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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事では「淡水魚におけるコショウ病の治療法」を解説します。
コショウ病は、金魚、メダカ、熱帯魚など水槽で飼うお魚が罹りやすい病気の1つです。
初期状態で発見することが難しく、進行の早いため気がついたときには重症化していることが多い病気です。
今回は「治療の一連の流れ」「症状別の対処法」「おすすめの魚病薬」「ウーディニウムの生態」など、初心者の方にも分かりやすく丁寧にご説明していきます。
特にベタが罹りやすい病気ですので、ベタを飼っている方はぜひご覧ください。
コショウ病とは「体にコショウをまぶしたような症状」が現れる病気です。
白、灰色、ちょっと黄色っぽいなどの見た目をしていることが多いです。
これは「ウーディニウム」という渦鞭毛藻の仲間が体に寄生している状況です。
上記の画像は症状が進んでいるショーベタ クラウンテール。
このような感じなら重症化した場合の対応をするのがおすすめです。
- ウーディニウム病
- ベルベット病
- サビ病
上記の名前で表記されることもあります。
初期症状ではエラにウーディニウムが寄生し(見た目に分かりません)、症状が進行すると体にコショウ状の点が現れます。
初期症状で対応することが難しく重症化しやすい病気です。
寄生されると体液を吸収されるため弱ります。
最終的には「エラに大量に寄生されて低酸素症」「体液を吸収されて衰弱」「寄生される際にできた傷」などが元で死んでしまいます。
病気の中では珍しく塩水浴で直接ダメージを与えることができます。
隔離水槽など塩水浴を積極的にできる環境なのであれば、薬浴と合わせて行うことで治療効果を高めることができます。
ウーディニウムは藻の仲間であることから幼体は光合成をして栄養を得ています。そのため「消灯」「遮光」など、治療に合わせて水槽を暗くする弱体化させることができます。
- グリーンFリキッド
- ヒコサンZかアグテン
- 塩水浴
- グリーンFリキッド
- グリーンFゴールド顆粒
- エルバージュエース
※薬浴と合わせて塩水浴を組み合わせるのがおすすめ
上記の薬がおすすめです。
症状により使い分けて対応しましょう。
使い分けの方法や実際の治療法はこれからご紹介していきます。
- ベタ、グラミーなどアナバスの仲間
- ラスボラなど東南アジア原産のコイの仲間(特に小型種)
- 小型テトラの仲間
- メダカ
主にこちらの魚種がコショウ病になりやすいです。
ざっくりとした体感では5cm以下のお魚がなりやすい病気という印象があります。
最近の印象としては室内で飼育しているメダカの発症例が増えているので、メダカを飼育している方も注意しましょう。
特にベタが多いですね!
まずはざっくりと治療の流れから見ていきましょう。
全行程は1~2週間程度かかると思っててくださいね。
お魚を良く観察して「コショウのような点」が無いかチェックしましょう。
もし、見つかるようならそれはコショウ病かもしれません。
初期症状の場合、コショウ状の点は無く「体を震わせる」「体を底床、石などにこすりつける」などの動きをお魚が見せます。
最初から魚病薬を使って治療にあたると早く治ります。
お薬は症状に合わせて使い分けると良いです。
初期症状 ⇒ グリーンFリキッド、ヒコサンZ、アグテン、塩水浴
中期症状、重症 ⇒ グリーンFリキッド、グリーンFゴールド顆粒、エルバージュエース
※隔離水槽で薬浴できるなら塩水浴も効果的です。
※水槽を段ボールなどで覆って遮光すると治療効果を高めることができます。
お魚の体からコショウ状の点が消えても、数日間は再発する可能性が高いです。
点が消えたあとも2~3日間は薬浴を続けて様子をみましょう。
1~2日程度様子を見てコショウ状の点が再発しないようなら治療を終了してください。
寄生、治療によりお魚の体力が下がっているので、しばらくはよく観察して再発が無いか気をつけましょう。
- 発見
- 症状の判別
- 薬の準備
- ヒーターの準備
- 隔離水槽の準備
ここから実際の治療方法を詳しく解説していきます。
まず最初に必要なことはこちらの5点。
こちらをクリアしてから実際の治療へ進みましょう。
まず、必要なことはコショウ病に罹っているかどうかの確認です。
画像のような点が体に付いていないかチェックしましょう。
ウーディニウムは寿命の短い虫なので、増えたり減ったりするのが早いです。
「昨日は無かった点がある」「点が昨日と違う場所にある」
なんて時はコショウ病の可能性が高いですよ。
また、初期症状の場合、まずエラに寄生することから体には点が現れません。
体に異変はないけれど、「体を震わせる」「体を底床、石などにこすりつける」などの動きを見せる場合、コショウ病の初期症状の可能性があります。
「初期、中期症状なのか」「重症なのか」で治療方法が変わります。
治療を始める前に「症状の重さ」を見極めましょう。
- 体に変化は無い
- 「体を震わせる」「体を底床、石などにこすりつける」などの行動をする
- コショウ状の点がある
- 動かない、苦しそうだ
コショウ状の点があるならすでに重症です!
症状の判別に従って魚病薬を準備しましょう。
おすすめの薬はこちら。
- グリーンFリキッド
- ヒコサンZかアグテン
- 塩水浴
- グリーンFリキッド
- グリーンFゴールド顆粒
- エルバージュエース
※薬浴と合わせて塩水浴を組み合わせるのがおすすめ
塩素で病原を倒す薬。
とても効果が高いが「pH6.5以下」では毒性が高くなってしまいます。
ちょっと注意が必要ですがよく効きますよ。
グリーンFリキッドと同じ水が青くなる薬。
グリーンFリキッド同様にコショウ病にかなりの効果がありますが細菌感染に効く成分が入っていないため選外にすることが多いです。
染色力が強いので水槽の「シリコン」などを青く染めてしまいます。
使うなら隔離水槽で薬浴させましょう。
ウーディニウムのライフサイクルを早める
温度を高くする理由はこちら。
温度設定が変えられるタイプのヒーターを準備して、水温を「28℃~30℃程度」にしましょう。
水温が高いと代謝スピードが上がるため早く寿命が来ます。
28℃~30℃程度にすることで20~30%程度寿命が短くなりますよ。
=治療時間を短くすることができます。
ヒーターの設置は必須ではありませんが治りが早くなるため設置することをおすすめします。
温度設定ができるヒーターがベストです!
- グリーンFリキッド
- グリーンFゴールド顆粒
- エルバージュエース
こちらの薬を使用する場合は隔離水槽を準備して薬浴をすることをおすすめします。
ベタの個別飼育など本水槽に薬を入れても問題が無い場合は直接薬浴をしましょう。
隔離水槽のセット方法は別記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
おすすめはグリーンFリキッドなどメチレンブルーを主成分とする魚病薬で薬浴をすることです。
隔離水槽で薬浴をする手間はかかりますが、グリーンFリキッドなら重症化したコショウ病にも対応できるので治療効率が良いです。
隔離できない場合は、ヒコサンZ、アグテンなどのマラカイトグリーンを主成分とする薬を使うのがおすすめ。
比較的、水槽環境へのダメージが少ないお薬なので、そのまま直接水槽へ入れても大丈夫です。
1週間程度で治らないようなら重症化する可能性が大きいです。
その場合、すぐに「重症の治療法」へ移ってくださいね。
薬の詳しい説明はリンク先の記事をご覧ください。
グリーンFリキッドを使用する場合
隔離水槽をセッティングし、薬を入れましょう。
準備が整ったら病魚を移して治療スタートです。
お魚の様子を確認してください。
もし、何か異変がある場合は、50%程度換水をし薬を抜き様子をみましょう。
50~100%程度換水を行い、薬を抜きましょう。
コショウ状の点が消えているようなら薬浴は終了です。
点がまだあるようなら、再度薬を投入し薬浴を続けましょう。
お魚の様子を確認してください。
もし、再発があるようなら薬を追加して、再度薬浴を行ってください。
薬浴を続けている場合、お魚に何か異変があれば、換水して薬を抜きましょう。
治療の終わったお魚を飼育水槽へ戻して治療を終えてください。
再度薬を投入している場合は、50%程度換水を行い薬を抜きましょう。
もう3~7日程度様子を見て再発が無いようなら、お魚を飼育水槽へ戻し治療を終えてください。
ここまででコショウ状の点が治らないようなら、薬をグリーンFゴールド顆粒かエルバージュエースへ変えて再度薬浴をスタートしてください。
ヒコサンZ、アグテンを使用する場合
1日/1回、規定量を水槽へ入れましょう。
1日/1回、 規定量を水槽へ入れましょう。
水槽水が青く染まっている場合は薬が抜けていません。投薬を見送りましょう。
1日/1回、 規定量を水槽へ入れましょう。
水槽水が青く染まっている場合、薬が抜けていません。投薬を見送りましょう。
※もし、初日からの青く染まったままなら、50%程度換水をして薬を取り除きましょう。
1日/1回、 規定量を水槽へ入れましょう。
水槽水が青く染まっている場合、薬が抜けていません。投薬を見送りましょう。
そろそろ、治療の効果が出てきているはずです。
「体を震わせる」「体を底床、石などにこすりつける」などの行動をしなくなるはずです。
1日/1回、 規定量を水槽へ入れましょう。
水槽水が青く染まっている場合、薬が抜けていません。投薬を見送りましょう。
そろそろ、治療の効果が出てきているはずです。
「体を震わせる」「体を底床、石などにこすりつける」などの行動をしなくなるはずです。
もし、このような行動が無いようなら、もう1日投薬を続けて治療を終了しましょう。
1日/1回、 規定量を水槽へ入れましょう。
水槽水が青く染まっている場合、薬が抜けていません。投薬を見送りましょう。
そろそろ、治療の効果が出てきているはずです。
「体を震わせる」「体を底床、石などにこすりつける」などの行動をしなくなるはずです。
もし、このような行動が無いようなら、もう1日投薬を続けて治療を終了しましょう。
治っている場合は再発が無いか良く観察し、様子を見てください。
1日/1回、 規定量を水槽へ入れましょう。
水槽水が青く染まっている場合、薬が抜けていません。投薬を見送りましょう。
そろそろ、治療の効果が出てきているはずです。
「体を震わせる」「体を底床、石などにこすりつける」などの行動をしなくなるはずです。
もし、このような行動が無いようなら、もう1日投薬を続けて治療を終了しましょう。
治っている場合は再発が無いか良く観察し、様子を見てください。
ここまでで治っていない場合、重症化する可能性が高いです。すぐに「重症の治療法」へ移りましょう。
治っているなら、投薬を終了し治療を終えてください。
- コショウ状の点が現れるなど症状が悪くなる場合は「重症の治療法」へ移ってください。
- 薬浴中にお魚の調子が悪くなる場合は薬のダメージかもしれません。換水をし薬を抜いて様子をみましょう。
- 隔離する
- 消灯、遮光をして暗くする
- 薬浴する
- 塩水浴も同時に行う
重症化したコショウ病治療のポイントはこちらの4つ。
隔離水槽にてグリーンFリキッド、グリーンFゴールド顆粒、エルバージュエースによる薬浴がおすすめです。
ろ過バクテリア、水草にダメージのある薬なので、薬浴は必ず「隔離水槽」で行いましょう。
薬浴中は餌を無理に与える必要はありません。
食べないようなら、体力の回復を待ち「餌を食べる元気」が回復したら与えてください。
餌を消化するのも体力を使うので治療中は少なめに与えましょう。
それぞれの薬の詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。
グリーンFリキッド、グリーンFゴールド顆粒、エルバージュエースは基本的に使用法が変わらないので同様の方法でOKです。
隔離水槽をセッティングし、薬を入れましょう。
準備が整ったら病魚を移して治療スタートです。
お魚の様子を確認してください。
もし、何か異変がある場合は、50%程度換水をし薬を抜き様子をみましょう。
50~100%程度換水を行い、薬を抜きましょう。
コショウ状の点が消えているようなら薬浴は終了です。
点がまだあるようなら、再度薬を投入し薬浴を続けましょう。
※投薬量は換水した水量分です
お魚の様子を確認してください。
もし、再発があるようなら薬を追加して、再度薬浴を行ってください。
薬浴を続けている場合、お魚に何か異変があれば、換水して薬を抜きましょう。
治療の終わったお魚を飼育水槽へ戻して治療を終えてください。
再度薬を投入している場合は、50%程度換水を行い薬を抜きましょう。
もう3~7日程度様子を見て再発が無いようなら、お魚を飼育水槽へ戻し治療を終えてください。
ここまででコショウ状の点が治らないようなら、薬を「エルバージュエース」へ変えて再度薬浴をスタートしてください。
コショウ病には「塩水浴」が効きます。
初期症状なら隔離をして塩水浴だけでも治療できることもあります。
塩水浴にはお魚の調子を整える効果がありますので、隔離水槽にて薬浴をするなら一緒に塩水浴も行うと良いでしょう。
汽水魚がコショウ病になる場合、海水に生息しているウーディニウムの可能性が高いです。
海水タイプのコショウ病は淡水でダメージを与えられるため、1~2週間程度、淡水で飼育しなが薬浴を続けると効果的です。
お魚の病気の原因と予防法についてはこちらで詳しく解説しました。
正直なところ、100%予防できる方法はありませんが、気をつけることである程度防ぐことはできます。
興味のある方はぜひご覧ください。
ここからは白点病のメカニズムについて詳しく解説していきます。
治療法は上記まででOKなので「アクアリウム業界で働きたい方」や興味のある方は読んでみてくださいね。
トモント ⇒ シスト ⇒ セロント ⇒ トロフォン(寄生)⇒ トモント ⇒ 以下ループ
「トモント、シスト、セロント、トロフォン(寄生)」で一区切りの生活環を持つ生き物です。
25℃程度の水温だと「1サイクル3日間程度」ですよ。
つまり、寿命は3日程度ということです。セミより短いですね!
28℃~30℃にすると更に寿命が短くなります。そのため、ヒーターを入れて温度を上げることが推奨されるわけです。
ただし、生む幼生の数も増えるため、必ず薬浴などと併用してください。
薬が効く
水槽の底に沈み、シストを形成し始める
薬は効かない
繭のような状態。
分裂によって増殖する。
薬が効く
寄生するお魚を探して水中を漂っている状態。
肉眼では確認できない。
光合成をし成長する。
薬は効かない
お魚の体に寄生してい状態。
成長すると白い点になって肉眼でも確認できる。
体液を吸うので魚が弱る。
成熟すると体表を離れてシストになる。
- 体表から離れたトロントがシストを形成するまでの間
- セロント
この2回です。
つまりウーディニウムの一生のうち、薬が効くタイミングは「2回だけ」ということになります。
少ないように感じるかもしれませんが、短い寿命の中で2回タイミングが合えば良いので、しっかりと薬浴できていれば倒せます。
お魚の「上皮」に寄生します。
寄生している状態では、お魚の粘膜に守られているので薬が効きませんよ。
体表でモゾモゾと動くので、お魚が痒がります。
そのため「体を震わせる」「体を底床、石などにこすりつける」などの行動をするようになるのです。
エビがたくさんいる水槽ではコショウ病があまり発生しないことに気が付きました。
自宅の水槽では再現性が低いのですが、店舗のエビ販売水槽などエビの量が多いケースの場合、コショウ病がほとんど発生しません。
底床表面を1日中ツマツマしているエビがウーディニウムを食べているのでしょうか?
ウーディニウムは藻類としての一面もあるのでエビが好んで食べそうではあります。
上記のことから、ヤマトヌマエビやミナミヌマエビなどを藻類対策で入れている水槽はそうで無い水槽と比べ、コショウ病の予防効果が高い可能性があります。
僕はコショウ病になりやすいお魚はエビ水槽で在庫することが多いです!
今回は「淡水魚におけるコショウ病の治療法」を解説しました。
初期症状で発見し治療できればすぐに治るのですが発見することが難しい病気です。
隔離をしてグリーンFリキッドを使うと治療しやすいですのでぜひお試しください!
なるべく早く対応することが大切です!
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