どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
今回はフタの特注方法についてご紹介します。
と言っても「はざいやさん」に発注するだけなのでとっても簡単です。
「ミスト式での立ち上げ」「ジャンプする魚の飼育」「エビの脱走予防」「猫が水飲まないように」「水の蒸発を防ぐ」などフタが欲しい場面は意外と多いです。
市販品だと「変な隙間」が出来るので、あまり役目を果たしませんし、なによりキレイじゃないですよね。水槽サイズや配管など「それぞれの環境に最適化したフタ」があると何かと便利なので仕事、自宅の用と合わせてたくさん発注しています。
そこで今回は「ADA 60cm×30cm×36cm水槽」を例としてフタの発注方法を詳しく解説します。丁度良いフタをお探しの方はぜひ読んでみてください。
まずはフタの形を決めます。
まっさらな状態ではイメージ出来ないと思いますので、一度水槽をセッティングしてから穴の位置などを決めると良いと思います。
元気
デザイン例
① 一枚で全面を覆うタイプ
一枚で前面を覆うタイプは見た目がスッキリとします。
パッと一つの動作でフタが外せるので、メンテナンス性も良いです。
60cm以下なら一枚で作っちゃうのがオススメです。
②二分割タイプ
90cm以上の水槽なら複数に分割したほうがメンテナンスしやすいです。
120cmなら3枚、180cmなら4枚が目安です。
デザインは横長か縦長かどちらかお好みでお選びください。
完成図はこんな感じになります。
ここがフタ特注の一番難しいところです。
サイズを決める際は、カタログを見ながらよりも「実物を測った」方が確実です。メジャーを持って実際に測っちゃいましょう!
オールガラス水槽の場合、フタの設置に「フタ受け」が必要なので注意してください(ほとんどの水槽はフタ受けがセットで付いてきますが)
また、サイズを決める際にフタ受け部分を予め考えておく必要があります。ややっこしいのでフタ受けも手元でサイズを測った方が確実ですよ。
今回はADA純正のフタ受けを使用します。
穴開けの場所はこんな感じでサイズを指定します。
今回は縁から60mmのところに穴の中心がくるようにします。
- 長辺:581mm
- 短辺:281mm
- 切欠:60mm×60mm 1ヶ所
- 穴開:φ30mm 1ヶ所
- 厚み:3mm
サイズ詳細
長辺:581mm
短辺:281mm
ADA 60cm×30cm×36cm水槽はガラス厚が6mmです。
今回はフタ受けを使って水槽枠内に収める形になるので「内寸」でサイズを決める必要があります。
長辺の内寸:600mm-(6mm+6mm)=588mm ←コレが内寸
短辺の内寸:300mm-(6mm+6mm)=288mm ←コレが内寸
ここから「フタ受け」と「遊び」を考えて7mm削ってそれぞれ長辺、短辺のサイズとしました。水槽とフタの間には「3.5mm」隙間が出来る計算です。
切欠:60mm
フィルター配管、ヒーターコード、CO2配管、エアーレーション配管を通してちょっと余裕があるくらいです。ちなみにフィルターは外部式フィルター(エーハイム2213)を想定しています。
穴開:30mm
餌、液肥の添加用なのでこのくらいで十分でしょう。
厚み:3mm
機能上、これくらいの厚みがあれば大丈夫です。
3mmだと少し「たわむ」ので気になる方は4mm、5mmにしましょう。
私は「オールガラス製水槽用のフタ」を特注する際などに参考にしていますよ。興味のある方は見てみてください。ちなみに今回の短辺(281mm)は純正フタの寸法をそのまま流用しています。
参考 ADA純正フタの詳細ADA
はざいやさんならWEB上で簡単に見積もることが出来ます。
しかも何度でも出来ますので、デザインを変えて色々見積もってみてくださいね。それだけでちょっと楽しかったりします。
詳しい見積り方をまとめましたので御覧ください。
このサイズを頼むと今なら1,996円です(2019年2月8日現在)
そんなに高くないですよね!皆さんもぜひお試しください。
オススメの素材は「ポリカ」です。
ポリカとは「ポリカーボネート」の略です。
熱に強く、あまりたわまないのでフタの素材にピッタリです。
樹脂なので傷がつきやすいのが欠点ですが、ガラスと違って割れないので安全に使用出来ますよ!
長辺が60cm以下の場合は3mmで特注することが多いのですが、自重でちょっとたわみます。真っ直ぐなフタにしたいなら4mm、5mm厚にした方が良いです。その分、高価になりますが、、
90cm水槽以上のフタは大きいのでたわみが大きくなります。4mm以上の厚みで作ったほうが良いですよ。
面取りも発注すればやってくれますが、割高なので自分でやっちゃいましょう。面取りは「やすり」か「カンナ」でやると良いでしょう。
オススメは「カンナ」を使うことです。
簡単に素早く面取りが出来ます。
フタをするメリット・デメリットをまとめました。
「生体」「水の蒸発」を気にするならフタをする。
「美観」を重視するならフタをしないと言った感じです。
- 魚、エビの飛び出しを防ぐ
- 水の蒸発を防ぐ
- 美観が悪い
- メンテナンス性が悪い
- 熱がこもる
メリット解説
・魚、エビの飛び出しを防ぐ
フタを閉めれば、飛び出し事故をほとんど防ぐことが出来ます。ジャンプしやすい生き物を飼育する際はフタがあると便利です。
・水の蒸発を防ぐ
フタをするとほとんど水が蒸発しません。「足し水」のタスクが減ります。
デメリット解説
・美観が悪い
上部がフタで覆われてしまうため、水面が見えません。
また、水上に飛び出すようなデザインのレイアウトは基本的に作れません。
・メンテナンス性が悪い
フタを「開ける」動作が必要になるので、その分、手間が増えます。
なるべく手間が増えないよう、餌や液肥を入れる「穴開け加工」をすることである程度軽減できます。
・熱がこもる
これは冬場はヒーターの電気代を抑えられるのでメリットになりますが問題は夏場です。エアコン、水槽用クーラーを使用しない場合は「フタを外した」方が良いでしょう。
夏用のフタはこんな素材で特注すると良いです。
参考 パンチ板はざいや最近の流行りはフタをしないオープンなスタイルです。そのためフタのことは忘れられがちですが、フタが欲しくなる場面は意外と多いです。
私は水槽メンテナンスの仕事をしています。2週間/1回みたいな頻度でお客様の水槽をメンテしているので、冬場はフタをしていないと、10cm近く水位が減ってしまいます。なので仕事先の水槽は管理を優先してフタをしているところが多いです。
こちらは仕事先の60cm×45cm×45cm水槽です。
こんな感じでぴったり覆えばほとんど水位は減りませんよ!
ヤマトヌマエビも脱走しません。
フタをお探しの方は今回の記事を参考にサクッと作っちゃいましょう。
元気