調節する

右奥を大きく変えたので、流木のバランスや石組みなど細かく調整していきます。

構図完成!
構図完成

最終的にできたのがこちら!

こちらを本作品の構図とします。

次回は、、

構図組はこれで終了です。

次回は「水草の植栽」と「注水」までをご紹介する予定です。

元気

お楽しみに!